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荒井 陽一; 渡部 創; 長谷川 健太; 岡村 信生; 渡部 雅之; 武田 啓佑*; 福元 博基*; 吾郷 友宏*; 羽倉 尚人*; 塚原 剛彦*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 542, p.206 - 213, 2023/09
被引用回数:1 パーセンタイル:41.04(Instruments & Instrumentation)Spent PUREX solvent, which mainly consists of tributyl phosphate (TBP) and normal dodecane, is generated by solvent extraction of Plutonium and Uranium in the spent nuclear fuel reprocessing. One of the treatment options for storage of the spent solvent is adsorption of the liquid into vermiculite. The organic liquid is considered to be trapped between layers of the vermiculite. Our previous experiments on the adsorption of spent solvent into the vermiculite have shown that some parts of loaded solvent gradually leaked out from the vermiculite. In order to investigate the adsorption mechanism and capacity, elution behavior of the loaded solvent into organic diluents were evaluated. A part of the loaded solvent was easily leaked into the diluent, while some solvent remained inside the particle even after the leaching test. In this study, the adsorption capacity of the vermiculite was evaluated through amount of remaining solvent after washing with diluents. The amount of the remaining solvent was analyzed by Particle Induced X-ray Emission (PIXE) on P contained in TBP. Peak intensity of P-K line depended on the washing condition, and the behavior of the amount of change in adsorbed P atom qualitatively agreed with the results of the leaching test.
宮川 晃尚*; 草野 祐香*; 長友 重紀*; 佐野 雄一; 中谷 清治*
Analytical Sciences, 38(7), p.955 - 961, 2022/07
被引用回数:1 パーセンタイル:8.60(Chemistry, Analytical)本研究では、蛍光顕微分光法を用いて硝酸溶液とリン酸トリブチル(TBP)溶液の界面におけるEu(III)抽出機構を明らかにした。HNOとTBPの濃度を変化させて抽出と逆抽出を行った際の蛍光強度変化の解析から、界面での物質移動速度定数を求め、反応機構を検討した。この結果は、1つの硝酸イオンが界面でEu(III)と反応し、TBP分子は界面反応に関与していないことを示しており、前回の研究でNaNO溶液を用いて得られた結果とは異なるものであった。このことから、水溶液中のEu(III)と硝酸イオンおよびTBPとの錯体の化学種が抽出機構に重要な役割を担っていることが示された。
佐野 雄一; 坂本 淳志; 宮崎 康典; 渡部 創; 森田 圭介; 江森 達也; 伴 康俊; 新井 剛*; 中谷 清治*; 松浦 治明*; et al.
Proceedings of International Conference on Nuclear Fuel Cycle; Sustainable Energy Beyond the Pandemic (GLOBAL 2022) (Internet), 4 Pages, 2022/07
TBPを利用した溶媒抽出法によるMA(III)+Ln(III)共回収フローシート及び低圧損操作が可能な大粒径多孔質シリカ担体を使用したHONTA含浸吸着材を用いた擬似移動層型クロマトグラフィによるMA(III)/Ln(III)分離フローシートを組み合わせたハイブリッド型のMA(III)回収プロセスを開発した。
日下 良二; 渡邉 雅之
