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-ray beam measurementsOmer, M.; 静間 俊行*; 小泉 光生; 平 義隆*; Zen, H.*; 大垣 英明*; 羽島 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 240, p.113467_1 - 113467_8, 2026/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)Coaxial high-purity germanium detectors are widely used in applications requiring high-resolution
-ray spectroscopy. However, the internal structure of these detectors, particularly the geometry of the inactive volumes inside the detector core, can significantly influence their performance in beam detection configurations. This study investigates the impact of detector structure on the spectral response to pencil-like
-ray beams, based on a comparison of
-ray spectra measured with two coaxial high-purity germanium detectors that have similar active volumes but distinct internal geometries. Experimental measurements were conducted at the UVSOR synchrotron facility using collimated laser Compton scattered
-ray beams with an energy of
MeV. Monte Carlo simulations using the Geant4 toolkit were performed to refine the detector models and replicate experimental results. The results reveal that the front layer thickness and the presence of structural elements such as the cold finger strongly affect the spectral features, particularly the appearance of a coincidence sum peak of the annihilation radiation at 1.022 MeV. Off-axis irradiation significantly improves the detection efficiency and reduces undesired induced interactions within inactive volumes. Additionally, the observed pair production signatures are validated through the available theoretical cross section data, confirming the dominant role of internal structures in shaping the detector response under beam geometry. These findings are essential for optimizing detector configurations in precision
-ray beam experiments. This work is a contribution of the Japan Atomic Energy Agency (JAEA) to the International Atomic Energy Agency (IAEA) under the agreement of the coordinated research program (CRP), J02015 (Facilitation of Safe and Secure Trade Using Nuclear Detection Technology - Detection of RN and Other Contraband). A part of this work was conducted at the BL1U of UVSOR Synchrotron Facility, Institute for Molecular Science (IMS program 23IMS6602).
平田 智大; 塙 和鷹; 芝田 陵大; 山田 博之; 山崎 勝幸
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
原子力機構では、核セキュリティ関係法令遵守を確実にするため、事例研究や内部監査等の取組みを継続的に改善しつつ実施している。具体的に事例研究では、対象者を拡大するため、多くの事例を準備するとともに見出しを付けた事例集としてまとめた。法令遵守状況を機構内で確認する内部監査では、挙げられた良好事例を関係者へ展開し、防護措置の自主的改善につなげる取組みを実施した。本発表では、これらの取組みを報告する。
白藤 雅也; 佐野 恭平; 堀内 雅一; 加藤 茜; 渡邉 一樹; 谷川 聖史; 丸山 創; 北尾 貴彦; Conner, J.*; LaFleur, A.*; et al.
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
The Japan Atomic Energy Agency, in collaboration with the U.S. Department of Energy and Los Alamos National Laboratory, initiated a joint research project to develop the Advanced Hulls Measurement and Monitoring System (A-HMMS) for quantifying trace amounts of nuclear material in hull drums. Monte Carlo simulations using the MCNP code confirmed that the presence of water significantly attenuates neutron count rates. However, sufficient sensitivity to plutonium mass variations was observed, indicating that measurements are feasible even with water present. Passive NDA methods based on the Cm/Pu ratio were found to be limited due to curium decay over long-term storage, necessitating the use of active interrogation techniques. Small-scale experiments validated the simulation results and demonstrated that waste type and source position significantly affect count rates, highlighting the need for waste-specific calibration curves. Full-scale testing is planned to evaluate system performance under realistic conditions and optimize the A-HMMS design.
