Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
大泉 昭人; 相楽 洋*
Annals of Nuclear Energy, 223, p.111677_1 - 111677_12, 2025/12
原子力発電所から排出される使用済燃料に含まれる高レベル放射性廃棄物の減容のため、商用サイクルとは別にマイナーアクチノイドを核変換する加速駆動システムを用いた超ウラン元素燃料サイクル(ADSサイクル)の研究開発が進められている。プルトニウム(Pu)やウラン(U)などの核物質を含むADSサイクル内の施設も核物質防護(PP)の対象であるが、これらの施設を含むADSサイトに求められるPPシステムについてはこれまで議論されたことがない。また、Security by designの観点から、ADSサイクルのような特殊な次世代システムでは、不正利用価値を用いた合理的なPP設計が有効であると考えられる。本研究では、まず、米国エネルギー省(DOE)の国家標準手法の定義、日米共同研究で開発された不正利用価値評価手法、IAEAが提示したINFCIRC/225/Rev.5のPP設計要件に基づいて、不正利用価値ごとに異なるPP設計要件を持つ新しい合理的PP設計手法を一般化した。ADSサイクルで扱われるU-234を含むウランの新しいPP分類も開発した。次に、新しい合理的手法を使用して、MOX燃料を使用する一般的なBWRサイトとADSサイトのPP設計を実施した。ADSサイト内にあるアイテムの最大の総合的な不正利用価値は、BWRサイト内にあるMOX燃料集合体のそれ以下であることを明らかにした。その後、各不正利用価値評価結果と各サイト内の核物質の最大量に基づいて、各サイトのPPカテゴリが決定された。BWRサイトは、Innerエリアが必要なカテゴリIと評価された。この結果は従来の方法と同じであるため、新しい方法は、核拡散リスクの観点から適切なPP設計に使用可能であると考えられる。従来の方法でPP設計を行った場合、ADSサイトは、Innerエリアを必要とするカテゴリIに分類されるが、新しいPP設計手法を用いた結果、ADSサイトのPP設計要求レベルは、Innerエリアを必要としないカテゴリIIと評価され、BWRサイトよりも緩和される結果となった。ただし、本研究は核物質のPPのみに焦点を当てているため、今後は、ADSサイト内の各施設の安全性評価を行った上で、設計基準脅威に基づくリスク想定を考慮したPP設計を行う必要がある。
大塚 直彦*; Devi, V.*; 岩本 修
Applied Radiation and Isotopes, 225, p.111903_1 - 111903_18, 2025/11
被引用回数:0We developed a set of EXFOR utility codes (ForEXy) to process the information of the experimental nuclear reaction data stored in the EXFOR library. We designed a new JSON format (J4) for the EXFOR library, and developed a code converting the information in an EXFOR file to a J4 file (X4TOJ4) and another code converting it to an EXFOR file (J4TOX4) as a core part of this new code package. We also developed some other codes for management of the EXFOR storage, bibliography and dictionary. As an application of the new code package, we constructed covariance matrices for the fast neutron induced fission cross sections of neptunium-237 in the EXFOR library by using the new codes, and applied them to evaluation of the cross section between 100 keV and 200 MeV.
Rizaal, M.; 中島 邦久; 鈴木 恵理子; 三輪 周平
Annals of Nuclear Energy, 218, p.111433_1 - 111433_10, 2025/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)The release of iodine in a case of severe nuclear accident is directly linked to short-term radiological consequences. This concern raises issues in understanding the chemical forms of the transported iodine to devise proper accident management measures/strategies. In contributing to such efforts, this work presents experimental and theoretical approaches to defining the impact of molybdenum as a semi-volatile fission product toward iodine speciation in the gas phase. Given humid atmospheric conditions with different oxygen potentials, the interactions were revealed through the reaction products consisting of both gas and aerosols upon their transport and condensation in the temperature range of 1150-450 K. Through thermodynamic equilibrium calculations where new thermodynamic data of cesium molybdates have been incorporated, the experimental observation was reproduced, hence general interaction mechanism was proposed in this work.
