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嶋田 道也; 宮澤 順一*
プラズマ・核融合学会誌, 92(2), p.119 - 124, 2016/02
能動対流型の液体金属ダイバータは、原型炉における熱負荷除去やディスラプション対策などの課題を解決する選択肢として有望である。この章では、研究の動機、これまでの経過、最近の動き、将来の展望、研究の課題について概説する。
正木 圭; 柳生 純一; 新井 貴; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 宮 直之; 安東 俊郎; 平塚 一; 西堂 雅博
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.386 - 395, 2002/09
被引用回数:9 パーセンタイル:50.93(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、大気解放後の第一壁コンディショニングとして、ベーキング,ヘリウムTDC,ヘリウムGDC,トカマク洗浄放電と順次実施し、到達真空度1010Paを達成している。また、酸素不純物を低減するために、デカボラン(BH)を用いたボロナイゼーションを実施しており、プラズマ中の酸素不純物量を0.5%程度まで低減することに成功している。真空容器内に設置されるタイバータタイルは、高熱負荷に晒されるため高い設置精度が要求される。特にテーパー加工はタイルの段差による端部への熱集中を避けるのに有効であり、タイルの損耗を大きく減らすことができた。また、ダイバ-タ領域における堆積量及び損耗量の内外非対称性(ポロイダル方向)からは、外側ダイバータから内側ダイバータへの不純物の輸送が示唆されている。1992年及び1993年には、CFCタイルの化学スパッタリングと酸素不純物の低減を目的として、BC転化CFCタイルを外側ダイバータに設置し、その効果を実証した。JT-60Uのトリチウム挙動を調べるために、第一壁中のトリチウム量及び排ガス中のトリチウム量を測定した。その結果、生成されたトリチウム量の約50%が第一壁に残留していることがわかった。
東島 智; JT-60チーム
プラズマ・核融合学会誌, 75(11), p.1297 - 1304, 1999/00
プラズマ中に不純物が混入すると、放射損失量増加に伴うプラズマ温度の低下をもたらすとともに、燃料である水素イオンを希釈する。また、水素リサイクリング量が多いと、プラズマ周りの中性粒子密度が増加し、閉じ込め性能が改善され難い。不純物発生量や水素リサイクリング量は相互作用する第一壁の状態に左右されるため、高性能プラズマを得るには、第一壁コンディショニングが不可欠である。JT-60Uにおいても不純物低減と水素リサイクリング制御を目的として、(1)ベーキング,(2)ヘリウムガスを用いたTDC,(3)ヘリウムガスを用いたGDC,(4)トカマク放電(Ohmic plasmas,NBI heated plasmas),(5)デカボランを用いたボロナイゼーション等の第一壁コンディショニング法を必要に応じて、組み合わせて実施している。本講演では、JT-60Uにおける第一壁コンディショニングの例として、(1)真空容器の大気開放後、安定なトカマクを得るまでに必要なコンディショニングと、(2)高閉じ込めプラズマを得るため、必要なコンディショニングを取り上げ、コンディショニングの目的、各手法と効果、今後の課題について述べる。
木村 豊秋; JT-60チーム
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), 1, p.724 - 729, 1996/00
JT-60Uでは実験炉ITERの設計に必要なデータベースを得るため、また、準定常状態で高性能の炉心規模プラズマを得るため、様々な物理・工学プログラムが実施されてきている。各装置・設備では、ボロン化処理による本体真空容器壁調整の効率向上、BCを表面コーティングした炭素繊維強化黒鉛タイルのダイバータ板への採用による不純物低減、VMEバスの高速制御システムによるプラズマ制御機能の向上、高速イオン挙動研究のためのイオンサイクロトロン共鳴周波数帯高周波パワーの増強等、種々の開発が進められた。また、現在負イオンNBI加熱装置の開発や閉ダイバータへの改造が進められている。本発表では、主に最近2年間のこうしたJT-60U各装置・機器の開発内容、並びにこれらによるシステム性能・運転効率向上に基づいた世界最高の核融合三重積の達成等JT-60Uの運転における進展について述べる。
東島 智*; 杉江 達夫; 久保 博孝; 辻 俊二; 嶋田 道也; 朝倉 伸幸; 細金 延幸; 河野 康則; 中村 博雄; 伊丹 潔; et al.
