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寺阪 祐太; 佐藤 優樹; 古田 禄大*; 久保 信*; 一場 雄太*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1070(2), p.170021_1 - 170021_9, 2025/01
We have developed a method to directly detect Sr/Y under a high gamma ray background using a liquid light guide Cherenkov counter. Cherenkov radiation has the characteristic that the angle of radiation varies depending on the energy of the charged particles. Using this feature, we have developed a surface contamination detector capable of discriminating between 662 keV gamma rays from Cs and beta rays from Sr/Y through time-of-flight analysis of the Cherenkov radiation generated inside the liquid light guide. With this detector, we conducted a measurement test of Sr/Y inside the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 3 reactor building and achieved the first in-situ detection of Sr/Y under a high gamma-ray background.
廃炉環境国際共同研究センター; 信州大学*
JAEA-Review 2023-053, 87 Pages, 2024/05
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和2年度に採択された研究課題のうち、「革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓」の令和2年度から令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、東日本大震災で発生した放射性汚染水の処理問題改善に資するため、吸着性能に優れ再利用可能なストロンチウムイオン用吸着剤の開発を目指した。その結果、ストロンチウムイオンに対して優れた吸着性能を有する、再利用可能な吸着材料の開発に成功した。現行のストロンチウム用吸着材料は、極めて高価であると共に使い捨てであるため、使用済み吸着剤の廃棄量は既に膨大となっており、それら廃棄物の保管や処分方法が大きな問題となっている。そのため、今回開発した吸着材料を実装化することで、これらの問題を大きく緩和することが期待できる。また、吸着材料は一般に粉体として得られるため、バインダーを利用してカラム通水による除染に適した粒径に造粒化する必要がある。これに対し、今回開発した材料は、最初から適した粒状物として得られるところに大きな特徴があり、煩雑な造粒化工程を省くことで、製造コストの削減も期待できる。これらの結果は当初の開発目標に合致したものであり、廃炉加速化に貢献できると考えられる。これらの研究は、研究代表者の下で各研究項目間並びに廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)等との連携を密にして進めた。また、研究実施計画を推進するための打合せや会議等を開催した。
大内 和希; 原賀 智子; 廣瀬 和生*; 黒澤 結香*; 佐藤 義行; 渋川 雅美*; 齋藤 伸吾*
Analytica Chimica Acta, 1298, p.342399_1 - 342399_7, 2024/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Analytical)従来の高線量試料分析法では被ばくリスクが高く、大量の二次放射性廃棄物が発生することから、放射線放出量を低減できる迅速な分析法が強く望まれている。このニーズに取り組むため、我々は液体シンチレーションカウンティングと2点検出によるキャピラリー過渡的等速電気泳動(ctITP)を組み合わせたSr定量法を開発した。これは、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-テトラ酢酸(DOTA)-Sr錯体を1回の操作で分離・分画する方法である。高線量の放射性試料をマイクロリットルレベルで取り扱うことができ、従来のイオン交換法よりも大幅に高速であるこの方法により、実高線量廃棄物中のSrを選択的に定量した。ctITPにおける濃縮・分離の成功は、Sr-DOTA錯体が解離不活性であることに起因する。
寺阪 祐太; 瓜谷 章*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1049, p.168071_1 - 168071_7, 2023/04
被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Instruments & Instrumentation)A new application of a position-sensitive liquid light guide Cerenkov counter for the simultaneous position detection of Sr/Y and Cs radioactivity in a gamma-ray-dominant environment is proposed. -emitting Sr/Y and -emitting Cs radioactive point sources were measured using a position-sensitive liquid light guide based on the time-of-flight (TOF) method. We found a clear difference in the count rate ratio between the source position peak and reflection peak of the position histogram. Moreover, simultaneous measurements of the radioactive point sources were performed. The results suggest that the source position and activity of Sr/Y and Cs can be simultaneously determined based on the count rate ratio of the source position peak and the reflection peak.
