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論文

Calculating off-axis efficiency of coaxial HPGe detectors by Monte Carlo simulation

Omer, M.; 静間 俊行*; 羽島 良一*; 小泉 光生

Radiation Physics and Chemistry, 198, p.110241_1 - 110241_7, 2022/09

In beam geometries where a directed $$gamma$$-ray beam hits the surface of a coaxial high purity germanium detector (HPGe), the detector efficiency is sensitive to the position where $$gamma$$-rays initially hit the detector surface because the structure of the detector is nonuniform. This may cause inaccuracy of the detector efficiency when measured using standard sources that are point-like sources emitting $$gamma$$-rays isotropically. Obtaining a precise estimation of the full energy peak efficiency of the coaxial HPGe detector in the beam geometry for on-axis and off-axis measurements requires a Monte Carlo simulation. We performed a Monte Carlo simulation that calculates the detector efficiency in the beam geometry. The effects of the off-axis distance and $$gamma$$-ray beam size on the efficiency are quantitatively analyzed. We found that the intrinsic efficiency in the beam geometry is maximized when the beam hits the detector at specific off-axis distances. Our Monte Carlo calculations have been supported by a nuclear resonance fluorescence experiment using laser Compton scattering $$gamma$$-ray beam.

報告書

DORTコード及びMCNPコードを用いた試験研究炉の放射能評価手法の検討

河内山 真美; 坂井 章浩

JAEA-Technology 2022-009, 56 Pages, 2022/06

JAEA-Technology-2022-009.pdf:4.15MB

試験研究炉の解体によって発生する低レベル廃棄物を埋設処分するためには、廃棄物に含まれる放射能インベントリを評価することが必要であり、各研究炉の所有者が共通の放射能評価手法を使用することが、埋設処分の事業許可申請に対応する上で効率的である。本報では、解体で発生する放射化廃棄物の埋設処分に共通的に利用できる放射能評価手法を検討することを目的として、立教大学研究用原子炉について中性子輸送計算及び放射化計算を実施した。中性子輸送計算はJENDL-4.0を基に作成した断面積ライブラリを使用し、Sn法のDORTコード及びモンテカルロ法のMCNPコードを用いて実施した。放射化計算は、JENDL/AD-2017と中性子輸送計算で求めたスペクトルを基に作成した3群断面積ライブラリを使用し、SCALE6.0に含まれるORIGEN-Sにより実施した。DORTコード及びMCNPコード並びにORIGEN-Sコードを用いた放射化計算の結果と放射化学分析による放射能濃度を比較したところ、概ね0.4倍$$sim$$3倍程度であることを確認した。測定値と計算値の差を適切に考慮することにより、DORT及びMCNP並びにORIGEN-Sによる放射化放射能の評価方法が埋設処分のための放射能評価に適用できることがわかった。また、解体で発生する廃棄物をその放射能レベルに応じてクリアランス又は埋設処分方法で区分するため、コンクリート領域及び黒鉛サーマルカラム領域の2次元放射能濃度分布の作成も行った。

報告書

原子力科学研究所における原子力施設管理の継続的改善活動(2021年)

施設管理最適化タスクフォース

JAEA-Technology 2022-006, 80 Pages, 2022/06

JAEA-Technology-2022-006.pdf:4.24MB

2020年4月1日の原子炉等規制法改正とその経過措置を経て2020年度から始められた新しい原子力規制検査制度(新検査制度)に的確に対応するとともに、その運用状況を施設管理の継続的改善に反映していくため、日本原子力研究開発機構原子力科学研究所に「施設管理最適化タスクフォース」を設置し、2020年11月から課題の整理及び改善策の検討を行った。2021年のタスクフォース活動では、新検査制度の基本方策の一つ「グレーデッドアプローチ」を考慮しつつ、「保全重要度分類とそれに基づく保全方式及び検査区分」並びに「施設管理目標(保安活動指標PI)の設定及び評価」について課題を整理した上で具体的な改善提案を取りまとめた。これら検討結果については、原子力科学研究所の所管施設(試験研究炉、核燃料使用施設、放射性廃棄物取扱施設)の施設管理に適宜反映し、その運用状況を踏まえ更なる改善事項があれば、翌年度以降の活動に反映していくこととする。

