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論文

Nuclear data sensitivity analysis of the effective multiplication factor for a two-region damaged reactor model

Nguyen, H. H.

Annals of Nuclear Energy, 239, p.112647_1 - 112647_11, 2026/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

本研究では、モデル温度、減速材中のホウ素濃度、損傷燃料集合体数の変化など、さまざまな条件下で、2領域損傷原子炉モデルのk$$_{eff}$$の核データ感度係数を調査した。解析は、JENDL-5核データライブラリを用いたSerpentコードを使用して実施した。基準ケースでは、直方体形状および円筒形状の燃料デブリの感度係数は、減速材対燃料体積比の増加に伴って増加する傾向がある。一方、球形および円錐形の燃料デブリの感度係数は、減速材対燃料体積比の変化による影響を受けない。一般に、モデル温度または減速材中のホウ素濃度の変化は、燃料デブリの形状および減速材対燃料体積比が感度係数に与える影響を変化させない。損傷燃料集合体数の影響に関しては、損傷燃料集合体数の増加は、感度係数の大きさの大幅な増加をもたらす。より詳細な調査の結果、$$^{1}$$Hの弾性散乱に関連する感度係数が、モデルに含まれるすべての核種の断面積の摂動によって生じる全体の感度係数に大きく寄与していることが明らかになった。さらに、中性子スペクトルの硬さが感度係数に影響を与える上で重要な役割を果たしていることも判明した。

論文

Unveiling the effects of Mn, Cr, Al, and Si on the low-temperature tempering behaviors of high-carbon martensite

Zhang, Y.*; 丸澤 賢人*; 工藤 航平*; 諸岡 聡; Gong, W.; Harjo, S.; 宮本 吾郎*; 古原 忠*

Journal of Materials Science & Technology, 275, p.250 - 259, 2026/12

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

This study examines how substitutional alloying elements (Mn, Cr, Al, and Si) influence low-temperature tempering reactions in high carbon martensitic steels. Through comprehensive experimental techniques including ${it in-situ}$ neutron diffraction et al., the work clarifies how alloying modifies tempering kinetics by affecting carbon diffusion and phase nucleation. Al and Cr strongly suppress martensite tetragonality reduction and carbon redistribution, while retained austenite decomposes in two stages that are selectively delayed by different alloying elements. Overall, the tempering sequence and kinetics are shown to be governed by alloying-dependent control of carbon mobility and phase transformations.

論文

Structural transformation of zinc in metakaolin-based potassium-geopolymer as revealed by X-ray absorption spectroscopy

Prihutami, P.*; 戸田 加奈子*; Chaerun, R. I.; 大矢 裕介*; 菊池 亮佑*; 大竹 翼*; 佐藤 努*; 齋藤 拓巳*

Applied Clay Science, 292, p.108330_1 - 108330_9, 2026/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

亜鉛(Zn)のジオポリマー中における固定化機構については、初期状態および変質後のいずれも報告例が限られており、固化廃棄物の長期安定性を予測する上で課題となっている。本研究では、X線吸収分光法(XAS)を用いて、メタカオリン系カリウムジオポリマー中のZnの局所構造と固定化機構を調べた。Zn含有ジオポリマーは、メタカオリン、塩化亜鉛(ZnCl$$_{2}$$)溶液、ケイ酸カリウム、および水酸化カリウムを混合して作製し、40$$^{circ}$$Cおよび25$$^{circ}$$Cで合計48時間養生した後、脱イオン水中で最大90日間の浸出試験に供した。Znの浸出率は0.14%にとどまり、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、および塩化物(Cl)の放出も限定的であった。固相分析により、浸出後も主要なジオポリマー骨格が保持されることが確認された。XAS解析の結果、初期状態のZnは酸素(O)に四面体配位し、SiまたはAl四面体と頂点共有していた。一方、浸出後には八面体配位へ変化し、八面体配位Alを含むブルーサイト様共沈相を形成した。これらの結果は、変質条件下でもZnが系内に保持される一方で、その局所構造が変化することを示している。

