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植物体の地上部へのカドミウムの移行と蓄積を抑制するグルタチオンの効果

Glutathione inhibits translocation and accumulation of Cd in plants

中村 進一*; 鈴井 伸郎; 近藤 ひかり*; 河地 有木; 尹 永根; 石井 里美; 頼 泰樹*; 服部 浩之*; 藤巻 秀

Nakamura, Shinichi*; Suzui, Nobuo; Kondo, Hikari*; Kawachi, Naoki; Yin, Y.-G.; Ishii, Satomi; Rai, Hiroki*; Hattori, Hiroyuki*; Fujimaki, Shu

これまでに行った研究で、植物の根に部位特異的に投与したグルタチオン(GSH)が植物体の地上部へのCdの移行と蓄積を抑制することを確認している。本発表では、この現象の分子メカニズムを解明することを目的とした。各実験には水耕栽培をしたアブラナを用い、Cd処理濃度はいずれの場合も10$$mu$$Mとした。まず、通常の温度条件(24$$^{circ}$$C)と低温条件(2$$^{circ}$$C)でCd吸収実験を行い、根に与えたGSHがCd動態に及ぼす影響を調べた。低温条件でCd処理を行った場合、GSHによる植物体の地上部へのCdの移行と蓄積を抑制する効果が失われた。この結果から、植物の根においてGSHによって活性化される何らかの生理的なメカニズムが機能することが示唆された。また、ポジトロンイメージング技術によって、Cd動態を撮像した画像の解析を行ったところ、GSH処理によって、根におけるCdの排出が活性化されていることを示す結果が得られた。そこで、根からのCdの排出に対するGSHの影響を調べたところ、24時間のCd前処理を行った植物の根からのCdの排出量は、対照区では、24時間で根の新鮮重1gあたり約120nmolであったのに対し、GSH処理区では約150nmolと有意に増加していた。この結果から、根に与えたGSHは根からのCdの排出を活性化することで、根の細胞質に存在するCd濃度を下げ、植物体の地上部に移行するCdの量を抑制することに機能していると考察した。

no abstracts in English

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