報告書

燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2022-010, 155 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-010.pdf:9.78MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「燃料デブリ取出し時における放射性核種飛散防止技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の燃料デブリ取出し時に発生する放射性微粒子を着実に閉じ込めるために、気相及び液相における微粒子の挙動を明らかにするとともに、微粒子飛散防止技術を開発することを目的としている。具体的には、微粒子飛散防止技術として、(1)スプレー水等を利用して最小限の水で微粒子飛散を抑制する方法、及び(2)燃料デブリを固化して取り出すことで微粒子飛散を抑制する方法について、実験及びシミュレーションにより評価し、実機適用可能性を評価した。

報告書

合金相を含む燃料デブリの安定性評価のための基盤研究(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2022-009, 73 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-009.pdf:2.08MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(以下、「福島第一原発」という)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「合金相を含む燃料デブリの安定性評価のための基盤研究」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、福島第一原発炉内にて、SUS配管や圧力容器等の構造材と溶融した燃料や被覆管成分が高温で反応して形成された合金相を含む燃料デブリに着目し、UO$$_{2}$$-SUS系やUO$$_{2}$$-Zr(ZrO$$_{2}$$)-SUS系の模擬デブリを高温熱処理により合成し、化学的特性や水中への溶出挙動を測定するとともに、模擬デブリの酸化物相および合金相の経年変化を分光学的に分析する研究・開発を行う。

報告書

放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 芝浦工業大学*

JAEA-Review 2022-008, 116 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-008.pdf:5.36MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「放射性核種の長期安定化を指向した使用済みゼオライト焼結固化技術の開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、継続して発生するCs等の放射性核種を吸着したゼオライト(使用済みIE-96)にガラスをバインダーとして添加し、それらを焼結することで核種を固定化する新たな焼結固化法の開発を目的とする。本研究では、コールド試験により焼結固化の最適条件および焼結固化体の基礎性能を評価し、ホット試験でそれらを実証する。令和2年度において、最適化された条件で作製した焼結固化体は、優れた化学的安定性を有することをコールド試験で明らかにした。また、ホット試験において焼結固化体は、優れた化学的安定性を有することを実証した。さらに、ホット試験において焼結固化作製におけるCsの揮発率はわずかであることを確認した。焼結固化法のプロセスフロー、機器装置、仕様等を示した。また、焼結固化法の各種データを他の固化法と比較して評価し、焼結固化法に優位性があることを確認した。

報告書

レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*

JAEA-Review 2022-007, 59 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-007.pdf:2.09MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー蛍光法を用いた燃料デブリ変質相の同定」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、デブリの主要構成元素であるウランに着目し、酸化的環境で安定な6価ウラン(U(VI))に選択的な時間分解型レーザー蛍光分光(TRLFS)法を用い、様々な条件下でデブリ表面に生成する変質相の同定を行うことを目的とする。特に、極低温での測定を行うことで、さらなる高感度・高分解能測定を実現すると共に、量子化学計算や多変量解析、機械学習を援用することで、多成分、不均質なデブリ変質相の同定に繋げる。令和2年度は、極低温TRLFS測定システムの構築として、令和元年度から継続して、極低温TRLFS測定システムの改良を実施した。また、模擬デブリ試料の変質試験により得られた試料を用いて、極低温TRLFS測定を実施した。模擬燃料デブリ変質試験と変質相の同定においては、令和元年度から継続して、模擬デブリ試料の変質試験を行い、得られた試料を極低温TRLFS測定に供した。測定結果と参照試料ライブラリを比較して、異なる条件で模擬デブリ表面に生成する変質相を多変量解析や機械学習を用いて同定した。

報告書

燃料デブリ取出しに伴い発生する廃棄物のフッ化技術を用いた分別方法の研究開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 日立GEニュークリア・エナジー*

JAEA-Review 2022-003, 126 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-003.pdf:8.01MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「燃料デブリ取出しに伴い発生する廃棄物のフッ化技術を用いた分別方法の研究開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。1Fの燃料デブリを取出す際に発生する廃棄物の合理的な分別に資するため、本研究では、廃棄物とフッ素を反応させて核燃料物質を選択的に分離する方法を開発する。模擬廃棄物とチェルノブイリ実デブリのフッ化挙動を実験により把握し、核燃料物質の分離可否を評価する。また、シミュレーションコードを作成し、フッ化プロセスを検討・構築する。上記を通じて、廃棄物を核燃料物質と核燃料物質が分離された廃棄物とに合理的に分別する方法を検討し、デブリ取出しで発生する廃棄物の管理容易化に資することを目的とする。令和2年度は、(1)フッ化試験(1.模擬廃棄物のフッ化試験、2.実デブリフッ化試験)、(2)フッ化反応解析、(3)模擬廃棄物調製試験、の業務項目を実施し所期の目標を達成した。