論文

Long-term simulation of $$^{137}$$Cs behavior in the ocean around Fukushima considering multiphase interaction processes

池之上 翼; 中西 貴宏; 川村 英之

Marine Pollution Bulletin, 232, p.120110_1 - 120110_9, 2026/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)

福島第一原子力発電所の事故は、$$^{137}$$Csを含む放射性核種の大規模な海洋環境への移行を引き起こした。海洋中の$$^{137}$$Csは4つの相(溶存相、懸濁相、海底堆積相、生物相)で存在し、これらの相間の相互作用がその長期挙動に大きな影響を与える。そこで本研究では、多相の挙動を考慮した海洋拡散モデルを開発し、事故後10年間の$$^{137}$$Csの長期挙動に対する相間相互作用の影響を評価した。モデルは、海況場、プランクトン、懸濁粒子、$$^{137}$$Csの挙動を十分に再現した。解析結果は既往研究と整合しており、事故後3ヶ月までは溶存相が、それ以降は海底堆積相がそれぞれ海洋における$$^{137}$$Csの挙動において中心的な役割を果たした。事故後10年以内に、沖合海域(水深が25mより深い海域)における全相中の濃度は事故前の水準に戻ったが、沿岸海域(水深が25mより浅い海域)では、海底堆積相が他の相への長期的な$$^{137}$$Csの供給源となったため、依然として高濃度を維持していた。これは、海底堆積物中に高濃度の$$^{137}$$Csが保持されていることに起因すると考えられる。この保持は、微細粒子の割合が高いこと(湾内地域)、河川からの流入(福島県北部)、事故初期における海底堆積物表層への高蓄積と激しい鉛直混合(福島県南部)によって引き起こされた。

論文

An Artificial neural network assisted approach for developing onset of significant void correlations in subcooled flow boiling

Nguyen, T.-B.; 廣瀬 意育; 佐藤 聡; 安部 諭; 柴本 泰照; 大川 富雄*

Nuclear Engineering and Design, 457, p.115036_1 - 115036_20, 2026/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

The onset of significant void (OSV) is a critical parameter in the thermal-hydraulic design and safety analysis of nuclear reactors. However, existing OSV prediction models suffer from a fundamental lack of consensus regarding the underlying trigger mechanism, with various mechanistic models relying on conflicting assumptions such as bubble detachment, thermal-hydrodynamic limits, or global bubble coalescence. This study develops a novel, simplified prediction model by leveraging artificial neural network (ANN) to resolve these uncertainties and identify the most influential physical drivers. Initially, an ANN framework was employed as a robust analytical tool to evaluate the complex interdependencies among various thermal-hydraulic parameters across an extensive experimental database. Through this systematic feature selection, the complexity of OSV prediction was distilled from numerous variables down to only two primary dimensionless parameters that capture the core physics of the phenomenon. The resulting model provides a direct prediction that transcends the limitations of conflicting theoretical assumptions while maintaining high physical consistency. Benchmarking results demonstrate that the proposed model achieves a substantial improvement over established classical correlation. Furthermore, the model exhibits exceptional geometric robustness, maintaining high predictive accuracy across round tubes, annular, and rectangular channels. By providing a highly accurate and physically grounded tool, this research offers a superior alternative for estimating axial void fraction profiles and enhancing safety margins in light water reactors.