塙 和鷹; 平田 智大; 芝田 陵大; 山田 博之; 宮地 紀子
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
原子力機構では、核セキュリティの重要性認識の維持向上のために、全役職員を対象とした核セキュリティ文化醸成活動を行っている。文化醸成活動の実効性は、年に1度全役職員に対する意識調査を実施して確認している。本発表では、原子力機構で実施している醸成活動と意識調査の概要及びこれまでに実施した意識調査の長期分析結果について報告するとともに、今後の醸成活動の改善点についての考察を報告する。
長谷川 里絵; 野崎 天生; 丸山 創; 宮地 紀子
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
日本原子力研究開発機構では、計量管理及び保障措置対応業務の継続的改善に向けた取組みとして、保障措置是正処置プログラム(SGCAP)を構築した。SGCAPでは、原子力安全及び核セキュリティ分野で実績のあるCAP活動を保障措置分野へ取り入れるため、保障措置対応時に発生する事象の重要度を評価する基準を整備した。本発表では、SGCAPに係る制度設計、これまでの運用実績、並びに今後の展望について報告する。
田崎 真樹子; 木村 隆志
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
米国の原子力施設への攻撃に関する論理の解明を試みる。本稿では、湾岸戦争及びイラク戦争時におけるイラクの原子力施設への攻撃、さらに2025年6月のイラン原子力施設への攻撃といった事例を取り上げる。これらに加え、米国の戦争法マニュアルや、原則として原子力発電所への攻撃を禁止したジュネーブ諸条約第一追加議定書に対する米国のスタンス等を参照しつつ、米国の原子力施設に対する法的・戦略的論理の分析を試みる。
Rossi, F.; Lee, J.; 吉見 優希*; 芝 知宙; 寺田 和司*; 堀 順一*
第46回日本核物質管理学会年次大会会議論文集(インターネット), 4 Pages, 2025/12
The Japan Atomic Energy Agency is developing a non-destructive system to detect fissile nuclear materials within a sample combining resonance analysis from prompt fission neutrons, capture gamma-rays, and transmitted neutrons. The detection setup includes an array of plastic scintillators at the sample and a downstream
Li scintillator. Recent improvements focus on better neutron/gamma discrimination using advanced EJ-276D plastic scintillators and optimized pulse shape discrimination analysis. Tests were conducted at the Kyoto University time-of-flight facility with natural and enriched uranium samples. This paper presents the latest design updates and experimental results from the system's development. This work is supported by MEXT under the subsidy for the "promotion for strengthening nuclear security and the like".
Rossi, F.; Lee, J.; 吉見 優希*; 弘中 浩太; 小泉 光生; 芝 知宙; 寺田 和司*; 堀 順一*
ESARDA Bulletin (Internet), 67, p.59 - 67, 2025/12
ISCN is developing an advanced neutron resonance analysis system for the identification and quantification of fissile materials. This system integrates three complementary techniques: NRTA, NRCA, and NRFNA, enabling simultaneous detection and improving sensitivity for fissile material identification. To evaluate the system's performance, we conducted a series of experiments using natural uranium samples with a thickness from 1.5 to 6.0 mm enclosed in a 2 cm thick box made of lead. The results show that even if the presence of lead generates significant background noise due to neutron scattering and reflection, a clear identification of
U signatures is possible. These findings highlight the system's versatility and effectiveness in shielding scenarios, offering a promising tool for nuclear security and nonproliferation applications. By enabling concurrent measurements, the system improves accuracy and provides an innovative method for enhancing regulatory and safeguard efforts in the nuclear industry. This work is supported by MEXT under the subsidy for the "promotion for strengthening nuclear security and the like".
