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高橋 嘉夫*; 山口 瑛子; 蓬田 匠
Treatise on Geochemistry, 3rd edition, Vol.6, 46 Pages, 2025/00
放射性核種の環境地球化学は、近年の測定技術などの発展に伴い、さまざまな研究対象へ新しいアプローチが展開されている。本レビュー論文では、放射性核種の環境地球化学分野における過去1015年間のいくつかのトピックについて議論した。特に、2011年の福島第一原子力発電所事故で放出された放射性核種の移行に関する研究、X線吸収微細構造分光法の開発と放射性核種の地球化学過程への応用の2つのトピックを中心に取り上げて概説している。
佐藤 達彦; 橋本 慎太郎; Mrquez Damin, J. I.*; 仁井田 浩二*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 557, p.165535_1 - 165535_8, 2024/12
被引用回数:0Appropriate use of the variance reduction techniques such as weight-windows are indispensable for effectively designing the radiation shielding based on the Monte Carlo simulation. In this study, we developed a new algorithm of weight-window generator (WWG) relying solely on forward Monte Carlo simulation and implemented it into the Particle and Heavy Ion Transport code System (PHITS). Our new algorithm leverages a PHITS-specific function called the "history counter", which serves as an event logger that can be arbitrarily defined by users. The performance of the new WWG was investigated by conducting benchmark simulations for both idealized and practical shielding calculations. The results of the benchmark simulations suggested that our new algorithm can reduce the computational time by up to an order of magnitude, though it becomes less beneficial when no apparent pathway for particles arriving in the tally regions is observed in generating the weight window values. With this new feature, PHITS has become further suitable for the shielding calculations against high-energy radiations even when their evaluated cross-section data are unavailable.
墨田 岳大*; 大澤 崇人; Chiu, I.-H.; 池田 篤史
Analytica Chimica Acta, 1329, p.343256_1 - 343256_10, 2024/11
The uncertainty including accuracy and precision is the most vital factor that determines the overall quality of quantitative analysis. The objectives of this study are (1) to investigate the analytical uncertainty of a prompt gamma-ray analysis (PGA), a chemical interference-free method in principle, on the quantitative analysis of boron and (2) to evaluate the applicability of inductively coupled plasma optical emission spectrometry (ICP-OES), a common technique for quantitative elemental analysis including boron. PGA provided analytical quantity that is equivalent to the true quantity. The analytical uncertainty in both methods was adequately evaluated by comparing the results from PGA and ICP-OES for a series of boron-containing materials with different physical/chemical properties and the major sources of uncertainty in both methods are specified. The evaluation concept demonstrated in this study could be beneficial to a wide range of analytical chemistry.
阿部 陽介; 佐々木 泰祐*; 山下 真一郎; 大久保 成彰; 鵜飼 重治
Journal of Nuclear Materials, 600, p.155271_1 - 155271_12, 2024/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉用燃料被覆管として開発中のFeCrAl-ODS (ODS:酸化物分散強化)合金のモデル合金として、CrとAlの組成を系統的に変化させた14種類のFe-Cr-Al合金をCで10.5MeVの自己イオンにより0.24dpaまで照射した。中性子照射条件下でのCrリッチ析出物(CrRP)の生成挙動を予測するために、3水準の損傷速度を選択した。3次元アトムプローブ解析の結果、Cr組成の増加、Al組成の減少及び損傷速度の減少に伴い、CrRP数密度、体積率及びCr濃度が増加することがわかった。重回帰分析の結果、これらの主要な効果に加えて、CrRP体積率には次の交互作用があることが示された:(1)Al組成が高いほど、Cr組成の増加に伴うCrRP体積率の増加は小さく、(2)Cr組成が低いほど、Al組成および損傷速度の低下に伴うCrRP体積率の増加は小さい。また、中性子照射下でのCrRP生成挙動に対する損傷速度の影響を理解するためには、損傷量依存性の観点に加えて、損傷速度ゼロの限界として熱時効データを利用することが有効であることを強調した。本研究で構築した体系的なCrRP関連量のデータベースは、数値予測モデルのさらなる開発と検証に貢献するものと考えられる。
沖田 将一朗; 安部 豊*; 田崎 誠司*; 深谷 裕司
Radioisotopes, 73(3), p.233 - 240, 2024/11
In the latest nuclear data libraries ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5, the inelastic scattering cross-section data for reactor graphite and crystalline graphite are employed. The data for reactor graphite reproduces the measurement values very well, while the data for crystalline graphite tends to underestimate the measurement values, and there is room for improvement. Therefore, in the present study, for future updates of JENDL, a new molecular dynamics simulation model for crystalline graphite is prepared and inelastic scattering cross-section data are evaluated based on both incoherent approximation and Vineyard approximation. As a result, the obtained inelastic scattering cross-section data of crystalline graphite show very good agreement with the measured data and successfully presented more reliable data than those employed in ENDF/B-VIII.0 and JENDL-5.