山下 晋
JAEA-Data/Code 2025-003, 262 Pages, 2025/07
原子炉内における定常時および過酷事故時の熱流動挙動を機構論的に解析できる多相多成分詳細熱流動解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)を開発した。JUPITERは、流動に関わる経験式や実験相関式などを極力用いることなく、気泡流や溶融物流れといった複雑に変形する自由界面を有する熱流動熱流動を支配方程式に基づき忠実に再現できる。加えて、過酷事故時において重要な現象である異種金属接触面での共晶反応や水蒸気とジルコニウム合金の酸化反応現象を解析することができる。また、微粒子中の流動現象に対し良く用いられる多孔質体流れにも対応することができる。本報告では、JUPITERを構成する支配方程式および物理モデルとそれらの数値計算手法について概説し、付録としてJUPITERの入力マニュアルを示す。
山下 晋
JAEA-Data/Code 2025-002, 243 Pages, 2025/07
原子炉内における定常時および過酷事故時の熱流動挙動を機構論的に解析できる多相多成分詳細熱流動解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)を開発した。JUPITERは、流動に関わる経験式や実験相関式などを極力用いることなく、気泡流や溶融物流れといった複雑に変形する自由界面を有する熱流動熱流動を支配方程式に基づき忠実に再現できる。加えて、過酷事故時において重要な現象である異種金属接触面での共晶反応や水蒸気とジルコニウム合金の酸化反応現象を解析することができる。また、微粒子中の流動現象に対し良く用いられる多孔質体流れにも対応することができる。本報告では、JUPITERを構成する支配方程式および物理モデルとそれらの数値計算手法について概説し、付録としてJUPITER の入力マニュアルを示す。
相馬 康孝; 小松 篤史; 加治 芳行; 山本 正弘*; 五十嵐 誉廣
Corrosion Science, 251, p.112897_1 - 112897_15, 2025/07
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)高温水中(288C)におけるステンレス鋼のすき間内部への酸素侵入に関する実験およびモデリング研究を実施した。すき間内への酸素侵入の限界距離
は、酸素濃度、すき間幅、浸漬時間に関わらず、すき間開口部からの距離dがそれ以上の数値になる場合、主要表面酸化物組成が(ヘマタイト
マグネタイトに)変化する位置として定義することができた。その場測定により、
付近での電気伝導度の増加が確認され、これは酸素濃度差電池によるイオン濃縮を示した。
は、すき間幅、酸素濃度、浸漬時間の増加に伴って拡大した。モデル計算の結果、酸化膜の成長によってステンレス鋼金属のアノード溶解が抑制され、対応する酸素のカソード還元消費速度が低下することで、時間とともに酸素の侵入が進行することが示唆された。
佐藤 達彦
Radioisotopes, 74(2), p.183 - 188, 2025/07
モンテカルロ放射線挙動解析コードは、その計算精度が極めて高いため、様々な放射線治療に対する線量評価に活用されている。核医学治療分野においても、SPECT/CTやPET/CT画像をモンテカルロコードの入力ファイルに自動変換して実行し、得られた線量分布を解析するシステムの開発が世界各地で進められている。本稿では、そのシステム開発の現状について紹介するとともに、現在、我々が開発を進めているRT-PHITS (RadioTherapy package based on PHITS)の核医学関連機能について解説する。
柳澤 宏司; 求 惟子
JAEA-Research 2025-001, 99 Pages, 2025/06
中性子吸収棒の反応度価値に関する安全検査データのより深い理解と反応度価値の測定技術の向上のために、TRIGA-ACPR(環状炉心パルス炉)に分類されるNSRR(原子炉安全性研究炉)の初回起動炉心の臨界解析用詳細計算モデルを作成した。本モデルの形状、材料、運転データの誤差から伝播する中性子実効増倍率(keff)の不確かさを、最新の核データライブラリJENDL-5及び旧版のJENDLライブラリとMVP第3版コードを用いて詳細に評価した。その結果、本モデルにおけるkの全体的な不確かさは、0.0027から0.0029
k
の範囲と評価した。本モデルは、TRIGA-ACPRのk
のベンチマークとして利用されることが期待される。さらに、全体的な不確かさは、NSRRで測定された吸収棒価値よりも十分小さいことを確認した。よって、本モデルはNSRRにおける吸収棒反応度価値に関する今後の解析にも適用できる。
小川 達彦
Annals of Nuclear Energy, 216, p.111256_1 - 111256_12, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)AmBeに代表されるような、アルファ線を放出するアクチノイドと軽元素から構成される複合中性子源の性能を、多面的かつ絶対値でシミュレートできる新しい方法を開発した。この手法はモンテカルロ放射線輸送コードPHITSを用いて、粒子用JENDL-5断面データライブラリと、ATIMAによる阻止能計算、ラティスジオメトリ計算機能を組み合わせることで、複合線源の様々な観測量を再現できる。従来の複合中性子源シミュレーション法は、測定値や近似的な断面積、多数イベントを平均した積分量などを使用するため、線源の特性パラメータ(アクチノイド粒径や線源のマクロなサイズ)を変更できなかったり、イベント内に放出される粒子間の相関を考慮できないなどの問題があったが、本手法ではそれらの問題が克服されている。この手法を用いて複合中性子源の様々な量、アクチノイド粒径依存性、中性子放出絶対強度、中性子および光子のエネルギースペクトル、中性子多重度、中性子放出の時間構造などを予測できることを示した。特に中性子の放出絶対強度とエネルギースペクトルについては、
AmBe、
AmF、
AmB、
PuBe、
CmBe、
Pu
Cの6種類の線源で実験値と比較し、実験値の絶対値に不確定性がある
PuBeを除いて矛盾ない結果が得られた。この方法を用いれば、複合中性子源から生じる中性子のシミュレーションにおいて、カウントレート、コインシデンスイベントの量、ガンマ線によるノイズなど、実用的な定量指標の計算が可能になる。
近藤 諒一; 山本 章夫*; 遠藤 知弘*
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 11, p.21_1 - 21_9, 2025/06