Physical Chemistry Chemical Physics, 20(47), p.29588 - 29590, 2018/12
被引用回数:18 パーセンタイル:66.92(Chemistry, Physical)リン酸トリブチル(TBP)によるウラニルイオン(UO)の溶媒抽出のメカニズムを理解することは、使用済核燃料の処理技術および廃棄技術の発展の一助になると考えられる。これまでに水相中のウラニルイオンは、TBPが多く存在する有機相と水相の界面に吸着され、界面でTBPと錯体を形成し、有機相に抽出されると考えられてきた。本研究では、振動和周波数発生(VSFG)分光法を用いることによってウラニル-TBP錯体が界面で形成しないことを示し、硝酸ウラニル(UO(NO))が、界面を通過した後に有機相においてUO(NO)(TBP)を形成して抽出が完了することを示唆した。
天野 祐希; 渡邊 浩二; 真崎 智郎; 田代 信介; 阿部 仁
JAEA-Technology 2016-012, 21 Pages, 2016/06
再処理施設における有機溶媒の火災事故時の安全性評価に資するため、共除染工程に存在する放射性元素のなかで比較的揮発性が高い化学形をとる可能性があるRuの溶媒抽出挙動を調査した。Ruについて溶媒中のTBPやTBP劣化物の濃度等の有機溶媒の組成や抽出温度をパラメータとした抽出試験を行い、火災事故時の抽出特性データを取得した。また、火災事故時の各元素の放出特性を把握するため、Ru及び核分裂生成物の代替物質としてEuを抽出した溶媒の燃焼試験を行い、溶媒の燃焼に伴うRu及びEuの放出割合を取得した。
朝倉 俊英; 宝徳 忍; 伴 康俊; 松村 正和; 森田 泰治
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 6(3), p.271 - 274, 2005/12
PUREX技術に基づいたTcの抽出分離試験を、燃焼度44GWd/tの使用済ウラン燃料を用いて行った。試験結果を、シミュレーションコードESSCAR(Extraction System Simulation Code for Advanced Reprocessing)を用いて検討した。TBP抽出によって、Tcを溶解液からほぼ定量的に抽出し、高濃度硝酸スクラブによって抽出されたTcを定量的に回収できることを示した。さらに、Tcの抽出機構では、ZrとUとの共抽出効果が支配的な要因であることをESSCARコードによる計算結果から示した。
杉川 進; 梅田 幹; 小林 冬実; 長田 正信*; 土尻 滋; 天野 昌江*
Proceedings of International Conference on Nuclear Energy System for Future Generation and Global Sustainability (GLOBAL 2005) (CD-ROM), 4 Pages, 2005/10
銀電解酸化法による汚染された有機液体廃棄物の分解・無機化処理技術は、高温熱分解法などに比べて、低温及び常圧下で無機化が図れる安全性及び経済性に優れた方法である。このため、1996年からTBP-ドデカン溶媒での分解・無機化試験を行い、溶媒が完全にリン酸,二酸化炭素及び水に分解されることが確認されたが、電流効率が低いことが難点であった。このため、超音波による溶媒と銀2価イオン水溶液の強力な混合下で酸化分解を行い、電流効率の大幅な改善を図った。その結果、電流効率はTBP,ドデカン及びTBPの中間生成物の分解では、いずれも機械的攪拌に比べて2倍以上となった。これらの結果に基づいて、少量溶媒のための分解プロセスと多量溶媒のためのアルカリ過水分解とを組合せた分解プロセスを提案した。
鈴木 伸一; 矢板 毅; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 本橋 治彦*
Physica Scripta, T115, p.306 - 307, 2005/00
TBPを用いる核燃料再処理においてテクネチウムは非常に複雑な挙動を示す。特に、U(VI),Pu(IV)やZr(IV)が系内に共存するとテクネチウムは共抽出される。この共抽出のメカニズムとしては硝酸イオンと過テクネチウムイオンとの交換によるものであり、発表においては、U-Tc共抽出錯体の構造について同属であるRe(VII)やMn(VII)と比較しながら報告する。
伴 康俊; 朝倉 俊英; 森田 泰治
Radiochimica Acta, 92(12), p.883 - 887, 2004/12
被引用回数:10 パーセンタイル:55.22(Chemistry, Inorganic & Nuclear)-ドデカンで希釈した30%TBP溶媒中での-ブチルアルデヒドによるNp(VI)の還元反応を分光学的手法で解析した。Np(VI)の還元反応の-ブチルアルデヒド濃度及び硝酸濃度依存性から、反応速度式として-d[Np(VI)]/d=[-CHCHO][HNO][Np(VI)]が得られた。但し、=(1.00.2)10Mminであり、温度条件は2941Kである。また、反応の活性化エネルギーは765kJ/molである。Np(V)とNp(VI)との酸化還元平衡とその反応機構について議論を行った。
目黒 義弘; 富岡 修; 今井 智紀*; 藤本 成孝*; 中島 幹雄; 吉田 善行; 本多 忠*; 高野 文夫*; 北村 昶*; 和田 隆太郎*; et al.