五十嵐 誉廣; 菅原 優*; 大谷 恭平; 青山 高士
鉄と鋼, 18 Pages, 2024/11
機械学習を用いず高速処理が可能な画像処理技術である輪郭抽出処理と特徴点抽出処理を用いて、鋼材の腐食表面画像からさび層下の腐食が進行している領域の抽出を試みた。その結果、HSL変換およびヒストグラム平坦化処理を施した腐食表面写真に対し特徴点抽出処理を行い得られた特徴点強度と、錆除去後の腐食深さとの間には比較的良好な相関があることがわかった。
藤村 由希; 石川 法人; 近藤 啓悦
JAEA-Technology 2024-012, 26 Pages, 2024/10
高い高温強度・耐腐食性を有するセラミックス材料は化学的に安定であり、その中でも特に酸化アルミニウム(AlO)は、耐照射性にも優れた材料であることが分かっている。一方で、耐照射性が高いということは照射損傷の度合いが小さいということを意味しており、ごくわずかな照射影響について検知し、適切に評価するのは非常に困難である。本研究ではこの「微小な照射損傷」を捉えるため、金属などを主体とする他の構造材料における照射影響解析の場面で利用されている電子後方散乱回折(EBSD)パターンを用いた格子ひずみ(弾性ひずみ)の解析をセラミックス材料に適用した。照射損傷の影響を抽出するために、酸化アルミニウム(AlO)を原料とした単結晶サファイアを対象にし、いくつかの異なる照射量でイオン照射試験を行い、EBSD測定と格子ひずみ解析を実施したところ、これまでに分かっていた照射面と垂直方向の照射影響(格子膨張)に加えて、新たに水平方向の照射影響(格子収縮)を捉えることに成功した。さらに、照射量が増加するとともに照射損傷の程度も大きくなる傾向が見られた。以上のことから、EBSDは照射損傷によるセラミックス中の格子ひずみの照射量依存性を検知・評価できる有力な手法であることを明らかにした。
システム計算科学センター
JAEA-Evaluation 2024-001, 40 Pages, 2024/10
システム計算科学センターでは、「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構の中長期目標を達成するための計画(中長期計画)」に基づき、原子力分野における計算科学技術研究に関する研究開発を実施してきた。その計算科学技術研究の実績については、計算科学技術研究・評価委員会(以下「委員会」という。)により評価された。本報告は、システム計算科学センターにおいて実施された計算科学技術研究の、令和5年度における業務の実績及びそれらに対する委員会による評価結果をとりまとめたものである。
日下 博幸*; 池田 亮作*; 佐藤 拓人; 飯塚 悟*; 朴 泰祐*
Journal of Advances in Modeling Earth Systems (Internet), 16(10), p.e2024MS004367_1 - e2024MS004367_38, 2024/10
被引用回数:0マイクロスケールの都市気候シミュレーションのための気象学Large-eddy simulation (LES)モデルと数値流体力学(CFD)モデルとのギャップを埋めるために、本研究では都市域を対象とした気象学LESモデルを開発した。このモデルはメソスケール(都市スケール)からマイクロスケール(街区スケール)までの都市機構のシミュレーションを行うことができる。本論文では、このLESモデルの概要を紹介する。このLESモデルは、建物や樹木を解像してマイクロスケールのシミュレーションを行うことができる点で、標準的な数値気象モデルと一線を画していると言える。また、大気成層の影響や物理過程を考慮することも標準的なCFDモデルと異なる点である。本モデルの特筆すべき特徴は、(a)ラジオシティ法による都市キャノピー層内の多重反射の考慮や、建物影・ビル影の考慮など長波放射・短波放射の3次元計算、(b)様々な暑さ指数の出力、(c)ミスト散布や街路樹、高反射舗装やクールルーフ、屋上緑化の効果の評価、(d)3次元並列化の実装によるスーパーコンピュータでの動作と、GPU版の実装である。本研究では、モデルの紹介に続き、対流境界層におけるサーマルや、都市キャノピー内・都市キャノピー上の流れや乱れの様子、都市街区における熱環境・熱ストレスのシミュレーションなど、様々な実験を行いその基本性能を確認した。本研究で開発したモデルは、都市気候学の基礎的・応用的研究に取り組むためのコミュニティツールとなることを目指している。
石川 諒尚; 田中 浩基*; 中村 哲志*; 熊田 博明*; 櫻井 良憲*; 渡辺 賢一*; 吉橋 幸子*; 棚上 裕生*; 瓜谷 章*; 鬼柳 善明*
Journal of Radiation Research (Internet), 11 Pages, 2024/10
被引用回数:0From the viewpoints of the advantage depths (ADs), peak tumor dose, and skin dose, we evaluated the effect of neutron beam properties, namely, the ratio between thermal and epithermal neutron fluxes (thermal/epithermal ratio), fast neutron component, and -ray component on the dose distribution. Several parameter surveys were conducted with respect to the beam properties of neutron sources for boron neutron capture therapy assuming boronophenylalanine as the boron agent using our dose calculation tool, called SiDE. The ADs decreased by 3% at a thermal/epithermal ratio of 20% - 30% compared