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アブラナ導管液タンパク質のカドミウムに対する応答

Response of composition of xylem proteins in oilseed rape (Brassica napus L.) plants to cadmium treatment

中村 進一*; 秋山 智恵子*; 渡辺 明夫*; 服部 浩之*; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; 石岡 典子; 松橋 信平; 茅野 充男*

Nakamura, Shinichi*; Akiyama, Chieko*; Watanabe, Akio*; Hattori, Hiroyuki*; Fujimaki, Shu; Suzui, Nobuo; Ishioka, Noriko; Matsuhashi, Shimpei; Chino, Mitsuo*

植物により、土壌中に蓄積したカドミウム(Cd)を効果的に除去するためには植物が根から吸収したCdを効率的に地上部へと移行させる必要がある。Cdの地上部への輸送は主に導管経由であると考えられることから、本研究では導管に存在するタンパク質に着目し、導管におけるCdの輸送機構の解明を目指した。供試植物としてはアブラナを用いて、水耕液中に塩化カドミウムを添加することで植物体にCd処理(10$$mu$$M, 30$$mu$$M)を行った。各植物体より導管液を採取し、導管液タンパク質のCd処理に対する応答を調べた。採取した導管液中のタンパク質濃度をBradford法により測定すると18$$mu$$g/mLであり、Cd処理によっても導管液中に存在するタンパク質の濃度に変化は見られなかった。SDS-PAGEによりタンパク質を分離後、銀染色法により検出するとアブラナ導管液中には根、葉、葉柄、篩管液中とは異なる組成でタンパク質が存在することが確認できた。導管液タンパク質にはCd処理に応答するものの存在が確認できた。分子量20kDa, 45kDaのものはCd処理により存在量が増加し、分子量60kDaのタンパク質はCd処理によりその存在量が減少していた。これらのタンパク質については構造やカドミウム結合性に関しての解析を行う予定である。

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