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竹内 竜史; 村上 裕晃; 西尾 和久*
JAEA-Data/Code 2022-008, 184 Pages, 2023/01
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、瑞浪超深地層研究所の坑道の埋め戻しに伴う地下深部の地下水環境の回復状況を確認するため、環境モニタリング調査として瑞浪超深地層研究所および研究所周辺のボーリング孔等において地下水の水圧観測および水質観測を実施している。本報告書は、20202021年度に実施した地下水の水圧観測データおよび水質観測データを取りまとめたものである。
余語 覚文*; Lan, Z.*; 有川 安信*; 安部 勇輝*; Mirfayzi, S. R.*; Wei, T.*; 森 隆人*; Golovin, D.*; 早川 岳人*; 岩田 夏弥*; et al.
Physical Review X, 13(1), p.011011_1 - 011011_12, 2023/01
被引用回数:0Neutrons are powerful tools for investigating the structure and properties of materials used in science and technology. Recently, laser-driven neutron sources (LDNS) have attracted the attention of different communities, from science to industry, in a variety of applications, including radiography, spectroscopy, security, and medicine. However, the laser-driven ion acceleration mechanism for neutron generation and for establishing the scaling law on the neutron yield is essential to improve the feasibility of LDNS. In this paper, we report the mechanism that accelerates ions with spectra suitable for neutron generation. We show that the neutron yield increases with the fourth power of the laser intensity, resulting in the neutron generation of in
at a maximum, with
Wcm
, 900 J, 1.5 ps lasers. By installing a "hand-size" moderator, which is specially designed for the LDNS, it is demonstrated that the efficient generation of epithermal (0.1-100 eV) neutrons enables the single-shot analysis of composite materials by neutron resonance transmission analysis (NRTA). We achieve the energy resolution of 2.3% for 5.19-eV neutrons 1.8 m downstream of the LDNS. This leads to the analysis of elements and isotopes within sub-
s times and allows for high-speed nondestructive inspection.
村上 裕晃; 竹内 竜史; 岩月 輝希
JAEA-Technology 2022-022, 34 Pages, 2022/10
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、瑞浪超深地層研究所の坑道の掘削に伴う地下深部の地下水環境の変化を把握するため、約24年にわたって坑道および研究所周辺のボーリング孔において地下水の水圧および水質観測を実施してきた。令和元年度から開始した研究坑道の埋め戻しでは、環境モニタリング調査として、坑道の埋め戻し作業に伴う地下水の回復状況を確認することとしている。地上から地下深部の地下水環境を観測するためには、これまで研究坑道内で行ってきた地下水の水圧や水質の観測を地上から行うこととなるが、瑞浪超深地層研究所のような大規模な地下研究施設の埋め戻しは世界的にも前例がなく、新たな観測システムの開発が必要であった。そこで、瑞浪超深地層研究所の研究坑道周辺の環境を観測するために、坑道内に展開していた既存のモニタリングシステムを活用しつつ、地上からの観測を可能とする新たな観測網を整備し、環境モニタリングの実施を通じてその技術を実証することとした。開発された観測システムを用いて坑道の埋め戻し前~埋め戻し期間中の地下水の水圧・水質を観測した結果、埋め戻した坑道内の地下水環境モニタリングにおける本システムの有効性を実証することができた。
竹内 竜史; 尾上 博則; 村上 裕晃; 渡辺 勇輔; 見掛 信一郎; 池田 幸喜; 弥富 洋介; 西尾 和久*; 笹尾 英嗣
JAEA-Review 2021-003, 63 Pages, 2021/06
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本研究所計画では、2014年度に原子力機構改革の一環として抽出された三つの必須の課題(地下坑道における工学的対策技術の開発、物質移動モデル化技術の開発、坑道埋め戻し技術の開発)の調査研究を進めてきた。これらの必須の課題の調査研究については十分な成果を上げることができたことから、2019年度をもって超深地層研究所計画における調査研究を終了することとした。本報告書は、2019年度に実施した超深地層研究所計画のそれぞれの研究分野における調査研究,共同研究,施設建設等の主な結果を示したものである。
福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 原 直広*
JAEA-Data/Code 2020-012, 80 Pages, 2020/10
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2019年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
村上 裕晃; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 西山 成哲*
原子力バックエンド研究(CD-ROM), 27(1), p.22 - 33, 2020/06