Proceedings of International Waste Management Symposium 2004 (WM '04) (CD-ROM), 8 Pages, 2004/03
硝酸-TBP錯体を反応剤として含む超臨界二酸化炭素を用いる超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法を、放射性固体廃棄物からのウランの除去に適用した。海砂,焼却灰,アルミナ製多孔質ブロックを母材とする模擬試料及び、実焼却灰試料,実耐火レンガ試料を用いた。模擬試料及び実廃棄物試料からウランを高効率に除去することができた。実廃棄物からの除染効率の方が、模擬試料からのそれよりも小さかった。10gの実焼却灰試料及び37gの実耐火レンガ試料からそれぞれ1g及び37mgのウランを回収した。
長瀬 佳之*; 増田 薫*; 和田 隆太郎*; 山本 一良*; 富岡 修; 目黒 義弘; 福里 隆一*
Proceedings of 2nd International Symposium on Supercritical Fluid Technology for Energy and Environment Applications (Super Green 2003), p.254 - 257, 2004/00
超臨界二酸化炭素リーチング(SFL)法を用いた放射性廃棄物の除染法を開発している。これまでに以下のことを明らかにした。(1)ウランの分離にはTBP-HNO錯体が、アルカリ金属の分離にはクラウンエーテルが有効な抽出剤であること。(2)SFL操作条件の中で4080Cの温度範囲においては高温であるほど、1540MPaの圧力範囲では低圧であるほどウランの分離効率が高いこと。(3)抽出剤であるTBP-HNO錯体を含む超臨界二酸化炭素中においてステンレス鋼(SUS316)が腐食せず安定であること。
Zhang, P.*; 木村 貴海; 吉田 善行
Solvent Extraction and Ion Exchange, 22(6), p.933 - 945, 2004/00
被引用回数:14 パーセンタイル:46.76(Chemistry, Multidisciplinary)時間分解レーザー誘起蛍光分光法を用いて種々の条件下でのCyanex923-ドデカン/硝酸(または硝酸-硝酸ナトリウム)系におけるランタノイド(III)イオン(Ln=Sm, Eu, Tb, Dy)の内圏水和数(N)(第1配位圏内の水分子数)を決定した。さらに、octyl(phenyl)-N,N-diisobutylcarbamoylmethyl phosphine oxide(CMPO), dihexyl-N,N-diethylcarbamoylmethyl phosphonate(CMP), trioctyl phosphine oxide(TOPO)及びtributyl phosphate(TBP)で抽出されたLn(III)のNも決定した。CMP錯体中のSm(III)及びDy(III)を除き、Ln(III)錯体の第1配位圏内に水分子数は存在しなかった。
松本 史朗*; 内山 軍蔵; 小沢 正基*; 小林 康利*; 白土 克之*
Radiochemistry, 45(3), p.219 - 224, 2003/05
湿式再処理技術として商用再処理施設で採用されているPUREXシステムにおけるルテニウムとテクネチウムの化学挙動について概説する。特に、PUREXシステム溶液系におけるテクネチウムの原子価状態,酸化還元反応,TBP(リン酸トリブチル)分配挙動,工程内移行挙動などについて述べる。なお、本報告は日本原子力学会研究専門委員会「PUREXシステムにおけるルテニウムとテクネチウムの化学」の活動成果の一部をまとめたものである。
水牧 仁一朗*; 吉井 賢資; 北澤 英明*; 谷田 肇*
Journal of Solid State Chemistry, 171(1-2), p.291 - 294, 2003/02
