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秦 はるひ; 石森 有
Radioisotopes, 66(4), p.149 - 158, 2017/04
放射能インベントリの推定には、放射性核種の組成に応じたドラム缶の分類が必要となるため、ウランを含む廃棄物ドラム缶の線スペクトルデータに対するランダムフォレスト法とサポートベクターマシン法の分類性能を比較した。使用したドラム缶に含まれるウランは、ウラン鉱石由来の天然ウランと回収燃料に由来する回収ウランおよびイエローケーキ中の不純物由来のラジウムを多く含む天然ウランである。これらのドラム缶の線スペクトルデータ1037点のうち、75点を訓練データとし、残りのデータ962点を用いて比較した。今回の検討では、ランダムフォレスト法がチャネルシフトに影響を受けない分類となった。
石森 有; 横山 薫*; 早川 友也; 秦 はるひ; 迫田 晃弘; 長沼 政喜
デコミッショニング技報, (55), p.36 - 44, 2017/03
日本原子力研究開発機構人形峠環境技術センターのウラン計測技術とその関連技術の現状について概説する。廃棄物のウラン量評価を目的としてJAWAS-NとQ装置を導入した。これらの測定下限値は200ドラム缶あたり数g程度のウラン量である。Q装置による評価結果を補正するため開発した等価モデルは、数十g程度以下のウラン量には適用できない。この報告では改良した等価モデルのウラン量評価での有効性を示す。これは測定対象物中のウランの不均一な分布を補正するため、1001keVの光電ピークとその散乱線スペクトルを利用する手法である。このモデルの使用により、従来の評価法の1/10を下回るウランの定量下限値を実現した。Uを定量可能するため、1001keVの線を評価するための遮蔽因子を186keVの線の評価に同様に使用できることを実証した。このモデルを採用した測定装置は既に国内のほかの原子力事業者でも利用されている。また、クリアランス計測への応用も検討している。関連技術として線スペクトルを利用した廃棄物ドラム缶を分類するために、機械学習の適用可能性に係る研究も実施している。
秦 はるひ; 石森 有
Radioisotopes, 66(1), p.1 - 10, 2017/01
放射性廃棄物ドラム缶の分類に対し、機械学習法の一つであるランダムフォレスト法が適用できるか検討した。ウランの起源が天然または回収燃料かで分類された954点のドラム缶の線スペクトルデータを利用した。300点を訓練データ用にとりわけ、残りの654点のスペクトルデータを用いて、ランダムフォレストの分類の正答率を評価した。カウント数の対数の差分値をとる前処理を行う場合、ランダムフォレスト法で654点を正確に分類できた。
横山 薫; 秦 はるひ; 長沼 政喜; 小原 義之; 石森 有
Radioisotopes, 64(11), p.687 - 696, 2015/11
ウランの偏在を補正する解析手法(以下、「等価モデル法」と記す。)を開発してきた。等価モデル法では、遮へい効果が異なる2本の線を使用する。ウラン量の定量ではPaから放出される線(766keV, 1001keV)を用いる。定量誤差は計数率が小さい線に依存する。定量誤差を低減するため、高い計数率を得る方法を検討した。線の多くは、放射性廃棄物中でコンプトン散乱を受け、散乱フォトンが発生する。計数率が大きい散乱フォトンを等価モデル法に適用した。等価モデル法にコンプトン散乱の計数率を適用することは有効であった。
秦 はるひ; 横山 薫; 石森 有; 小原 義之; 田中 祥雄; 杉杖 典岳
Applied Radiation and Isotopes, 104, p.143 - 146, 2015/10
被引用回数:10 パーセンタイル:64.63(Chemistry, Inorganic & Nuclear)ウラン廃棄物ドラム缶の内容物に含まれるウランが、天然ウランか回収ウランかを分類する際に、機械学習法の一つであるサポートベクターマシン(SVM)が適用できるか調査を行った。本研究では、NaI(Tl)シンチレーション検出器で取得した12個の訓練用データで機械学習を用い、955個のデータで試験を行った。その結果、元のラベルに対し、4個のデータのみが不正解であった。そのうち1つは、ラベルが間違いのものであり、その他3つはSVMの誤分類であった。SVMは短時間で大量のデータを分類するのに効果的な手法であることが示唆され、スケーリングファクタ法において元のラベルを確認する補助的なツールとして有用だと考えられる。
