Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
栗原 良一; 渡辺 健一*; 小西 哲之
JAERI-Review 2003-020, 37 Pages, 2003/07
日本原子力研究所で概念検討している将来の核融合原型炉は、系全体の熱効率を上げるために炉内機器の冷却材として超臨界圧水を使用する設計にしている。したがって、核融合原型炉の真空容器内でブランケット冷却配管が破断した場合に、超臨界圧水の放出挙動を評価することは安全性を確保するうえで重要である。しかし、それを正確に評価するためには、超臨界圧水ブローダウンの熱水力現象を解析しなければならない。そこで、現時点で実際に使用されている超臨界圧水冷却火力発電プラントにおいて、ボイラー火炉やタービン内で冷却水が噴出した場合の実験や解析が行われていないか、国内外の公開文献を調査した。また、将来の軽水炉として東京大学で設計された超臨界圧水冷却軽水炉のLOCA解析コードについて、超臨界圧水の熱伝達式に関する評価式等を調査した。核融合実験炉ITERモデルの真空容器内冷却水漏洩事象(ICE)の評価に用いたTRAC-BF1コードは、蒸気表や構成式が21MPa,374C以上の超臨界圧水に対応していない。そのため、超臨界圧水冷却の核融合炉においてICE事象が発生した場合の評価ができるようにTRAC-BF1コードを改良するうえで必要な課題について調査した。
中塚 亨; 岡 芳明*; 越塚 誠一*
Nuclear Technology, 134(3), p.221 - 230, 2001/06
被引用回数:17 パーセンタイル:74.75(Nuclear Science & Technology)大幅な熱効率向上とコスト削減を目指した新型炉である超臨界圧軽水冷却炉の概念検討を行った。本報では、同じ貫流型プラントである超臨界圧ボイラを参考にして起動方式及び必要な機器を熱的な観点から検討した。超臨界圧に昇圧後核加熱を開始する定圧起動方式では減圧弁・フラッシュタンクからなる起動バイパス系が必要となる。亜臨界圧で核加熱を開始し徐々に昇圧する変圧起動方式では起動時のみ使用する気水分離器が必要となる。本研究により、いずれの起動方式を用いた場合も起動期間を通して被覆管の健全性が確保され起動が可能であることが示された。
加藤 章一; 吉田 英一; 青砥 紀身
JNC TN9400 2000-042, 112 Pages, 2000/03
FBR蒸気発生器の伝熱管破損に起因する隣接伝熱管への破損メカニズムのひとつとして、ナトリウム-水反応により急速に伝熱管壁が加熱され破断に至るいわゆる高温ラプチャ現象が考えられる。本研究では、改良9Cr-1Mo鋼に関する高温ラプチャ評価の基礎データとして反映するため、超高温領域における引張及びクリープ試験を実施した。引張試験におけるひずみ速度は10%/min10%/sec、クリープ破断時間は最長277secである。また、試験温度は7001300である。本試験において得られた結果を要約すると、以下のとおりである。(1)改良9Cr-1Mo鋼について、ひずみ速度と引張強度との関係及び数分以内の極端時間のクリープ破断強度に関する評価データを取得した。(2)上記取得データに基づき、Mod.9Cr-1Mo鋼伝熱管の構造健全性評価に必要なクリープ破断式を提案した。(3)改良9Cr-1Mo鋼の超高温域における引張強度及びクリープ強度は、「もんじゅ」伝熱管材料の2・1/4Cr-1Mo鋼よりも高い値を示し、優れた強度特性を有していることがわかった。
白川 典幸*; 堀江 英樹*; 山本 雄一*; 松宮 壽人*
JNC TJ9440 2000-008, 47 Pages, 2000/03