報告書

大熊分析・研究センター 放射性物質分析・研究施設第1棟における1F廃棄物分析(2024年度活動報告)

大熊分析・研究センター

JAEA-Technology 2026-007, 82 Pages, 2026/09

JAEA-Technology-2026-007.pdf:8.05MB

2024年度に大熊分析・研究センター放射性物質分析・研究施設第1棟(第1棟)で実施した東京電力福島第一原子力発電所(1F)の廃棄物に対する分析の内容及び結果について報告する。2024年度は、瓦礫コンクリート、土壌、焼却灰、水処理二次廃棄物(炭酸塩スラリー及び鉄共沈スラリー)、瓦礫金属及び解体瓦礫を対象試料とし、放射性核種を分析した。核種分析方法は、国の補助事業を通して1F廃棄物分析のために新たに開発した手法を適用し、測定対象を、東京電力ホールディングス株式会社の分析計画における必須核種であるCo-60,Cs-137,Sr-90,Ni-63,Pu-238,Am-241,Cl-36,Tc-99,I-129,C-14の10核種とした。また、2024年度は第1棟の本格操業初年度となることから、その分析については、廃棄物の処理・処分の安全性の見通しを得る上での性状把握を目的とした分析値の取得という本質的な目的に加え、コンクリート、土壌、水処理二次廃棄物等様々な試料への分析手法の適用性を確認することも目的とした。このため、本報告では分析結果を得るのみならず、試料マトリクスの違いが分析に与える影響を評価すること、様々な試料への当該分析手法の適用性を評価することにも着目した。大熊分析・研究センターでは、これまでに1F廃棄物のための簡易・迅速な新しい分析手法を開発するとともに、その分析手法の1F廃棄物試料への適用性を確認することを目的として、最も主要なマトリクスであるコンクリート試料を用いた分析手法の妥当性確認を実施してきた。2024年度は、当該分析手法をコンクリートも含めた様々な試料へ適用し、各試料に対する分析手法の妥当性を確認することでその適用性を評価した。妥当性評価については、共存する放射性核種等の測定干渉の影響を受けることなく対象の測定ができ、目標とする検出下限値であるトレンチ処分の基準線量相当濃度が達成できることを確認した。その結果、すべての試料の種類において妥当性基準を満足し、コンクリート以外のマトリクスへの本分析手法の適用性を確認することができた。また、本件では、試料の違いが分析に与える影響を化学分離操作の回収率及びその標準偏差により評価した。その結果、ほとんどの試料の種類及び測定核種において、分析手法開発時に対象としたマトリクスであるコンクリート試料と同等の回収率及びその標準偏差が得られた一方で、土壌及び焼却灰のCl-36については、回収率の低下が確認された。これによる検出下限値等手法の妥当性への影響は測定時間を長くすることで対応できる程度であるが、今後より低い検出下限値への要求に十分対応できない可能性があり、分析手法の改善の必要性が課題として確認された。

報告書

動画像からの特徴量抽出結果に基づいた高速3次元炉内環境モデリング(委託研究): 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 札幌大学*

JAEA-Review 2026-020, 81 Pages, 2026/09

JAEA-Review-2026-020.pdf:6.0MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち、「動画像からの特徴量抽出結果に基づいた高速3次元炉内環境モデリング」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1Fの廃炉に向けて、原子炉格納容器および原子炉建屋内を調査する際に撮影した動画像を入力し、指定された時間、動画像から抽出された特徴量に応じて周辺情報を補強したうえで、情報量が大きい立体復元手法を選択し、作業空間を3次元モデリングする研究開発を行う。令和6年度は、シミュレーションから得られる1映像を入力として、指定された制限時間以内でより精度の高い写真測量に基づいた立体復元結果が得られる方法論を研究開発した。また、構造物のグループ化に基づく3次元モデリングアルゴリズムの開発を実施し、3次元モデリングの高速化を目的とした立体復元計算の時短化アルゴリズムの開発もあわせて行った。さらに、生成モデルを用いて動画像データに対する生成精度を定量的に評価し、時短に結びつけるためのハードウェアの構築とソフトウェアの開発を進めた。

報告書

遮蔽不要な耐放射線性ダイヤモンド中性子計測システムのプロトタイプ開発(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 北海道大学*

