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化学形態を考慮したヨウ素の移行挙動研究, III

A Study on the migration of iodine species of various chemical forms in geological media, III

九石 正美*; 池田 泰久*; 熊谷 幹郎*

Sazarashi, Masami*; Ikeda, Yasuhisa*; Kumagai, Mikio*

本研究は、放射性ヨウ素の安全な最終処分法の確立に資することを目的として、陰イオン性化学種の鉱物への収着性に及ぼす影響因子や収着機構について調査研究し、その結果を踏まえて、天然鉱物や金属イオンを添加したバリア材についてヨウ素の吸着実験を行い、放射性ヨウ素の収着材としての適用性を検討した。その結果は次のようにまとめられる。(1)調査研究: AgIは、溶解度が小さいので放射性ヨウ素の固定化の候補材とされているが、地層処分環境下では、Redox反応、陰イオン置換反応、錯形成反応及び放射線分解などによって見掛け上溶解度が上昇するので、処分場環境条件には注意する必要がある。I$$^{-}$$のような陰イオンは、アロフェンやイモゴライトなどの粘土鉱物及びヘマタイトやゲータイトを含む天然鉱物に吸着する。ただし、その吸着機構はOH基の変異荷電によるもので、等電点以下のpHでしかヨウ素を吸着しない。したがって、弱アルカリの地下水環境下では機能しにくい。ヨウ素収着材の研究開発例に、ヘマタイト、銅、銀添加の水酸アパタイトやクリノプチロライトなどがあるが、いずれも、使用環境やヨウ素濃度に注意が必要である。(2)実験研究: 粘土鉱物の中では、アロフェンが陰イオンを最も多く吸着し、Rd(IO$$_{3}$$$$^{-}$$)=100ml/g、Rd(I$$^{-}$$)=1$$sim$$3ml/gの値が得られ、その吸着機構は変異荷電によると推定された。シン砂は、Rd(IO$$_{3}$$$$^{-}$$)=2ml/g、Rd(I$$^{-}$$)=20000ml/gの値を示し、I$$^{-}$$の吸着に有効であった。その吸着機構は不溶性沈澱の生成であり、IO$$_{3}$$$$^{-}$$が吸着しないのは溶解度がおおきいためである。黄銅鉱の吸着は、ヨウ素化学種に依存せず、Rd=6ml/gであった。その吸着機構は、CuIの生成ではなく、粒子表面との電位差による吸着と推定された。銀を添着して調製した人工バリア材の中では、銀チオ尿素錯体で添着したものが、I$$^{-}$$を最もよく吸着し、Rd=3000$$sim$$4000ml/gの値が得られた。その吸着機構は、基本的には銀ヨウ素化合物の不溶性沈澱の生成であるが、そのほかに、添着された銀化合物と鉱物との親和性や吸着材粒子の表面電位が関係することが示唆された。

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