報告書

$$alpha$$/$$beta$$/$$gamma$$線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現; ナノバブルを用いた新規防食技術の開発(委託研究); 令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 東北大学*

JAEA-Review 2022-002, 85 Pages, 2022/06

JAEA-Review-2022-002.pdf:3.39MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「$$alpha$$/$$beta$$/$$gamma$$線ラジオリシス影響下における格納容器系統内広域防食の実現:ナノバブルを用いた新規防食技術の開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、デブリ取り出し工程において、既設のPCVならびに新設の負圧維持系設備・配管など重要な閉じ込め機能を担保する鋼構造物の長期信頼性を確保するため、$$alpha$$線放出核種/$$beta$$線放出核種と鋼材が接触共存する濡れ環境における腐食現象を初めて明らかにして腐食速度を予測する技術を構築するとともに、PCV等への基本的な適用性に優れ、かつ、副次影響の無い新規防食技術を開発する。具体的には、(1)$$alpha$$線/$$beta$$線/$$gamma$$線の影響を網羅したラジオリシス解析モデルの構築、(2)$$alpha$$線放出核種/$$beta$$線放出核種を用いた電気化学試験(ホット試験)と系統的な腐食予測・検証試験(コールド模擬試験)によるデータベースの構築、(3)それらに基づいてPCVに附設/挿入する新設設備の材料選定指針の提示、(4)不活性ガスナノバブルを用いた系統内広域防食技術の開発を目的とするものである。

報告書

S波スプリッティング解析を用いたスラブ起源流体の移行経路推定の試み

平塚 晋也; 浅森 浩一; 雑賀 敦

JAEA-Research 2022-002, 38 Pages, 2022/06

JAEA-Research-2022-002.pdf:4.49MB

日本列島の下に沈み込むスラブから脱水して上昇してくる深部流体は、高温かつ炭酸化学種に富むなどの特徴を有することから、その特徴や分布、地表への移行経路を把握することは高レベル放射性廃棄物の地層処分における調査・評価においても重要である。これらスラブ起源流体の移行経路としては、クラックが高密度に分布する領域が考えられ、こうした領域は周囲に比べてより強い地震波速度の異方性を示すと予想される。異方性媒質に入射したS波は、振動する方向によって異なる速度で伝播するS波偏向異方性を示すため、互いに直交する方向に振動し、異なる速度で伝播する2つの波に分裂するS波スプリッティング現象が生じる。本報告書では、まず、S波スプリッティング解析の原理について詳しく説明する。次に、和歌山県田辺市本宮町周辺を事例対象として、S波スプリッティング解析を行った結果を示す。最後に、先行研究による温泉水及び遊離ガス中に含まれるヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He)の分布や、本宮地域を横断する測線に沿って行われた二次元比抵抗構造解析の結果との比較に基づき、スラブ起源流体の移行経路の推定を試みた。検討の結果、温泉水及び遊離ガス中に含まれるヘリウム同位体比($$^{3}$$He/$$^{4}$$He)が高く、スラブ起源流体が上昇してきている可能性が高いとみなされる場合は、2つの波に分裂したS波の到達時間差(dt)も大きな値を示す傾向にあることが明らかとなった。また、二次元比抵抗構造解析の結果との比較によれば、高比抵抗領域においては、dtは小さい値を示す。それに対し、低比抵抗領域においては、dtは大きな値を示しており、本宮地域に対してスラブ起源流体は西側の深部から上昇してくるとする先行研究による解釈と調和的であることが分かった。

論文

Irradiation growth behavior and effect of hydrogen absorption of Zr-based cladding alloys for PWR

垣内 一雄; 天谷 政樹; 宇田川 豊

Annals of Nuclear Energy, 171, p.109004_1 - 109004_9, 2022/06

In order to understand the dimensional stability of the fuel rod during long-term use in commercial LWRs, an irradiation growth testing in the Halden reactor of Norway was conducted on various fuel cladding materials including the improved Zr alloy. In this paper, the effect of hydrogen, which was absorbed in the cladding tube due to corrosion, on the irradiation growth behavior was evaluated. Comparison between the specimens with or without pre-charged hydrogen revealed that the effect of hydrogen absorption, accelerating irradiation growth, became significant when the hydrogen content exceeded the hydrogen solubility limit in the corresponding irradiation temperature. Analysis based on this understanding derived growth acceleration effect (0.06$$pm$$0.01)%/100 ppm, whose denominator is defined as the amount of absorbed hydrogen involved in hydride precipitation under irradiation as a relevant parameter.