小泉 光生; 余語 覚文*
Isotope News, (802), p.11 - 14, 2025/12
ボリュームのある試料を非破壊で分析するには、透過力の高い放射線の利用が有効である。中性子共鳴透過分析(neutron resonance transmission analysis (NRTA))法は、パルス状の熱
熱外中性子ビームを用いて、時間分解された透過率から試料中に含まれる様々な核種の面密度(単位面積当たりの粒子数)を分析する技術である。超高強度レーザーを用いてレーザーショットにより中性子を生成するレーザー駆動中性子源(laser-driven neutron source (LDNS))は、高強度かつ短パルスの中性子を生成できることから、NRTAへの適用が期待されている。本紹介記事では、大阪大学レーザー科学研究所(ILE)のニュークリアフォトニクス(NP)グループが開発したLFEXレーザーおよびLDNSを用いて行った、NRTAによる面密度測定実証実験の概要とその結果を紹介する。
古野 朗子; 大森 隆太*; 舘岡 永憲*; 皆川 友哉*; 栗原 寿幸; 山本 洋一; 冨田 豊
Pure and Applied Geophysics, 182(12), p.5175 - 5188, 2025/12
被引用回数:1 パーセンタイル:18.33(Geochemistry & Geophysics)包括的核実験禁止条約(CTBT)沖縄核種監視所(JPP37)は、沖縄本島中部の東シナ海に面した丘の上にあり、島内には原子力施設はないが、時折Cs-137が検出される。本研究では、JPP37におけるCs-137の検出に焦点を当て、近隣の観測点における同時検出の比率や、東アジア内陸部から飛来する黄砂との関係を調べた。解析対象であるJPP37における2020年から2023年までのCs-137検出は春に高頻度であった。東アジアのCTBT放射性核種観測点9カ所のうち、北京、蘭州、モンゴルのウランバートルの検出値も春に高かった。このことから、東アジアにおける黄砂の検出との高い関連性が示唆された。そこで、日本のいずれかの地点で黄砂が観測された場合に、近隣の包括的核実験禁止条約準備機関(CTBTO)の国際監視システム(IMS)9地点でCs-137の検出を確認した。また、高崎、北京、蘭州、ウランバートルで高い検出率を示した。このことから、日本周辺の東アジア地域のIMS粒子状放射性核種観測点で主に春に観測されたCs-137は、黄砂により運搬されるグローバルフォールアウトの影響を拾っている可能性が高いと推察される。さらに、日本近海に飛来する黄砂について予備的な放出源推定解析を行った。大気拡散シミュレーションでは、Cs-137が黄砂の放出源である砂漠から放出されたと仮定して、近傍のIMS粒子状核種観測点でCs-137が検出されたことを説明した。
高橋 時音; 小泉 光生; 吉見 優希*; 持丸 貴則*
JAEA-Technology 2025-007, 26 Pages, 2025/11
イベント会場等にテロ行為目的で核・放射性物質が持ち込まれることを防ぐため、放射線検出器により、出入りする人や車両を個別に検査する手法が一般的に用いられている。しかし、こうした検査をすり抜ける可能性があるため、補完的にゲート内の広範囲にわたる放射線サーベイを行い、核・放射性物質が持ち込まれていないことを確認する必要がある。広いエリアを効率的に放射線サーベイする手法として、GPSを搭載したガンマ線検出器を用い、移動しながら測定した位置情報と線量を記録する「放射線マッピング」が有効である。ネットワークを利用すると、複数台の検出器からのGPSと測定データを指揮所で集計し、測定の進行状況や、測定した放射線量マップをリアルタイムで確認することが可能となる。このような仕組みを導入することにより、測定の重複や抜け落ちを防ぐとともに、不審な放射線源を迅速に検出できるようにできる。さらに、ガンマ線検出器にスペクトロメーターを導入すると、放射性同位体の同定に基づく適切な対処が可能となる。このような広域放射線サーベイを行うため、リアルタイムマッピングソフトウェアを開発した。開発したソフトウェアは、GPS付ガンマ線スペクトルメーターから送信される測定データを受け、リアルタイムで逐次処理し、あらかじめダウンロードしておいた地図データ上に描画する。また、線量の上昇した領域でスペクトルを積算することにより放射性同位元素の同定が行え、それに基づいて対処法が決定できるようになった。さらに、本ソフトウェアは、情報セキュリティを向上させるため、ローカルネットワークのみでも利用できるようになっている。本報告書では、開発したソフトウェアの概要を紹介するとともに、エッセンスを簡易化したコードを付録で提供する。提供したコードは、オープンかつフリーのOS、ライブラリ、環境で開発しており、誰でも導入して使用可能である。
高橋 時音; 持丸 貴則*; 小泉 光生; 吉見 優希*; 山西 弘城*; 若林 源一郎*; 伊藤 史哲*
JAEA-Review 2025-039, 34 Pages, 2025/11
大規模イベント等において、核・放射性物質を用いたテロ行為を未然に防ぐために、それらの物質を持ち込ませない、あるいは、持ち込まれたとしても迅速に検知し対応するための監視技術の強化が求められている。従来は、イベント会場及びその周辺の要所にゲートモニターを設置し、通過する人や車両等を監視して、不審な物品の持ち込みがないことを確認する手法がとられてきたが、監視をすり抜ける場合を考慮すると、ゲート内のエリアを継続的にサーベイする補完的な技術が必要である。サーベイする領域が広い場合には、移動しながら放射線を測定し、各測定点の放射線量を地図上に記録していく放射線マッピングが有効である。複数の検出器を用いて並行して測定を進め、結果を集約することで、より効率的にサーベイを行うことができる。そこで本技術開発では、屋外で位置情報と放射線を同時に計測できる可搬型検出器を開発し、測定結果をネットワークで集約し、即時にマップ上で確認できる技術の開発を進めた。屋内においては、通過した場所の周辺環境地図を作成するSLAMに放射線測定結果を統合し、3次元地図を作成する技術を開発した。また、核物質を含む中性子源の迅速な検知のために、高速中性子検出器を用いた線源探索技術開発を進めた。本稿では、広域サーベイシステムのコンセプトについて述べるとともに、これまでの技術開発で得られた成果等について報告する。
