Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
奥村 啓介; 岡 芳明*; 石渡 裕樹*
Nuclear Reactor Design, p.49 - 126, 2014/00
原子炉設計において必要な知識として、基本的な原子炉の計算法を説明する。まず、核データ, 格子計算, 格子燃焼計算, 炉心拡散計算, 核熱結合炉心計算, 炉心燃焼計算, 空間依存動特性計算を扱うコードにおいて、どのような数値計算法と手続きが行われているかを分かりやすく記述する。次に、核熱結合炉心計算において計算された、燃料装荷や制御棒挿入のパターンの最適化例を示す。更に、熱伝達計算に単純なノードジャンクモデルを用いるプラント動特性解析の手法について述べる。プラント動特性解析では、制御及び起動特性、原子炉安定性、及び安全性解析を扱う。
三澤 丈治; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 岡 芳明*
Proceedings of Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Applications + Monte Carlo (SNA & MC 2013) (CD-ROM), 2 Pages, 2013/10
Since the supercritical fluids have a special feature regarding thermo-physical properties of fluid density, thermal conductivity, specific heat and so on, it is difficult to predict thermal-hydraulic characteristics of the supercritical fluids by the conventional analysis methods. Therefore, in order to perform the thermal design of supercritical water reactors (SCWRs), development of a numerical analysis method which can clarify thermal-hydraulics of supercritical fluids precisely is important. Japan Atomic Energy Agency has developed a numerical analysis method which can predict the thermo-fluid properties of the supercritical fluids correctly and preform the thermal design of the SCWR. To confirm adequacy of the numerical predictions by a newly developed analysis method, a large scale simulation was carried out. This paper describes the predicted results of thermal-hydraulic characteristics in the simplified fuel bundle of the SCWR.
原田 秀郎; 中村 詔司; 初川 雄一; 藤 暢輔; 木村 敦; 石渡 祐樹*; 安見 厚志*; 間渕 幸雄*; 仲川 勉*; 岡村 和夫*; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 46(5), p.460 - 468, 2009/05
被引用回数:4 パーセンタイル:30.36(Nuclear Science & Technology)弥生炉の高速中性子を用い、約0.1mgの微量サンプルを用いて高速中性子の捕獲断面積を測定する技術を開発し、その有効性を高速中性子に対するNpの中性子捕獲断面積を測定することにより実証した。測定手法としては放射化法を適用し、中性子捕獲反応で生成するNpの生成量を、これからの崩壊線をGe検出器で測定することにより測定した。モンテカルロ計算で得られた照射場の中性子束強度は、同時に照射したAuモニターの放射化量により校正した。核データライブラリーに収められているNpの中性子捕獲断面積のエネルギー依存性情報より、本測定で導出される中性子捕獲断面積及び対応する中性子エネルギーの代表点を求めた。この結果、0.2140.009MeVにおいて0.800.04bという5%の精度での測定値を得た。この結果は、ENDF/B-VII.0の評価値と一致するが、JENDL-3.3のそれより15%、JENDL/AC-2008のそれよりも13%大きくなることを示した。
