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笹尾 英嗣; 鈴木 敬一*; 山田 信人*; 窪島 光志*
Proceedings of 12th SEGJ International Symposium (USB Flash Drive), 4 Pages, 2015/11
筆者らは瑞浪超深地層研究所において、宇宙線ミューオンを用いた断層の検出を試みた。同研究所の地質は上位の堆積岩と下位の花崗岩からなり、両者の境界は深度170mに位置する。幅の広い粘土変質帯を伴う断層が花崗岩中に垂直に分布する。本研究では測定装置を深度200mと300mの水平坑道に設置してミューオンを測定した。その結果から、花崗岩、断層、堆積岩の密度は、各々3.38, 2.88, 1.99g/cmと求められた。この値はこれまでに測定された密度よりも明らかに大きい。その相違の理由は不明であるが、花崗岩の密度を2.6g/cmとして再計算すると、断層及び堆積岩の密度は2.2g/cm, 1.5g/cmと求められ、これまでに計測された値に一致した。このことから、宇宙線ミューオンを用いた探査は地質構造の検出に有効であると考えられる。
鈴木 敬一*; 西山 英一郎*
JNC TJ7410 2005-002, 79 Pages, 2003/03
地中レーダー探査を支配する主要な物性は誘電率である。地下を対象とした場合,水の誘電率は岩盤の誘電率に比べて大きく,両者にはコントラストがある。そのため,例えば透水性の割れ目帯では電磁波の反射や電磁波速度の低下が生じる。これらの現象に着目すると,レーダー調査技術は透水性の割れ目帯を対象とした調査に有効である。本件では,連続波レーダー実験機の機能を拡張するため,データの記憶・解析部を追加した。拡張した機能を用いて反射係数自動測定を行い,多量のデータを取得した。逆フーリエ変換を適用して取得データを時間領域波形に変換し,測定対象物からの反射波を確認した。さらに,これまで実施した基礎実験の結果に基づき,実用装置として使用するために必要な改良点を抽出し,その概念設計を行なった。その内容は,送信電力の高出力化,指向性アンテナ,ボアホール型アンテナ,ノイズ対策などである。今後,実験機を実用化することにより,従来のパルスレーダーでは探査できなかった深部の探査が可能になると考えられる。
鈴木 敬一*
JNC TJ7420 2000-007, 28 Pages, 2000/03
連続波レーダー実験機を用いて,反射係数を測定しインピーダンスを求める実験を実施した。測定対象は,空気,水,地面である。測定の結果,アンテナの接触する媒質により,インピーダンスの値が異なることがわかった。本実験結果で得られた知見を詳細に解析することにより,電磁ACROSS(Accurately Controlled Routine Operated Signal System)(またはACROSSレーダ)のハードウェアへの発展が期待される。
鈴木 敬一*
JNC TJ7410 99-001, 156 Pages, 1999/03
連続波を用いた電磁波調査機器(連続波レーダ装置)を開発するため,実験機を試作した。連続波として正弦波を連続的に送信することにより,従来のパルスレーダ探査では実現できなかった長距離の探査が可能である。本業務では,既存の測定器(ネットワークアナライザ)にアンテナを接続した実験機を試作し,東濃鉱山において性能試験を実施した。また,東濃鉱山のボーリングコアを用いて電気特性(比誘電率及び導電率)を測定し,アンテナ設計のための基礎データとした。本実験機は,存否セプストラム法を適用することにより,電磁ACROSS(Accurately Controlled Routine Operated Signal System)(またはACROSSレーダ)として実用化を目指すものである。
鈴木 敬一*; 林 泰幸*; 西山 英一郎*
JNC TJ7420 98-005, 99 Pages, 1998/09