木村 祥紀; 山口 知輝
Radioisotopes, 74(3), p.251 - 264, 2025/11
ガンマ線スペクトル分析による放射性核種判定(RIID)は幅広い分野で利用されており、正確な放射性同位元素の同定は様々な分野で重要な課題となっている。ラボラトリ外の現場におけるRIIDにはハンドヘルド機器が一般的に使用されているが、その性能が限定的であることに課題がある。本稿では、現場使用を想定したハンドヘルド機器によるRIIDのための、教師なしニューラルネットワークモデルを用いたスペクトルデコンボリューション手法を提案する。本手法では、測定されたスペクトルとエネルギーゆらぎ行列(energy-broadening matrix)に基づいたデコンボリューションのためのニューラルネットワークの最適化が可能であり、大規模な訓練データセットや検出器・測定条件の正確なモデリングを必要としない。CsI(Tl)スペクトロメータを用いた放射性同位元素の測定を想定し、シミュレーションと実測スペクトルの両方で提案手法の性能を調べた。その結果として、教師なしニューラルネットワークモデルは従来のデコンボリューションアルゴリズムと比較してもピーク分解能を大幅に向上させることができ、本手法が低エネルギー分解能スペクトルにおけるRIID性能に寄与することを実証した。
清水 亮; 田崎 真樹子; 木村 隆志; 堀 雅人
JAEA-Review 2025-030, 42 Pages, 2025/10
将来的に期待される非核化を、成功裏にまた効果的かつ効率的に導く方策を見いだすため、2018年度から2023年度まで「非核化達成のための要因分析と技術的プロセスに関する研究」を実施してきた。本報告書は、同研究の後半部分の非核化達成の技術プロセスの検討として、現実に対象国の非核化を実施する上で必要となる、核物質・核開発関連施設等の検証及び解体廃棄作業のプロセスについて技術的知見に基づき検討を行い、特に技術的な面から解説を行い取りまとめたものである。ただし、核兵器及びその製造施設については、十分な知見を有していないことから検討の対象外とした。このような成果は、今後の非核化プロセスに関する検討のベースとなるとともに、まだ非核化が達成されていない国の非核化をどのように導いていくかを考察する上で、一助となると思われ、今後の非核化作業の実施に資するものである。
No.0339)核不拡散・核セキュリティ等に関する動向(解説・分析)原稿集原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター
JAEA-Review 2025-029, 341 Pages, 2025/09
原子力人材育成・核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)は、原子力科学技術の健全な発展と核兵器・核テロのない世界の実現を目標としており、その実現及び一般の方々に対する核不拡散・核セキュリティ等の重要性の理解促進を図るための一助として、ISCN Newsletterを毎月発行している。本報告書は、2024年度に発行されたISCN Newsletter (2024年4月号(No.0328)
2025年3月号(No.0339))のうち、「核不拡散・核セキュリティ等の動向(解説・分析)」のカテゴリーの記事を、2024年度内での経緯等が理解し易いよう、項目毎かつ時系列に再編集したものである。各記事は、言葉の統一や脚注の参考・出典のうち、2025年4月現在のURL等への更新の他は、基本的に執筆・発行時の原稿を基本的にそのまま掲載した。さらに付録に上記原稿をNewsletterの発行順にまとめた一覧を掲載した。
木村 祥紀; 山口 知輝
Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 7, p.60 - 66, 2025/03
Rapid and precise detection or identification of artificial radioisotopes is one of the challenging issues in the field of nuclear detection and nuclear security. Although many handheld instruments capable of automated radioisotope detection and identification using small gamma-ray detectors have been recently employed in the field of nuclear security, the performance of such instruments is suffered from the limitation on cost of their detectors in many cases due to limited efficiency or limited energy resolution of the small size detectors. In this paper, a mobile radiation measurement system using multiple small gamma-ray detectors for radioisotope detection and identification has been proposed. The performance of the proposed mobile system for