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論文

Molecular dynamic simulations evaluating the effect of the stacking fault energy on defect formations in face-centered cubic metals subjected to high-energy particle irradiation

寺山 怜志*; 岩瀬 祐樹*; 早川 頌*; 沖田 泰良*; 板倉 充洋; 鈴木 克幸*

Computational Materials Science, 195, p.110479_1 - 110479_12, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

Austenitic stainless steels, which are used as incore structural materials in light water reactors, are characterized by an extremely low stacking fault energy (SFE) among face-centered cubic (FCC) metals. To evaluate the effects of SFE on defect formation under high-energy particle irradiation, molecular dynamics simulations were performed using the interatomic potential sets for FCC metals with different SFEs and a primary knock-on atom energy (E$$_{rm PKA}$$) of 100 keV at 600 K. The results show that the number of residual defects is independent of the SFE. However, the characteristics of self-interstitial atom (SIA) clusters do depend on the SFE. For clusters smaller than a certain size, the ratio of glissile SIA clusters decreases as the SFE increases, which is similar to the trend observed at the low E$$_{rm PKA}$$. However, for larger clusters, which can be detected only at a high E$$_{rm PKA}$$, the ratio of glissile clusters increases. These results correspond to static energy calculations, in which the difference in the formation energy between a Frank loop and perfect loop ($$Delta$$E$$_{rm F-P}$$) for the small clusters decreases as the SFE increases. In contrast, for the larger clusters, the SFE dependence of $$Delta$$E$$_{rm F-P}$$ changes due to the shape restrictions of stable perfect loops. At a high temperature of 600 K, large vacancy clusters with stacking faults can be detected at E$$_{rm PKA}$$ = 100 keV, resulting in the enhanced formation of these clusters at lower SFEs. Furthermore, several of these clusters were similar to perfect loops, with the edges split into two partial dislocations with stacking faults, although the largest clusters detected at low E$$_{rm PKA}$$s were similar to stacking fault tetrahedrons.

論文

Self-learning hybrid Monte Carlo method for isothermal-isobaric ensemble; Application to liquid silica

小林 恵太; 永井 佑紀; 板倉 充洋; 志賀 基之

Journal of Chemical Physics, 155(3), p.034106_1 - 034106_9, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)

自己学習ハイブリッドモンテカルロ法は機械学習力場を利用することにより、第一原理計算の高速化を可能にする手法である。今回、自己学習ハイブリッドモンテカルロ法をNPTアンサンブルに適用し、液体シリカの解析を行った。本論文では自己学習ハイブリッドモンテカルロ法を用いることにより、厳密に第一原理計算の精度を保ちながら、高速に液体シリカの配置空間のサンプリングが可能であることを示した。また、液体シリカの構造因子の計算を行い実験データとの比較を行ったところ、両者はよい一致を見せた。

論文

Investigation of Cu diffusivity in Fe by a combination of atom probe experiments and kinetic Monte Carlo simulation

Zhao, C.*; 鈴土 知明; 外山 健*; 西谷 滋人*; 井上 耕治*; 永井 康介*

Materials Transactions, 62(7), p.929 - 934, 2021/07

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

Fe中のCuの拡散係数をこれまで測定されていなかった低い温度領域で測定することに成功した。拡散係数を測定する一般的な方法である拡散カップルは高温でしか適用できないため、本研究ではアトムプローブとCu析出の反応速度論を用いた。推定された拡散係数は、以前の研究で得られたものよりも信頼性が高いことが分かった。よって、アトムプローブによる推定がより高い精度をもたらしたと考えられる。さらに、この方法によって推定された拡散係数は、温度の低下に伴い多少オーバーエスティメイトされる傾向があることが、キネティックモンテカルロシミュレーションで明らかになった。

論文

Inclination of self-interstitial dumbbells in molybdenum and tungsten; A First-principles study