JAEA-Review 2026-017, 78 Pages, 2026/09

JAEA-Review-2026-017.pdf:5.67MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和5年度に採択された研究課題のうち「遮蔽不要な耐放射線性ダイヤモンド中性子計測システムのプロトタイプ開発」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、1F廃炉事業で強いニーズのある遮蔽不要な中性子計測システムのプロトタイプを開発する。本システムは、ダイヤモンド中性子検出素子と耐放射線性シリコン集積回路から構成され、将来的な用途としてデブリ調査用中性子検出器、臨界近接監視モニタ、圧力容器内ドライチューブ調査用中性子検出器等への適用が想定される。本開発では、5mm角相当のダイヤモンド検出素子100枚規模からなるプロトタイプを開発し、システム構築技術の獲得とシステム性能を評価する。あわせて未臨界度評価手法の開発を進める。令和6年度は、北海道大学では自立膜型ダイヤモンド検出素子の量産技術の確立が進んだ。産業技術総合研究所(AIST)ではCVD法による検出器用積層膜の成膜条件の探索が進んだ。高エネルギー加速器研究機構(KEK)では改良したASICの動作確認ができ、配線用印刷装置を使用して検出素子を信号処理回路基板に実装し、中性子の計測試験を行った。名古屋大学を中心に進めている臨界近接監視手法の開発は基本的検討が進み、近畿大学原子炉(UTR-KINKI)でのダイヤモンド中性子計測システムの評価試験を計画している。九州大学、原子力機構に関しても$$gamma$$線照射場、熱中性子等方場でのダイヤモンド中性子計測システムの評価が予定通り進んだ。

論文

Development of a particle-tracking model for explosive release and its coupling with the atmospheric dispersion model

入江 健太; 寺田 宏明; 川村 英之; 高野 公秀

Journal of Environmental Radioactivity, 299, p.108140_1 - 108140_20, 2026/09

 被引用回数:0

本研究では、爆発に伴う初期条件を大気拡散シミュレーションに明示的に導入するため、Explosive-release Particle Tracking Model(EPTM)を開発し、Worldwide version of System for Prediction of Environmental Emergency Dose Information(WSPEEDI)と結合した。開発したモデルは、爆発直後の粒子挙動を解像するとともに、その後の大気輸送計算に対して物理的に妥当な初期条件を与えることを目的としている。EPTMの有効性と影響を検証するため、理想化した気象場を用いた数値実験を実施した。その結果、爆発による初期運動の影響は爆発地点近傍における濃度および地表沈着に対して顕著である一方、輸送距離の増加とともに次第に小さくなることが示された。爆発直後には、爆発ケースにおいて放射性物質の急速な鉛直再分配が生じる。この鉛直再分配により、非爆発ケースと比較して、放出源近傍では地表付近の濃度および地表沈着量が増加した。その結果、爆発地点近傍における大気中濃度の極大値や地表沈着パターンは、EPTMによって表現される爆発駆動型の初期条件に強く支配されることが分かった。一方、風下域では、爆発ケースと非爆発ケースの間の大気中濃度および地表沈着の差は小さくなった。これは、水平移流および乱流拡散が濃度分布と沈着分布を支配することで、プルームの発達に伴い初期爆発の相対的な影響が低下するためである。さらに、爆発エネルギーが増加すると、爆発地点近傍における大気中濃度および地表沈着のコントラストは増幅される一方で、風下域の濃度および沈着分布への影響は限定的であることが示された。

論文

Chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under high temperatures and various water vapor concentrations

Mohamad, A. B.; 中島 邦久; 井元 純平*; 高野 公秀

Journal of Nuclear Materials, 631, p.156826_1 - 156826_12, 2026/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)

It is estimated that considerable amounts of Cs remain in the reactors at the Fukushima Daiichi nuclear power plant and may react with the reactor materials such as UO$$_{2}$$ fuel as reported by our previous paper. In order to understand the chemisorption behavior of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ fuel, chemisorption tests between CsOH vapor on UO$$_{2}$$ under different water vapor concentrations and temperatures were performed. As predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the poor water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$UO$$_{4}$$ occurred even at 1273 K. On the other hand, as predicted by the thermodynamic analysis, the experimental result indicated that, under the rich water vapor condition, chemisorption to form Cs$$_{2}$$U$$_{4}$$O$$_{12}$$ occurred at 1273 K and 1473 K. Therefore, this study demonstrates the crucial role of thermodynamics in predicting the conditions under which chemisorption occurs. In addition, it was suggested that the chemisorption rate of CsOH vapor on UO$$_{2}$$ pellet was considerably higher than that onto type 304 stainless steel.

