放射性物質の除去を目的にした吸着繊維の開発; セシウム除去用吸着繊維の製造とその性能

Development of high-performance adsorptive fibers for decontamination of radioactive substances; Production of Cs-adsorptive fiber and its adsorption performance

岡村 雄介*; 藤原 邦夫*; 須郷 高信*; 浅井 志保; 斎藤 恭一*

Okamura, Yusuke*; Fujiwara, Kunio*; Sugo, Takanobu*; Asai, Shiho; Saito, Kyoichi*

汚染水中からCsを除去するには、吸着速度と吸着容量に優れ、そして除染現場で使い勝手のよいセシウム除去用吸着材が必要である。本研究では、セシウムを特異的に吸着する不溶化フェロシアン化物を、放射線グラフト重合法を適用してボビン形状のナイロン繊維に担持し、1回の製造工程につき約100kgのフェロシアン化ニッケル担持吸着繊維を作製した。得られた繊維を用いてセシウムの吸着速度及び吸着等温線を測定し、ゼオライトの場合と比較した。ゼオライトのセシウム吸着量は海水中では淡水中の1/8程度となり、海水中では吸着効率が低下した。一方、本研究で作製した繊維は海水中と淡水中の両方でセシウムをよく吸着できた。吸着等温線はFreundlich式に整理でき、吸着等温線の傾きから好ましい吸着平衡関係であることを確認できた。

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