鈴土 知明; 都留 智仁

AIP Advances (Internet), 11(6), p.065012_1 - 065012_7, 2021/06

本研究では、第一原理計算手法を利用して、モリブデン(Mo)とタングステン(W)の自己格子間原子(SIA)を他のBCC遷移金属と比較して解析した。特に、{110}平面上で$$<$$111$$>$$から$$<$$110$$>$$に向かって方向が傾いているダンベルに注目した。このような傾きは、グループ5のBCC金属(つまり、バナジウム,ニオブ,タンタル)でも$$alpha$$鉄では不安定になる。我々の第一原理シミュレーションでは、傾斜したダンベルがMoで$$<$$111$$>$$ダンベルよりもエネルギー的に安定であったが、Wの場合は$$<$$111$$>$$ダンベルがより安定になった。ただし、せん断や膨張などのひずみがある場合には、Wでも傾斜ダンベルがより安定になる可能性が示された。傾斜ダンベルは一般に$$<$$111$$>$$ダンベルよりも大きな移動障壁を持っているため、格子ひずみがこれらの金属のSIAの移動障壁に大きく影響を与える可能性があることを示唆された。

論文

Neoclassical transport simulations with an improved model collision operator

松岡 清吉*; 洲鎌 英雄*; 井戸村 泰宏

Physics of Plasmas, 28(6), p.064501_1 - 064501_5, 2021/06

線形ランダウ衝突演算子から得られる摩擦係数と流束の関係式を再現可能な洲鎌らの改良型モデル衝突演算子を大域的full-fジャイロ運動論シミュレーションコードGT5Dに新たに実装し、トカマクにおける単一イオン種プラズマの衝突性輸送シミュレーションを幅広い衝突度領域において実施した。摩擦係数と流束の関係式において高い精度が要求される高衝突度領域において、改良型演算子が理論的な衝突性熱拡散係数を正確に再現することを検証した。さらに、改良型演算子によって全ての衝突度領域において衝突性熱拡散係数と磁力線方向流れの係数をより高い精度で得ることにより、線形ランダウ衝突演算子によって記述される衝突過程が正しく保持されていることを実証した。

論文

Real-time tracer dispersion simulations in Oklahoma City using the locally mesh-refined lattice Boltzmann method

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 中山 浩成; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

Boundary-Layer Meteorology, 179(2), p.187 - 208, 2021/05

 被引用回数:2 パーセンタイル:91.88(Meteorology & Atmospheric Sciences)

汚染物質の拡散解析手法CityLBMは、GPUスーパーコンピュータ上において、適合細分化格子(AMR)法を適用する事で、数kmの解析領域の実時間解析が可能である。本論文では、CityLBMの検証としてオクラホマ市で実施された野外拡散実験(JU2003)に対する解析を実施した。計算条件として、Weather Research and Forecasting(WRF)モデルを用いた風況条件および、建物と植生を考慮した地表面データをCityLBMに与えることで、JU2003の実験条件を再現した。さらにアンサンブル計算の実施により、乱流の不確実性を軽減した。汚染物質の時間平均濃度および最大値を実験測定値と比較した結果、アンサンブル計算により解析精度を向上すると共に、2m解像度・4km四方の解析では、24個の計測値に対して70%の高い割合でFactor2を満たす事を確認した。

論文

木構造に基づく細分化格子LBMにおける領域分割法の改善

長谷川 雄太; 青木 尊之*; 小林 宏充*; 井戸村 泰宏; 小野寺 直幸

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 6 Pages, 2021/05

Forest-of-octreesに基づく局所格子細分化法(LMR)を導入した格子ボルツマン法(LBM)に基づく空力解析コードに対し、挿し木法による領域分割の改善手法を提案した。従来の空間充填曲線に基づく領域分割法は、適合格子細分化法(AMR)やLMRで広く用いられているものの、GPUスパコン向けに実装された本空力解析コードにおいては袖領域通信が増大し計算のボトルネックとなるうることが確認された。本研究で提案する挿し木法は、粗い等間隔格子状の領域分割と細かい空間充填曲線に基づく分割のハイブリッドによる手法である。挿し木法により、領域分割の局所性と幾何形状が改善しており、通信量が従来の空間充填曲線に基づく手法に比べて3分の1に削減された。8GPU並列による性能検証では、コード全体で1.23倍の高速化が確認された。また、強スケーリングにおいてさらに性能の改善が見られ、128GPUの強スケーリングにおいては、従来手法に比べて1.82倍の高速化を示し、2207MLUPS (mega-lattice update per second)の計算性能を達成した。