論文

Diffusion and sorption of Cs in the mudstone matrix at the Horonobe URL; Comparative experimental and modeling analysis between in situ and laboratory conditions

武田 匡樹; 大野 宏和; 伊藤 剛志*; 四辻 健治*; 深津 勇太; 佐藤 智文*; 舘 幸男

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(9), p.1071 - 1085, 2026/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

Diffusion and sorption of radionuclides in potential host rocks are key processes controlling the safe geological disposal of radioactive waste. To set reliable parameters of diffusion and sorption relevant to safety assessment, it is necessary to understand these processes under laboratory and in situ conditions, and to confirm the consistency or the relationship of these parameters ($$D$$e and $$K$$d) between both conditions. This paper focused on comparative experiments and modeling of diffusion and sorption of Cs for both in situ and laboratory conditions in siliceous mudstone in 350 m Gallery at the Horonobe Underground Research Laboratory (URL) in northern Hokkaido, Japan. The $$D$$e values for Cs were consistent between in situ and laboratory results, indicating typical cation excess and porewater salinity effects. The effect of the diffusion direction, parallel or perpendicular to the bedding plane was not significant. The $$K$$d values for Cs were also consistent between in situ and laboratory results, indicating the porewater salinity effect. The clay-based modeling approach, which considers the major contributions of clay minerals through cation excess diffusion by electrostatic interaction at the clay surface, and the component additive cation exchange reactions, could interpret the diffusion and sorption behavior of Cs under different salinity conditions and for both in situ and laboratory conditions.

論文

Experimental analysis of non-condensable gas and steam distribution due to condensation in the CIGMA facility simulating the reactor building

Hamdani, A.; 相馬 秀; 安部 諭; 柴本 泰照

Nuclear Engineering and Technology, 58(9), p.104219_1 - 104219_9, 2026/09

 被引用回数:0

This study experimentally investigates non-condensable gas transport induced by steam condensation using the CIGMA facility, simulating reactor building conditions of Fukushima Daiichi Unit 3 during a severe accident. Steam and helium, used as a hydrogen surrogate, were continuously injected into the CIGMA's vessel equipped with partition plates representing the hierarchical structure of the reactor building. Parametric experiments were conducted by varying flow path ratio, steam-to-helium mass ratio, and cooling conditions. The results show that steam condensation is the dominant mechanism controlling non-condensable gas accumulation by increasing the relative concentration of helium. The highest helium concentrations generally occur below the injection point rather than at the injection elevation, indicating downward transport followed by condensation-driven accumulation. Shapiro ternary diagram analysis indicates that condensation-driven changes in gas composition lead to prolonged residence within flammability and detonation regions. These findings highlight the critical role of condensation in hydrogen distribution and provide experimental insight relevant to hydrogen risk assessment and mitigation in reactor buildings during severe accidents.