with the current recommendation of . The skin dose increased with the increasing thermal/epithermal ratio, reaching a restricted value of 14 Gy-eq at a thermal/epithermal ratio of . The fast neutron component was modified using two different models, namely, the "linear model," in which the fast neutron intensity decreases log-linearly with the increasing neutron energy, and the "moderator thickness (MT) model," in which the fast neutron component is varied by adjusting the moderator thickness in a virtual beam shaping assembly. Although a higher fast neutron component indicated a higher skin dose, the increment was at a fast neutron component of Gy cm for both models. Furthermore, in the MT model, the epithermal neutron intensity was higher at a fast neutron component of Gy cm compared with the current recommendation of Gy cm. The -ray component also caused no significant disadvantages up to several times larger compared with the current recommendation.
岩本 修; 岩本 信之; 多田 健一; 片渕 竜也*
核データニュース(インターネット), (139), p.1 - 7, 2024/10
OECD/NEA/NSCが主催するWPEC(Working Party on International Nuclear Data Evaluation Co-operation)の第36回会合、傘下の専門家グループ(EG)及びサブグループ(SG)会合が2024年5月13日から18日にNEA本部とオンラインのハイブリッド形式で開催された。日本からは岩本(修)が現地で参加し、岩本(信之)、多田、片渕がオンラインで参加した。核データの測定や評価及びEGやSGの活動報告、新SGの提案がなされた。これらの概要については報告する。
矢野 伶*; 田中 將己*; 山崎 重人*; 森川 龍哉*; 都留 智仁
Materials Transactions, 65(10), p.1260 - 1267, 2024/10
チタン合金の衝撃吸収エネルギー、降伏応力、有効せん断応力、活性化体積、活性化エンタルピーの温度依存性を明らかにするため、77Kから450Kの間で衝撃試験と引張試験を行った。衝撃吸収エネルギーは試験温度の低下とともに減少したが、この合金はbcc構造であるにもかかわらず低温脆化は起こらなかった。引張試験では、約120Kで加工硬化率と降伏応力の温度依存性の両方が変化した。これは、この温度での塑性変形の背後にあるメカニズムの変化を示唆している。転位滑動の活性化エンタルピーの温度依存性から、150Kから200Kまではらせん転位のダブルキンク核生成が転位滑動の支配的なメカニズムであり、200K以上では転位と溶質原子との相互作用が転位滑動の支配的なメカニズムであることが示唆された。120K以下で試験した応力ひずみ曲線には超弾性が現れ、降伏は120K以下の変態誘起塑性に支配されていることが示唆される。
甲斐 健師; 樋川 智洋; 松谷 悠佑*; 平田 悠歩; 手塚 智哉*; 土田 秀次*; 横谷 明徳*
Scientific Reports (Internet), 14, p.24722_1 - 24722_15, 2024/10
放射線DNA損傷の直接・間接効果を推定するには、水の放射線分解に関する科学的知見が不可欠である。水の放射線分解により生じる二次電子は、この二つの効果に関与する。ここでは、第一原理計算コードを用いて、水への20-30eVのエネルギー付与の結果生じた二次電子のフェムト秒ダイナミクスを計算し、ナノサイズの極微小な空間領域に生成される放射線分解化学種の形成メカニズムを解析した。その結果から、水の放射線分解によって生成される化学種は、付与エネルギーが25eVを超えると数ナノメートルの極微小領域で高密度化し始めることを明らかにした。本研究成果は、細胞死のような生物学的影響を引き起こすと考えられているクラスターDNA損傷の形成について重要な科学的知見となる。
Battulga, B.; 中山 理智; 松岡 俊将*; 近藤 俊明*; 安藤 麻里子; 小嵐 淳
Water Research, 264, p.122207_1 - 122207_12, 2024/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Environmental)環境中のマイクロプラスチック(MP、サイズ: 5mm)上の微生物の付着とバイオフィルムの形成に対する注目が高まっている。ここでは、微生物の生態と水生生態系への影響についての理解を深めるために、プラスティスフィア内の微生物群集を調査する。我々は、16S遺伝子とITS遺伝子のアンプリコン配列を使用して、日本の2つの対照的な沿岸地域のMP、地表水、底質、海岸砂における細菌および真菌群集の構成と多様性を特定した。サンプルの種類と研究場所に応じて、大幅に異なる微生物の多様性と分類学的組成が検出された。炭化水素分解群集の定着とMP上での病原体の発生の結果として、微生物分類群の複雑なプロセスがMP関連バイオフィルムの特性、ひいてはMPの特性に影響を与える。この研究は、MP関連バイオフィルムにおける微生物の代謝機能に焦点を当てており、これは地球生態系に対するプラスチック破片の真の影響を明らかにする鍵となる可能性がある。