江里 幸一郎; 秋場 真人; 榎枝 幹男; 鈴木 哲; 関 洋治; 谷川 尚; 鶴 大悟; 森 英夫*; 岡 芳明*
Proceedings of 16th Pacific Basin Nuclear Conference (PBNC-16) (CD-ROM), 6 Pages, 2008/10
現在、東京大学を中心として設計・開発が進められている軽水冷却スーパー高速炉では超臨界圧水を用いて炉心を冷却する。燃料棒被覆管表面温度の高精度予測は燃料棒健全性と主蒸気温度評価にとって重要であるが、超臨界圧水の伝熱実験は管内流において実施されたものであり、燃料棒周りのような狭隘流路の管外流における伝熱流動データはこれまでほとんど取得されていない。本報では、上記のような超臨界圧水の伝熱流動データを取得するために原子力機構に整備した伝熱流動ループの概要と、単一模擬燃料棒ヒータ周りの熱伝達実験結果を報告する。本報告は、旧電源開発促進対策特別会計法に基づく文部科学省からの受託事業として、東京大学が実施した平成18年度「軽水冷却スーパー高速炉に関する研究開発」の成果である。
山路 哲史*; 岡 芳明*; 石渡 祐樹*; Liu, J.*; 越塚 誠一*; 鈴木 元衛
Proceedings of 2005 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP '05) (CD-ROM), 7 Pages, 2005/05
スーパー軽水炉、すなわち高温超臨界圧水炉(SCLWR-H)において燃料健全性を保証することは最も基本的な事項の一つである。SCLWR-Hのほとんどの異常過渡事象は、短時間持続するだけであり、燃料は炉心で照射された後交換される。本研究では、燃料棒の機械的損傷を被覆管の歪みによって代表させることが可能である事実に立脚し、燃料健全性に関する基準を合理的に設定した。新しく設計したステンレス被覆管の燃料棒では、被覆管の応力を緩和するため、及びペレットと被覆管のギャップ熱伝達を向上させるために加圧した。通常運転時及び異常過渡時における燃料健全性を原研のFEMAXI-6コードを用いて評価した。
越塚 誠一*; 池田 博和*; Liu, J.*; 岡 芳明*
JAERI-Tech 2002-013, 60 Pages, 2002/03
原子炉のシビアアクシデントにおいて、高温の溶融炉心が低温の冷却水と接触すると蒸気爆発を生じる可能性がある。そこで、蒸気爆発素過程の解明のため、溶融液滴を包む蒸気膜の崩壊時を模擬し、溶融すずの単一液滴に周囲から水ジェットが衝突する体系で粒子法による3次元シミュレーションを行った。シミュレーション結果では、溶融物がフィラメント状に液滴から飛び出してくる様子が捉えられた。これはCiccarelli-FrostのX線高速写真と非常によく一致している。ただし、X線写真に見られるような急激な細粒化が生じるためには、液滴接触時に自発核生成による高速沸騰が必要である。溶融炉心液滴の場合には、水ジェットが溶融液滴に接触する際に界面温度は溶融物の凝固点以下になるので、急激な細粒化は生じにくく、従って大規模な蒸気爆発も発生しにくいと考えられる。次に、蒸気爆発の圧力波伝播過程の1次元解析コードを開発した。熱的細粒化には液液接触時の自発核生成のモデルを採用した。本コードを用いて蒸気爆発における圧力波伝播の1次元テスト計算を行い、従来のコードによる計算結果とよく一致した。
中塚 亨; 岡 芳明*; 越塚 誠一*
Nuclear Technology, 134(3), p.221 - 230, 2001/06
被引用回数:17 パーセンタイル:74.75(Nuclear Science & Technology)大幅な熱効率向上とコスト削減を目指した新型炉である超臨界圧軽水冷却炉の概念検討を行った。本報では、同じ貫流型プラントである超臨界圧ボイラを参考にして起動方式及び必要な機器を熱的な観点から検討した。超臨界圧に昇圧後核加熱を開始する定圧起動方式では減圧弁・フラッシュタンクからなる起動バイパス系が必要となる。亜臨界圧で核加熱を開始し徐々に昇圧する変圧起動方式では起動時のみ使用する気水分離器が必要となる。本研究により、いずれの起動方式を用いた場合も起動期間を通して被覆管の健全性が確保され起動が可能であることが示された。