既存の連続波レーダー装置を用いてトモグラフィへの適用性を検討するため,正馬様洞のAN-1号孔及びAN-3号孔の深度30180m間でトモグラフィ測定を実施した。取得データ数は2,951である。現地測定終了後,BPT法及びSIRT法を用いてトモグラフィ解析を実施し,速度分布図及び振幅比分布図を得た。なお,トモグラフィ解析に先立ち,伝搬時間及び振幅のデータ品質管理を実施した。パルスレーダーと同程度の時間分解能を得るため,伝搬時間の読みとりには位相スペクトルから計算する方法を採用した。解析結果及び既存ボーリングデータを用いて地質解釈を実施し,岩盤の性状を推定した。その結果,割れ目密度の大きい部分や変質帯の分布状況が明らかとなった。
鈴木 敬一*; 笠井 弘幸*
PNC TJ7374 98-001, 101 Pages, 1998/03
近年、地中レーダを用いて地中を可視化する技術が国内でも適用されるようになってきた。地中レーダは分解能が高く、特にボアホールレーダでは岩盤内の亀裂の探査に応用されている。しかし、パルス波用いた地中レーダはその反面、探査距離が短いという欠点がある。それを解消するため考案されたのが、FM-CW地中レーダである。FM-CW地中レーダは、連続的に電磁波を送信することにより探査距離を延長し、周波数変調された波形を送受信することでパルスレーダと同様な高分解能の探査ができる装置であり、今後の発展が期待される。本報告書では、FM-CW地中レーダの機器設計に必要な現状技術を分析するため、文献による調査を実施した。日本国内の物理探査、土木、電気通信に関連した学会の論文集、予稿集を参照し、地中レーダの現状技術についてとりまとめた。さらに、今後の機器設計を進める上で必要な基礎実験方法について検討した。
野口 静雄*; 白 文茂*
PNC TJ7374 96-001, 27 Pages, 1996/02
岩盤内に坑道を掘削した場合、坑道壁面付近には掘削影響領域が発生すると考えられる。これまでの調査では掘削影響領域は壁面から数10cm1m程度と考えられる。この掘削影響領域を定量的に評価することは安全評価上必要であり、これを原位置で計測する技術を確立しなければならない。本試験は、坑道の掘削影響領域を定量的に把握できるための試験手法を開発することを目的としている。今回、釜石鉱山に分布する栗橋花崗閃緑岩のような弾性波速度の速い(56km/sec)岩盤において、シュミットハンマー起振による検層を行い、基礎的な知見を得た。
川村 泰資*; 中田 文雄*; 森島 和之*; 結城 則行*; 雨宮 松雄*; 宮川 純一*
JNC TJ7400 2005-069, 15 Pages, 1992/03
岩盤を対象とする孔内載荷試験装置は種々のタイプがあるが、いずれも大深度にそのまま適用できるものではない。そこで、大深度適用上の問題点を抽出し、それを解消するための最新の機械技術の情報を収集した結果、既存の装置を大幅に改良することで、課題を解決できることがわかった。この結果を踏まえ、深度1,000mにおける孔内載荷試験装置の設計を行った。
笠井 弘幸*; 登内 正治*
PNC TJ7374 91-002, 154 Pages, 1991/12
花崗岩の比誘電率と空隙率及び導電率と空隙率の関係を明らかにするために,花崗岩試錐コアから供試体を成形して,花崗岩供試体の空隙率,比誘電率及び導電率を測定した。供試体の比誘電率及び導電率を測定する前に,種々の空隙率を有する供試体を成形するために,花崗岩試錐コア20試料を用いて空隙率の測定を飽和・浮力方による間隙率,密度試験法に関するISRM指針に従って実施した。その結果,試錐コアの空隙率は十分に分散していると判断されたため,これらの花崗岩試錐コアから各4個,合計80個の円柱形供試体(25mm44.5mm)を成形した。供試体の空隙率測定は試錐コアの場合に準じて実施し,比誘電率及び導電率の測定は供試体の両面に薄く塗布した銀ペーストを電極として,インピーダンス/ゲイン・フェーズ・アナライザを用い,供試体の並列容量及び等価並列抵抗を測定することによって実施した。測定結果によると,2040MHz帯において供試体の比誘電率は周波数に依存しないことが明かとなり,同周波数帯において導電率は周波数の増加とともに対数的に増大することがわかった。
坪田 浩二
PNC TJ7374 90-001, 81 Pages, 1990/01