被引用回数:5 パーセンタイル:17.36(Chemistry, Inorganic & Nuclear)希土類金属間化合物TbPdAlは六方晶構造または斜方晶構造を有する。前者の構造を有する場合、ネール温度43Kと22Kに2段反強磁性転移を示し、かつ、100K近傍において同一の空間群を保ちながら構造相転移を起こすことが知られている。本研究では放射光を用いた吸収分光測定により、本系の性質について調べた。TbのL吸収端のEXAFS測定からは、上記の100K転移近傍においてTb周囲の結合長さに変化が見られた。また、TbのL吸収端XANESスペクトルは温度変化を示さないのに対し、PdのK吸収端XANESスペクトルはわずかに温度変化を示した。これは100K相転移がPdの電子構造変化に起因することを示唆する。
目黒 義弘; 磯 修一; 扇柳 仁; 吉田 善行
Analytical Sciences (CD-ROM), 17(Suppl.), p.721 - 724, 2002/03
リン酸トリブチル(TBP)を添加した超臨界二酸化炭素(SF-CO)を抽出媒体として用い、-ジケトン(HA;2-テノイルトリフルオロアセトン,1,1,1,2,2,3,3-ヘプタフルオロ-7,7-ジメチル-4,6-オクタンジオン,1-フェニル-3-メチル-4-ベンゾイル-5-ピラゾロン)による硝酸水溶液からのU(VI),La(III),Lu(III)の抽出を調べた。TBPを加えない場合、金属-HA錯体のSF-CO中への溶解度が低いためこれら金属をSF-COに抽出できなかったが、TBPの添加によって溶解度が増大し、抽出が可能となった(モディファイヤー効果)。加えて、TBPの協同効果によって抽出効率が増し、酸性水溶液(~pH1.5)からU(VI)をSF-COへ抽出できた。超臨界流体抽出によるU(VI)とランタノイド(III)の分離条件を決定した。SF-CO抽出における抽出化学種はシクロヘキサンへの溶媒抽出におけるそれと同じであり、抽出定数は10~60倍程度小さかった。
目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行
Proceedings of International Solvent Extraction Conference 2002 (CD-ROM), p.1131 - 1136, 2002/00
10M-10M U(VI)を含む硝酸溶液と0.1-0.5M TBPを含む超臨界COを用いて60,15MPaにおける両相間のU(VI)の分配比を求めた。超臨界CO相中のフリーTBPの平衡濃度が減少するため、はU(VI)濃度の増加とともにわずかに減少したが、検討した濃度領域では抽出化学種はU(VI)濃度に依存しなかった。測定の結果から、UO(NO)(TBP)の超臨界CO中への溶解度が710M以上であること、本実験条件下では、抽出錯体の超臨界CO中への飽和溶解は、U(VI)の超臨界CO相中への分配を制限する因子とならないことを確認した。フロー抽出系においてU(VI)の抽出効率(E%)と時間(t)の関係曲線を求め、この曲線からフロー抽出におけるU(VI)の分配比を計算した。はとよく一致し、このことはフロー抽出系においてもU(VI)の二相間分配が平衡に達していることを示唆した。
富岡 修*; 目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Proceedings of International Solvent Extraction Conference 2002 (CD-ROM), p.1143 - 1147, 2002/00
ウラン酸化物で汚染した固体廃棄物からウランを除去するための新しい方法を開発した(超臨界COリーチング(SFL)法と称する)。本法は硝酸-TBP錯体を含む超臨界CO中へのウラン酸化物の溶解反応を原理とする。UO及びUOの粉末がともに60,20MPaの条件で超臨界CO中に完全に溶解することを明らかにした。固体廃棄物中のウランの除染法としてのSFL法の適用性を、模擬試料(海砂約50gとUOまたはUO約120mgの混合物)を用いて実証した。UO及びUOの除染係数としてそれぞれ100及び10000を得た。
