検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年

緩歩動物クマムシにおける放射線耐性

Radiation tolerance in tardigrades

堀川 大樹*; 坂下 哲哉; 片桐 千仭*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; 黄川田 隆洋*; 浜田 信行*; 和田 成一*; 舟山 知夫; 東 正剛*; 小林 泰彦; 奥田 隆*; 桑原 幹典*

Horikawa, Daiki*; Sakashita, Tetsuya; Katagiri, Chihiro*; Watanabe, Masahiko*; Nakahara, Yuichi*; Kikawada, Takahiro*; Hamada, Nobuyuki*; Wada, Seiichi*; Funayama, Tomoo; Higashi, Seigo*; Kobayashi, Yasuhiko; Okuda, Takashi*; Kuwabara, Mikinori*

クマムシとは、体長がおよそ0.1$$sim$$1.0mmの緩歩動物門に属する動物群の総称である。陸生クマムシは、脱水してanhydrobiosis(無水生命)という無代謝状態に移行する特徴がある。クマムシは、無水生命状態において、さまざまな極限環境(高温・低温・高圧・有機溶媒などへの暴露)に耐性を示す。本研究では、この生物における放射線耐性に着目し、クマムシの一種・オニクマムシ(${it Milnesium tardigrdum}$)が、活動状態及び無水生命状態において、イオンビーム($$^{4}$$He: 12.5MeV/amu, LET 16.2keV/$$mu$$m)と$$^{60}$$Co$$gamma$$線照射に対し、どの程度の耐性を持つかを解析した。結果、オニクマムシにおけるイオンビーム及び$$gamma$$線照射48時間後の半致死線量(LD$$_{50}$$)は、活動状態($$^{4}$$Heイオンビーム: 6.2kGy, $$gamma$$線: 5.0kGy)の方が、無水生命状態($$^{4}$$Heイオンビーム: 5.2kGy, $$gamma$$線: 4.4kGy)より有意に高かった。オニクマムシは、活動状態時には体内の水分含量率がおよそ80%であるのに対し、無水生命状態ではおよそ1%である。よって、放射線が照射された場合、活動状態の方が、体内の水分から生じるラジカルの影響を大きく受けると予測されるので、この結果は意外なものであった。この現象を説明する仮説としては、オニクマムシが、高い放射線損傷修復を持つことが示唆される。また、オニクマムシは、$$gamma$$線よりも$$^{4}$$Heイオンビーム照射に対して高いLD$$_{50}$$値を示した。

no abstracts in English

Access

:

- Accesses

InCites™

:

Altmetrics

:

[CLARIVATE ANALYTICS], [WEB OF SCIENCE], [HIGHLY CITED PAPER & CUP LOGO] and [HOT PAPER & FIRE LOGO] are trademarks of Clarivate Analytics, and/or its affiliated company or companies, and used herein by permission and/or license.