中塚 亨; 岡 芳明*; 越塚 誠一*
Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.9 - 0, 2000/00
高い熱効率とコスト削減を目指した超臨界圧軽水冷却炉の概念検討を行った。本報では、同じ貫流型プラントである超臨界圧ボイラを参考にして起動方式及び必要な機器を検討した。超臨界圧から核加熱を開始する定圧起動方式では減圧弁・フラッシュタンクからなる起動バイパス系が必要となる。亜臨界圧から昇圧する変圧起動方式では起動時のみ使用する気水分離器が必要となる。本研究により、いずれの起動方式を用いた場合も起動期間を通して被覆管の健全性が確保され起動が可能であるとともに、起動系の物量を抑制する観点から、バイパス系に気水分離器を設置するこの炉独自の変圧起動が望ましいことが示された。
岡 芳明*; 越塚 誠一*
PNC TY9602 98-002, 100 Pages, 1998/03
液体ナトリウムの漏洩燃焼挙動は、液体の漏洩・落下・障害物への衝突・飛散・燃焼・組成変化・気流の影響・床での流動・堆積・熱伝導など、さまざまな現象が複合したものである。動燃においておこなわれた燃焼実験でも、気流や湿分などが燃焼に与える影響が大きく、より一般的な解析評価手法の開発が求められている。ここでは粒子法を用いたナトリウム漏洩燃焼解析手法の開発をおこなう。粒子法は計算格子を用いない新しい解析手法で、流体の液面の大変形、液滴挙動、組成変化、堆積などを取扱うことができる。昨年度の研究では、水を用いたナトリウム漏洩模擬実験と、これに対する粒子法を用いた解析をおこなった。流体が障害物に衝突して飛散するときの床への落下水分布は実験と計算でおおよそ一致しており、漏洩・飛散挙動の解析精度が確認された。今年度は、粒子法による3次元解析について検討した。粒子法では、粒子間相互作用を半径reで与えられる近傍に限っているが、このパラメータは計算時間および計算精度に重要である。特に3次元計算では、相互作用に関わる粒子数がreの3乗に比例するので、この最適化が効率的な計算には必要不可欠である。そこでテスト計算として立方体内の熱伝導問題を用いて検討し、re=3.0l0が適切であるとの結論を得た。また、粒子法を用いて2次元および3次元スロッシングの計算をおこなった。3次元計算では上記の最適化されたパラメータを用いた。2次元計算では、浅い水槽と深い水槽の場合について、強制振動を与えて周波数応答を実験と比較した。計算結果は実験結果との良い一致を得た。特に浅い水槽では、共鳴周波数が線形理論から大きく逸脱することが知られているが、計算でもこれが再現できた。さらに、側壁が弾性壁である場合も計算し、自由液面と弾性壁の大変形によって共鳴周期が移動することが計算された。なおこれについては実験データがなく、実際の現象との対応は今後の検討課題である。3次元では、矩形および円筒形状の深い水槽におけるスロッシングの計算をおこなった。初期条件として大変形した自由液面を与えて計算を開始し、どちらの体系においても振動周期が線形理論と一致することを示した。本研究により、粒子法による3次元計算手法が確立されるとともに、スロッシングの解析においてその計算精度が十分あることが示された。
岡 芳明*; 越塚 誠一*
PNC TY9602 97-005, 66 Pages, 1997/03
液体金属冷却高速増殖炉では、液体金属ナトリウムをほぼ常圧下で冷却材として用いており、冷却系の機器内に自由液面を有している。また、冷却材の使用温度範囲が広いため、熱応力をなるべく低減するために構造物を薄肉にする必要がある。そのため、自由液面におけるスロッシングやこれと構造物との相互作用、あるいは流れに励起される流体-構造物連成振動などに関連した問題が生じやすい。しかしながら、これまでの数値解析法では、自由液面や構造物の大変形を扱えるものが無かった。マクロ粒子を用いて連続体の数値解析を行なうMPS法(Moving Particle Semi-implicit Method)では、連続体が大きく変形し、そのトポロジーまで変化してしまう場合でも適用することができる。これまでの研究で、非圧縮性流れの計算アルゴリズムの開発を行ない、自由液面での砕波を伴う流れの数値解析を行なった。本年度はこれを発展させ、流体-構造相互作用の計算法を開発し、薄肉の弾性壁によって構成されるタンク内のスロッシングの数値解析を行なうことを研究目標とした。まず、剛体壁で構成された2次元矩形タンクに周期的な外力を与えることによる有限振幅のスロッシングの計算を行ない、既存の実験データと比較した。