横山 薫; 秦 はるひ; 小原 義之; 長沼 政喜; 杉杖 典岳
Radioisotopes, 63(12), p.559 - 566, 2014/12
原子力施設の廃止措置で発生するウラン系廃棄物を収納したドラム缶中のウラン238(U)量は、線測定等を用いて評価される。CANBERRA製のQualitative and Quantitative (Q) Low Level Waste Assay Systemsを用い廃棄物ドラム缶を測定した。本装置はウラン線源の均一分布を仮定するが、実廃棄物ドラム缶では均一性は確認されていない。そのため、著者らが開発した線源の偏在を補正する新しい解析手法を用いて評価した結果、ドラム缶中の線源偏在が、本装置のU定量値へ与える誤差を評価できた。
齋藤 龍郎; 坂井 章浩; 佐藤 和彦; 八木 直人; 秦 はるひ; 麓 弘道*; 川越 浩; 長谷川 信
JAEA-Review 2014-021, 30 Pages, 2014/07
日本原子力研究開発機構では、計画中の研究施設等廃棄物浅地中処分施設に、放射能濃度の低いウランを含む廃棄物も処分するための検討を進めている。IAEAやICRPの提案する考え方、調査対象国(米国,カナダ,英国,フランス,スウェーデン)で行われているウラン廃棄物に類似した長寿命放射性廃棄物の処分方策や法規制をまとめ、我が国の処分制度への適用性を整理した。ウランを含む廃棄物をウラン廃棄物と特定せずに、第二種廃棄物埋設で処分することを想定したときの課題を、埋設ウランからのラドン評価、ウラン子孫核種評価、地質の安定性等の観点から整理した。その結果、人間侵入シナリオの評価期間が長期の処分場と、短期の処分場に分けられた。各国の先行事例が多いことから、第二種廃棄物埋設における処分の実現性は最も高いと思われる。制度化にあたっては、この二通りの処分場の対応を踏まえて検討すべきと考える。
佐藤 和彦; 坂井 章浩; 秦 はるひ; 麓 弘道*; 川越 浩; 齋藤 龍郎; 長谷川 信
JAEA-Review 2014-006, 78 Pages, 2014/03
本書では、ウラン廃棄物処分方策の検討に資するため、平成24年度に実施した米国及びカナダの調査に引き続き、フランス,英国及びスウェーデンでのウランを含む長寿命低レベル放射性廃棄物処分に関する安全評価の基本的考え方や産業廃棄物(以下、産廃)処分等を中心に調査した結果を報告する。
横山 薫; 秦 はるひ; 小原 義之; 杉杖 典岳
Radioisotopes, 62(11), p.833 - 840, 2013/11
原子力関連施設の廃止措置等に伴って発生するウラン廃棄物の放射能濃度を評価するパッシブ線測定手法を研究してきた。その結果、Paから放出される2つのエネルギーの線を用い、廃棄物及びウランが偏在しても放射能濃度を定量可能な測定手法を構築した。本手法は、最終的には既存の線測定装置に導入することを目標に置いている。このため、CANBERRA製の測定装置; Qualitative and Quantitative (Q) Low Level Waste Assay Systemsを用い、本評価手法の適用妥当性を示した。
秦 はるひ; 横山 薫; 杉杖 典岳
Proceedings of 20th International Conference on Nuclear Engineering and the ASME 2012 Power Conference (ICONE-20 & POWER 2012) (DVD-ROM), 7 Pages, 2012/07
原子力機構人形峠環境技術センターのウラン濃縮原型プラントにおける七フッ化ヨウ素ガスを用いた化学除染について実績データとその評価について報告を行う。七フッ化ヨウ素ガスを用いた除染では、98%を超える除去率が得られた。また、実績データを用いて除染のシミュレーションを行った。
百武 徹*; 武藤 明徳*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*; 鈴木 和彦*; 横山 薫; 高橋 信雄; 秦 はるひ; 杉杖 典岳
JAEA-Research 2011-035, 53 Pages, 2012/01