地層処分や中深度処分などの放射性廃棄物の埋設・処分分野においては、事業の進捗に合わせて処分施設周辺の地質環境の変化などの大量の情報を収集する必要がある。モニタリングは、処分場周辺の地質環境の把握、事業の意思決定プロセスの支援、利害関係者への情報提供などの目的のために実施される。本論では、国内外における地下水モニタリングの現状と課題を整理した。その結果、モニタリングに先立つ地質環境調査でのボーリング孔掘削、モニタリング場所の選定については、これまでの研究技術開発により技術が確立している一方で、モニタリング機器の長期運用、長期運用後の機器回収、モニタリング孔閉塞時の閉塞材搬送方法、保孔用ケーシングやストレーナ管を残置した場合の移行経路閉塞性などについては、更に技術的根拠の蓄積が必要と考えられた。
沖原 光信*; 矢萩 良二*; 岩月 輝希; 竹内 竜史; 村上 裕晃
JAEA-Technology 2019-021, 77 Pages, 2020/03
原子力機構東濃地科学センターでは、深地層の科学的研究の一環として、超深地層研究所計画を進めている。本計画においては、研究開発課題の1つとして地質環境特性の擾乱や回復、定常化プロセスに関するモニタリング技術の構築を挙げている。本報告書では、現在、各深度の研究坑道に設置して使用している地下水の水圧・水質観測装置を活用し、地上において地下水を採水可能とすることを目的として、立坑に設置する採水用配管の概念設計を行うものである。
福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2019-019, 74 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2018年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データおよび微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所, 試料採取時間, 採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
斎藤 公明; 三上 智; 安藤 真樹; 松田 規宏; 木名瀬 栄; 津田 修一; 佐藤 哲朗*; 関 暁之; 眞田 幸尚; Wainwright-Murakami, Haruko*; et al.
Journal of Radiation Protection and Research, 44(4), p.128 - 148, 2019/12
Massive environmental monitoring has been conducted continuously after the Fukushima accident with different monitoring methods having different features together with migration studies of radiocesium in diverse environments. At three months after the accident, multiple radionuclides were detected at many places; while it was confirmed that radiocesium was most important from the viewpoint of long-term exposures. The air dose rates in environments related to human living have decreased faster than expected from radioactive decay by a factor of 2-3 on average. An empirical model for predicting air dose rate distribution was developed based on statistical analysis of massive car-borne survey data. Some trials were performed to integrate different types of contamination maps to obtain an integrated map of better quantity. Annual external exposure doses for residents who would return to their home were estimated to less than a few mSv as a whole. The environmental data and knowledge have been provided for diverse-spectrum of people in different ways.
西尾 和久*; 村上 裕晃; 弥富 洋介; 濱 克宏
JAEA-Review 2018-037, 53 Pages, 2019/03
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターにおいては、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(以下、地層科学研究)を実施している。地層科学研究を適正かつ効率的に進めていくため、研究開発の状況や成果について、大学, 研究機関, 企業の研究者・技術者等に広く紹介し、情報・意見交換を行うことを目的とした「情報・意見交換会」を毎年開催している。本報告書は、平成30年11月29日に岐阜県瑞浪市で開催した「平成30年度東濃地科学センター地層科学研究情報・意見交換会」で用いた発表資料を取りまとめたものである。
福田 健二; 渡辺 勇輔; 村上 裕晃; 天野 由記; 林田 一貴*; 青才 大介*; 熊本 義治*; 岩月 輝希
JAEA-Data/Code 2018-021, 76 Pages, 2019/03
日本原子力研究開発機構は岐阜県瑞浪市で進めている超深地層研究所計画において、研究坑道の掘削・維持管理が周辺の地下水の地球化学特性に与える影響の把握を目的とした調査研究を行っている。本データ集は、超深地層研究所計画において、2017年度に実施した地下水の採水調査によって得られた地球化学データ及び微生物データを取りまとめたものである。データの追跡性を確保するため、試料採取場所、試料採取時間、採取方法および分析方法などを示し、あわせてデータの品質管理方法について示した。
岩月 輝希; 柴田 真仁*; 村上 裕晃; 渡辺 勇輔; 福田 健二
土木学会論文集,G(環境)(インターネット), 75(1), p.42 - 54, 2019/03
地下施設における吹付けコンクリート支保工が地下水水質に与える影響を明らかにするため、深度500mの花崗岩に掘削した坑道を閉鎖する実規模原位置試験を行った。閉鎖坑道内の水質観察、吹付けコンクリートの分析、それらに基づく水質再現解析の結果、Brucite, Ettringite, Ca(OH) , Gibbsite, K
CO
, Na
CO
・10H
O, SiO
(a), Calciteの溶解・沈殿反応が水質に影響する主要反応であることが明らかになった。更に、坑道内に施工された吹付けコンクリートはCa(OH)
に飽和した地下水(pH12.4)を約570m
生成する反応量を持つと見積もることができた。これにより坑道閉鎖後の長期的な化学影響の予測解析の確度が向上すると考えられた。
横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.
Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12
被引用回数:14 パーセンタイル:66.33(Geochemistry & Geophysics)We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N gas to create a robust plasma setup. The use of N
additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.6
3.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid
sp. with an estimated age of
339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and
samples were 260.0
6.7 Ma and 332
12 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.
村上 裕晃; 芦澤 政臣*; 田中 和広*
応用地質, 59(1), p.2 - 12, 2018/04
結晶質岩地域における地下深部の透水性割れ目の特徴および形成と発達を把握することを目的とし、九州北部に分布する花崗閃緑岩からなる岩盤中に建設した地下施設を利用した地質調査を実施した。地下坑道における新鮮な花崗閃緑岩露頭において割れ目を観察し、割れ目の分布間隔、方向、変質、充填鉱物、湧水の有無の調査を行った。割れ目の頻度、方向および充填鉱物の特徴によると、花崗閃緑岩内の割れ目はA-Dおよび低角度(LA)の5つのグループに分類される。全割れ目に高温環境で形成される緑泥石および石英が充填していることから、全ての割れ目は岩体が高温であった冷却初期に形成されたと考えられる。Bグループの割れ目は最も多く湧水が認められ、現在の透水性割れ目として機能している。さらにBグループの割れ目の充填鉱物の組み合わせと産状から考察した結果、Bグループの割れ目は開口と閉塞が交互に生じたと示唆された。また、Bグループの割れ目は熱水の影響を示唆する赤色変質部を多く伴い、トレース長が長く、他のグループの割れ目を切る傾向があることから、割れ目の形成初期から現在までの長期にかけて重要な透水性割れ目として機能していたと考えられる。
林田 一貴; 加藤 利弘*; 久保田 満*; 村上 裕晃; 天野 由記; 岩月 輝希
地球化学, 52(1), p.55 - 71, 2018/03
坑道の建設・操業により乱された地質環境の坑道閉鎖後の定常化過程の確認を目的として、岐阜県瑞浪市の瑞浪超深地層研究所において深度500mの花崗岩中に模擬実験坑道を建設・閉鎖し、地下水の溶存成分や酸化還元電位、pHの経時変化の観測を行った。その結果、坑道建設時には坑道周囲の割れ目を介した地下水流動状態の変化に伴い坑道周囲の地下水水質が変化した。また坑道から坑道周囲の岩盤中への酸素の侵入により、酸化還元電位が上昇することが確認された。坑道閉鎖後は、微生物の還元作用により坑道内の地下水の酸化還元電位が低下するとともに、坑道周囲では岩盤中から還元的な地下水がもたらされることによって酸化還元電位が回復した。一方で、吹付コンクリートなどセメント材料の影響で坑道内の地下水がアルカリ化することが確認された。このアルカリ化に消費されたセメント材料はわずかであることから、その影響はセメント使用量に応じて長期的に続くと考えられた。
渡邊 隆広; 國分 陽子; 村上 裕晃; 岩月 輝希
Limnology, 19(1), p.21 - 30, 2018/01
被引用回数:9 パーセンタイル:53.63(Limnology)地下環境における酸化還元環境の変遷は長期安定性評価において重要な情報であり、地層処分に関連する技術開発につながることが期待される。地下水や地質試料等に含まれる希土類元素(REEs)を分析することにより、物質の供給源や酸化還元環境の変遷に関する情報を得ることが可能となる。本研究では、REEsの濃縮と妨害元素の除去を目的として、イミノ二酢酸-エチレンジアミン三酢酸型キレート樹脂(PA1)の有用性を検討した。標準試料(SPS-SW1)のキレート濃縮試験では、REEs等で高い回収率を得ることができた。また、妨害元素であるバリウムを除去することができた。天然試料に対する適用性については、比較的REEs濃度の高い試料を用いて試験を行った結果、キレート処理をしない条件で得られたREEsパターンと、採水現場でPA1を用いて回収した試料の分析結果とがよく一致した。また、同地点から採取した複数試料の分析結果もよく一致し、本手法の再現性を確認することができた。本結果は、様々な組成を示す地下水試料の化学分析において、PA1によるREEs濃縮が安定した処理方法であることを示唆する。採水現場でキレート樹脂を使用し固相抽出を行うことにより、地下水中のREEs分析を効率良く実施できる可能性が示された。