報告書

大熊分析・研究センター 放射性物質分析・研究施設第1棟 建設工事報告書

真道 隆治; 市村 隆人; 野澤 芳彦; 小森 剛史; 良知 玲生奈; 北原 勝美*; 中村 智樹*; 小池 彰弘*

JAEA-Technology 2026-005, 379 Pages, 2026/08

JAEA-Technology-2026-005.pdf:45.42MB

放射性物質分析・研究施設第1棟は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉作業で発生する放射線量が低・中線量の瓦礫類、伐採木、焼却灰、汚染水処理に伴う二次廃棄物等の性状を把握することにより、処理・処分方策とその安全性に関する技術的な見通し等を得るための分析、試験を行う。また、ALPS処理水の海洋放出に関し、東京電力HDから独立した第三者の立場で放出前のALPS処理水分析を行うことを目的に、1F特定原子力施設の一部として2017年(平成29年)1月から2022年(令和4年)6月にかけて日本原子力研究開発機構が整備を行った施設である。第1棟の建設工事は、建築工事、電気設備工事、機械設備工事により建屋の建設を行う「建屋工事」と、鉄セル、グローブボックス、フード等の分析設備の整備を行う「内装設備工事」に区分される。本報告書は、大熊建設室が担当した「建屋工事」に関する工事記録等をまとめたものである。建屋工事の各工種における品質管理、施工状況等の他、コンポジット調整、安全・施工品質管理に関する実施体制・手法、許認可(実施計画変更、建築確認申請、林地開発許可等)等、原子力施設の建設に係る施工管理について技術的観点からの経験・知見を網羅的に取りまとめた。また、1F敷地内・帰還困難区域における建設といった特殊環境下での建設における放射線管理等の特異な管理内容等についてもまとめた。今後、第1棟のような原子力施設整備において、本報告が施設整備の参考として、課題の抽出や合理的な施設計画に寄与することを期待する。

報告書

デブリ取り出しの安全性確保を目的とした中性子源等のイメージング手法の研究(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 京都大学*

JAEA-Review 2026-014, 61 Pages, 2026/08

JAEA-Review-2026-014.pdf:5.86MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「デブリ取り出しの安全性確保を目的とした中性子源等のイメージング手法の研究」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、廃炉を安全かつ迅速に行うため、燃料デブリ取り出し作業時に期せずして発生した中性子源の方向特定を目的に、小型軽量な全方位型中性子イメージャーを開発する。想定する使用環境は、作業員が立ち入る原子炉建屋内と原子炉格納容器周囲の超高線量環境下の二つである。前者は、これまでに開発した$$beta$$線・$$gamma$$線に対する全方位型検出器を中性子に応用し、中性子が飛来する方角を指示することで作業員の避難指示等に活用できる。令和6年度では、検出器を校正する検出素子の中性子/$$gamma$$線弁別性能、方向依存性などの諸特性をモンテカルロ計算および実験的に評価した。また、全方位型中性子検出器により得られた情報を360度カメラと組み合わせ、中性子の飛来方向を視覚的に取得できるようなシステムを構築した。後者は、超高線量環境下において、バックグラウンドとなる$$gamma$$線との極めて優れた弁別性能を有する検出器が必要となるため、減衰時間が非常に短い検出素子を選定した。前者の全方位中性子検出器の構造を参考に、中性子の飛来方向を特定可能な検出器構造を構築する。これら開発する検出器の特性評価を行うために研究用原子炉を使用するが、あらかじめ照射場の特性評価試験を実施した。

論文

Development of a 3D-printed two-stage virtual impactor for radioactive aerosol size classification and direct analysis

Laffolley, H.; 坪田 陽一; 黒江 彩萌; 加藤 友彰

ACS Omega (Internet), 11(30), p.45423 - 45438, 2026/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

放射性エアロゾルの粒径分級は、被ばく評価や廃炉作業において極めて重要である。本研究では、エアロゾルを3つの空気動力学径クラス(10$$mu$$m超、1$$sim$$10$$mu$$m、1$$mu$$m未満)に分離し、内蔵フィルター上での直接分析を可能にする3Dプリント製2段式バーチャルインパクター「$$mu$$SPLIT」の開発を報告する。本装置は低コストで製造でき、使用後は焼却廃棄が可能なため、洗浄時の被ばくリスクや金属廃棄物の発生を回避できる。流路は数値流体力学により最適化し、光造形法で作製した。シミュレーションではカットオフ径を9.0$$mu$$mおよび1.3$$mu$$mと予測し、シャープな分離が示されたが、フロー間のわずかな粒子混入の課題も確認された。プロトタイプの寸法測定では流路の収縮や角の丸みがみられ、製造時の補正の必要性が示された。線香の煙を用いた実験では、サブミクロン粒子が主に1$$mu$$m未満のクラスに捕集された。また、平均径1.70$$mu$$mのRn娘核種含有NaCl粒子を用いた試験では、中間フィルター(1$$sim$$10$$mu$$mクラス)で最大の$$alpha$$放射能が検出され、予想通りの分級結果が得られた。本成果は、粒径分級と放射性粒子の直接分析を同時に実現する、軽量かつ低コストなインパクターの概念を実証するものである。