Clifford, A. A.*; Zhu, S.*; Smart, N. G.*; Lin, Y.*; Wai, C. M.*; 吉田 善行; 目黒 義弘; 磯 修一
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.433 - 438, 2001/06
被引用回数:14 パーセンタイル:68.59(Nuclear Science & Technology)硝酸水溶液中のU(VI)をTBPを含む連続的に流れる超臨界CO中にフロー抽出する反応過程をモデル化した。ここでは、水相を微小球体の集合体とみなし、抽出を個々の水相球体からそのまわりを流れるCO相への物質の輸送モデルを用いて解析した。物質輸送を、二相界面でのU(VI)の分配平衡と水相中のU(VI)の拡散の和として解き、U(VI)の抽出量の時間変化を式化した。硝酸溶液(3~6M)からTBP(0.1~0.3M)を含む超臨界COへのU(VI)(10~10M)の抽出率と時間の関係をモデル解析した結果、上記条件におけるU(VI)のフロー抽出速度は、水相中のU(VI)の拡散が支配的であり、また、解析から求まるU(VI)の分配比は、平衡実験から求めたそれとよく一致した。
富岡 修*; 目黒 義弘; 磯 修一; 吉田 善行; 榎田 洋一*; 山本 一良*
Journal of Nuclear Science and Technology, 38(6), p.461 - 462, 2001/06
被引用回数:27 パーセンタイル:85.40(Nuclear Science & Technology)超臨界二酸化炭素(SF-CO)を媒体として用いて、ウラン酸化物を含む固体廃棄物からウランを選択的に溶解して回収する除染方法を開発した。模擬汚染試料として、約100~200mgのUOあるいはUOを均一に混合した砂(平均直径~1mm)約50gを用いた。試料をステンレス鋼製の容器(内容積約50ml)に採取し、これに、200気圧に加圧したSF-COと硝酸-リン酸トリブチル錯体溶液(HNO-TBP錯体,モル比: 4.8:3)との混合流体を50~60で圧入する(流速: 3ml/min CO,0.3ml/min HNO-TBP)。一定時間放置後、SF-COを流しながら洗浄し、ウランを含むCO流体を回収した。溶解処理した後に試料中に残存するウランは、1mg以下(UO)あるいは0.01mg(UO)であり、砂中のウランを100~10000分の1以下に除染できた。
高梨 光博; 駒 義和; 青嶋 厚
JNC TN8400 2001-022, 60 Pages, 2001/03
TRUEXプロセスの数値シミュレーションコードを開発した。このコードを用いて、高レベル放射性物質研究施設(CPF)で行われた向流抽出試験におけるアメリシウムとユウロピウムの濃度プロファイルを計算した。計算の結果は実験結果とほぼ一致した。また、プルトニウム燃料センターで行われたTRUEX法を用いたAm回収試験の条件について検討し、スクラブ液中の酸濃度の低下および溶媒・逆抽出液量の低下により、逆抽出効率の向上および試験廃液の低減が可能となる条件を示した。試験条件を設定できるようにするために、計算対象成分にジルコニウム、モリブデンおよび鉄を追加し、これらの金属およびアメリシウムやユウロピウムとシュウ酸との錯体の抽出挙動に対する影響を計算コードに加えた。シュウ酸錯体の影響を考慮することにより、アメリシウムやユウロピウムなどの濃度プロファイルにおいても、水相濃度の計算値が、錯体の影響を考慮していない場合に比べて上昇した。CPFで行われた試験に対して、シュウ酸添加量とアメリシウム回収率の関係を計算により調べたところ、過去の試験で用いられたシュウ酸濃度が、処理溶液および洗浄溶液からともに0.03mol/Lであったのに対して、これをそれぞれ0.045および0.06mol/Lとしてもアメリシウムの回収率を十分高い値(99.9%以上)に維持できることが明らかになった。したがって、添加できるシュウ酸濃度には余裕があり、ジルコニウムなどの除染性をさらに高められる可能性があった。加えて、ユウロピウムを回収するプロセスフローシートにおけるシュウ酸濃度条件の設定を計算によりおこなった。