佐々木 隆之*; 鴻上 貴之*; 小林 大志*; 桐島 陽*; 村上 裕晃; 天野 由記; 水野 崇; 岩月 輝希; 笹本 広; 宮川 和也
Journal of Nuclear Science and Technology, 54(3), p.373 - 381, 2017/03
本研究では、幌延深地層研究センター及び瑞浪超深地層研究所の両地下施設を利用し、原位置の地下水中におけるウラン及びトリウムの存在状態について、ろ過径の異なるフィルターを用いて調査した。また、ろ過後の地下水の分析結果をもとに、熱力学的な解析を行い、溶解度制限固相について考察した。その結果、幌延の地下水では、ウラン及びトリウムともに溶存状態で存在する成分に加え、コロイドとしても存在していることがわかった。また、溶存状態で存在するウラン及びトリウムの濃度は、UO(cr)及びThO
(cr)の溶解度でそれぞれ近似される可能性が示唆された。一方、瑞浪の地下水中のウラン・トリウムについては、幌延と比べるとコロイドとして存在する可能性は低く、地下水のウラン・トリウム濃度については、明確な制限固相を特定することが困難であった。これについては、さらなる研究が必要である。
小島 圭二*; 大西 有三*; 青木 謙治*; 杤山 修*; 西垣 誠*; 登坂 博行*; 吉田 英一*; 村上 裕晃; 笹尾 英嗣
JAEA-Research 2015-017, 54 Pages, 2015/12
本報告書は、地層処分におけるニアフィールドコンセプトをより現実的に再構築する研究に関するものである。平成27年度は、当委員会の最終年度に当たるため、ニアフィールドコンセプトの再構築に関する検討概要と基本的考え方のまとめを行った。また、委員会での検討事項を整理して、「現実的なニアフィールドコンセプトの再構築」の残された課題を抽出した。特に、「2011年東日本大震災」後に、安全に関する社会のパラダイムが大きくシフトしたことを考慮して、地層処分に関して、社会が従来の安全概念では受け入れがたくなっていると考えられる事項も整理した。また、地下研究施設/ニアフィールド領域で実証可能な、地層処分「必須の重要事項」への対応を検討した。これらを通して、今後の地層処分/ニアフィールド領域の研究開発の方向を示した。
村上 裕晃; 田中 和広*
地下水学会誌, 57(4), p.415 - 433, 2015/11
島根県津和野地域では、塩濃度の高い鉱泉水がガスを伴い自噴している。この高塩濃度流体について、湧出箇所と地化学的特徴を調査した。津和野地域の鉱泉水は最大で海水の約半分の塩濃度を示す。自噴するガスは二酸化炭素が主成分である。これらの特徴に加え、鉱泉水の水素・酸素同位体比は天水線から外れる組成を示し、希ガス同位体比からマントル由来のヘリウムの混入が示唆される。これらの地化学的特徴と周辺の地質構造から津和野地域の高塩濃度流体の成因を考察すると、地下深部から供給される流体が含まれていると考えられる。しかし、津和野地域の高塩濃度流体に深部流体が含まれているとしても、その寄与量は最大でも4分の1程度である。また、高塩濃度流体の指標となる塩化物イオンのフラックスが活断層周辺で最も高いことから、高塩濃度流体は活断層を主要な水みちとして移動していると推測される。ただし地表付近において、高塩濃度流体は活断層周辺の亀裂も利用していると考えられる。
濱 克宏; 見掛 信一郎; 西尾 和久; 川本 康司; 山田 信人; 石橋 正祐紀; 村上 裕晃; 松岡 稔幸; 笹尾 英嗣; 真田 祐幸; et al.
JAEA-Review 2014-038, 137 Pages, 2014/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センターでは、「地層処分技術に関する研究開発」のうち深地層の科学的研究(地層科学研究)の一環として、結晶質岩(花崗岩)を対象とした超深地層研究所計画を進めている。本計画は、「第1段階; 地表からの調査予測研究段階」、「第2段階; 研究坑道の掘削を伴う研究段階」、「第3段階; 研究坑道を利用した研究段階」の3段階からなり、2013年度は、第2段階および第3段階の調査研究を進めた。本報告書は、2010年度に改定した「超深地層研究所地層科学研究基本計画」に基づいた、超深地層研究所計画の第2段階および第3段階の調査研究のうち2013年度に実施した(1)調査研究、(2)施設建設、(3)共同研究等の成果を取りまとめたものである。