廃炉環境国際共同研究センター; 信州大学*
JAEA-Review 2022-067, 98 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英国際共同研究により再利用可能なストロンチウムイオン用吸着剤を開発し、使用済み吸着剤の発生量の削減を目指すものである。令和3年度は、初年度の知見を踏まえて材料作製法の改良を行うとともに、種々の金属塩を添加剤として加え、収率や吸着性能への影響について検討を行った。得られた材料をSEM等で観察することで構造解析を行い、得られた構造解析結果と吸着性能結果とを併せて理論解析を行った。その結果、材料によっては添加剤を加えることで、吸着性能が向上する知見が得られた。また材料の再利用化条件を検討することで、再利用可能であることを見出した。これらの研究は、研究代表者の下で各研究項目間ならびにCLADS等との連携を密にして進めた。また、研究実施計画を推進するための打合せや会議等を開催した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-014, 106 Pages, 2022/08
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー共鳴イオン化を用いた同位体存在度の低いストロンチウム90の迅速分析技術開発」の平成30年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである(令和3年度まで契約延長)。本課題は令和3年度が最終年度となるため4年度分の成果を取りまとめた。本研究は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された主要な難測定核種の1つであるストロンチウム90を、半導体レーザーを用いた共鳴イオン化により元素かつ同位体選択的にイオン化する手法に着目し、特に海洋試料等のストロンチウム安定同位体濃度が高い実試料を対象としたストロンチウム90の迅速分析技術を開発する。
本多 真紀; Martschini, M.*; Marchhart, O.*; Priller, A.*; Steier, P.*; Golser, R.*; 佐藤 哲也; 塚田 和明; 坂口 綾*
Analytical Methods, 14(28), p.2732 - 2738, 2022/07
被引用回数:3 パーセンタイル:32.07(Chemistry, Analytical)環境放射線学の発展に資するために加速器質量分析装置(AMS)による高感度Sr分析法を開発した。AMSの利点は、Sr/Srの原子比が10の様々な環境試料を簡単な化学分離で分析できることである。本研究ではSr濃度が既知の3種類のIAEA試料(コケ土、動物の骨、シリアの土壌:各1g)を分析し、化学分離とAMS測定の妥当性を評価した。Srの測定は、優れた同重体分離性能を有するウィーン大学のイオンレーザーインターアクション質量分析装置(ILIAMS)と組み合わせたAMSシステムで実施した。SrのAMSにおけるZrの同重体干渉は、まず化学分離によって除去された。Sr樹脂と陰イオン交換樹脂を用いた2段階のカラムクロマトグラフィーにおけるZrの分離係数は10であった。試料中に残存するZrはILIAMSによって効率的に除去された。この簡単な化学分離で一般的な線検出よりも低い検出限界0.1mBqを達成した。Sr濃度に関して本研究のAMS測定値とIAEAの公称値が一致したことから、AMSによる新規の高感度Sr分析は土壌や骨の高マトリクス試料に対しても信頼できることを示した。
入澤 啓太; 並木 仁宏*; 谷口 拓海; Garcia-Lodeiro, I.*; 木下 肇*
Cement and Concrete Research, 156, p.106758_1 - 106758_8, 2022/06
被引用回数:8 パーセンタイル:56.17(Construction & Building Technology)多くのSrで汚染された放射性廃棄物のセメント化は挑戦的であり、ポリリン酸ナトリウムで修飾されたカルシウムアルミネートセメント(CAP)の活用が期待できる。本研究は、20Cの閉鎖系と90Cの開放系で作製したカルシウムアルミネートセメント(CAC)とCAP中のSrとClの固化と安定化に関して調査した。浸漬試験の結果、SrイオンはCACよりもCAPで非常に効果的に安定化できることを示した。一方、Clイオンの安定化は、20Cの閉鎖系のCACが最も効果的であった。CAC中に形成されるフリーデル氏塩がClイオンの固定に寄与していることが考えられる。CAPによるClイオンの安定化はCACよりも効果的ではなかったが、熱処理によって改善する傾向がみられた。これはCAP中のClイオンは結晶性の低いアパタイト構造中に組み込まれていることを示唆している可能性がある。
伊藤 孝
e-Journal of Surface Science and Nanotechnology (Internet), 20(3), p.128 - 134, 2022/05
A recent muon spin rotation (SR) study on a paramagnetic defect complex formed upon implantation of pseudo-proton into SrTiO is reviewed with a specific focus on the relation with experimental signatures of coexisting delocalized and localized electrons in hydrogen-irradiated metallic SrTiO films. The paramagnetic defect complex, composed of interstitial and Ti small polaron, is characterized by a small dissociation energy of about 30 meV. Density functional theory (DFT) calculations in the generalized gradient approximation (GGA) + scheme for a corresponding hydrogen defect complex reveal that a thermodynamic donor level associated with electron transfer from an H-Ti complex to the conduction band can form just below the conduction band minimum for realistic values. These findings suggest that the coexistence of delocalized and localized electrons can be realized in hydrogen-irradiated SrTiO in electron-rich conditions.