論文

Effect of temperature on radiolytically generated hydrogen yield from actual nuclear fuel-derived solution

樋川 智洋; 宝徳 忍; 熊谷 友多; 阿部 侑馬*; 小山 幹一*; 深谷 洋行; 津幡 靖宏; 伴 康俊; 木田 孝; 長谷川 聡*; et al.

Journal of Nuclear Science and Technology, 63(8), p.969 - 975, 2026/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)

核燃料再処理における安全性評価のため、放射線分解によって生成される水素の温度依存性を調査した。放射線分解で生成される水素は可燃性であり、換気のない閉鎖空間で蓄積されると危険性が高まる。本研究では、実際の使用済み核燃料由来の溶液を用いて水素生成を評価した。従来のプルトニウム硝酸溶液を用いた研究と比較し、照射後の燃料組成を反映したより現実的な条件下での水素生成量を検討している。複数の温度における水素のG値を測定し、PHITSシミュレーションを用いて$$alpha$$線、$$beta$$線、$$gamma$$線の線量寄与を評価した。その結果、高濃度硝酸および溶解した金属イオンによるラジカル捕捉効果により水素生成量が減少し、温度依存性は小さいことが確認された。撹拌条件下では、温度上昇に伴うG値の緩やかな減少傾向が見られ、これはパラジウム種による水素消費と関連している可能性がある。

論文

Pix2Pixを用いたワイヤメッシュセンサ信号からの高解像度ボイド率分布推定技術の開発

上澤 伸一郎; 前島 崇宏*; 岡田 真*; 富田 洋文*; 楯 尚史*; 青木 邦知*; 平松 夏樹*; 小野 浩二*; 吉田 啓之

混相流シンポジウム2026講演論文集(インターネット), 2 Pages, 2026/08

詳細二相流解析を大型モックアップ試験の代替または補完として活用するためには、流動様式の再現性に加え、瞬時かつ局所的な気液界面情報に対する定量的な妥当性確認が重要である。しかし、妥当性確認に用いられてきたワイヤメッシュセンサ(WMS)では、ワイヤ交点間よりも高い解像度でボイド率を取得することができず、気液界面情報の把握に課題があった。この課題を解決するため、WMS計測、詳細二相流解析、静電場解析および生成AIを組み合わせることで、WMS信号から高精度・高解像度のボイド率分布を推定する技術の開発を進めている。本技術では、ロッドバンドル流路を対象として、分散気泡流からチャーン流までの条件に対して詳細二相流解析と静電場解析を実施し、気液界面情報とWMS信号強度の対応データセットを構築する。さらに、これらを学習データとしてPix2Pixに基づく画像生成モデルを作成し、実機WMS信号から高解像度のボイド率分布を推定する。本報では、本推定技術の開発状況と、実験で取得した3$$times$$3ロッドバンドル流路のWMS信号に本モデルを適用した結果について報告する。