radioisotope identification has been tested for measured gamma-ray spectra of artificial radioisotopes and nuclear materials by CZT detector and CsI(Tl) detector. By analyzing the combined spectrum to be output by the proposed system, significant improvements in the minimum detection time for peaks from radioisotopes and lower detection limits for nuclear materials have been confirmed, comparing to the spectra measured by individual detectors. The authors have also discussed the optimization of detector combinations in terms of detector cost and improvement of sensitivity performance by performing simulations for several types of gamma-ray detectors.
谷川 聖史; 瀬谷 和仁*; 浅川 直也*; 林 宏幸*; 堀籠 和志; 向 泰宣; 北尾 貴彦; 中村 仁宣; Henzlova, D.*; Swinhoe, M. T.*; et al.
JAEA-Technology 2024-014, 63 Pages, 2025/02
プルトニウム転換技術開発施設の廃液処理工程で発生したスラッジ中のPu量を評価する上で、スラッジは生成上、多くの不純物(Na, Fe, Ni等)を含み不均質であるため、従来の破壊分析ではサンプリングによる代表性が乏しく、Pu量測定に係る測定不確かさが大きかった(約24%)。この測定不確かさを低減させるために、日本原子力研究開発機構と米国ロスアラモス国立研究所は共同で中性子を利用した非破壊測定装置のPlutonium Scrap Multiplicity Counter (PSMC)を用いた測定技術の開発を進めた。MOX粉末を用いた模擬スラッジやモンテカルロ法により検証等を行いPSMC検出器パラメーター(predelay, doubles gatefraction等)を最適化し、高分解能ガンマ線分光分析を組み合わせて測定した結果、含有不純物の影響はないことが確認でき、従来法と比べ新たに設定した非破壊測定方法における測定不確かさは約6.5%まで低減できた。さらに、PSMC測定値の妥当性を評価するため、IAEA立ち合いの下、ガンマ線を測定しPu量を評価するIn Situ Object Counting System (ISOCS)を用いた比較測定した結果、ISOCSとPSMCの測定値は両方の測定不確かさの範囲内で一致したため、PSMCによる測定値の妥当性が確認された。これらの結果より、本非破壊測定技術はスラッジのように不純物を多く含み、サンプリングの代表性が乏しいアイテムに有効であり、スラッジの計量管理に適用することが認められた。
Lee, J.; Rossi, F.; 児玉 有; 弘中 浩太; 小泉 光生; 佐野 忠史*; 松尾 泰典*; 堀 順一*
Annals of Nuclear Energy, 211, p.111017_1 - 111017_7, 2025/02
被引用回数:1 パーセンタイル:27.40(Nuclear Science & Technology)Silica glass has been used as a base and host material in vitrified radioactive waste and lithium glass scintillator for neutron detection because of its superb transparency, high heat resistance, and excellent chemical inertness. Therefore, an accurate total cross section of the silica glass is important to evaluate the criticality safety for the vitrified wastes and to understand the neutron response for lithium glass scintillators accurately. In the present study, to provide the accurate total cross section in the thermal and epithermal energy range, the neutron transmission measurements were carried out by a pulsed neutron beam with the time-of-flight method at the Kyoto University Institute for Integrated Radiation and Nuclear Science - Linear Accelerator. We obtained the neutron total cross section of the silica glass in the energy region from 0.002 eV to 25 eV. The obtained results were compared and discussed with the previous results and the evaluated data.