核燃料施設の廃止措置では、放射性廃棄物の発生量を極力少なくすることや、解体作業時の被ばく線量を低減することを目的として、一般的に、解体前系統除染や解体後の除染が行われている。人形峠環境技術センターでは、おもに、ウラン化合物により金属表面が汚染した機器を対象とした系統除染として「七フッ化ヨウ素(以下、IFという。)を用いた乾式除染」を適用している。「IFを用いた乾式除染」は、金属表面に付着したウラン化合物とIFの化学反応により除染を行う技術であるが、このような、除染ガスを用いた乾式除染技術に関しては、除染の進展メカニズムや除染レベル等の除染性能に関する基礎研究は、必ずしも十分に行われておらず、これらの研究を実施し、乾式除染技術として一般化することが求められている。このため、本研究では、人形峠環境技術センターで実施している、IFガスを用いた乾式除染データを活用し、最終的には乾式除染の基礎的メカニズムのモデル化を行うことを目的とし、これらの研究の基礎的知見として、数値解析手法によりUFの付着現象に関する解析を実施した。
秦 はるひ; 横山 薫; 綱嶋 康倫; 大橋 裕介; 古賀 修; 杉杖 典岳
JAEA-Research 2011-022, 35 Pages, 2011/09
原子力施設等から発生する低レベル放射性廃棄物の埋設処分の安全評価の重要な要素のひとつに埋設後の溶出特性がある。そのうち、原子力発電所から発生する低レベル放射性廃棄物については、既にコンクリートピットやトレンチ処分が行われており、溶出特性についても、その評価方法が確立している。一方、本報告で対象としているウラン廃棄物では、現状、溶出特性に関する試験方法について定まった考え方は示されていない。このような状況を踏まえて、埋設処分の安全評価上の留意点を評価するために予察試験を行った。これより、廃棄物を構成する材質とそこに含まれるウランの化学形態及び形状が溶出試験において重要なファクターになることがわかった。加えて、処分場への降水量の多寡により、溶出特性が変わってくると考えられる。以上のことから、ウラン廃棄物からの漏えい率を厳密に評価しようとするならば、これらのファクターを考慮した溶出試験を行う必要があることがわかった。
秦 はるひ; 横山 薫; 杉杖 典岳
Proceedings of 14th International Conference on Environmental Remediation and Radioactive Waste Management (ICEM 2011) (CD-ROM), p.105 - 110, 2011/09
原子力機構人形峠環境技術センターでは、ウラン濃縮試験施設の廃止措置の基本方針として、IFガスを使った系統除染と希硫酸による浸漬除染を組合せた方法により、廃止措置から発生する金属の約90%をクリアランスし、資源として再利用する計画である。IFを使った系統除染は、適用できる汚染物質がウランの中間フッ化物に限定されるという制約はあるが、1mol対1molのシンプルな反応あり、常温、かつ低圧(20hPa以下)で処理ができ、二次廃棄物がほとんど発生しないという優れた特徴を有する。IFガスを使った系統除染をウラン濃縮原型プラントに適用し、プラント内部に滞留した約700kgのウランを約60日で回収した。また、プラント主要な構成機器である遠心分離機の内面の除染レベルは、おおむね1.0Bq/g以下まで除染することができており、除染係数DF=100程度の性能を有する。
百武 徹*; 武藤 明徳*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*; 鈴木 和彦*; 横山 薫; 高橋 信雄; 秦 はるひ; 杉杖 典岳
JAEA-Research 2010-032, 32 Pages, 2010/10
核燃料施設の廃止措置では、放射性廃棄物の発生量を極力少なくすることや、解体作業時の被ばく線量を低減することを目的として、一般的に、系統での除染や解体後の除染が行われている。人形峠環境技術センターでは、おもに、ウラン化合物により金属表面が汚染した機器を対象とした系統除染として「七フッ化ヨウ素を用いた乾式除染」を適用している。「七フッ化ヨウ素を用いた乾式除染」は、金属表面に付着したウラン化合物と七フッ化ヨウ素の化学反応により除染を行う技術であるが、このような、除染ガスを用いた乾式除染技術に関しては、除染の進展メカニズムや除染レベル等の除染性能に関する基礎研究は、必ずしも十分に行われておらず、これらの研究を実施し、乾式除染技術として一般化することが求められている。このため、本報告では人形峠環境技術センターで実施している、七フッ化ヨウ素ガスを用いた乾式除染データを活用し、乾式除染の基礎的メカニズムのモデル化を行うことを目的として、数値解析手法により、除染対象となる六フッ化ウランの金属表面付着現象に関する解析結果を報告する。
大橋 裕介; 中塚 嘉明; 川妻 伸二; 秦 はるひ; 綱嶋 康倫; 村田 雅人; 時澤 孝之; 杉杖 典岳