論文

避難退域時検査効率化に向けた車両用ゲートモニタの新たな測定手法の開発

平岡 大和; 川崎 晃平*; 木村 仁宣; 齊藤 将大; 江嵜 巌*; 亀田 周二*; 外川 織彦

日本原子力学会和文論文誌(インターネット), 25(3), p.111 - 121, 2026/08

避難退域時検査における車両検査の効率化を図るため、可搬型ゲートモニタでタイヤ側面とワイパー部を同時検査する手法の開発を進めている。本研究では、タイヤとワイパー部のいずれが汚染しているかを判別する手法として、検出器を地面近くに水平・垂直に配置するL字型の測定構成を設計した。このL字測定法による判別手法をモンテカルロシミュレーションで評価した結果、点線源がタイヤ・ワイパー部のいずれにあるかにより、水平・垂直の検出器で得られる計数値の大小関係に差異が生じることが示された。この関係から汚染箇所を特定する判別手法を検討し、ゲートモニタ(千代田テクノル製「ガンマ・ポール」)による測定でL字測定法の有効性を検証した。その結果、タイヤ汚染を模擬した実験では30回全てでタイヤを正しく特定でき、ワイパー部汚染を模擬した実験では30回中29回でワイパー部を正しく特定できた。

論文

廃炉・環境回復課題における研究基盤の役割;高い不確実性を前提としたCLADS基礎・基盤研究とその戦略

眞田 幸尚; 須山 賢也; 飯島 和毅

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 68(8), p.529 - 533, 2026/08

福島第一原子力発電所(1F)の廃炉および環境回復は、作業対象や作業環境に関する情報取得が高線量等により制約される中で進められる、極めて不確実性の高い長期的事業である。このため、廃炉の各段階において求められるのは、不確実性を完全に解消することではなく、不確実性が残る状況を前提として、将来の工程選択肢を狭めないための技術基盤をあらかじめ整備しておくことである。CLADSでは、燃料デブリや放射性廃棄物の性状把握、分析・処理・保管・処分に関する基礎・基盤研究を通じて、多様な技術オプションを幅広く準備・維持することを研究戦略の中核としてきた。本稿では、廃炉全体工程に内在する判断点を俯瞰的に整理した上で、CLADS研究のうち、現状把握や戦略検討に直接関与する研究を判断・意思決定との関係から位置づけるとともに、その他の工程において将来の選択肢を確保するための研究の役割を整理する。これにより、CLADSの基礎・基盤研究を、高い不確実性を前提とした研究基盤として捉え直し、1F廃炉・1F周辺の環境回復における研究の意義と今後の展望を示す。

報告書

データ駆動型オンサイト診断技術: 長期的健全性を確保するための微生物腐食リスク予測(委託研究); 令和6年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業

廃炉環境国際共同研究センター; 海洋研究開発機構*

JAEA-Review 2026-013, 86 Pages, 2026/07

JAEA-Review-2026-013.pdf:5.3MB

日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度から英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所(1F)の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、さまざまな分野の知見や経験を従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和6年度に採択された研究課題のうち、「データ駆動型オンサイト診断技術:長期的健全性を確保するための微生物腐食リスク予測」の令和6年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、ハイスループットな解析手法の開発や現場環境を模擬した試験、事故炉環境を想定した試験を通して、データ駆動型の統計解析を駆使し、高精度に微生物腐食リスクを予測することが可能な革新的オンサイト診断技術のプロトコルを確立・提供することを目的としている。そのために、ハイスループット解析手法、現場環境を模擬した試験、事故炉環境を想定した試験を組み合わせ、データ駆動型の統計解析を導入した。福島県内から環境試料を採取し、微生物群集構造を解析するとともに、オンサイト遺伝子診断に必要な要素技術の開発を進めた。これらの試料を用いて、さまざまな培養条件下で鉄腐食能を評価し、1F施設環境を模擬した試験系の設計を行った。さらに、実際の鉄腐食を測定できるハイスループット試験系を検証し、腐食バイオマーカーデータベースの基盤を整備した。また、微生物群集構造データと過去のMIC活性データを統合し、統計解析手法の適用性と課題を明らかにした。加えて、福島県内で先導的に環境試料採取を行い、腐食試料中の微生物観察に有効な固定条件を特定した。以上により、環境微生物群集情報、腐食関連微生物の培養、統計解析の適用性に関する有益な知見を得た。本成果は、1F周辺を含む多様な環境に適用可能なバイオマーカーに基づくユビキタスMIC診断技術の基盤を提供するものである。

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