伝熱流動数値実験によって、化学反応を伴う伝熱流動が高速炉を構成する機器に及ぼす影響を評価するには、反応の発生箇所近傍だけでなく機器全体を解析対象とする必要がある。そのため、計算負荷の観点から微視的な解析手法を直接用いることができない。このため、使用する熱流動解析コードには、化学反応によって生じる多相・多成分の反応性流体の挙動をモデル化し、相関式として組み込まなければならない。反応性流体の化学反応の量は反応する相間の境界面積に依存し、この面積は界面の形状によって大きく変化する。しかし、ナトリウム-水反応のように化学反応を伴う系については、これに関する実験的知見もないのが現状である。そこで本件では、微視的解析手法である粒子法を用いて、多相・多成分・反応性流体の挙動を機構論的に解析し、流動様式や境界面積に関する知見を得ることを最終的な目的とする。本年度は、粒子法を用いて水・ナトリウム反応を扱うための第一段階として、液体ジェットが他の液体プールに噴出する際の流体力学的挙動への粒子法の適用性を検討することを目的とした。このため、文献調査によりジェット流動様式のメカニズムを検討するとともに、ここでの目的に合致する、「ガソリンプールに水を噴出させる実験」を選び、解析した。また、蒸気発生器内部の伝熱管水リーク事故では管群内のジェット流を解析する。このような複雑体系への本手法の適用性を検討するため、蒸気発生器安全性総合試験(SWAT/Run19試験)を例として化学反応を含まない流体力学のみの予備解析を実施した。その結果、伝熱管群を含む複雑体系においても、高速ジェット流とプール流体との相互作用を考慮した流動挙動への適用性が確認できた。さらに、今後扱うべき現象のモデリングについて検討し、相変化と化学反応経路を選定し定式化を行った。水の相変化は伝熱律速モデルに基づき、化学反応は水・水素転換率をパラメタとした一括反応モデルに基づいている。また、コード構成についても概念設計を行った。
越塚 誠一*
JNC TJ9400 2000-011, 102 Pages, 2000/03
超臨界圧軽水冷却高速炉の大出力化の可能性を検討するため、大型の高温超臨界圧軽水冷却高速炉(SCFR-H)の設計研究を行った。臨界圧軽水冷却炉は現在の火力ボイラーの主流である貫流型直接サイクルを採用し、超臨界水を冷却材とすることで、現行の軽水炉と比較してシステムの大幅な簡素化、コンパクト化および熱効率の向上が可能になる概念である。本検討にて、ブランケット上昇流冷却型SCFR-H、ブランケット下降流型SCFR-H及び高出力型SCFR-Hの3種類の炉心を設計した。いずれも熱効率が43%を超え、冷却材密度係数を正に保ちつつ電気出力1600MWを上回る概念である。熱中性子炉であるSCLWR-H(電気出力1212MW)と、同一の原子炉圧力容器内径の条件の下に比較検討し、電気出力で最大約1.7倍増加できることが示された。出力増大という観点からは、燃料配置を稠密にできる高速炉の方が、十分な減速材領域を必要とする熱中性子炉よりも出力密度を高めることができるため有利である。すなわち、超臨界圧軽水冷却炉では、高出力を目指した高速炉にすればさらに経済性が向上すると結論できる。
中塚 亨; 岡 芳明*; 越塚 誠一*
Proceedings of 8th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-8) (CD-ROM), p.9 - 0, 2000/00
高い熱効率とコスト削減を目指した超臨界圧軽水冷却炉の概念検討を行った。本報では、同じ貫流型プラントである超臨界圧ボイラを参考にして起動方式及び必要な機器を検討した。超臨界圧から核加熱を開始する定圧起動方式では減圧弁・フラッシュタンクからなる起動バイパス系が必要となる。亜臨界圧から昇圧する変圧起動方式では起動時のみ使用する気水分離器が必要となる。本研究により、いずれの起動方式を用いた場合も起動期間を通して被覆管の健全性が確保され起動が可能であるとともに、起動系の物量を抑制する観点から、バイパス系に気水分離器を設置するこの炉独自の変圧起動が望ましいことが示された。
永井 桂一
JNC TN9410 2000-003, 52 Pages, 1999/12
本書は、平成11年5月に実施した50MW蒸気発生器試験施設内の大型コールドトラップ(1次、2次ナトリウム系用)の解体洗浄に関し、解体洗浄に係る調査検討内容や解体洗浄方法、解体洗浄結果及び安全対策等について実施記録をまとめたものである。大型コールドトラップの解体洗浄は、ほぼ計画通りの方法にて安全且つ効率的に作業を行うことができた。また、これら一連の解体洗浄を通し、様々な知見や経験等を得ることができ、これまであまり経験の無かった大型コールドトラップの空気雰囲気中における解体洗浄技術を構築することができた。本件で得られた知見及び経験等は、今後実施される大型コールドトラップの解体洗浄や類似ナトリウム機器の解体洗浄の作業計画や作業実施及び安全管理等に充分役立つものと思われる。
飯塚 透; 上出 英樹; 西村 元彦
