幌延深地層研究所における水理・地球化学特性評価技術開発の現状

Current state of evaluation and technology development for hydrogeochemical characteristics in Horonobe Underground Research Laboratory

南條 功; 天野 由記   ; 岩月 輝希  ; 村上 裕晃  ; 佐々木 祥人 ; 吉川 英樹

Nanjo, Isao; Amano, Yuki; Iwatsuki, Teruki; Murakami, Hiroaki; Sasaki, Yoshito; Yoshikawa, Hideki

JAEA幌延深地層研究所では、地下施設の建設が周辺地質環境に与える影響を評価するための技術開発を目的として、地下坑道で地下水の採水と間隙水圧及び物理化学パラメーター(pH,電気伝導度,溶存酸素,酸化還元電位,水温)の同時連続観測が可能なモニタリング装置を製作・設置し、観測を行っている。設置したモニタリング装置による観測の結果、観測区間すべてにおいて立坑掘削の影響に伴う水圧低下の傾向が示され、立坑により近い区間において大きな水圧変化が確認された。また、地下水中の微生物群集について遺伝子解析を行った結果、深度が深くなるにつれてメタン生成菌が優占する群集組成であり、地下水の酸化還元状態を反映した微生物組成となっていることが示された。今後の連続観測により地下水湧水量と水圧・水質の変化量などの関係を整理していく。また、本装置の稼働にあたってガスの発生が原因と思われる水圧異常値が確認されていることから、ガスの発生に対応した水圧・水質モニタリング装置の改良を行い、観測技術を整備していく。

The instrument for groundwater monitoring technique, which can continuously monitor the pore water pressure and physico-chemical parameters(pH, EC, DO, ORP, temp) has developed, to monitor the hydrological and geochemical disturbances caused by underground facility construction. It was able to be confirmed that the pore water pressure decrease in all the observation zone by underground facility construction. The relation between spring water and pore water pressure, physico-chemical parameters will be examined by a consecutive observation.