廃炉環境国際共同研究センター; 信州大学*
JAEA-Review 2021-051, 81 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和2年度に採択された「革新的水質浄化剤の開発による環境問題低減化技術の開拓」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、日英国際共同研究により再利用可能なストロンチウムイオン用吸着剤を開発し、使用済み吸着剤の発生量の削減を目指すものである。本研究の基本的な戦略は、信州大学チーム(信州大)で作製した吸着剤を分子科学研究所チーム(分子研)と英国チームで構造解析し、その結果を信州大で得られた吸着性能と合わせて東北大学チーム(東北大)がデータ科学的に理論解析し、吸着性能の改善に向けた作製指針を導き出す。その結果を信州大にフィードバックすることで、新たな吸着剤の作製につなげていくというものである。また、吸着剤由来の廃棄物処理法についても英国チームで検討することで、吸着剤の製造から廃棄までの一貫した研究が可能である。令和2年度の成果についてであるが、信州大は予備研究で見出された材料作製法を様々な条件で検討し、得られた材料の粒径分布や機械的強度などの物性への影響を調べた。また、塩化ストロンチウム単一溶液や人工海水に塩化ストロンチウムを溶解させた模擬汚染水中のストロンチウムイオンの吸着実験を行い、ICP装置により濃度を測定して分配係数を計算し、イオン選択性を評価した。得られた材料を分子研と英国チームに送り構造解析を依頼すると共に、吸着機能結果を東北大に送りデータ解析を依頼した。
堀田 拓摩; 山岸 功; 永石 隆二; 柏谷 龍之介*
JAEA-Technology 2021-012, 34 Pages, 2021/07
東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所における多核種除去設備(Advanced Liquid Processing System; 以下「ALPS」という。)および増設多核種除去設備(Improved ALPS)の前処理設備から発生する炭酸塩沈殿物を主とする廃棄物(以下「炭酸塩スラリー」という。)は高性能容器(High Integrity Container; 以下「HIC」という。)に格納されている。このHIC内において、水の放射線分解により発生した水素ガスの炭酸塩スラリー内での保持および、それに伴う容積増加が原因と推定される上澄み水のHIC外部への漏えい事象(溢水)が発生した。この溢水の発生が確認された当時に保管されていた大部分のHICにおいて、外部への溢水は観察されていない。このことはHIC内炭酸塩スラリー自体の性状や気泡の保持特性の理解が溢水発生条件を明らかにする上で重要であることを示唆している。そこで本研究では、溢水したHIC内炭酸塩スラリーの組成を模擬した炭酸塩スラリーを作製し、その炭酸塩スラリーの非放射性条件下での性状および気泡の保持特性を明らかにすることを目的とした。まず、溢水が発生した炭酸塩スラリーの組成を模擬するために、溢水した炭酸塩スラリーが調製された当時のALPS運転条件を調査し、炭酸塩スラリーの主要元素であるマグネシウムとカルシウムの比率を変えた5つの原水を調製した。これら原水から炭酸塩等を沈殿させ、実機ALPSと同じクロスフローフィルタ方式を用いて模擬炭酸塩スラリーを作製した。次に、作製した炭酸塩スラリーの化学分析を実施した。また、沈降試験を実施して沈降層の密度(以下「沈降密度」という。)、降伏応力を測定した。最後に、沈降層への気泡注入試験を実施し、炭酸塩スラリー内部での気泡保持/放出特性について検討した。模擬炭酸塩スラリーは原水組成のカルシウム含有率が高いほど沈降密度が高くなることが分かった。そして、沈降密度が高い模擬炭酸塩スラリーでは沈降層の降伏応力が高く、注入した気泡を保持しやすい傾向が観察された。これらのことから、溢水したHIC内炭酸塩スラリーを模擬するためには原水組成に関する情報が重要であり、また、スラリー内での気泡の保持状況には炭酸塩スラリーの密度が影響を及ぼすことを明らかにした。
永岡 美佳; 藤田 博喜; 相田 卓*; Guo, H.*; Smith, R. L. Jr.*
Applied Radiation and Isotopes, 168, p.109465_1 - 109465_6, 2021/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Inorganic & Nuclear)原子力施設周辺では、環境試料中の放射化学分析(環境モニタリング)が行われる。環境試料中の, 核種の前処理は、従来、酸を用いて有機物を分解し、Sr, U, Pu等の対象核種を抽出する方法で行われている。そこで、酸の代わりに超臨界水を用いた環境に優しい新しい前処理法を開発した。本研究では、茨城県の土壌(黒ボク土)を用いて水熱前処理を行い、放射性Sr及びUの前処理を行った。その結果、Sr及びUの回収率はそれぞれ70%及び40%であった。また得られた回収率は、水の密度との相関関係にあることが分かった。開発した方法により、放射化学分析の前処理法における環境負荷を低減することができる。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2020-024, 75 Pages, 2021/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEA に移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「レーザー共鳴イオン化を用いた同位体存在度の低いストロンチウム90の迅速分析技術開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された主要な難測定核種の一つであるストロンチウム90を、半導体レーザーを用いた共鳴イオン化により元素かつ同位体選択的にイオン化する手法に着目し、特に海洋試料等のストロンチウム安定同位体濃度が高い実試料を対象としたストロンチウム90の迅速分析技術を開発する。