Journal of Nuclear Materials, 220-222, p.375 - 379, 1995/00
被引用回数:32 パーセンタイル:92.65(Materials Science, Multidisciplinary)不純物を減少させることは核融合炉実現には不可欠である。この観点からJT-60Uではデカボランを用いたボロナイゼーションを実施している。ボロナイゼーションを、導入することで、大気開放後直ちに不純物密度(特に酸素密度)を低下させることができた。しかし、他のコンディショニング法を用いて最終的に得られたプラズマの各不純物密度と比較すると、大幅に改善されたとは言い難い。一方粒子リサイクリングはボロナイゼーションにより明確に減少し、結果的にこれがプラズマの閉じ込め改善に寄与していると考えている。次回ボロナイゼーションを計画しており、本講演では不純物及び粒子リサイクリングに着目した解析を行い、今までのボロナイゼーションについてまとめる。
安東 俊郎; 高津 英幸; 中村 博雄; 山本 正弘; 児玉 幸三; 新井 貴; 神永 敦嗣; 笹島 唯之; 堀池 寛; 清水 正亜; et al.
核融合研究, 65(SPECIAL ISSUE), p.27 - 49, 1991/03
JT-60第一壁の材料挙動および運転経験をまとめた。到達真空圧力は、設計値1.310Paを満足し、高温壁放電洗浄によりコンディショニング効率を改善した。TiC/Moダイバータは、短パルス加熱(20MW-1s)では良好な不純物制御特性を示したが、ダイバータ板端部の溶融やMoのバーストが観測された。第一壁を黒鉛に取替え後は、長パルス加熱運転が可能となり、最大加熱入力30MW、最長加熱時間6sを達成し、運転領域の大幅な拡大をもたらしたが、TiC/Mo第一壁と同様に、ディスラプション時の入熱による損傷は避けられなかった。その後の下側ダイバータ運転では、それまでの運転経験を反映し、第一壁取付け精度の向上、熱集中軽減、C/C材の使用などによって、黒鉛タイルの破損をほぼ完全に防止することができ、1ショットあたりのプラズマ吸収加熱量が100MJの運転を行うことができた。
阿部 哲也; 小原 建治郎; 村上 義夫
Journal of Nuclear Materials, 91(1), p.223 - 226, 1980/00
被引用回数:8 パーセンタイル:86.40(Materials Science, Multidisciplinary)熱分解黒鉛および原子炉級黒鉛に原子状水素を照射して表面を安定化し、水素との反応により生成するメタンの量を低減させることを試みた。その結果、熱分解黒鉛および原子炉級黒鉛とも、温度500C以上,照射する水素原子数10cm以上の条件で処理することにより、メタン生成量を大幅に減少させることができた。
五明 由夫*; 田島 輝彦; 藤沢 登; 鈴木 紀男; 木島 滋
JAERI-M 6647, 16 Pages, 1976/07
JFT-2トカマクの放電洗浄過程で、放電特性、壁状態、放電により雰囲気に放出されるガス成分の変化を観察することにより、放電洗浄の効果が統一的に理解された。壁表面の組成は放電洗浄を続けるにしたがって一定の状態を保つようになり、その状態で、Zeff=4.5の安定で再現性のよいプラズマが得られた。放電洗浄中壁位置でプラズマにさらしたサンプルには、ベロー山位置で約300、谷位置で40のリミター材(Mo)壁材(SUS系)、炭素、酸素で構成される堆積層が観測された。壁状態の沈定機構についても考察する。