著者らは先行研究において固有直交分解(POD)を用いた中性子束分布タリー、いわゆる、PODタリーを開発した。PODタリーによって詳細に離散化された中性子束分布に対する次元削減と統計的不確かさの低減が実現可能である。本研究では、先行研究で言及されなかったPODタリーのいくつかの特徴を明らかにする。一つ目に、飛程長エスティメータによるPODタリーを新たに実装する。セルタリーと比べてPODタリーによる統計的不確かさが低減されるため、飛程長エスティメータによるPODタリーは今回実装されたもののうち、最も精度の高い結果を得ることができる。二つ目に、決定論的手法および確率論的手法を用いて得られる基底ベクトルを比較する。スナップショットデータの統計的不確かさは抽出される基底ベクトルの劣化を引き起こす。この結果からスナップショットの計算には決定論的手法がより効率的であることが示唆される。最後に、展開される中性子束分布の統計的不確かさに対する展開係数の共分散の影響を調査する。展開係数の分散のみを考慮した場合に、再構成された統計的不確かさは参照値と異なる。この結果から、中性子束分布の局所的な統計的不確かさの推定には展開係数の共分散が重要であることが明らかとなる。
小林 慶規*; 佐藤 公法*; 山脇 正人*; 満汐 孝治*; 岡 壽崇; 鷲尾 方一*
Journal of Physics; Conference Series, 3029, p.012001_1 - 012001_7, 2025/06
We discuss nonthermalized -positronium (
-Ps) in fluorinated polymers [Polytetrafluoroethylene (PTFE), ethylene tetrafluoroethylene copolymer (ETFE), polyvinyl fluoride (PVF)], and silica glass based on the Tao-Eldrup model, which takes account of Ps captured at different energy levels. Comparison of the energy of
-Ps estimated by positron annihilation age-momentum correlation (AMOC) with the calculation based on the Tao-Eldrup model reveals that
-Ps increasingly occupies higher energy levels in the polymers as more hydrogen is substituted by fluorine. In silica glass consisting of silicon (heavier than fluorine) and oxygen only the contribution of the lowest excited levels may be significant. These results are qualitatively in line with the previous observation for the energy dissipation of
-positronium (
-Ps) in nanoporous silica films.
中村 詔司; 遠藤 駿典; Rovira Leveroni, G.; 木村 敦; 芝原 雄司*
KURNS Progress Report 2024, P. 31, 2025/06
本研究は、生成放射能を評価するために、廃止措置で問題となる核種について熱中性子捕獲断面積を測定するものである。本件では、対象核種の中からHoを選定し、京大原子炉にて放射化法によりその熱中性子捕獲断面積を測定した。今回、
Ho(n,
)
Ho反応について2.79
0.04 barnを得た。従来の報告値は3.4
0.5(b)に対して、誤差1.4
に向上して導出することができた。また副産物として、
Ho(n,
)
Ho反応について61.2
0.6 barnを得た。
Hoと
Hoの生成の断面積を合わせて、64.0
0.6 barnを求めた。今回の結果は、TOF法による過去の報告値64.4
2.8(b)や、最近の評価値64.69 barn、64.4
1.2 barnを誤差の範囲で支持した。
福島 昌宏; 安藤 真樹; 長家 康展
Nuclear Science and Engineering, 199(6), p.1029 - 1043, 2025/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)A series of simulated experiments were conducted at the FCA to simulate a light water reactor core with a tight lattice cell containing highly enriched MOX fuel with a fissile Pu ratio 15%. The prediction accuracy of the neutron computation codes and nuclear data libraries in a wide range of neutron spectra was evaluated by constructing three experimental configurations of the FCA-XXII-1 assembly with different void fractions (45%, 65%, and 95%) of the moderator material. In a previous paper, we reported the criticality and reactivity worths measured in these experiments. This paper provides the experimental results for the central reaction rate ratios and fission distributions as follows. The fission rate ratios of
U and
Pu relative to
U were measured at the core centers using three calibrated fission chambers, and the
U capture reaction rate ratio relative to
U fission was measured using depleted uranium foils. Reaction rate distributions were also obtained by traversing four micro fission chambers of HEU, NU, Pu, and Np through each core region in the radial and axial directions. The experimental analyses were performed using detailed models of the Monte Carlo code MVP3 with JENDL-4.0. Most calculation results agreed well with the experiments, whereas those for the fission rate ratio of
Pu to
U were underestimated by up to 6% with the softening neutron spectrum.