廃炉国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2019-027, 70 Pages, 2020/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「レーザー共鳴イオン化を用いた同位体存在度の低いストロンチウム90の迅速分析技術開発」について取りまとめたものである。本研究は、東京電力福島第一原子力発電所の事故で環境中に放出された主要な難測定核種の一つであるストロンチウム90を、半導体レーザーを用いた共鳴イオン化により元素かつ同位体選択的にイオン化する手法に着目し、特に海洋試料等のストロンチウム安定同位体濃度が高い実試料を対象としたストロンチウム90の迅速分析技術を開発する。
Garcia-Lodeiro, I.*; Lebon, R.*; Machoney, D.*; Zhang, B.*; 入澤 啓太; 谷口 拓海; 並木 仁宏*; 大杉 武史; 目黒 義弘; 木下 肇*
Proceedings of 3rd International Symposium on Cement-based Materials for Nuclear Wastes (NUWCEM 2018) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2018/11
Processing of contaminated water from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (NPP) results in a large amount of radioactive aqueous wastes, with a significant amount of radioactive strontium (Sr) and inorganic salts (mainly chlorides). It is challenging to condition these wastes using the conventional cementation because of the significant contamination and associated risk of hydrogen gas generation. The present study investigates the applicability of calcium aluminate cement (CAC) modified with phosphates (CAP) for incorporation of simulated secondary aqueous wastes. The use of CAP system is interesting because it may allow the reduction of water content, and the risk of hydrogen gas generation, since the solidification of this systems does not solely rely on the hydration of clinker phases. CAC and CAP pastes were prepared intermixing with different secondary aqueous wastes (concentrated effluent, iron co-precipitation slurry and carbonate slurry) and cured at either 35C or 90C in open systems for 7 days. Overall, the incorporation of the simulated wastes did not significantly alter the development of CAP or CAC, maintaining the integrity of their microstructure. However, because of the high Cl content in the simulated wastes, CAC system showed formation of the Friedel's salt (CaAl(OH)Cl(HO)). On the other hand, formation of chlorapatite-type phase was detected in the CAP systems cured at 90C.