水位が浅い場合の共鳴周波数は線型理論から導かれるものよりも大きくなるが、計算でもこれが再現され、得られた振幅は定量的にもよく一致した。水位が深い場合には線型理論とほぼ同じ共鳴周波数になり、計算でもこれが再現されたが、実験と比較して得られた振幅の定量的な一致はあまり良くなかった。弾性壁については、片持ち梁の自由振動の計算を行ない、固有周波数が理論解と一致することを確認した。これらの計算により、流体計算および構造計算の妥当性がそれぞれ検証された。次に、矩形タンクの左右の垂直壁を弾性壁としたスロッシングの計算を行った。弾性壁の振動によって高次のスロッシングモードが発生するなど、剛体壁の場合と異なる挙動が計算された。本研究により、MPS法に基づいた自由液面と構造物の大変形を伴う流体-構造相互作用数値解析法が開発された。
岡 芳明*; 越塚 誠一*
PNC TY9602 97-003, 96 Pages, 1997/03
液体ナトリウムの漏洩燃焼挙動を予測することは、液体金属冷却高速増殖炉の安全性にとって重要である。なかでも、漏洩規模が小さい場合には、周囲の障害物や気流の影響などを受けやすい。落下する液体ナトリウムは分裂・飛散するなど変形が著しいだけでなく、燃焼・堆積など様々な作用が加わる複合問題である。従来の差分法は計算格子を用いる必要があるため、流体の分裂・飛散を扱うことが非常に難しく、液体ナトリウムの小規模漏洩の数値解析はできなかった。一方、MPS法(Moving Particle Semi-implicit Method)は東京大学によって開発された新しい数値解析手法で、流体をマクロ粒子の集まりで表現し、支配方程式をこれと等価な粒子間相互作用に置き換えて計算する。計算格子を必要としないので、流体の分裂・飛散を容易に扱うことができる。また、流体の動きが粒子の動きと同じであり、燃焼・堆積などの作用を組み込むことが容易であると考えられる。そこで本研究の目的はMPS法を用いた比較的小規模のナトリウム漏洩燃焼形態の予測手法の開発である。具体的には、流体として常温の水を用いた小規模ナトリウム漏洩模擬実験を行なうとともに、同じ条件で3次元MPSコードによる数値解析を行なった。水を用いた模擬実験では、まず3種類の漏洩口と4種類の漏洩量の組合せで、漏洩口における漏洩形態の観察を行った。漏洩口や流量の影響はあまり見られず、いずれの場合も流体が塊に分裂しつつ落下する様子が観察された。次に、空調ダクト模擬物を配置して、漏洩水の落下位置分布を10x10cm区画の落下水受けを用いて測定した。漏洩水のうち約85%はダクト表面を伝ってダクト下部に落下した。残りの15%はダクト前方に飛散した。3次元MPSコード及びそのポストプロセッサーは動燃によって開発され、これを用いて模擬実験の条件で数値解析を行なった。ダクト前方に飛散する水の落下分布はおおよそ実験と一致したが、ダクト表面を伝う流れについては計算されなかった。それは漏洩量が少なく、水を表す粒子数が少ないため、粒子間相互作用が適切に働かなかったためと考えられる。
岡林 邦夫; 岩田 耕司; 和田 雄作; 森下 正樹; 山口 彰; 一宮 正和; 家田 芳明
PNC TN9420 96-052, 162 Pages, 1996/07
「もんじゅ」二次主冷却系ナトリウム漏洩事故(1995年12月8日)の原因究明作業の一環として,流体力による温度計の振動について検討した。本報は,その中間報告をまとめた報告書である。1)温度計ウエルはNa流速約37m/秒の範囲で対称渦放出を伴う抗力方向振動を起こす可能性があった,2)この振動は健全なウエルで定格約60%以上の流量状態において発生する,3)初期の100%流量運転期間中に抗力方向振動を起こし,周方向に有意な疲労亀裂が生じたと推定される,4)深さ1mmの有意な亀裂を仮定し,後続の進展履歴における最終破断に至る過程を推定した,などを記述した。
岡林 邦夫; 岩田 耕司; 和田 雄作; 森下 正樹; 山口 彰; 一宮 正和; 家田 芳明
PNC TN9420 96-051, 73 Pages, 1996/07
「もんじゅ」2次主冷却系ナトリウム漏洩事故(1995年12月8日)の原因究明作業の一環として,流体力による温度計の振動について検討した。本報は,詳細な別報と分離して概要を記述した報告書である。流力振動による温度計ウエルの破損の可能性について定量的に検討した。1)ウエルは対称渦放出を伴う抗力方向の流力振動による高サイクル疲労によって破損した可能性が高いことが判明した,2)運転履歴に基づいてウエルの亀裂進展を解析し,初期の100%流量運転での亀裂発生とその後の40%流量運転での破断を推定した,3)結果は破面調査と水中疲労確認試験の結果とも整合している,などを報告した。
