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分光学的手法による重イオン誘起活性種反応の観測

Observation of transient species produced by heavy-ion irradiation with spectroscopic method

岩松 和宏; 田口 光正; 須郷 由美; 木村 敦; 倉島 俊; 勝村 庸介

Iwamatsu, Kazuhiro; Taguchi, Mitsumasa; Sugo, Yumi; Kimura, Atsushi; Kurashima, Satoshi; Katsumura, Yosuke

X線や$$gamma$$線,電子線とは異なる線質効果を示す重イオンビームの照射影響を解明することを目的に、トラック内の活性種挙動を観測した。TIARA施設に設置されているAVFサイクロトロンからのC $$^{5+}$$(220MeV)及びH$$^{+}$$(20MeV)イオンを、NaCl水溶液及びNaBr水溶液へパルス的に照射し時間分解分光測定を行った。水溶液へのイオン照射によって紫外部領域(375nm)に光過渡吸収が観測され、その吸光度から水酸化ラジカルとCl$$^{-}$$あるいはBr$$^{-}$$との反応によって生じるCl$$_{2}$$$$^{-}$$及びBr$$_{2}$$$$^{-}$$の収率が得られた。H$$^{+}$$イオン照射に比べて、C$$^{5+}$$イオン照射による収率は全体的に低く、1000mMの濃度においては5倍程度異なる。これはトラック内に生成した活性種密度の差に起因すると考えられる。また、Cl$$_{2}$$$$^{-}$$及びBr$$_{2}$$$$^{-}$$の生成収率は、H$$^{+}$$, C$$^{5+}$$イオンともNaCl及びNaBrの濃度、すなわち捕捉能(平均的な反応時間)の減少に伴い減少した。また、C$$^{5+}$$イオンの入射エネルギーの減少に伴い、Cl$$_{2}$$$$^{-}$$及びBr$$_{2}$$$$^{-}$$生成収率は減少した。以上、NaClや、NaBrをプローブとして用いることにより、初期活性種収率に対するトラック構造の影響を実験的に明らかにすることができた。

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