論文

ブロック型適合細分化格子でのPoisson解法の混合精度演算による高速化

小野寺 直幸; 井戸村 泰宏; 長谷川 雄太; 下川辺 隆史*; 青木 尊之*

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 3 Pages, 2021/05

本研究では、二相流体解析コードJUPITER-AMRに対して、圧力ポアソン方程式に対する混合精度前処理手法を開発した。マルチグリッド前処理手法として、3段のVサイクルの幾何学的MG法およびキャッシュを再利用したSOR(CR-SOR)法を適用した。原子力工学問題での性能測定として、バンドル体系に対する多相流体解析を実施した。計算速度として、単精度演算を適用する事で、倍精度演算の75%へと削減すると共に、強スケーリング性能においては、32台から96台のGPUを利用する事で1.88倍を実現した。

論文

機械学習による細分化格子に基づく二次元定常流予測

朝比 祐一; 畑山 そら*; 下川辺 隆史*; 小野寺 直幸; 長谷川 雄太; 井戸村 泰宏

計算工学講演会論文集(CD-ROM), 26, 4 Pages, 2021/05

多重解像度の定常流流れ場を符合付き距離関数から予測するConvolutional Neural networkモデルを開発した。高解像度の画像生成を可能とするネットワークPix2PixHDをパッチ化された高解像度データに適用することで、通常のPix2PixHDよりメモリ使用量を削減しつつ、高解像度流れ場の予測が可能であることを示した。

論文

Hydrogen-trapping energy in screw and edge dislocations in aluminum; First-principles calculations

山口 正剛; 板倉 充洋; 都留 智仁; 海老原 健一

Materials Transactions, 62(5), p.582 - 589, 2021/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)

アルミニウム結晶中のらせん転位および刃状転位の水素トラップエネルギーを第一原理から計算した。詳細な計算条件を記述した。トラップ可能なあらゆるサイトを調べ尽くすことは計算時間の制約上困難であるが、計算した範囲内においてはらせん転位は最大で0.11eV/atom、刃状転位では最大で0.18eV/atomというトラップエネルギーが得られた。実験値との際について議論した。

論文

Data-driven derivation of partial differential equations using neural network model

小山田 耕二*; Yu, L.*; 河村 拓馬; 小西 克己*

International Journal of Modeling, Simulation, and Scientific Computing, 12(2), p.2140001_1 - 2140001_19, 2021/04

流体や気象,宇宙観測など様々な分野においてセンサー技術が向上し、そこから得られたビッグデータに対して偏微分方程式(PDE)による説明モデルを導出することは重要な課題である。本論文では、時空間的に離散した点群データを対象にして、高階の微分を含む線形のPDEを推定する技術を提案する。この技術では点群データを学習したニューラルネットワーク(NN)から時間・空間の微分値を計算し、回帰分析技術を用いてPDEの微分項を推定する。実験では、厳密解を持つPDEを対象にして、様々なメタパラメータに対して推定PDEの誤差を計算した。その結果、NNの階層を厳密解のPDEに含まれる微分項の階数に合わせて増やし、回帰分析の手法としてLASSOによるL1正則化を採用することでモデルの精度が高まると分かった。

論文

Quantum chemical calculation studies toward microscopic understanding of retention mechanism of Cs radioisotopes and other alkali metals in lichens

数納 広哉; 町田 昌彦; 土肥 輝美; 大村 嘉人*

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.8228_1 - 8228_13, 2021/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:69.95(Multidisciplinary Sciences)

地衣類が葉状体に何年にも渡って放射性セシウム(Cs)を保持する理由を議論するために、気相と水溶液中における地衣類代謝物のCs錯体および他のアルカリ金属カチオン錯体の安定性を評価した。日本の福島でCsを保持しているキウメノキゴケおよびウメノキゴケのような地衣類に含まれる共通の代謝物であるシュウ酸,(+)-ウスニン酸,アトラノリン,レカノール酸,プロトセトラル酸に注目した。量子化学計算を行うことにより、中性条件および脱プロトン化条件での代謝物の気相中錯体化エネルギーおよび水溶液中錯体化自由エネルギーを計算した。結果としてすべての分子においてカチオン錯体化は促進され、あらゆる条件下で優先度はLi$$^+>$$Na$$^+>$$K$$^+>$$Rb$$^+>$$Cs$$^+$$であることがわかり、特別なCs選択性はないがすべてのアルカリカチオンと強く結合することがわかった。代謝物同士を比較すると、髄層にあるレカノール酸とプロトセトラル酸は中性条件で高いアルカリカチオン親和性を示すことが見られる一方で、上皮層にある(+)-ウスニン酸とアトラノリンは脱プロトン化条件で、2つの酸素原子に挟まれたアルカリカチオンを含む安定的な六員環を形成することにより、かなり強い親和性を示すことがわかった。これらの結果が示唆するのは、髄層は生理学的pHを含む広いpH領域ですべてのアルカリカチオンを受け止める一方で、上皮層は金属ストレス増大下での金属イオン侵入を効果的に阻止するということである。このような知見は、細胞組織内への金属カチオン移動阻止等の代謝物の生理学的役割を強調し、地衣類における代謝物によるCsを含むアルカリカチオンの長期保持を説明するものである。