PNC TN9410 98-083, 118 Pages, 1998/07
実証炉段階で採用される原子炉冷却系に係る新概念技術の確立を目的とし、原子炉容器から蒸気発生器(SG)までを総合的に模擬した大型ナトリウム試験(原子炉冷却系総合試験)計画を検討した。これまでに基本設計を行い、試験施設は実証炉の1/3縮尺2ループモデルとした。SGについては水・蒸気側の模擬性を高めるため高さ方向1/1縮尺の部分モデルとし、2次系配管を1ループに集約して接続するものとした。このため、2次系配管が著しく長くなり、実機模擬性が損なわれる可能性が考えられる。また、2次系配管の途中で2ループを1ループに集約する構造のため、自然循環試験時にはループ間のアンバランスが助長されることも考えられる。そこで、2次系配管長をパラメータとして動特性解析を実施し、模擬性に与える影響を把握した。また、IHX伝熱面積等にループ間で差異を与えた場合の予測解析を実施した。その結果、SGが流れ方向に長く、熱容量も大きいことから、2次系配管長の影響は相対的に小さいことが分かった。また、片方のループにのみ選択的に自然循環が発達するような現象は見られなかった。以上より、2次系配管長の短縮は制約条件が厳しい割に熱過渡の改善の効果が小さく、構造上可能な範囲すべきことが分かった。また、ループ間に実証炉と同等の製作誤差があっても、試験の実施及び試験結果の評価に大きな影響を与えるような問題は生じないことが分かった。
浜田 広次; 田辺 裕美*; 和田 雄作*; 宮川 明*; 広井 博*
PNC TN9410 98-029, 122 Pages, 1998/05
高速炉蒸気発生器伝熱管の高温ラプチャに対する健全性評価のため、動燃では次の研究を進めてきた。1)超高温材料データの取得と構造健全性評価法の整備2と1/4Cr-1Mo鋼の高温(7001200)クリープ試験データを取得し、高温、短時間破裂である高温ラプチャ特性を踏まえて時間依存のクリープ破断評価法に基づく材料基準値を策定した。また伝熱管破損模擬試験(TRUST-2)により本評価法を検証した。2)ブローダウン時の減圧特性を含む伝熱管内流動解析手法の整備本ブローダウン解析に使用するBLOOPHと汎用コードであるRELAP-5とで実機ブローダウン解析結果の比較を行い、両者が良好な一致を示すことを確認した。また、ナトリウム-水反応時の入熱を考慮した管内蒸気流モデルを開発した。3)ナトリウム-水反応試験データに基づく定量的な検証過去のナトリウム-水反応試験データから保守的に求めた反応域温度と管外熱伝達率を用いてSWAT-3試験及び米国LLTR試験の解析を行い、クリープ破断モードよりも延性破断モードが早期に現われること、破断時間は実際の試験結果よりもかなり短時間の保守的な結果となることを示した。これらの結果を踏まえて、PFR大リーク事故及び高速増殖原型炉「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管破損の再評価を行った。主な結果は、以下のとおり。1.1987年の英国PFRの事故が多数の伝熱管破損に至った最大の原因は、事故当時過熱器に高速減圧系が設置されていなかったためであることが、上記評価法を適用して定量的に示された。2.以上の検証解析結果を踏まえて選定した保守的なパラメータを用いて、「もんじゅ」条件での100%、40%、10%の各定常運転から水ブローまでの解析を行い、いずれの場合も高温ラプチャが発生する条件に至らないことを確認した。3.管束部中下部ではブロー途中に伝熱管内部流量が低下するため、安全裕度が相対的に小さくなるが、蒸気ブロー弁の増設による水ブローの高速化が裕度拡大方策として有効であることを示した。
環境・資源利用研究部
JAERI-Research 96-053, 114 Pages, 1996/10
日本原子力研究所(JAERI)、国際原子力機関(IAEA)、ポーランド核化学・技術研究所(INCT)は、1993年1月から1997年3月までの間、電子ビームによる排煙処理の研究協力を実施中である。本研究協力の第1期は、1993年1月から1995年3月にかけて、高崎とワルシャワで開催された情報交換会議(調整会議)ならびに研究者の相互交流による実験と討議を通じて行われた。本共同研究を通じて、カベンチンの石炭燃焼熱供給所からの排煙の電子ビーム処理に関し、有用な成果が得られた。本報告書は、この三者の共同研究の主要な成果をまとめたものである。