佐賀 要
JAEA-Review 2024-038, 9 Pages, 2024/09
日本原子力研究開発機構では、使用済燃料に含まれる元素の中から産業分野において利用価値の高い元素を分離する手法を開発してきた。本調査報告では、産業分野の最近の動向を踏まえて、利用価値の高い元素及び核種を把握することを目的とした。使用済燃料中に含まれる元素及び核種の存在量と産業分野の需要の観点から調査を実施し、以下の調査結果を得た。産業分野における放射性同位体の経済規模(放射線利用も含める)は、工業、医療、農業の分野で近年増加傾向である。一方で、利用核種の国内生産量は少量に留まっており、核種によっては全量輸入に頼っている状況である。なお、使用済燃料中にはSr-90, Mo-100, Cs-137, Am-241など、産業利用に向いた適度な長さの半減期を持つ核種が多く存在している。元素の利用としては、産業利用の価値が高く、かつ、国内自給率も低い元素である白金族元素と希土類元素の産業利用について調査した。白金族元素では、使用済燃料に含まれる存在量から国内の新規生産源として一定量を供給できる可能性があると評価した。一方で、自給率の乏しい希土類元素では、現在の年間供給量と使用済燃料から供給可能な量を比較した場合、供給可能な量は、年間供給量の1%にも満たないことから効果は期待できないと評価した。希土類元素は、国内のリサイクル率が低調である。そこで、リサイクル率向上に資する技術の提供が産業分野への貢献度が高いと評価した。具体的には、使用済燃料から有価元素を分離する技術である溶媒抽出法の数値シミュレーション技術の提供である。数値シミュレーション技術の提供により分離プロセスの処理段数計算や処理速度を分離・利用したい元素に合わせて最適な運転条件を試算することが可能になる。運転条件の具体化によりリサイクル費用なども試算できることで、リサイクル工程の導入に貢献できる可能性があると結論付けた。
Rizaal, M.; 中島 邦久
Chemosphere, 363, p.142870_1 - 142870_9, 2024/09
Retention or trapping of cesium, one of the radiologically important fission products, in the nuclear reactor becomes a great concern as the occurrence may affect radioactivity in the long term or its environmental fate. Herein the chemical compound of cesium that had been largely trapped on the nuclear reactor structural material of (calcium silicate) thermal insulator in a simulated nuclear accident condition was investigated. A combined pre- and post-water dissolution analysis through infrared (IR) spectroscopy and optical emission spectroscopy (OES) was explored to resolve the characterization difficulty encountered in conventional X-ray diffraction analysis reported in the previous works. This method allowed us to identify for the first time the related large amount of water-soluble cesium in the calcium silicate material after a high-temperature chemical reaction as cesium metasilicate (CsSiO). It was evidenced by similar vibrational characteristics of the material to that in the synthesized CsSiO as well as the dissolved Cs and Si in the leaching water having a molar ratio of 2.160.33. The corresponding 79-98% of the retained cesium in calcium silicate materials in the case study of 700 and 800C reactions was of this compound, emphasizing its significance once formed. Thermodynamic considerations further corroborated the higher stability of CsSiO in the cesium-calcium silicate reaction than other cesium silicates such as CsSiO, CsSiO, or CsSiO. This clearly poses a high environmental risk due to the volatility of cesium metasilicate as it may spread out further through the water leak path from a damaged nuclear reactor.
