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報告書

ロシアの核エネルギー民生利用方法に関する分析研究

川崎 信史

JAEA-Review 2025-043, 74 Pages, 2025/10

JAEA-Review-2025-043.pdf:2.45MB

ロシアは、民生分野における核エネルギー利用において、世界の最先端を行く先進国であるが、その内情の把握は、種々の理由により難しいものとなっている。そこで、ロシアの核エネルギー利用、核燃料供給、燃料製造能力、再処理・燃料サイクルの考え方について、その意図と成果に関する歴史的な整理を行い、そこから得られる知見を抽出した。また、本知見から見えてくる戦略を、「開発・実証の戦略的多様性と連続性」及び「技術活用・展開方法の多様性」として整理し、日本にとっての示唆も含めて以下のように考察した。ロシアの核エネルギー政策は、多様な原子炉型式と燃料サイクル技術を戦略的に活用し、国内外での原子力発電の拡大を目指すものである。現在、軽水炉(VVERシリーズ)を中心に、原子力発電は国内の電力発電量の約20%を占めており、2045年までにこれを25%に引き上げる計画が進められている。ロシアでは、大型炉から中型・小型モジュール炉まで、さまざまなタイプの原子炉の建設が進められており、高速炉技術の開発や、使用済み燃料の再処理・リサイクルにも注力している。国際的には、VVER-1200などの原子炉を複数の国で建設中であり、高速炉分野では中国との協力も深まっている。特筆すべき点は、ロシアが原子炉の導入から燃料の供給、再処理、廃棄物管理、さらには放射性同位体(RI)の提供に至るまで、これらすべてを一体的、あるいは部分的に選択可能な技術サービスとして、国際的に提供している点である。単なる製品の輸出や技術の供与にとどまらず、相手国の状況やニーズに応じた柔軟な対応を通じて、持続的な関係の構築と信頼の醸成を図っている。このような国際展開を可能にするために、ロシア国内では将来的に海外での展開が見込まれる分野において先行的に技術開発を進め、対象となる技術やサービスを選定し、計画的に展開を図っている。このような「技術の多様性」と「戦略の一体性」を兼ね備えた柔軟な展開は、さまざまな地政学的背景を持つ国々との協力を可能にしており、日本にとっても、単に技術を輸出するのではなく、燃料サイクル全体を見据えた包括的な国際協力のあり方や、高速炉やRI供給などを組み合わせた多角的なアプローチとして参考になる。

報告書

微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾*

JAEA-Review 2021-048, 181 Pages, 2022/01

JAEA-Review-2021-048.pdf:14.5MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度と令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため2年度分の成果を取りまとめた。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。1Fの敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、メタゲノム解析(微生物の培養を介せず、そのDNAを直接解読することで、生息する微生物の情報を得ること)を実施した。その結果、現状で、1F敷地周辺で検出される放射線量であれば、その高低にかかわらず、同じような環境を比較した場合、細菌叢の構造に大きな変化がないことが示唆された。また、1F2号機のトーラス室に由来する環境DNAの解析を行い、トーラス室では、チオ硫酸塩酸化細菌が主たる構成細菌として同定されると共に、幾つかの細菌種がバイオフィルム(微生物の集合体)を作っている可能性を示唆した。共同研究を行ったロシアのカザン大学の研究者は、日本で得られた配列データを情報学的に解析すると共に、ロシアの放射線による環境汚染に関してまとめた。これらの知見を総括し、1Fの廃炉プロセスに有用となる提言をまとめた。

報告書

微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究(委託研究); 令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 慶應義塾大学*

JAEA-Review 2020-047, 63 Pages, 2021/01

JAEA-Review-2020-047.pdf:3.85MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、「微生物生態系による原子炉内物体の腐食・変質に関する評価研究」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究の目的は、福島第一原子力発電所の廃炉プロセスに有用となる微生物に関係した知見を得ることにある。このため、同発電所やその敷地内外に生息する微生物群集の実態を明らかにする。令和元年度は、敷地境界南(処理水タンク群の南)の表層土、発電所近くの海底土とその直上水、3km沖合の表層水等からサンプルを採取し、各環境DNAの取得に成功した。環境DNAの塩基配列を決定することで、主にバクテリアと微細藻類における生物群集を明らかにした。また、ロシアのカザン大学との共同研究を開始した。

論文

Superconducting magnet system in a fusion reactor

奥野 清; Shikov, A.*; 小泉 徳潔

Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.141 - 147, 2004/08

 被引用回数:20 パーセンタイル:75.16(Materials Science, Multidisciplinary)

磁場閉じ込め型核融合炉では、TFコイルが作り出す磁場が高いほど高性能のプラズマが効率的に得られる。このことから、核融合研究は、常に新たな優れた超伝導材料を工業ベースで大型コイルに適用する技術開発の先陣を司ってきた。国際熱核融合実験炉(ITER)では、高性能Nb$$_{3}$$Sn超伝導線材の工業的規模での生産を実証するとともに、実規模大のモデル・コイルを製作し、13Tの高磁場で動作する大型超伝導コイルの製作技術を確立した。また、Nb$$_{3}$$Snより高磁場特性が優れたNb$$_{3}$$Alについても、原研独自の方法で線材の大量生産技術を開発、13Tで動作するコイルを製作し、大型コイルへの適用性を実証した。一方、高温超伝導体については、線材の基礎的な特性評価を進めている。しかしながら、Nb$$_{3}$$Alや高温超伝導体を、核融合炉用としてこれらが本来有する優れた性能を発揮し、高磁場(Nb$$_{3}$$Alで約16T,高温超伝導で20T以上)で使用できるようになるには、大電流化や大型コイル製作のための製造技術,設計手法など、数多くの困難な技術的課題を克服しなければならない。これら核融合炉用超伝導コイル開発における日本とロシアの研究状況について述べる。