大音 明洋*; 唐沢 博一*; 青木 俊夫*; 渡部 一郎*; 塩田 達也*; 秋田 晴夫*
PNC TJ9164 96-023, 1167 Pages, 1996/07
蒸気発生器(SG)伝熱管の設計基準水リーク(DBL:Design Basis Leak)評価手法の整備とその妥当性を,水リーク時のナトリウム┼水反応事象を模擬した総合的な試験により確認するため,既説のSWAT-3の改造内容に関し,詳細設計を行い,以下の結果を得た。(1)試験内容・条件の確認平成6年度に設定した試験項目,内容,計装等の試験計画を確認するとともに,試験条件・試験方法の見直しを行った。また,SWAT-3試験装置の構造健全性を確認するために,圧力と温度に着目したNa┼水反応準定常圧解析を実施し,構造健全性上問題ないことを確認した。また,改造SWAT-3を用いた多本数破断試験(BDBL)時の許容注水量及びその時の試験条件を確認した。(2)試験ループの確認主循環系(Na配管),純化系等の対象とする角配管系の設計条件,材質及び寸法設定の根拠を明確にするとともにSWAT-3全体系統図の作成を行った。試験ループの検討では,DBLの妥当性確認試験,接液型ラプチャ試験及び今後のBDBL試験を考慮した試験ループの考え方をまとめ,さらに注水管及び隣接管の注水方法,注水ノズル方向及び伝熱管配列の項目に対する試験方法の見直し検討を実施した。制御特性解析については,放出系の弁開閉に伴う圧力制御特性解析及び水注入系の弁開度,圧力設定条件をパラメータとして注水管・隣接管流量制御特性解析を実施し,良好な制御特性が得られることを確認した。また,音響検出系の検討では,パッシブ法及びアクティブ法の開発にあたって必要となるそれぞれの評価項目に対してSWAT-3試験において実施すべき内容をまとめ,音響検出計試験ケースの検討を実施した。また,パッシブ法及びアクティブ法のデータ採取に対する検出器の具体的設置について検討を実施した。さらに,計測システム構成の検討の結果,システムへの要求事項を満足させる高速ディジタル信号処理システムを採用することが非常に有効であることがわかった。(3)機器等の設計反応容器,配管等について構造解析条件及び耐震解析条件の検討を行い,それに基づき,応力解析及び耐震解析を実施し,構造健全性上問題ないことを確認した。反応容器,水加熱器等の機器について,計装品取付計画,組立手順計画,輸送治具計画及び据付手順計画等の検討を実施した。また,これらの機器・配管の製作に係わる試験検査項目を
浜田 広次; 田辺 裕美
PNC TN9410 96-027, 41 Pages, 1995/12
FBR蒸気発生器(SG)で水リークによるナトリウム-水反応ジェットが生じると、隣接伝熱管が急速に高温状態に曝される。このような条件下でも、管壁の機械的強度の低下による高温ラプチャが生じないことを確認することが安全上重要である。高温ラプチャ評価手法を確立するため、これまで構造解析コードFINASによる解析モデルを使用し、模擬試験データによる検証を行ってきた。今回は英国PFRの過熱器を対象として、1987年の大リーク事故解析を行った。事故当時の低速ブロー系設置体系においては、反応ジェットに曝された隣接管に過熱器隔離後3秒で解析上の高温ラプチャが生じており、実際の事故シナリオと非常に良好な一致が得られたことから、採用した高温ラプチャ解析モデルの妥当性を確認できた。また高速ブロー系設置体系を想定した比較解析からは、伝熱管やナトリウム側の条件が同じでも、過熱器隔離後の蒸気ブローによる急速な減圧及び管内冷却効果の存在により隣接管に高温ラプチャは生じないことが確認された。以上の解析結果は、PFRで見られた大リークへの進展が過熱器の設計・運転の違いに起因して生じたものであったことを示しており、これらの知見からは、SGの設計はもちろん水/蒸気系の隔離及びブローといったリーク後の運転操作も高温ラプチャを回避する観点から極めて重要であることが推測できる。実証炉以降の大型炉SGの設計においては、水リーク後の最適な蒸気ブローの設計・運転法を見いだす必要があり、本報で開発した高温ラプチャ解析手法は、その設計評価にも充分反映できるものであると考える。
not registered
PNC TN1440 96-026, 51 Pages, 1995/12