岡林 邦夫; 岩田 耕司; 和田 雄作; 森下 正樹; 山口 彰; 一宮 正和; 家田 芳明
PNC TN9420 96-040, 274 Pages, 1996/07
もんじゅ二次主冷却系ナトリウム漏洩事故原因究明作業の一環として行った,流体力による温度計の振動に関する検討の中間報告である。温度計は主配管の横腹の管台に溶接支持され,温度計ウェルが配管内に約185mm水平に突き出した構造になっている。振動解析によれば温度計ウェル先端の振幅は流れと直行方向で最大値約0.9mm,流れ方向の最大値約1.2mmである。2方向の振動数はいずれも約260Hzのウェル先端が振動するモードである。疲労損傷が生じる部位はウェル付根溶接部とウェル細管付根段付部が考えられるが,後者の部位の応力は前者より有意に大きいので,まずここから破損すると考えられる。
岡 芳明*; 越塚 誠一*; 岡野 靖*
PNC TY9602 96-001, 133 Pages, 1996/03
高温増殖炉の安全性や経済性を追求するためには、自由液面を有する熱流動問題や液体-構造連成問題などの複雑な事象を高精度で評価することが不可欠である。しかしながら、従来の計算格子を用いる解析手法では、解析領域自体が大きく変形する問題に対して限界がある。そこでここでは、流体の運動を粒子の動きによって解析する「粒子法」の基礎研究を、昨年度に引き続き実施した。今年度は、昨年度に開発した粒子法の計算手法に関して次2点の改良を行なった。第1点は粒子間相互作用モデルの基本となる重み関数の改良で、粒子間距離がゼロの場合に値が無限大になるような関数に変更した。第2点は非圧縮条件の計算法で、粒子数密度の偏差をソース項とする圧力のポアソン方程式を導き、これをICCG法で解くように改良した。これらの改良によって、昨年度と比較して数値安定性が格段に向上し、計算時間も大幅に短縮された。次に、この改良された粒子法(Moving Particle Semi-implicit Method, MPS法)を斜面上で生じる砕波の解析に適用した。斜面に入射された波は、水深が浅くなるに従い波形が急峻になり、やがて砕波する。この時、流体は著しく変形するだけでなく分裂や合体にまで至るので、従来の格子を用いる解析手法では砕波を解析することができなかった。粒子法ではこうした場合でも安定に計算することができ、砕波を再現することができた。また、実験では砕波パラメータにより砕波形式が分類されているが、これについても実験と良く一致した計算結果が得られた。本計算では、境界の壁面を振動させることで波を発生させているが、この振動を非線形波であるクノイド波の解析解に従い、高さ方向で異なる振幅を与えた。これによって、助走区間が短くても解析解に従った入射波を発生することができ、計算量を低減することができた。さらに、浮体を加えた解析も行ない、波の力によって浮体が移動する様子を解析した。このように粒子法では、構造物を変形させながら動かしたり、あるいは流体からの力によって構造物が移動するようなことも容易に解析できることが示された。
岡 芳明*; 越塚 誠一*
PNC TJ9602 95-001, 113 Pages, 1995/03
高速増殖炉の経済性や安全性のさらなる追及のためには、境界移動間題など解析領域自体が著しく変形する事象に対しても十分な精度で解析できる必要がある。粒子法は流体を粒子の集まりとして模擬するので、流体の変形を粒子の運動から直接計算できる。従って、解析領域が大きく変形する場合のみならず、流体が分裂や合体する場合にも特別な取扱いをせずに解析することができる。しかしながら、これまでに開発してきた粒子法では従来の差分法に比べて計算時間が長いため、大規模な問題に適用することは難しかった。そこで本研究では粒子法の基礎研究として、計算の高速化について研究を行った。計算コードの中でも計算時間を消費するのは、陰的な取扱いが必要な非圧縮条件の計算の部分である。そこで非圧縮条件の計算の中で中で用いられている修正係数の最適化、および近傍粒子リストの導入によって、大幅な計算速度の向上を実現した。改良された計算コードを用いて、海岸のように水深が一様に減少していく体系に波が打ち寄せる様子を計算した。波は垂直壁を移動させることで発生させており自由表、面を有する場合でも移動境界問題が粒子法では容易に扱えるごとを示した。
杉山 康治; 冨田 芳明; 池添 博; 山内 良麿; 井出野 一実; 濱田 真悟; 泥谷 雅之*; 杉光 強*; 迎 隆*; 中本 孝太郎*; et al.
