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Valika, M.*; Haidamak, T.*; Cabala, A.*; Pospil, J.*; Bastien, G.*; Sechovsk, V.*; Prokleka, J.*; 柳澤 達也*; Opletal, P.; 酒井 宏典; et al.
Physical Review Materials (Internet), 8(9), p.094415_1 - 094415_9, 2024/09
Elastic responses at the metamagnetic transition in UTe are studied at high field. The elastic anomaly becomes the strongest at the critical-end-point. Similar behavior was also observed in another metamagnet UCoAl, suggesting a universal elastic response triggered by critical magnetic fluctuations.
田辺 鴻典*; 米田 政夫; 藤 暢輔; 北村 康則*; 三澤 毅*; 土屋 兼一*; 相楽 洋*
Scientific Reports (Internet), 14, p.18828_1 - 18828_10, 2024/08
The global challenge of on-site detection of highly enriched uranium (HEU), a substance with considerable potential for unauthorized use in nuclear security, is a critical concern. Traditional passive nondestructive assay (NDA) techniques, such as gamma-ray spectroscopy with high-purity germanium detectors, face significant challenges in detecting HEU when it is shielded by heavy metals. Addressing this critical security need, we introduce an on-site detection method for lead-shielded HEU employing a transportable NDA system that utilizes the Cf rotation method with a water Cherenkov neutron detector. This cost-effective NDA system is capable of detecting 4.17 g of U within a 12 min measurement period using a Cf source of 3.7 MBq. Integrating this system into border control measures can enhance the prevention of HEU proliferation significantly and offer robust deterrence against nuclear terrorism.
末次 祥大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 芳賀 芳範; 他12名*
Science Advances (Internet), 10(6), p.eadk3772_1 - eadk3772_6, 2024/02
The superconducting gap structure of UTe was determined by the thermal conductivity measurement on ultra-clean UTe single crystals. The result demonstrates the absence of nodes around the -axis, contrary to the previous study. The finding reveals that UTe is likely to be a long-sought three-dimensional strong topological superconductor.
堀井 雄太; 廣岡 瞬; 宇野 弘樹*; 小笠原 誠洋*; 田村 哲也*; 山田 忠久*; 古澤 尚也*; 村上 龍敏; 加藤 正人
Journal of Nuclear Materials, 588, p.154799_1 - 154799_20, 2024/01
被引用回数:1 パーセンタイル:63.33(Materials Science, Multidisciplinary)MOX燃料の照射により生成する主要なFPであるNdO及びSmO、模擬FPとして添加したMOXの熱伝導率を評価した。MOX中の模擬FPの均質性の観点から熱伝導率を評価するため、ボールミル法及び溶融法で作製した2種類の粉末を用いて、Nd及びSmの均質性が異なる試料を作製した。模擬FPが均質に固溶した試料では含有量が増加するにしたがってMOXの熱伝導率が低下するが、不均質な模擬FPは影響を及ぼさないことが分かった。熱伝導率に対するNd及びSmの影響を古典的フォノン輸送モデル=(A+BT)を用いてNd/Sm依存性を定量的に評価した結果、A(mK/W)=1.7010 + 0.93C + 1.20C, B(m/W)=2.3910と表された。
McGrady, J.; 熊谷 友多; 渡邉 雅之; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 紀室 辰伍; 石寺 孝充
Journal of Nuclear Science and Technology, 60(12), p.1586 - 1594, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)Raman spectroscopy was used to investigate the effect of bicarbonate solution on the hyperstoichiometric UO surface oxide of UO pellets. The hyperstoichiometry causes distortion of the UO lattice, leading to the formation of defect peaks which arise in the Raman spectrum due to a loss of symmetry. By deconvolution of the defect peaks, the extent of oxygen inclusion and defect formation in the surface oxide as a function of bicarbonate concentration was investigated. Immersion in solution caused a reduction in the amount of interstitial oxygen due to dissolution U(V) and U(VI) in the UO oxide surface. The defect concentration increased upon immersion due to the formation of an equilibrium between dissolution and reprecipitation. The bicarbonate concentration affected the defect content which was attributed to different forms of U in solution (hydrolysed UO and UO(CO)) leading to different rates of reduction and precipitation.