no journal, ,
ウラン濃縮・転換技術開発で発生した澱物類のうち、ウラン量の多いものについては、資源の有効利用の観点からウラン回収を行い、処理に伴い発生する残渣を廃棄体化し、処分する。本試験では転換系の澱物類について、水及び塩酸を用いて実廃棄物を処理し、ウランを回収する試験を実施した。転換系中和沈澱物,NaF,珪藻土,アルミナ吸着剤,MgF吸着剤は2hでいずれも98%以上のウラン溶解率であった。流動媒体については、塩酸1N,過酸化水素の添加により室温、24hの処理で99%以上のウラン溶解率が得られた。また、NaF,珪藻土については水溶解によりそれぞれ99%, 88%のウラン溶解率であった。本試験結果よりウラン回収プロセスを検討するための基礎データとして実廃棄物の溶解に関する特性が把握できた。
綱嶋 康倫; 中塚 嘉明; 川妻 伸二; 大橋 裕介; 村田 雅人; 時澤 孝之; 杉杖 典岳; 秦 はるひ
no journal, ,
製錬転換・ウラン濃縮等のウラン取扱施設から発生した操業廃棄物はスラッジと呼ばれる。それらは必要に応じてウラン回収を実施し、セメント固化して処分すると想定されている。そのため、セメントが固化する範囲を確認する試験を実施した。セメント種類,水セメント比,スラッジ混合率をパラメータとして固化試験を実施し、24hr後のブリージング水発生の有無を確認することで、固化範囲を確認した。一軸圧縮強についても測定した。これら試験結果から、吸着剤(NaFペレット,活性アルミナ),流動媒体(不活性アルミナ),中和沈殿物においては40wt%から60wt%程度まで混合できる可能性を確認できた。
横山 薫; 秦 はるひ; 杉杖 典岳; 百武 徹*; 武藤 明徳*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*; 鈴木 和彦*
no journal, ,
七フッ化ヨウ素を用いた除染手法は、ウラン濃縮プラントのような六フッ化ウランを取り扱った施設の系統除染手法として知られている。本報告では、七フッ化ヨウ素を用いた系統除染のメカニズムを分子レベルで解明することを目指した研究のための基礎的情報の整備として、プラント運転データを用いた、プラント機器内部に付着するウラン化合物である四フッ化ウランの生成過程の推定結果、四フッ化ウランの付着速度の推定結果及び四フッ化ウランと七フッ化ヨウ素の活性化エネルギーについて報告する。
秦 はるひ; 横山 薫; 杉杖 典岳; 百武 徹*; 武藤 明徳*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*; 鈴木 和彦*
no journal, ,
七フッ化ヨウ素を用いた除染のメカニズムを分子レベルで解明するための最初のステップとして、六フッ化ウランと金属(鉄)との物理吸着及び化学反応の可能性、六フッ化ウランと四フッ化ウラン(固体)との物理吸着及び化学反応の可能性について検討を行うため、六フッ化ウランの分子間、六フッ化ウランと鉄、六フッ化ウランと四フッ化ウラン(固体)間の分子間ポテンシャルを分子軌道法により評価し、このデータをもとに六フッ化ウランの付着メカニズムについて推定した結果を報告する。
横山 薫; 秦 はるひ; 高橋 信雄; 杉杖 典岳; 百武 徹*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*
no journal, ,
七フッ化ヨウ素(IF)を用いた系統除染に関する分子レベルでの基礎的研究として、UFが吸着した表面に対してUFが入射した際にUFが壁面で化学反応を行うための活性化エネルギーの解析を、分子動力学法(MD法)を用いて行った。
秦 はるひ; 横山 薫; 高橋 信雄; 杉杖 典岳; 百武 徹*; 笹倉 万里子*; 箕輪 弘嗣*; 鈴木 和彦*
no journal, ,
七フッ化ヨウ素を用いた除染手法は、ウラン濃縮プラントや転換プラントのような、ウランフッ化物(代表的な化合物=六フッ化ウラン)を取り扱った施設の系統除染手法として知られている。本報告では、七フッ化ヨウ素を用いた系統除染のメカニズムを分子レベルで解明するための最初のステップとして、六フッ化ウランと金属(鉄)との物理吸着及び化学反応の可能性、六フッ化ウランと四フッ化ウラン(固体)との物理吸着及び化学反応の可能性について検討を行うため、六フッ化ウランの分子間、六フッ化ウランと鉄、六フッ化ウランと四フッ化ウラン(固体)間の分子間ポテンシャルを分子軌道法により評価し、このデータをもとに、MD法により六フッ化ウランの付着メカニズムについて推定した結果を報告する。