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江里 幸一郎; 大楽 正幸; 谷口 正樹; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 秋場 真人
JAERI-Tech 2003-084, 49 Pages, 2003/11
核融合炉内プラズマ対向機器用高性能冷却管開発の一環として、ねじりフィン付き同軸2重管(同軸スワール管)の限界熱流束(CHF)及び圧力損失の測定実験を行った。本冷却管は外管及び外壁にねじりフィン加工が施してある内管から構成される。冷却水はまず内管に供給され、端部のエンドプラグで外管と内管間の環状流路へ折り返し流れ、高熱流束を受ける外管を冷却する。この冷却構造により、プラズマ対向機器端部で問題となる冷却水折返用曲管を必要としない設計を可能とした。本冷却管では、高熱流束を除去するために環状流路にねじりフィンを導入し旋回流を発生させているが、このような流れの熱流動データはこれまで、ほとんど測定されていない。本実験の結果、本同軸スワール管のCHFは同外径寸法のスワール管と同等であることを確認できた。このとき、ITERダイバータ冷却に必要なCHF値(28MW/m)を得るのに必要な冷却水の最小軸流速は7.1m/secであった。また、原研が開発したスワール管の熱伝達相関式が同軸スワール管に適用可能であることを示した。端部の折返し部の圧力損失は、外管内径と同半径の半球状エンドプラグで最小となることが確認され、環状旋回流部の圧力損失及び管摩擦係数を評価した。
J.Boscary*; 荒木 政則; J.Schlosser*; 秋場 真人; F.Escorbiac*
Fusion Engineering and Design, 43(2), p.147 - 171, 1998/00
被引用回数:44 パーセンタイル:94.05(Nuclear Science & Technology)核融合炉用冷却管としてITER等でも検討されているスワール管、スクリュー管、ハイパーベーパトロンについて限界熱流束データをまとめるとともに、解析的評価を実施した。特に炉設計に利用できるように、炉内条件と同じ片面加熱条件、サブクール流れ条件下のデータを収集し、相関式を示した。
J.Boscary*; 荒木 政則; 秋場 真人
JAERI-Research 97-053, 50 Pages, 1997/08
本報告はこれまで原研において核融合実験炉を模擬した伝熱流動条件-片面加熱場、高熱流束、水冷-の下で実施された限界熱流束(CHF)実験の結果をまとめたものである。平滑管、外部フィン付スワール管、スクリュウ管及びハイパーベイパートロンが供試された。外部フィン付スワール管とスクリュウ管の性能ははとんど等しく、供試された冷却管の中で最も高い限界熱流束を示した。実験条件の範囲内では、冷却水の質量流量がCHFに大きな影響を与え、冷却水の圧力はCHFにほとんど影響を与えないことがわかった。平滑管と外部フィン付スワール管のCHFは、CHF相関式であるTong75式によって20%の精度で予測可能であることが明らかになった。
秋場 真人
Proceedings of Japan-U.S. Workshop on Fusion High Power Density Devices and Design, 2, p.86 - 96, 1997/00
水冷却方式の核融合炉用高熱負荷機器の開発状況について報告する。特にITER用ダイバータ板開発の現状を中心に述べる。ITERでは最大20MW/m,10秒の熱負荷が壁面に入ることが予想されている。スワール冷却管を開発して、ITER熱負荷条件に対して1.3倍以上の限界熱流束マージンを実現した。
荒木 政則; 佐藤 和義; 鈴木 哲; 秋場 真人
Fusion Technology, 29, p.519 - 528, 1996/07
核融合実験炉用ダイバータ等の高熱流束受熱機器は、片面から高い熱負荷を受けるものであり、安定に除去することが必要である。このため、冷却管内面にネジを切り伝熱促進効果を持たせたスクリュー管を開発した。本管は、スワール管やハイパーベーパートロン等の冷却構造に比べ製作性に優れた構造であることを特徴としており、その限界性能を明らかにするために、片面強加熱条件下における限界熱流束実験を行った。この結果、スクリュー管は平滑円管に比べ、一定の流束下で約1.5倍、また、一定のポンプ動力下で約1.7倍の入射限界熱流束を持つことが明らかとなった。この性能は、同時に実施したスワール管の限界性能に匹敵するものであり、製作性の観点から、ダイバータ等のプラズマ対向機器用冷却構造として有望である。
荒木 政則; 小川 益郎; 功刀 資彰; 佐藤 和義; 鈴木 哲
Int. J. Heat Mass Transfer, 39(14), p.3045 - 3055, 1996/00
被引用回数:72 パーセンタイル:94.13(Thermodynamics)ITER等の次期核融合実験炉において、プラズマ対向機器、特に、ダイバータ部は、その片面より準定常的な高い熱負荷を受け、これを除去する必要がある。ITERでは、この熱負荷は最大で20MW/mと見積もられており、冷却水の局所沸騰が予想される。したがって、本ダイバータを設計する上で、同冷却管の沸騰熱伝達特性を明確にする必要がある。このため、片面強加熱条件下における円管及びスワール管の熱伝達実験を行った。実験条件は、軸流束4~16m/s、圧力0.5、1.0及び1.5MPa、冷却水入口温度20~80Cの範囲で実施した。この結果、非沸騰域では既存の一様加熱条件下における熱伝達相関式が適用できることを示した。しかし、沸騰域では、適用できる相関式がないため、新たに沸騰熱伝達相関式を提案した。