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清水 勝宏; 滝塚 知典
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.183 - 189, 2004/03
小特集「周辺プラズマ研究の最近の進展」の中の第2章として、最近の研究を理解するのに必要な概念について解説する。まず、ダイバータの視点からトカマク実験の変遷を概説する。次に、スクレイプオフ層での粒子,熱輸送について説明し、上流とダイバータ板でのプラズマパラメータが簡単に評価できる「2点ダイバータモデル」について解説する。このモデルをITERに適用して、ダイバータ板への熱負荷を評価する。ダイバータ物理の重要な概念として、リサイクリング,遠隔放射冷却,非接触ダイバータプラズマ,MARFEについても説明する。
辻 俊二; 細金 延幸; 伊丹 潔; 久保 博孝; 西谷 健夫; 嶋田 道也; 小出 芳彦; 西野 信博*; 杉江 達夫; 永島 圭介; et al.
Nuclear Fusion, 32(8), p.1313 - 1330, 1992/00
被引用回数:7 パーセンタイル:32.62(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60のビーム加熱水素プラズマにおいて、加熱パワーと線平均電子密度が閾値を越えると、エネルギーと粒子閉じ込めの改善が観測された。ダイバータプラズマからの放射パワーは加熱パワーの50%に達した。この状態を改善ダイバータ閉じ込め(IDC)と名づけた。20%のエネルギー閉じ込めの改善とダイバータ部での遠隔放射冷却が実現した放電が、プラズマ中心部への不純物蓄積を起こすことなく準定常状態として数秒間持続した。IDCへの線平均電子密度の閾値は、加熱パワーに対して線形に増加し、安全係数に対して逆相関で減少した。閉じ込め改善はイオン磁場勾配ドリフトがX点向きの時のみ観測された。トロイダル磁場の反転で、軽元素不純物のふるまいと粒子循環の内外非対線性が変化した。これらの現象は、セパラトリクス付近での衝突的輸送がIDCの発生に関わっているとする理論モデルに矛盾しない。
嶋田 道也; 永見 正幸; 伊尾木 公裕*; 出海 滋*; 前野 勝樹; 横溝 英明; 新谷 吉郎*; 吉田 英俊; N.H.Brooks*; C.L.Hsieh*; et al.
JAERI-M 9862, 23 Pages, 1981/12
ダブレットIIIにおける遠隔放射冷却に関するダイバータ実験の総括を行い、INTORでの遠隔放射冷却の可能性を論じた。ダブレットでは主プラズマの密度を上げるにつれ、ダイバータ部の放射損失が増加し、最大でジュール加熱パワーの約50%にも達する。この結果、ダイバータプレートの熱負荷が約1/6に下り、ダイバータプラズマが低温(10eV以下)、かつ高密度(510
cm
以上)になる。この結果を将来の核融合炉に適用できれば、ダイバータ付トカマクの欠点であるダイバータプレートの熱負荷問題と腐食問題とが大幅に改善される。簡単なモデル計算により、INTOR炉でも遠隔放射冷却が可能であることを示した。