馬場 祐治; 下山 巖
Photon Factory Activity Report 2016, 2 Pages, 2017/00
土壌中におけるストロンチウム(Sr)の吸着状態を明らかにするため、層状酸化物(雲母)に吸着した非放射性Srの化学結合状態をX線光電子分光法(XPS)およびX線吸収端微細構造法(XANES)により調べた。放射性Sr-90の原子数は極めて少ないので、超微量のSrの測定を行うため、X線の全反射条件下でXPS, XANESを測定した。全反射XPSでは、1cm当たり300ベクレルのSr-90に相当する150ピコグラムまでのSrの測定が可能であった。XPSで測定したSr2p軌道のエネルギーは、吸着量の減少とともに低エネルギー側にシフトした。またXANESスペクトルにおけるSr2p Sr4d共鳴ピークのエネルギーも、吸着量の減少とともに低エネルギー側にシフトした。これらのエネルギーシフトを、点電荷モデルにより解析した結果、Srと雲母表面の化学結合は、極微量になるほどイオン結合性が強くなることを明らかにした。
眞田 幸尚
光学, 45(8), p.300 - 305, 2016/08
2011年3月に発生した福島第一原子力発電所事故後の影響調査、除染効果の確認及び放射性物質の漏洩・移動検知を目的として、迅速にかつ広域に放射線分布を測定する手法としてプラスチックシンチレーションファイバー(PSF)が用いられている。PSFは、検出部に入射した位置検出が可能であるため、簡単に測定対象の放射線分布を測定することが可能である。この一度の測定で多地点の測定結果を得られるという利点を生かし、除染前後の測定に用いられている。また、検出部は耐水性が高い特徴を生かし、農業用のため池底に蓄積した堆積物中の放射性濃度分布の測定に採用されている。ここでは、PSFの原理及び福島第一原子力発電所事故後の応用例について紹介する。
山岸 功
JAERI-Review 2001-027, 52 Pages, 2001/07
酸性高レベル廃液に含まれるSr及びCsの分離及び固定化に用いる無機イオン交換体を選定するため、既存の交換体及び処分形態に関する文献調査を行った。Csの分離固定化には結晶性シリコチタネイトが有望であるが、Srの選択的分離に適した交換体は開発されていない。交換体の処分形態としてはセラミック固化体が適しているが、その安定性は交換体組成、固化体品質及び処分シナリオに大きく依存する。得られた結果をもとに、新規交換体に要求される吸着性能及び構成物質について検討した。
須賀 新一*; 市川 龍資*
保健物理, 35(4), p.449 - 466, 2000/12
原子力安全委員会の指針「原子力発電所等周辺の防災対策について」における飲食物摂取制限に関する指標が、1998年に改定された。改定指標では、従来からの放射性ヨウ素に対する指標の見直しに加え、チェルノブイル事故後の環境汚染が問題になった放射性セシウムについて指標が設けられた。また、再処理施設等を考慮して、プルトニウム及び超ウラン元素の核種についても指標が設けられた。本報告では、改定指標の解釈とその算定根拠等について解説するとともに、飲食物の分類に対してとられた考え方、放射性セシウムに放射性ストロンチウムが伴うという取扱いなどについて説明した。
山岸 功; 山口 五十夫; 久保田 益充*
JAERI-Research 2000-038, 40 Pages, 2000/09
実高レベル廃液の群分離試験の際に発生した放射性廃液からの放射性核種除去技術を開発し、実際の廃液に適用した。高硝酸濃度廃液については、脱硝せずに直接中和処理することにより処理期間を短縮し、フェロシアン化物及びチタン酸によりCs及びSrを選択的に吸着できたので二次廃棄物発生量も低減した。これまで処理手段がなかった錯形成剤含有廃液についても、白金触媒共存下で錯形成剤(DTPA)を酸化分解することにより、錯形成核種を沈殿として除去できることを明らかにした。これらの技術で除去困難な核種はSb-125及びCo-60であったが、試作したTi基材の交換体を用いることにより、4000以上の除染係数でSbを除去することができた。