田崎 真樹子; 清水 亮; 木村 隆志; 須田 一則
JAEA-Review 2024-043, 91 Pages, 2024/12
2018年度から開始した「非核化達成のための要因分析と技術的プロセスの研究」の一環で、朝鮮民主主義人民共和国(以下、「北朝鮮」という。)の核開発及び非核化の事例を調査し(ただし2018年に米朝交渉が開始される前まで)、8つの非核化要因((1)核開発の動機、(2)非核化を決断した際の内外情勢、(3)核開発の進捗度、(4)制裁の効果、(5)非核化の国際的枠組み、(6)非核化のインセンティブ、(7)非核化の方法、(8)非核化の検証者、検証方法)から分析し、得られる非核化の教訓を考察した。北朝鮮は朝鮮戦争以降、国家安全保障の確保、国家の威信及び金体制の維持・強化のため、核開発を進めて外交交渉を北朝鮮の有利に導く切り札としての核兵器を取得し、現在まで計6回の核実験を実施するに至った。その間国際社会は、南北朝鮮間の「朝鮮半島非核化宣言」、米朝間の「合意された枠組み」、さらに六者会合による「第4回六者会合に関する共同声明」及び左記声明に基づく「初期段階の措置」と「第二段階の措置」等に基づく北朝鮮の非核化に向けた国際的枠組みを形成した。加えて国連安全保障理事会(以下、「国連安保理」という。)決議に基づく経済制裁や、米国トランプ政権も「最大限の圧力」政策に基づく制裁で北朝鮮の非核化を推進しようとしたが、いずれも結果的には成功しなかった。2024年時点では北朝鮮が既に核兵器を保有していることから、同国の非核化は決して容易ではなく、北朝鮮をそのための外交交渉のテーブルに着かせることさえ難しいと思われる。しかし国際社会は、北朝鮮に対して核不拡散に係る国際規範の遵守の必要性を粘り強く主張すると共に、国連安保理常任理事国である5核兵器国の協調・協力による「抜け穴」を生じさせない強固な制裁の履行や、六者会合で示された「約束対約束、行動対行動」の原則に基づく北朝鮮の非核化の措置に即応し、確実な検証を伴った制裁の段階的な解除の実施など、将来的な「完全、検証可能かつ不可逆的な非核化(CVID: Complete, Verifiable, and Irreversible Dismantlement)」の実現に向けた措置を1つ1つ確実・着実に実施して行くための努力を継続していくことが必要となろう。
小伊藤 優子
核なき時代をデザインする; 国際政治・核不拡散・国際法からみた現実的プロセス, p.128 - 136, 2024/12
本論文は、JSPS科研費「安全保障を損なわない核軍縮」(21H00688)の研究成果の一部である。同研究事業では、核兵器を政治や軍事、国際人道法、科学技術など多角的な観点から総合的に評価するとともに、外務省の「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」による提言(2018年3月29日)のフォローアップを目指して核兵器のない時代に向けた政策や制度などを検討した。本論文は、NPTの成り立ちについて、条約の無期限延長が決定される前と後に分けて概観し、運用方法となっているコンセンサス方式に着目して核をめぐる秩序の形成に果たす役割を評価し、NPTの価値の再考を試みた。あわせて、脱炭素社会の実現に向けて原子力発電の価値が再評価される状況下において、日本が開発を進める次世代革新炉が、非大量破壊兵器地帯構想の実現に向けて貢献し得る可能性について試考した。