Physical Review C, 49(6), p.3305 - 3308, 1994/06
被引用回数:3 パーセンタイル:18.28(Physics, Nuclear)原子核の高励起状態にエキゾチックなクラスター構造が現れる。この構造のスピンを決定することは、構造の研究を進める上で不可欠である。我々は線反跳法により、C+O非弾性散乱で励起されたC(2)の磁気量子状態の分布を求めた。各磁気量子状態への角度分布からクラスター構造のスピンを決める新しい方法を見つけた。
笹本 宣雄; 青木 保*; 安藤 康正*; 石川 智之*; 植木 紘太郎*; 岡 芳明*; 金野 正晴*; 坂本 幸夫; 桜井 淳; 佐藤 理*; et al.
JAERI-M 89-122, 74 Pages, 1989/09
1988年9月12日から16日まで、英国ボーンマスにおいて第7回放射線遮蔽国際会議が開催され、炉物理研究委員会・遮蔽専門部会では、会議で発表された133篇の論文について詳細なレヴューを行った。レヴューに際しては、論文の主題、独創性、特徴、結論あるいはそれの遮蔽設計への適用可能性について着目してまとめを行った。
岡 芳明*; 笹本 宣雄; 森 清治*; 植木 紘太郎*; 川合 将義*; 大石 晃嗣*; 桜井 淳; 秦 和夫*; 関本 博*; 大山 幸夫; et al.
JAERI-M 87-203, 230 Pages, 1987/12
D-T中性子源を用いた遮蔽実験にもとづいて、核融合遮蔽ベンチマーク問題集を作成した。
岡 芳明*
PNC TJ2602 87-002, 30 Pages, 1987/03
ポリエチレン板のラジエターとCR-39などのポリカーボネイト板を組合せた陽子反跳型の固体飛跡検出器は,高速中性子の個人モニターとして保健物理分野で近年盛んに研究され利用されつつある。 この検出器は素子のサイズも小さく,かつ約0.1M-V以上の高速中性子のみを高感度で検出できる可能性を持っており,遮蔽実験特にストリーミング実験に有用であると思われる。 ここではAm-Beや14M-V中性子源を用いた校正実験により,その感度の精度,方向依存性を検討した。 次にこの検出器をFBR燃料集合体の下部の遮蔽プラグのストリーミング測定に利用した。 得られた主な結論は次のとおりである。 1.この検出器は,遮蔽実験に使用できる。精度は相対測定を行う場合5%以下,絶対値の比較行う場合は20%以下と思われる。 2.高速中性子フルエンスとして5107n/CM2108n/CM2の照射が適当である。 3.入射方向依存性があるので(20%程度)なるべく垂直入射に近い条件で用いるのがのぞましい。 4.14K-V中性子線源を用いて,水素を含有する体系内で測定を行う場合は0.5mm厚程度の鉄などでカバーをすることがのぞましい。 5.遮蔽プラグストリーミング実験に利用したところ,減衰中やストリーミング係数を求めるのに有用であることがわかった。