医用Si/CdTeコンプトンカメラ試作機による複数元素同時撮イメージング
Multi-tracer imaging with newly developed Si/CdTe Compton camera for medical imaging
河地 有木; 渡邉 茂樹; 佐藤 隆博; 松橋 信平; 荒川 和夫; 武田 伸一郎*; 石川 真之介*; 青野 博文*; 渡辺 伸*; 高橋 忠幸*; 島田 博文*; 吉田 由香里*; 鈴木 義行*; 櫻井 英幸*; 中野 隆史*
Kawachi, Naoki; Watanabe, Shigeki; Sato, Takahiro; Matsuhashi, Shimpei; Arakawa, Kazuo; Takeda, Shinichiro*; Ishikawa, Shinnosuke*; Aono, Hirofumi*; Watanabe, Shin*; Takahashi, Tadayuki*; Shimada, Hirofumi*; Yoshida, Yukari*; Suzuki, Yoshiyuki*; Sakurai, Hideyuki*; Nakano, Takashi*
生体内のさまざまな元素動態を同時に非侵襲的かつ定量的にイメージングする手法は、生命科学に新たな知見を与えることができる。競合する複数分子の同一個体内生理反応システムを多次元的に可視化する、粒子線治療時に照射部位から発生する微量な即発
線などを多角的かつ効率的にモニタリングする、などさまざまな応用研究が期待できる。原子力機構・宇宙航空研究開発機構・群馬大学では、この複数元素同時イメージングを目的とし、高エネルギー分解能を持つ半導体検出器を用いたコンプトンカメラの開発を行っている。今回の試作機は400
mピッチのDouble-sided Si Strip Detector(DSSD)と4層の1.35mm
のピクセルサイズを持つCdTe Detectorに低ノイズアナログASICを組合せて構築した、Si/CdTeコンプトンカメラである。この試作機を用いて、ファントム撮像によるコンプトンカメラ基礎特性評価データを取得し、エネルギーの異なる3核種(511keV:
Cu, 364keV:
I, 254keV:
In)を用いたイメージング実験を行った。その結果、生体内複数核種トレーサの同時イメージングに成功し、またコンプトンカメラの特性である独特な感度分布及び分解能分布、120度以上という広視野角が明確になった。これは装置・RI・画像解析といった実験条件の最適化を容易にし、今後予定している次世代医用コンプトンカメラの開発に向けた基本設計に非常に有用な基礎データである。
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