Li(d,t),(d,p),(d,)の直接測定
Direct measurements of the astrophysical Li(d,t),(d,p),(d,) reactions
橋本 尚志; 石山 博恒*; 渡辺 裕*; 平山 賀一*; 今井 伸明*; 宮武 宇也; Jeong, S.-C.*; 田中 雅彦*; 野村 亨*; 岡田 雅之*; 新井 重昭*; 佐藤 哲也 ; 長 明彦 ; 市川 進一; 松田 誠 ; 光岡 真一; 西尾 勝久 ; 池添 博; Das, S.*; 溝井 浩*; 福田 共和*; Bishop, S.*; 佐藤 昭彦*; 下田 正*
Hashimoto, Takashi; Ishiyama, Hironobu*; Watanabe, Yutaka*; Hirayama, Yoshikazu*; Imai, Nobuaki*; Miyatake, Hiroari; Jeong, S.-C.*; Tanaka, Masahiko*; Nomura, Toru*; Okada, Masayuki*; Arai, Shigeaki*; Sato, Tetsuya; Osa, Akihiko; Ichikawa, Shinichi; Matsuda, Makoto; Mitsuoka, Shinichi; Nishio, Katsuhisa; Ikezoe, Hiroshi; Das, S.*; Mizoi, Yutaka*; Fukuda, Tomokazu*; Bishop, S.*; Sato, Akihiko*; Shimoda, Tadashi*
宇宙初期での非一様ビッグバン模型や超新星爆発中の元素合成過程においては中性子過剰な環境が作られるため、原子核反応の径路は安定線よりややずれて中性子過剰核側を進むと予想されている。この過程においてLiは安定核の存在しない質量数8の領域を越える鍵となる元素として注目されている。Liを経由する反応の径路を明らかにするため、Li(d,p), (d,t), (d,)の反応断面積の測定をTRIACで行った。Li(d,t)反応は過去に行われた重心系2.8から1.5MeVでの測定において天体中で重要となる重心系1.5MeV以下のエネルギー領域への断面積の増大の傾向がみられたこと、また重心系0.8MeVに相当する複合核Beの励起エネルギー(22.4MeV)に励起準位の存在が示唆されており、その準位からのトライトンの崩壊が観測されていることから複合核過程による断面積の増大が予想された。本測定により世界で初めて重心系1.5MeV以下のエネルギー領域での断面積データを得、重心系0.8MeVで断面積の増大がみられた。断面積の角分布が等方的であることからこの増大はBeの22.4MeVの準位の寄与であると考えられる。この共鳴の寄与よって天体核反応率は元素合成の起こる温度である10K付近では従来考えられていたよりも1桁大きくなることが明らかとなった。本講演では実験の概要とLi(d,t)反応の解析結果、及びLi(d,t),(d,)の解析について報告する。
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