Battulga, B.; Munkhbat, D.*; 松枝 誠; 安藤 麻里子; Oyuntsetseg, B.*; 小嵐 淳; 川東 正幸*
Environmental Pollution, 357, p.124427_1 - 124427_10, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Environmental Sciences)水生環境および陸上環境におけるプラスチック破片の発生とその特徴は、広範囲に研究されてきた。しかし、環境中のプラスチック関連バイオフィルムの特性と動的挙動に関する情報はまだ限られている。この研究では、モンゴルの内陸河川系からプラスチックサンプルを収集し、分析、同位体、熱重量分析技術を使用してプラスチックからバイオフィルムを抽出し、バイオフィルムの特性を明らかにした。抽出されたバイオフィルムから有機粒子と鉱物粒子の混合物が検出され、プラスチックが河川生態系の汚染物質を含む外因性物質のキャリアであることが明らかになった。熱重量分析により、バイオフィルムの約80wt%を占めるアルミノケイ酸塩と方解石を主成分とするミネラルが主に寄与していることが示された。本研究は、水生生態系における有機物および物質循環に対するプラスチック関連バイオフィルムの影響を解明するのに役立つ、バイオフィルムの特性および環境挙動に関する洞察を提供する。
佐藤 修彰*; 亀尾 裕; 佐藤 宗一; 熊谷 友多; 佐藤 智徳; 山本 正弘*; 渡邉 豊*; 永井 崇之; 新堀 雄一*; 渡邉 雅之; et al.
廃止措置・廃炉化学入門, 251 Pages, 2024/09
原子力施設の廃止措置と過酷事故炉の廃炉を対象とし、第1部では燃料化学、分析化学、放射線化学、腐食、除染化学から、廃棄物処理・処分にわたる基礎的な分野について紹介する。第2部では、種々の原子力関連施設の廃止措置に関わる化学を学びながら、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉にはどのような化学的アプローチが必要かつ可能か、廃炉の在り方やそれに必要な研究開発・人材育成などについて触れる。
土田 秀次*; 手塚 智哉*; 甲斐 健師; 松谷 悠佑*; 間嶋 拓也*; 斉藤 学*
Journal of Chemical Physics, 161(10), p.104503_1 - 104503_8, 2024/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)高速イオンビームは、生体細胞内の水との相互作用によって生成される二次電子などの化学生成物によってDNAに損傷を与えるが、粒子線治療で用いられるブラッグピーク領域におけるこれらの化学生成物の生成過程は完全には理解されていない。この過程を調べるために、真空中の液体水ジェットにMeVエネルギーの炭素ビームを照射したときに生成される放射線分解物の収率を評価する実験を行った。さらに、放射線輸送モンテカルロコードを用いて、入射イオンと二次電子による水中の電離過程をシミュレーションした。その結果、水中でのイオン化の主な原因は二次電子であることがわかった。最後に、これらの素過程は、DNA損傷の形成機構を研究する放射線生物物理学や生化学の発展に寄与することを示す。
伊藤 健吾*; 川上 貴大*; 加藤 千図*; 福谷 哲*; 松村 達郎; 藤井 俊行*
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 7 Pages, 2024/09
被引用回数:0高レベル廃液からのウラン、プルトニウム、マイナーアクチノイド及び希土類元素の分離プロセスで使用される複数の抽出剤を用いて、硝酸溶液からのSe(VI)の溶媒抽出挙動を調べた。すべての抽出剤が分配比1であったことから、プロセス中においてSeは残留水溶液中に残存することが明らかとなった。一方、希硝酸( 2M HNO)、有機相としてオクタノール、濃硝酸(8M HNO)中において、抽出剤o-フェニレンジアミンではSeの分配比は1以上であった。濃硝酸(8M HNO)で逆抽出したところ、Seの新しい単一分離プロセスと回収の可能性が示唆された。