論文

Computational study of solute effects in tungsten under irradiation

鈴土 知明

Materials Science Forum, 1024, p.87 - 94, 2021/03

タングステン(W)は、中性子イールドが高いため、核破砕中性子源の固体ターゲットに適しており、Wの照射効果の予測は重要である。特に、溶質元素の影響は複雑であり、まだその影響は明確に理解されていない。本論文では、第一原理計算とキネティックモンテカルロ計算を使用して溶質効果について議論する。Wの核変換生成物であるレニウム(Re)とオスミウム(Os)は、照射欠陥の安定性と移動性を大きく変える可能性がある。我々の結果によって、これらの溶質元素の影響が未解決の微細構造変化メカニズムを説明していることが示唆された。

報告書

令和元年度大型計算機システム利用による研究成果報告集

高性能計算技術利用推進室

JAEA-Review 2020-021, 215 Pages, 2021/02

JAEA-Review-2020-021.pdf:13.11MB

日本原子力研究開発機構では、原子力の総合的研究開発機関として原子力に係わるさまざまな分野の研究開発を行っており、これらの研究開発の多くにおいて計算科学技術が活用されている。計算科学技術活用の高まりは著しく、日本原子力研究開発機構における計算科学技術を活用した研究開発の成果は、全体の約2割を占めている。大型計算機システムはこの計算科学技術を支える重要なインフラとなっている。大型計算機システムは、優先課題として位置付けられた福島復興(環境の回復・原子炉施設の廃止措置)に向けた研究開発や、高速炉サイクル技術に関する研究開発、原子力の安全性向上のための研究、原子力基礎基盤研究等といった主要事業に利用された。本報告は、令和元年度における大型計算機システムを利用した研究開発の成果を中心に、それを支える利用支援,利用実績,システムの概要等をまとめたものである。

論文

Machine learning potentials for tobermorite minerals

小林 恵太; 中村 博樹; 山口 瑛子; 板倉 充洋; 町田 昌彦; 奥村 雅彦

Computational Materials Science, 188, p.110173_1 - 110173_14, 2021/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)

セメント水和物(セメントペースト)は建築材はもとより、放射性セシウムの閉じ込め材料として利用される。本論文はセメント水和物の代表的なモデル物質であるトバモライトの機械学習力場の構築を行ったものである。トバモライトに対し第一原理計算を実施し、様々な原子配置とそのポテンシャルデータを大量に生成し、ニューラルネットを用いた機械学習力場の学習を行った。構築した機械学習力場はトバモライトの弾性係数,振動状態密度をほぼ第一原理と同等の精度で計算可能であることを確かめた。また、機械学習分子動力学法を実行し、トバモライト細孔における水,イオンの輸送特性の解析を行った。

論文

Nuclear quantum effects on autoionization of water isotopologs studied by ${it ab initio}$ path integral molecular dynamics

Thomsen, B.; 志賀 基之

Journal of Chemical Physics, 154(8), p.084117_1 - 084117_10, 2021/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)

第一原理経路積分分子動力学シミュレーションにより、室温条件での水の同位体置換体の酸性度定数に対する核量子効果を計算した。この手法は、実験的に測定された液体D$$_{2}$$Oの酸性度定数を再現するだけでなく、希少性のために不明な液体T$$_{2}$$Oや、HDOおよびHTO水溶液の酸性度定数の理論的予測も可能にする。計算結果は、核量子効果が酸性度定数の絶対的評価において不可欠な役割を果たすことを示している。

論文

Lattice Boltzmann modeling and simulation of forced-convection boiling on a cylinder

齋藤 慎平*; De Rosis, A.*; Fei, L.*; Luo, K. H.*; 海老原 健一; 金子 暁子*; 阿部 豊*

Physics of Fluids, 33(2), p.023307_1 - 023307_21, 2021/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Mechanics)