論文

衝突板式粉砕機の粉砕特性の解析

川口 浩一; 瀬川 智臣; 石井 克典

粉体工学会誌, 59(6), p.283 - 290, 2022/06

日本原子力研究開発機構では、高速炉用燃料製造プロセスにおける規格外ペレットを有効利用するため、これを粉砕して原料粉と混合して再利用する技術の開発を進めている。粉砕前後の粒子径分布を詳細に解析することにより、粉砕粉が粒子径分布の特徴の異なる3種類の成分粒子から構成されることを示した。また、供給粉粒子径分布から粉砕粉粒子径分布を予測する手法について検討した。

論文

Radiation imaging using an integrated radiation imaging system based on a compact Compton camera under Unit 1/2 exhaust stack of Fukushima Daiichi Nuclear Power Station

佐藤 優樹; 寺阪 祐太

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(6), p.677 - 687, 2022/06

The Fukushima Daiichi Nuclear Power Station (FDNPS) went into meltdown after being hit by a large tsunami caused by the Great East Japan Earthquake on March 11, 2011. Measuring and understanding the distribution of radioactive contamination inside the FDNPS is essential for decommissioning work, reducing exposure to workers, and ensuring decontamination. This paper reports the visualization tests of radioactive contamination in the Unit 1/2 exhaust stack of the FDNPS using a compact Compton camera. Fixed-point measurements were conducted using only a Compton camera and moving measurements using an integrated radiation imaging system (iRIS) that combines a Compton camera with a simultaneous localization and mapping device. For the moving measurements, an operator carrying the iRIS acquires data continuously while walking in a passage near the stack. With both types of measurements, high-intensity contamination was detected at the base of the stack, and detailed three-dimensional (3D) visualization of the contamination was obtained from the moving measurement. The fixed-point measurements estimated the source intensity of the contamination from the reconstructed contamination image acquired by the Compton camera. Furthermore, workers can experience the work environment before actual work by importing a 3D structure model into a virtual reality system displaying the contamination image.

論文

Single crystal growth and magnetic properties of noncentrosymmetric antiferromagnet Mn$$_3$$IrSi

大貫 惇睦*; 金子 良夫*; 青木 大*; 仲村 愛*; 松田 達磨*; 中島 美帆*; 芳賀 芳範; 竹内 徹也*

Journal of the Physical Society of Japan, 91(6), p.065002_1 - 065002_2, 2022/06

Single crystals of Mn$$_3$$IrSi were grown using Bridgman method. Mn$$_3$$IrSi shows a remarkable increase of the electrical resistivity below antiferromagnetic transition temperature accompanied by a large jump of specific heat.

論文

Predictive modeling of a simple field matrix diffusion experiment addressing radionuclide transport in fractured rock. Is it so straightforward?

Soler, J. M.*; Neretnieks, I.*; Moreno, L.*; Liu, L.*; Meng, S.*; Svensson, U.*; Iraola, A.*; Ebrahimi, K.*; Trinchero, P.*; Molinero, J.*; et al.

Nuclear Technology, 208(6), p.1059 - 1073, 2022/06

SKBタスクフォースは、亀裂性岩石中の地下水流動と物質移行のモデル化に関する国際フォーラムである。WPDE試験はフィンランドのオンカロ地下施設において実施された片麻岩中のマトリクス拡散試験である。複数の非収着性及び収着性のトレーサーを含む模擬地下水が試錐孔の試験区間に沿って注入された。タスク9Aは、WPDE試験で得られたトレーサー破過曲線に対する予測モデリングを行うことを目的とした。複数のチームが本タスクに参加し、異なるモデル化手法とコードを用いた予測解析を行った。この予測解析の重要な結論は、試錐孔の開口部における地下水流動に関連する分散パラメータにモデル化結果が大きく影響されることである。マトリクス拡散及び収着に関連する破過曲線のテール部に着目すると、異なるチーム間の解析結果の差異は相対的に小さい結果となった。

