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イオンビーム育種によるサトウキビ品種「Ni17」の特性改良

Ion beam breeding of sugarcane cultivar "Ni17"

竹之下 佳久*; 遠嶋 太志*; 西 裕之*; 白尾 吏*; 長谷 健*; 大江 正和*; 長谷 純宏; 鳴海 一成

Takenoshita, Yoshihisa*; Tojima, Futoshi*; Nishi, Hiroyuki*; Shirao, Tsukasa*; Nagatani, Takeshi*; Oe, Masakazu*; Hase, Yoshihiro; Narumi, Issei

沖縄県久米島地域及び鹿児島県奄美地域を普及対象として育成されたサトウキビ品種「Ni17」は株出し適性が高く、耐風性も強い。しかし、葉鞘部に着生する毛群が粗剛であるため、収穫や栽苗等の作業に障害をきたしている。そこで、イオンビーム照射による突然変異誘発により毛群の少ない優良系統の育成を試みた。幼苗検定により初期選抜した188個体について、ほ場での毛群及び生育調査を行い、毛群が少なく生育の良好な有望個体30個体を選抜し、南西諸島の徳之島現地圃場の系統選抜試験に供試した。2年間の特性調査の結果、有望な系統「KB04-25」を選抜した。「KB04-25」は春植栽培において、毛群の発生が「Ni17」に比べて少なくなっており、収量面においては、茎径が細くなり1茎重は18%減少したものの、茎長が15cm長くなり、茎数が52%増加したために収量は19%増加した。茎の細茎化については風折抵抗性が低下することが想定されるため、今後検討が必要である。

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