レーダー法を実用化し調査に応用する場合、岩盤の特性は大きな構成因子となる。しかしながら、必要な岩盤の諸物性(誘電率イプシロン、導電率シグマ、透磁率ミュー、及びパラメータとしての周波数)の測定例が少なく、これらについて対象岩盤の物性データを取得しておく必要がある。昨年度「レーダー法に関する岩石物性試験」と題してレーダー法開発の共同研究を実施し、いろいろな種類の岩石の乾燥資料についての比誘雷率、導電率透磁率の測定を行ったが、実際の探査においては地下の岩石は地下水位以下に分布する。従って、岩石は水に飽和した状態となっているので、本年度は自然状態を仮定して、岩石の含水率の差による物性への影響に対する実験を実施し、実際の探査における解析に役立てることを目的とする。
坪田 浩二
PNC TJ7374 89-001, 61 Pages, 1989/01
レーダー法を実用し、そして調査に使用する上で岩盤の物性は大きな構成因子である。しかしながら、必要な岩盤の諸物性(誘電率イプシロン、導電率シグマが、透磁率ミュー、及びパラメータとしての周波数)の測定例が少なく、これらについて対象岩盤の物性データを取得しておく必要がある。昨年度「試錐孔内電磁波探査法に関する基礎的物性」と題してレーダー法開発の共同研究を実施し、岩盤の諸特性(亀裂、含水、圧力〉による影響の評価を行ったが、岩盤の特性データはまだ十分ではなく、データを追加取得するとともに、再評価を行う。
山田 信人; 笹尾 英嗣; 窪島 光志*; 鈴木 敬一*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構と川崎地質は、両者の共同研究として、瑞浪超深地層研究所の研究坑道を利用し、断層等の地質構造の検出を目的としたミュー粒子測定を実施している。本研究では、地下坑道にミュー粒子の検出器を設置し、ミュー粒子を用いた探査手法の地質構造推定手法としての適用性評価を行う。2013年11月から2014年8月までに得られたデータを用いて坑道周辺の密度構造を推定したところ、深度300mの花崗岩中に設置された坑道においても、データ解析に必要な量のミュー粒子を取得できることがわかった。
山田 信人; 笹尾 英嗣; 鈴木 敬一*; 窪島 光志*; 金沢 淳*
no journal, ,
日本原子力研究開発機構と川崎地質は、両者の共同研究として、瑞浪超深地層研究所の研究坑道を利用し、断層等の地質構造の検出を目的としたミュー粒子測定を実施している。本研究では、地下坑道にミュー粒子の検出器を設置し、ミュー粒子を用いた探査手法の地質構造推定手法としての適用性評価を行う。2013年11月から2014年8月までに得られたデータを用いて坑道周辺の密度構造を推定したところ、深度300mの花崗岩中に設置された坑道においても、データ解析に必要な量のミュー粒子を取得できることがわかった。
笹尾 英嗣; 山田 信人*; 鈴木 敬一*; 窪島 光志*
no journal, ,
瑞浪超深地層研究所において、宇宙線ミューオンを用いた断層の検出を試みた。同研究所の地質は上位の堆積岩と下位の花崗岩からなり、両者の境界は深度約170mに位置する。幅の広い粘土変質帯を伴う断層が花崗岩中に垂直に分布する。本研究では測定装置を深度200mと300mの水平坑道に設置してミューオンを測定した。その結果から、花崗岩, 断層部, 堆積岩の密度は、各々3.38, 2.88, 1.99g/cmと求められた。この値はこれまでに測定された密度よりも明らかに大きい。その相違の理由は不明であるが、花崗岩の密度を2.6g/cmとして再計算すると、断層部及び堆積岩の密度は2.2g/cm, 1.5g/cmと求められ、これまでに計測された値に一致した。このことから、ミュー粒子を利用した地質構造探査技術の開発に向けた検討を行い、絶対値の計測には問題があるものの、岩相ごとの密度比を把握することができることを確認した。
大泉 涼*; 加藤 猛士*; 木方 建造*; 窪島 光志*; 宮良 信勝
no journal, ,
HLW最終処分場では、処分場建設時に生じる坑道周辺岩盤中の割れ目の発生とそれらが顕著な水みちとなった場合の地下水流動を事前に評価する必要がある。本発表では、このような割れ目の集中的な発生領域、すなわち掘削損傷領域(EDZ)に着目し、地下350m坑道で行った調査事例を紹介する。具体的には、坑道床面から孔長7mのボーリング孔を4孔掘削し、BTV観測,孔径検層,孔曲がり測定を実施した。そして、EDZの概念と割れ目の成因による分類方法を整理し、それに基づくコア観察とBTV観察の対比により岩盤中の割れ目の幾何学的特徴を解釈し、EDZの範囲等を評価した。