McGrady, J.; 熊谷 友多; 北辻 章浩; 桐島 陽*; 秋山 大輔*; 渡邉 雅之
RSC Advances (Internet), 13(40), p.28021 - 28029, 2023/09
使用済核燃料の埋設処分において、キャニスタが破損して核燃燃料が地下水と接触すると、水の放射線分解により発生した酸化性物質とUOが反応する。炭酸水素イオンが存在する地下水中での、HOによるUOの酸化溶解がこれまでに研究されてきた。埋設されたキャニスタ周辺の温度は、時間や配置場所により変化するが、これまでに酸化溶解の温度効果は明らかにされていない。種々の炭酸水素イオン濃度と温度条件下でのUO表面におけるHOの反応とU溶解を調べた。炭酸水素イオン濃度や温度によりUO表面でのHOの反応機構が変化し、これによりUOの溶解速度が変化することが分かった。これは、UO表面に生成される化学種の違いに起因することが示唆された。
岩本 敏広; 齋藤 まどか*; 高畠 容子; 渡部 創; 渡部 雅之; 成瀬 惇喜*; 塚原 剛彦*
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 4 Pages, 2023/05
モノアミド抽出剤と温度応答性ポリマーを用いたゲル化抽出技術のウラン廃棄物処理への適用性の検討を行った。異なる構造を有する3種類のモノアミド抽出剤を用いた模擬溶液の分離試験により、溶液中のCe(IV)をゲル化抽出法により選択的に回収されることが示された。これらの試験結果をもとに、ゲル化抽出法に適したモノアミド抽出剤を選定した。
大内 和希; 松村 大樹; 辻 卓也; 小林 徹; 音部 治幹; 北辻 章浩
RSC Advances (Internet), 13(24), p.16321 - 16326, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)電気化学水晶振動子マイクロバランス、インピーダンススペクトル及びX線吸収微細構造測定の結果から、ウラニルイオン(UO)の還元に伴う析出物の化学状態変化を明らかにした。UOの還元に伴い、(1)Uの不均化によりUが生成する。(2)UはU水酸化物として析出物を形成し、(3)最終的に水酸化物より大きな電気抵抗を持つU酸化物に変化する析出機構が提案される。
Opletal, P.; 酒井 宏典; 芳賀 芳範; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 神戸 振作; 徳永 陽
Journal of the Physical Society of Japan, 92(3), p.034704_1 - 034704_5, 2023/03
被引用回数:1 パーセンタイル:52.21(Physics, Multidisciplinary)UTeの単結晶の物理的性質を調べた。UTeが3つの非等価な結晶ウランサイトを持つ六方晶構造を持つことを確認した。常磁性モーメントは、すべてのサイトで一様なモーメントを仮定すると、ウランサイトあたり約1と推定される。強磁性相転移は=48Kで発生し、面内磁化は急激に増加するが、面外成分はあまり増加しない。磁場冷却条件下で温度がさらに以下に低下すると、面外成分はT=26K付近で急激に増加する。対照的に、T付近で面内成分はほとんど変化しない。比熱測定では、T付近に型の異常がないことが示されているため、これらの振る舞いは、秩序した磁気モーメントの再配向、もしくは複数のウランサイトの連続した逐次磁気転移を示唆している。
柳澤 宏司; 梅田 幹; 求 惟子; 村尾 裕之
JAEA-Technology 2022-030, 80 Pages, 2023/02
連続エネルギーモンテカルロコードMVPと評価済み核データライブラリJENDL-5によって、ウラン水素化ジルコニウム燃料棒を用いるTRIGA型原子炉体系の臨界ベンチマーク解析を行った。解析対象は、国際臨界安全ベンチマークプロジェクト(ICSBEP)のハンドブックに掲載されているIEU-COMP-THERM-003とIEU-COMP-THERM-013の二種類のデータであり、中性子実効増倍率、制御棒等の反応度価値について旧バーションのJENDLを使用した結果と比較した。その結果、JENDL-5による中性子実効増倍率はJENDL-4.0よりも0.4から0.6%大きく、制御棒等の反応度価値は、JENDL-5とJENDL-4.0との有意な差は無いことが分かった。これらの解析結果は今後予定しているNSRRの制御棒反応度価値等の解析において、計算精度の確認の参考になるものと考えられる。
坂井 章浩
第33回原子力施設デコミッショニング技術講座テキスト, p.31 - 63, 2023/02