論文

Radioactive particles from a range of past nuclear events; Challenges posed by highly varied structure and composition

Johansen, M. P.*; Child, D. P.*; Collins, R.*; Cook, M.*; Davis, J.*; Hotchkis, M. A. C.*; Howard, D. L.*; Howell, N.*; 池田 篤史; Young, E.*

Science of the Total Environment, p.156755_1 - 156755_24, 2022/06

While they have appeared only recently in earth's history, radioactive particles from anthropogenic sources are widespread in global environments and present radiological harm potentials to living organisms. Here we compare a varied set of particles from past nuclear fission and non-fission sources in Australia of highly diverse magnitudes, release modes, and environments. Numerous radioactive particles persist in soils 60 + years after their release events. Particles can be distinguished by their Ca/Fe and Si/Fe elemental ratios, which in this study range over orders of magnitude and reflect the materials available during their individual formation events. The particles from nuclear testing have dominant $$^{239+240}$$Pu activity concentrations, relative to $$^{90}$$Sr and $$^{137}$$Cs, which increases long-term radiological hazard from alpha emissions if inhaled or ingested, and contrasts with particles from nuclear power accidents (e.g., Fukushima). Internal fracturing is more prevalent than previously reported, and fracturing is greater in Ca-rich vs. Si-dominated matrices.

報告書

地下水と溶存ガスを考慮した三次元二相流解析による掘削影響領域における飽和度分布

宮川 和也; 山本 肇*

JAEA-Research 2022-003, 40 Pages, 2022/05

JAEA-Research-2022-003.pdf:6.08MB

高レベル放射性廃棄物の地層処分場などの大規模地下施設の掘削により、坑道壁面近傍に割れ目を伴う掘削損傷領域が形成され、不飽和な割れ目を通して岩盤内に酸素が侵入し、核種移行の環境条件に影響を及ぼす可能性がある。新第三紀海成堆積層のように、CH$$_{4}$$などの溶存ガスを高濃度で含む地層に坑道が掘削される場合、酸素の侵入は脱ガスしたCH$$_{4}$$の坑道へ向かう流れにより抑制されるものの、不飽和領域における気相拡散を介して促進される可能性が考えられる。本研究では、地下水に多量の溶存CH$$_{4}$$が含まれる環境における地下施設の建設・操業に伴う不飽和領域の三次元分布を推定する手法を例示することを目的として、幌延深地層研究センターの地下施設の坑道掘削の実工程を反映した逐次掘削解析を行い、10年間の気液二相流解析を実施した。地下施設からの地下水とガスの湧出量の解析結果はそれぞれ、2017年1月の時点で約100$$sim$$300m$$^{3}$$ d$$^{-1}$$と250$$sim$$350m$$^{3}$$ d$$^{-1}$$であり、それぞれの観測値(100m$$^{3}$$ d$$^{-1}$$および300m$$^{3}$$ d$$^{-1}$$)と近い値が得られた。飽和度分布の解析結果は、250m調査坑道周辺において相対的に高く、350m調査坑道周辺において相対的に低くなっており、各調査坑道における観測結果と整合的であることが確認された。このことから、地下水の坑道壁面からの排水条件やグラウト影響の取扱方法に関する課題が残るものの、数値計算は概ね妥当であったと判断された。坑道掘削に伴う飽和度分布については、定量的な評価には及ばないものの、定性的な観点では概ね妥当な解析結果が得られた。