高速増殖原型炉もんじゅ40%出力試験中における2次系ナトリウム漏えいについて(第2報)標記の件について、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第67条第1項及び試験研究の用に供する原子炉等の設置、運転等に関する規則第21条第2項の規定に基づき、別紙のとおり報告いたします。
not registered
PNC TN1410 95-087, 89 Pages, 1995/10
「信頼性・経済性を目指した核燃料リサイクル技術の開発」の第二部として、「高速炉の研究開発課題」について報告させていただきます。ここでの目標は、安心できる、経済的に魅力のある高速炉を開発することであります。高速炉の開発に対する動燃の基本方針には、「核燃料の安定供給、有効利用はもとより、原子力発電の有利性を最高度に発揮せしめるため」と謳われております。核燃料サイクルと調和のとれた高速炉の開発の究極の目標は、相当に高いレベルに設定されていると言えます。第一部で述べられたように、エネルギーの経済性について高い関心を呼んでいる中、実用化を目指している高速炉の経済性の向上を中心として、さらに、信頼性・安全性の向上に向けての研究開発の取り組みについて、ご報告いたします。
浜田 広次
PNC TN9410 95-262, 35 Pages, 1995/09
FBR蒸気発生器(SG)で水リークによるナトリウム-水反応ジェットが生じると、隣接伝熱管が急速に高温状態に曝される。このような条件下でも、管壁の機械的強度の低下による高温ラプチャが生じないことを確認することが安全上重要である。高温ラプチャ評価に向けて、これまで構造解析コードFINASによる1次元解析モデルを使用してきたが、本モデルの妥当性を確認するために、火薬トーチの火炎噴流により高温ラプチャを模擬した試験及び同解析モデルの検証を行った。その結果、以下が明らかになった。(1)同じ管内圧力でも、蒸気封入管はラプチャ破損し、蒸気流動管には破損が生じないことから、高温ラプチャでは管内冷却(除熱)効果が大きい。(2)同じ封入管でも、管外熱伝達率が小さい加圧管は破損しないことから、管内冷却効果と同様に反応ジェットによる管外熱伝達率の効果が大きい。(3)以上の傾向は、破損時間などが幾分保守的となるものの、FINASによる試験解析においても充分説明できることから、本解析モデルの妥当性が確認できる。以上の知見を踏まえ、今後火薬トーチ等による高温ラプチャ模擬試験及びコード検証を実施していく上での課題として、以下を提案した。試験条件となる実際のナトリウム-水反応ジェットによる管外熱伝達率を正確に把握し、試験条件の設定に反映すること。実機の管内条件を模擬するため、試験体には高圧の過熱蒸気を供給できる設備に変更すること。また、反応ジェットでは伝熱管の周方向及び軸方向に温度分布が生じることから、より現実的な高温ラプチャ解析には多次元(23次元)モデルを採用する必要があること。
Ugolini; 吉川 信治; 小澤 健二
PNC TN9410 95-210, 11 Pages, 1995/09
蒸気発生器の出口蒸気温度の正確な制御は、原子力発電所の水/蒸気系全体の性能を向上させるために重要である。本報告書では、制御対象の挙動予測及び制御対象の上流で時間的に先行して観測される境界条件をニューラルネットワークによって制御信号に反映させるアルゴリズムについて述べる。このアルゴリズムはニューラルネットワークを用いたモデル適応制御法(MRACnn)に組み込まれている。MRACnnが原子炉の蒸気発生器のような非線形な機器をも制御できることは既に報じられているが、MRACnnシステムの性能向上のためにニューラルネットワークの特性を更に利用する手法については今まで考えられてはいなかった。本報告書に述べるMRACnnの改良型は高速炉プラントシュミレータと接続して、蒸気発生器出口蒸気温度の制御に用いられた。この結果、制御対象の挙動予測及び制御対象の上流で時間的に先行して観測される境界条件を制御信号に反映させることが制御性能を向上させることを確認した。
大後 美道; 山崖 佳昭
PNC TN2410 95-035, 53 Pages, 1995/05
本報告書は、平成7年2月14日にサンケイホールにおいて行われた第11回高速増殖炉研究開発成果報告会にもんじゅ建設所から報告した2件のスライドとオーラルペーパーをまとめたものである。発表テーマ(1)性能試験の現状-高速増殖原型炉もんじゅ-(2)「もんじゅ」の総合的評価の計画