日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物の埋設処分の実施主体として、ピット処分及びトレンチ処分の埋設事業の計画を進めている。本報告では、原子力機構が計画している埋設処分事業について、(1)研究施設等廃棄物の発生施設や放射能インベントリの特徴と想定しているピット処分及びトレンチ処分施設の構造、(2)埋設処分するための主な性状の廃棄物の受入基準の検討状況、(3)2021年に整備されたウラン廃棄物の埋設処分に係る基準の考え方の内容を紹介した。
渡部 雅; 加藤 正人
Frontiers in Nuclear Engineering (Internet), 1, p.1082324_1 - 1082324_9, 2023/01
UOの酸素ポテンシャル及び酸素拡散係数は燃料性能に大きな影響を与えるため、多くの実験データが取得されてきた。しかしながら、1673 K以上の高温領域における酸素ポテンシャル及び酸素拡散係数のデータは非常に少ない。本研究ではこれらのデータを取得し、欠陥化学によって解析することを目的とした。1673-1873 Kにおける定比組成近傍のUOの酸素ポテンシャル及び酸素化学拡散係数を気相平衡法によって測定した。測定した酸素ポテンシャルと文献値のデータを欠陥化学により解析し、UOの酸素ポテンシャルを温度及びO/U比の関数として定式化した。本研究で得られた酸素化学拡散係数は文献値との比較から妥当な値と判断された。酸素ポテンシャルの測定結果から酸素化学拡散係数は酸素分圧依存性を有することが推測されたが、実験データから明確な依存性は確認できなかった。
齋藤 龍郎; 山澤 弘実*; 望月 陽人
Journal of Environmental Radioactivity, 255, p.107035_1 - 107035_14, 2022/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)琵琶湖の溶存ウラン(DU)の季節変動を、以下のモデル・パラメータ研究により再現した。導入したモデルは、水-DUの物質収支と、湖岸土壌におけるUOとHのイオン交換である。最適化されたパラメータは4つであり、湖岸の陽イオン交換容量(CEC)、DUとAU(土壌吸着U)の和である全ウランTU、Uの急速な土壌吸着と脱着時の一次反応速度係数(kadsとkdes)であった。DUを構成する化学平衡を表し、各化学種の寄与を分析した結果、DUの季節変動はpHの季節変動に起因していることが示された。イオン交換平衡に、1日のAU比がkads以上に増加したとき、あるいはkdes以下に減少したときのみ1次速度反応に移行する補正を加えることにより、DU測定の再現性が向上し、DUピークがpHピークから遅れることが再現された。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2022-028, 54 Pages, 2022/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発」の令和元年度から令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和3年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究では、海水中におけるウラン支配種であるウラニルイオンが他の金属にはまず見られない平面5座配位を好むというユニークな錯体化学的特徴を示すことに基づいて海水ウラン吸着材の吸着部位となる配位子構造をデザインし、海水ウラン回収技術における既存課題の解決およびまったく新しい海水ウラン吸着材の開発を行う。その第1フェーズとして、本研究ではウラニルイオンに対して特異的配位能を有する平面5座開環キレート配位子の開発およびその基本性能評価を行うことを目的とし各種研究開発を行った。「平面5座配位子の開発と性能評価」、「UO-平面5座配位子錯体の合成および錯形成挙動の解明」、「UO-平面5座配位子錯体に対する計算化学的アプローチ」および「夾雑イオンに対するUO選択性の評価」について検討を行った結果、「pH8付近でUOと支配的に錯形成し、かつpH1付近でUOから解離する平面5座配位子の開発」、「平面5座配位子を有するUO錯体の分子構造および電子状態の解明」および「代表的夾雑イオンに対するUO分離係数10以上」という当初目標すべてを達成することに成功した。
Porcheron, E.*; Leblois, Y.*; Journeau, C.*; Delacroix, J.*; Molina, D.*; Suteau, C.*; Berlemont, R.*; Bouland, A.*; Lallot, Y.*; Roulet, D.*; et al.