Hartzell, S.*; Furutani, K. M.*; Parisi, A.*; 佐藤 達彦; 加瀬 優紀*; Deglow, C.*; Friedrich, T.*; Beltran, C. J.*
Radiation (Internet), 5(2), p.21_1 - 21_24, 2025/06
Microdosimetry is essential in particle therapy for understanding the biological effects of treatments by quantifying energy depositions within microscopic volumes. The calculation of the microdosimetric distributions can be carried out with physical models such as the Kiefer-Chatterjee (KC) track structure function and the Sato analytical microdosimetric function (AMF). Comprehensive comparisons across these physical models are lacking. The AMF is calculated for spherical domains, while the KC is traditionally calculated for a cylindrical domain. This study introduces a novel version of the KC function for spherical domains, allowing a direct comparison with AMF. The influence of each function on the calculation of the relative biological effectiveness (RBE) in carbon ion radiotherapy (CIRT) was evaluated.
佐賀 要
JAEA-Review 2025-003, 23 Pages, 2025/05
医療分野における放射性同位体(以下、RI)を用いた診断と治療は、人々の福祉向上に貢献している。一方で、国内に流通している医療用RIのほぼすべてが海外からの輸入である。そのため、これまでにも地政学的な影響や自然災害の影響を受けて輸入が困難になる状況が発生した。これらの背景を踏まえて、国内では原子力委員会内に医療用等ラジオアイソトープ製造・利用専門部会を設置し、2022年5月に「医療用等ラジオアイソトープ製造・利用推進アクションプラン」を策定した。このアクションプランではRIを輸入に依存している課題に対して、RIの国産化を目指し、安定供給に向けたオールジャパン体制での研究・技術開発を実施する旨が記載されている。日本原子力研究開発機構(以下、JAEA)では、2024年度よりNXR開発センターを立ち上げ、使用済み燃料の再処理工程で発生する高レベル廃液中に含まれる有価元素を分離・リサイクルすることで、産業分野及び学術分野での有効利用、原子力発電により発生する廃棄物量の低減並びにリサイクルによる収益化への検討を行っている。高レベル廃液を使用する利点は、多種多様かつ大量の核種が含まれていることにある。そこで本検討では、高レベル廃液に含まれるRIに着目し、医療用に供給可能であるか評価を実施した。具体的には、現在許可を得ている核種であるY-90を評価対象核種として、Y-90の親核種であるSr-90の目標供給量と高レベル廃液に含有するSr-90の量及び高レベル廃液の年間必要処理量を試算した。試算結果を基にして、供給施設の例として、JAEA内の再処理研究設備での実施可能性を評価した。評価の結果、高レベル廃液中のRI濃度によっては小規模の処理量(数百mL数L)で国内需要に匹敵する量の医療用RIを生産できる可能性があるとわかった。また、必要な処理設備として、JAEAのNUCEF等の再処理研究設備であれば対応可能であると評価した。以上の評価結果から、既存の再処理研究施設を活用することにより、小量(数百mL
数L)の高レベル廃液から国内需要に見合う医療用Y-90用のSr-90を分離できる可能性があると結論付けた。
方野 量太; 阿部 拓海; Cibert, H.*
JAEA-Research 2024-019, 22 Pages, 2025/05
マイナーアクチノイドの核変換を目的とする加速器駆動システム(ADS)は未臨界状態で運転される。ADSの未臨界度管理においては、燃焼反応度の予測が重要であるが、予測精度の検証のためには、特に第一サイクル運転時では燃焼反応度を精度良く測定する必要がある。本検討では、燃焼反応度測定手法としてCurrent-To-Flux(CTF)法に着目し、連続エネルギーモンテカルロ計算コードSERPENT2を用いて固定源燃焼計算を実施し、炉内に配置する核分裂計数管を模したタリーを用いることで、CTF法によるADS通常運転時の燃焼反応度測定のシミュレーションを実施した。シミュレーション結果から測定手法起因の燃焼反応度測定不確かさの推定を行い、燃焼期間に依らず燃焼反応度に対して10%程度のバイアスが生じ、その検出器位置依存性が体系外側で小さいことを明らかにした。