論文

Reactivity accident of nuclear submarine at Vladivostok

高野 誠; Romanova, V.*; 山澤 弘実; Sivintsev, Y.*; Compton, K.*; Novikov, V.*; Parker, F.*

Journal of Nuclear Science and Technology, 38(2), p.143 - 157, 2001/02

ソビエト連邦の崩壊と、それに伴う冷戦の終結と軍縮協定により、おびただしい数の核兵器が廃棄処分待ちの状態となっている。このため、核ミサイル搭載した原子力潜水艦も、かなりの数が廃棄処分される予定である。しかしながら、ロシアの原潜はこれまでに5回も反応度事故を起こしている。本報では、はじめに1985年8月10日に、ウラジオストックとナホトカのちょうど中間に位置するチャズマ湾で発生した原潜原子炉の反応度事故について記述し、原潜原子炉のデータや特性、燃料交換手段及び同様の反応度事故発生確率について議論した。次に、チャズマ湾事故及び退役原潜から使用済燃料を除去する際に、発生の可能性がある仮想的反応度事故に対し、日本や韓国における放射線リスクの評価を行った。解析には、日本原子力研究所で開発された放射性物質の大気移行解析を行えるWSPEEDIを使用し、典型的な冬季の気象条件を使用した。解析の結果、放射性物質は1日から数日で日本へ到達し、かなり広範囲の汚染となるが、公衆被曝の観点からはほとんど影響がないことがわかった。

報告書

北西太平洋とその周辺海洋の放射性廃棄物投棄海域における海洋放射能調査; 第2回日韓露共同海洋調査における原研の調査研究

外川 織彦; 北村 敏勝*; 水島 俊彦; 藪内 典明; 小林 卓也

JAERI-Research 98-062, 50 Pages, 1998/10

JAERI-Research-98-062.pdf:3.49MB

原研は、1995年8月15日から9月15日まで実施された第2回日韓露共同海洋調査に参加した。この調査の目的は、旧ソ連とロシアが北大西洋とその周辺海域へ投棄した放射性廃棄物、及び韓国と日本が過去に領海内へ試験的に投棄した放射性廃棄物による海洋の放射能汚染状況を調査することであった。原研が実施した船上簡易測定の結果、海水と海底土の試料中に検出された$$^{137}$$Csの濃度は、北西大西洋とその周辺海域で一般的に観測されるグローバル・フォールアウト起因のレベルと同程度であった。本報告書は、第2回日韓露共同海洋調査の概要、海洋調査における原研の調査研究、海洋放射能の測定結果を記述する。

論文

臨界安全性研究の現状; 第5回臨界安全性国際会議ICNC'95から

仁科 浩二郎*; 小林 岩夫*; 三好 慶典; 須崎 武則; 奥野 浩; 野村 靖; 三竹 晋*; 板垣 正文; 外池 幸太郎; 角谷 浩享*; et al.

日本原子力学会誌, 38(4), p.262 - 271, 1996/00

第5回臨界安全性国際会議ICNC'95が1995年9月に米国アルバカーキにて開催された。参加者は17ヶ国から計約300名、発表は約150件あった。今回の会議では、これまではよく知られていなかった旧ソ連の臨界実験施設、臨界安全研究のほか、臨界事故について初めて報告された。そのほか、燃焼度クレジット、動特性解析などで地道な研究の進歩が見られた。本稿では、このようなICNC'95での発表を通じて臨界安全性研究の現状を解説する。

論文

Importance determination method for geometry splitting with Russian roulette in Monte Carlo calculations of thick and complicated core shielding structure

村田 勲; 新藤 隆一; 塩沢 周策

Journal of Nuclear Science and Technology, 32(10), p.971 - 980, 1995/10

 被引用回数:3 パーセンタイル:36.02(Nuclear Science & Technology)

厚く複雑な体系をモンテカルロコードにより遮へい解析する場合、精度の高い解を得るためにはかなりの計算時間を必要とする。本研究では、インポータンスサンプリング法を用い、厚く複雑な体系の遮へい計算を実施する場合に重要となる、インポータンス分布を設定する方法を開発した。この方法では、2つの最適インポータンス曲線を用いることにより厚く複雑な体系のインポータンスを簡単に決定することができる。本手法は簡単なベンチマーク計算によりその妥当性を検証した。また、複雑な構造を持つ実体系の解析を実施することによりその応用性を確認した。

論文

ロシアに設立された国際科学技術センターについて

加藤 正平

保健物理, 30, p.345 - 347, 1995/00

旧ソ連の大量破壊兵器に関連する技術及び専門的知識の拡散を防止することを目的としてモスクワに設立された国際科学技術センターの活動内容の概略と、現在のロシアの研究環境について述べた。

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