報告書

溶融鉛ビスマス共晶合金中における9Cr-1Mo鋼の腐食抑制のための適切な酸素濃度の検討

小松 篤史

JAEA-Research 2021-019, 24 Pages, 2022/05

JAEA-Research-2021-019.pdf:1.53MB

溶融鉛ビスマス共晶合金(LBE)中における材料の腐食速度を低減するには、酸素濃度を調整することが重要とされており、過去の報告を見ると約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%程度に酸素濃度を調整していることが多い。しかし、どの程度の濃度が最適と明言されているわけではなく、この濃度範囲内であっても激しく腐食したとの報告もある。本研究では9Cr-1Mo鋼を例にとり、酸化被膜中およびLBE中の拡散を考慮した腐食モデルを作成し、腐食モデルから推定される腐食抑制策について検討を行った。また、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食を低減しつつ、流れのあるループ環境における低温部での流路閉塞を防止するための最適酸素濃度の算出を試みた。その結果、LBE中における9Cr-1Mo鋼の腐食形態は、酸化被膜厚さと拡散層厚さの比や、LBE中の鉄濃度、温度等により変化し、その成膜挙動から、緻密被膜生成、沈殿被膜生成、被膜溶解の三つに分類した。腐食を抑制するには、緻密被膜生成条件を維持できるように酸素濃度を調整することが重要であり、そのためにはLBEに浸漬する前に10$$^{-7}$$m程度以上の予備酸化被膜をつける必要がある。従来報告でよく用いられる約10$$^{-7}$$$$sim$$10$$^{-5}$$wt%という酸素濃度は、酸化被膜がある程度成長した場合の最適酸素濃度であり、被膜が薄い場合は、より高い酸素濃度が必要になると推察された。

論文

Phase-field mobility for crystal growth rates in undercooled silicates, SiO$$_2$$ and GeO$$_2$$ liquids

河口 宗道; 宇埜 正美*

Journal of Crystal Growth, 585, p.126590_1 - 126590_7, 2022/05

過冷却ケイ酸塩,SiO$$_2$$,GeO$$_2$$融液中の11種類の酸化物または混合酸化物の結晶化におけるフェーズフィールド易動度$$L$$と結晶成長速度をフェーズフィールドモデル(PFM)を用いて計算し、$$L$$の物質依存性を議論した。実験の結晶成長速度と$$L=1$$のPFMシミュレーションから得られた結晶成長速度の比は、両対数プロットで結晶成長における固液界面プロセスの$$frac{TDelta T}{eta}$$のべき乗に比例した。また$$L=A(frac{k_{B}TDelta T}{6pi^{2}lambda^{3}eta T_{m} })^{B}$$のパラメータ$$A$$$$B$$$$A=6.7times 10^{-6}-2.6$$m$$^4$$J$$^{-1}$$s$$^{-1}$$,$$B=0.65-1.3$$であり、材料に固有の値であることが分かった。決定された$$L$$を用いたPFMシミュレーションにより、実験の結晶成長速度を定量的に再現することができた。$$A$$$$T_{m}$$における単位酸素モル質量あたりの陽イオンモル質量の平均の拡散係数と両対数グラフで比例関係にある。$$B$$は化合物中の酸素モル質量あたりの陽イオンのモル質量の総和$$frac{Sigma_{i}M_{i}}{M_{O}}$$に依存する。$$frac{Sigma_{i}M_{i}}{M_{O}}leq 25$$では、陽イオンのモル質量が大きくなるにつれて$$B$$は小さくなる。陽イオンのモル質量は陽イオンの移動の慣性抵抗に比例するため、$$B$$は陽イオンのモル質量の逆数で減少する。$$frac{Sigma_{i}M_{i}}{M_{O}}geq 25$$の重い陽イオンのケイ酸塩の結晶化では、$$B$$は約$$0.67$$で飽和し、$$T_{p}approx 0.9T_{m}$$となる。

論文

Simulation of the self-propagating hydrogen-air premixed flame in a closed-vessel by an open-source CFD code

Thwe, T. A.; 寺田 敦彦; 日野 竜太郎; 永石 隆二; 門脇 敏

Journal of Nuclear Science and Technology, 59(5), p.573 - 579, 2022/05

高レベル放射性合水廃棄物容器内発生している水素の燃焼及び爆発の危険性について注意する必要がある。本研究では、密閉容器内での水素燃焼の特性を調査するためにオープンソースコードOpenFOAMを使用してシミュレーションを行い、初期火炎速度の影響による火炎面の挙動を調べた。初期の層流火炎速度が増加すると、火炎の半径,圧力,温度が増加し、流体力学的効果によりセル状火炎形状は堅牢になったことが分かった。コードの検証分析のために既存の水素-空気爆発実験から導出した火炎速度モデルをコードに実装し、火炎面に格子解像度の影響を明らかにした。格子サイズが小さくなると、火炎面のセル分離がより明確に形成され、火炎半径が大きくなった。シミュレーションによって得られた火炎半径とセル状火炎面は実験結果と合理的に一致した。

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