五十嵐 誉廣
AI、シミュレーションを用いた劣化・破壊評価と寿命予測, p.323 - 329, 2025/05
我々の生活において金属材料は様々な分野に使用されている。特に、橋梁や埋設パイプ、コンクリート内部の鉄筋など、社会インフラ構造物に用いられている金属材料は、使用環境によって腐食による劣化が懸念される。劣化が進行すると、腐食による減肉や腐食に伴う水素発生、さらには脆化などによる構造健全性が保たれず重大事故に発展する可能性があるため、これまでに多くの研究が実施されている。特に近年では計算機性能および計算技術の向上により、様々な腐食診断手法が提案されている。その中でも、部材表面の画像データを数値処理することによって、さび層の厚さや腐食生成物の組成を予測するモデルは、測定の簡便性とデータの正確性を兼ね備えた手法として注目されている。本稿では代表的なモデルとして、色相分析法、ハイパースペクトル分析法、人工知能分析法、特徴点抽出法を用いた腐食診断について紹介する。
関川 卓也; 高田 和樹*; 甲斐 健師; 大野 義章*
Journal of Applied Physics, 137(20), p.203901_1 - 203901_10, 2025/05
被引用回数:0不揮発性磁気メモリは情報を保持するために電力が不要な次世代の磁気メモリとして注目されている。鉄と酸化マグネシウムの界面はその候補材料の一つである。近年の実験により、鉄と酸化マグネシウムの界面に単原子層フッ化リチウムを挿入すると磁気メモリの特性の指標である垂直磁気異方性が二倍に増加することが報告された。本研究では、鉄-酸化マグネシウムの界面と鉄-フッ化リチウム-酸化マグネシウムの界面の磁気モーメントを第一原理電子状態計算ソフトウェアOpenMXを用いて計算した。その結果から我々は、フッ化リチウムをその界面に挿入すると、界面付近の鉄原子の電子軌道が、フッ化リチウムの極小電子密度領域に向けて傾くように分布することで、磁気モーメントが挿入前の二倍になることを示す。本研究で得られた科学的知見は、高性能な不揮発性磁気メモリの候補材料を探索する新たな指針となる。
上澤 伸一郎; 小野 綾子; 永武 拓; 山下 晋; 吉田 啓之
Journal of Nuclear Science and Technology, 62(5), p.432 - 456, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)ワイヤメッシュセンサ(WMS)の精度を明らかにするため、単一の球形気泡と気泡流に対してWMSの静電場シミュレーションを実施した。単一気泡の静電場シミュレーションでは、様々な気泡位置における電流密度分布と、送信ワイヤから受信ワイヤまでの電流経路を示した。その結果、WMS周囲の不均一な電流密度分布に基づく系統的誤差があることを明らかにした。また、数値流体解析コードJAEA Utility Program for Interdisciplinary Thermal-hydraulics Engineering and Research (JUPITER)で得られた気泡流結果に対して静電場シミュレーションを実施したところ、線形近似やMaxwellの式などの、WMS信号からボイド率への既存の変換方法では0と1の間の瞬間ボイド率の中間値を定量的に推定できなかった。また、WMS信号に対してボイド率0.2という大きなばらつきがあり、瞬間ボイド率を定量的に計測することが困難であることがわかった。一方で、時間平均ボイド率においては、流路の中心付近のボイド率は線形近似を使用して推定でき、流路壁面近くのボイド率はMaxwellの式を使用して推定できることがわかった。
Hartzell, S.*; Parisi, A.*; 佐藤 達彦; Beltran, C. J.*; Furutani, K. M.*
Physics in Medicine & Biology, 70(10), p.105010_1 - 105010_19, 2025/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Biomedical)In this study, we presented the implementation of the Analytical Microdosimetric Function (AMF) within the TOPAS Monte Carlo platform as an efficient and accurate surrogate for track structure simulations. The AMF extension demonstrated strong agreement with TOPAS nBio track structure simulations for ions relevant to particle therapy and space applications, while offering significant computational advantages.