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR2022) (Internet), 5 Pages, 2022/10
福島第一原子力発電所(1F)の事故炉廃止措置における重要な課題の一つが、燃料デブリの取り出しである。ONET Technologies, CEA, IRSNからなるフランスのコンソーシアムがJAEA/CLADSのために実施したURASOLプロジェクトは、燃料デブリ模擬物質の熱的・機械的加工による放射性エアロゾルの生成と特性に関する科学的基礎データの取得に取り組んでいる。VITAE施設で行われる加熱試験はレーザーによる熱的切断の代表的な条件を模擬している。機械的切断では、FUJISAN施設においてコアボーリング試験を実施した。燃料デブリ模擬物質は、非放射性試験と放射性試験のために開発されている。化学的特性評価と粒径情報の取得は、デブリ取り出しで発生する可能性のある放射性粒子の特性推定のために実施された。これらの情報は1Fにおける燃料デブリ取り出し作業において放射線防護上の対策を評価するうえで重要な情報である。
名内 泰志*; 能見 貴佳; 鈴木 梨沙; 小菅 義広*; 芝 知宙; 高田 映*; 冠城 雅晃; 奥村 啓介
Proceedings of International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research (FDR2022) (Internet), 4 Pages, 2022/10
As one of the identification techniques for materials in fuel debris, the neutron induced gamma ray spectroscopy (NIGS) is focused on since the gamma ray spectrum is intrinsic to isotopes. The energy of the target gamma ray in NIGS is often higher than that of most of fission products. To demonstrate feasibility of NIGS for the identification, we have measured and analyzed the HPGe response of isotopes for Cf-252 neutron irradiation for plutonium samples and several structural materials. As a result, we confirmed the possibility to identify light water, boron, concrete, sea water, structural material, signal lines and coils, fuel cladding, gadolinium, uranium, and plutonium contained in the retrieved materials from Fukushima Daiichi NPPs.
青木 大*; 酒井 宏典; Opletal, P.; 常盤 欣文; 石塚 淳*; 柳瀬 陽一*; 播磨 尚朝*; 仲村 愛*; Li, D.*; 本間 佳哉*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 91(8), p.083704_1 - 083704_5, 2022/08
被引用回数:25 パーセンタイル:96.93(Physics, Multidisciplinary)de Haas-van Alphen oscillation was successfully observed in an unconventional superconductor UTe using high-quality single crystals. From this observation, Fermi surfaces of this compound were determined to be cylinders elongated along the c-direction, in consistent with theoretical expectation. However, the extremely large cyclotron effective masses ranging 32 to 57 m, in consistent with the electronic specific heat, far exceed calculated values.
芳賀 芳範; Opletal, P.; 常盤 欣文; 山本 悦嗣; 徳永 陽; 神戸 振作; 酒井 宏典
Journal of Physics; Condensed Matter, 34(17), p.175601_1 - 175601_7, 2022/04
被引用回数:18 パーセンタイル:89.04(Physics, Condensed Matter)Single crystals of the unconventional superconductor UTe have been grown in various conditions. Superconducting samples are nearly stoichiometric within an experimental error of about 1%, while non-superconducting sample significantly deviates from the ideal composition. The superconducting UTe showed that the large density of states was partially gapped in the normal state, while the non-superconducting sample is characterized by the relatively large electronic specific heat as reported previously.
藤森 伸一; 竹田 幸治; 山上 浩志; Pospil, J.*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範
Physical Review B, 105(11), p.115128_1 - 115128_6, 2022/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)The electronic structure of , which is isostructural to the heavy fermion superconductor , was investigated by photoelectron spectroscopy. The band structure and Fermi surfaces of were obtained by angle-resolved photoelectron spectroscopy (ARPES), and the results were well-explained by the band-structure calculation based on the local density approximation. The comparison between the ARPES spectra and the band-structure calculation suggests that the Fermi surface of mainly consists of the and states with a minor contribution from the states. The comparison of the band structures between and argues that the states form Fermi surfaces in through hybridization with the state in the layer, suggesting that the Fermi surface of has a strong three-dimensional nature.
廃炉環境国際共同研究センター; 東京工業大学*
JAEA-Review 2021-041, 42 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和元年度に採択された「ウラニル錯体化学に基づくテーラーメイド型新規海水ウラン吸着材開発」の令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、海水中におけるウラン支配種であるウラニルイオンが他の金属にはまず見られない平面5座配位を好むというユニークな錯体化学的特徴を示すことに基づいて海水ウラン吸着材の吸着部位となる配位子構造をデザインし、海水ウラン回収技術における既存課題の解決およびまったく新しい海水ウラン吸着材の開発を行う。その第1フェーズとして、本研究ではウラニルイオンに対して特異的配位能を有する平面5座開環キレート配位子の開発およびその基本性能評価を行うことを目的とする。