流れ場で沸騰が発生する現象は強制対流沸騰として知られている。今回、飽和条件の流れ場中の円柱上での沸騰システムを数値的に調査した。複雑な気液相変化現象に対処するために、擬ポテンシャル格子ボルツマン法(LBM)に基づく数値スキームを開発した。高いレイノルズ数の数値安定性を高めるため、衝突項を中心モーメント(CM)の空間で解いた。CMベースのLBMに適した力場スキームを採用することで簡潔でありながら堅牢なアルゴリズムとなっている。さらに、熱力学的一貫性を確保するために必要な追加項をCMの枠組みにおいて導出した。現在のスキームの有効性は、核形成,成長、および30-30000の間で変化するレイノルズ数の蒸気泡の離脱を含む一連の沸騰プロセスに対してテストされた。開発したCMベースのLBMは、初期気相などの人工的な入力なしに、核沸騰,遷移沸騰、および膜沸騰の沸騰様式を再現できる。結果からプール沸騰ではなく強制対流システムでも抜山曲線として知られる典型的な沸騰曲線が現れることが分かった。また、今回のシミュレーションは膜沸騰領域でも断続的な直接固液接触の実験的観察を支持することが分かった。

論文

データ駆動アプローチを用いた雪崩的乱流輸送現象の解析

朝比 祐一; 藤井 恵介*

プラズマ・核融合学会誌, 97(2), p.86 - 92, 2021/02

本研究では、5次元ジャイロ運動論的シミュレーションによる大規模データを、データ駆動科学的手法により解析した。まず、少数の波が支配的なコヒーレントな状態と様々な波が入り乱れる乱雑な状態の判別を、特異値分解を用いて行った。これにより突発的に起こる熱輸送現象のあとプラズマは乱雑な状態になること、乱雑さはその後自発的に減少すること、次の突発現象はそのような自己組織化の後に起きることが明らかになった。この過程はLandau減衰をはじめとする速度空間構造の変化と密接に変化していると考えられる。しかし、従来手法では5次元位相空間構造の時系列解析は不可能であった。そこでさらに主成分分析による位相空間構造データの圧縮技術を開発した。圧縮されたデータを利用しても突発的輸送が表現できることや、どのような位相空間構造が突発的輸送と関連しているかを論じる。

論文

Density functional theory study of solute cluster growth processes in Mg-Y-Zn LPSO alloys

板倉 充洋; 山口 正剛; 江草 大佑*; 阿部 英司*

Acta Materialia, 203, p.116491_1 - 116491_9, 2021/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:76.58(Materials Science, Multidisciplinary)

シンクロ型長周期積層(LPSO)合金において溶質原子クラスタはキンク変形やキンク強化といった特異な塑性に中心的役割を果たす。強化機構を解明にはその原子構造を決定することが必須であるが、クラスタに含まれる格子間原子に関して不明な点が残っていた。本研究では第一原理計算によりクラスタが形成される過程を詳細に調べ、その成長過程で中心付近にある原子が自発的に格子間原子となり、同時に空孔が形成されることを示した。これにより実験で不明であった格子間原子の種類と割合が決定された。更に自発的な空孔形成はこれまで金属材料では知られていない現象であり、これによってLPSO構造の形成が加速されていることを初めて示した。

論文

Refined metadynamics through canonical sampling using time-invariant bias potential; A Study of polyalcohol dehydration in hot acidic solutions

近藤 友美; 佐々木 岳彦*; Ruiz-Barragan, S.*; Ribas-Ari$~n$o, J.*; 志賀 基之; Ruiz-Barragan, S.*

Journal of Computational Chemistry, 42(3), p.156 - 165, 2021/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:45.88(Chemistry, Multidisciplinary)

本研究では、固定されたバイアスポテンシャル下の正準サンプリングによって、メタダイナミクスを改良する新たな計算手法を提案した。この手法は、2つ以上の自由エネルギー障壁を異なる条件または競合する条件での化学反応間で比較する場合などに役立つ。この方法を用いて、高温水溶液中の多価アルコール脱水反応の酸依存性を調べた。その結果、酸の種類によらず、この反応はS$$_{rm N}$$2メカニズムを介して進行することがわかった。一方、中間体として生成されるヒドロキシル基のプロトン化における自由エネルギー変化が、酸の種類によって影響を大きく受けることがわかった。

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