堀井 信一; 山本 勝*; 本田 宏一*; 田多井 和明*; 磯崎 典男*; 田村 豊*; 高橋 琢*; 高橋 英治*
PNC TN8470 95-003, 240 Pages, 1995/01
事業所内に蒸気を供給している中央運転管理室及びボイラ、非常用発電機設備は、経年変化が著しく、今後も蒸気を安定して供給するために建物を含む蒸気設備を更新した。本報は、この更新工事(中央運転管理棟建設工事)に関する事柄をとりまとめ、今後、同様工事の参考にするものである。
青木 昌典; 吉田 英一; 和田 雄作
PNC TN9410 94-262, 120 Pages, 1994/09
FBR蒸気発生器用材料として適用されるMOD.9CR-1MO 鋼、 2 1/4CR-1MO鋼およびSUS321に関して、ナトリウム-水反応等を想定した高温バースト特性の解析評価の基礎データとして反映するため、最高1,200 までの超高温領域における引張試験を実施した。主要な結果は次の通りである。(1) 2 1/4CR-1MO鋼、SUS321および MOD.9CR-1MO鋼伝熱管材の1200における引張強さは、各々約 2.5、2および 2.5kg/MM2であった。(2)引張強度におよぼす試験片の加熱昇温速度(550/MIN) および加熱保持時間(10 30MIN)の影響は、各鋼種とも本試験の範囲内では顕著に認められなかった。(3)伝熱管内の蒸気圧力を150KG/CM2 と想定した場合、MOD.9CR-1MO 鋼、2 1/4CR-1MO鋼およびSUS321の破断の想定温度は、本試験の範囲内では各々約 960、860および1040程度と考えられた。本試験の結果は、今後の蒸気発生器伝熱管のナトリウム-水反応を考慮した高温ラプチャー評価のための基礎的データとして反映される。
青木 昌典; 加藤 章一*; 小峰 龍司; 吉田 英一; 和田 雄作
PNC TN9410 94-261, 143 Pages, 1994/06
FBR大型炉の一体貫流型蒸気発生材料として適用が予定されているMOD.9CR-1MO 鋼の伝熱管相当板材(12MMT) ならびに伝熱管材について、高温引張試験、大気中クリープおよびリラクセーション試験を実施し、基本材料特性を把握した。また、9CR-2MO 鋼を用いて同様な試験を行い、MOD.9CR-1MO 鋼との比較を行った。得られた結果を要約すると以下の通りである。1.引張特性(1)MOD.9CR-1MO 鋼の伝熱管相当板材および伝熱管材の引張強さならびに0.2 %耐力は、材料強度基準暫定値のSu、Syを充分満足していた。ただし、Su値に関しては見直しの可能性が残っていることから、今後総合的な再評価を行う必要がある。(2)MOD.9CR-1MO 鋼の伝熱管相当板材及び伝熱管材の引張強さは、9CR-2MO 鋼の平均傾向より高い値を示した。(3)MOD.9-1MO 鋼の伝熱管相当板材と伝熱管材との比較では、引張強さ、0.2 %耐力はほぼ同じであり、素材による差異は認められなかった。2.クリープ特性(1)MOD.9CR-1MO 鋼の伝熱管相当板材および伝熱管材のクリープ破断強度は、 500600 での材料強度基準暫定値の設計クリープ破断応力強さSR と比較し、全体的に大きく上回っていた。これは特に長時間側で顕著である。(2)定常クリープ速度と破断時間との関係において本試験の結果は、暫定的に定められた材料強度基準で示されている定常クリープひずみ速度M と比較的良い一致を示した。(3)MOD.9C-MO 鋼のクリープ破断強度は板材および伝熱管材とも9CR-2MO 鋼よりも高い値を示し、MOD.9-1MO 鋼が優れたクリープ特性を有していることが明らかになった。3.リラクセーション特性(1)MOD.9CR-1MO 鋼のひずみ 0.1 0.5%の条件での応力は初期時から約50時間でほぼ緩和し、それ以降の応力緩和量は小さいものであった。これらの応力緩和量は高温、高ひずみ側ほど増大した。一方9CR-2MO 鋼は200 時間経過後も徐々に応力緩和が進展しておりM--.9C--1M- 鋼と異なった挙動を示した。(2)本試験範囲におけるリラクセーション挙動は、概ね従来のクリープひずみ式で記述できることが確認できた。本試験の結果は、今後の材料強度基準暫定値の見直しや強度評価法の高