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ゲノム安定性維持におけるAtRev1のさまざまな機能

Multiple roles of AtRev1 in maintaining genome stability

坂本 綾子; 高橋 真哉*; Strzalka, W.*; 鳴海 一成

Sakamoto, Ayako; Takahashi, Shinya*; Strzalka, W.*; Narumi, Issei

シロイヌナズナのゲノム安定性の維持において重要な役割を果たす損傷乗り越え型DNAポリメラーゼの機能解析を進めてきた。AtPol$$zeta$$とAtPol$$eta$$は紫外線損傷部位を乗り越えてDNA複製を継続することにより、DNA複製フォークの崩壊を阻止し、ゲノム安定化に寄与することが報告されている。AtRev1は脱塩基部位(AP site)の相補鎖にヌクレオチドを挿入する活性を持っていることに加え、他の蛋白質と相互作用することにより、植物のDNA損傷応答で重要な役割を果たすことが示唆されている。例えば、突然変異検出実験では、AtRev1を欠損すると紫外線及び$$gamma$$線誘発突然変異頻度が大きく減少すると言う結果が報告されている。今回、われわれは酵母細胞を用い、AtRev1と他のDNAポリメラーゼやPCNAとの相互作用を解析した。その結果、AtRev1が、AtPol$$zeta$$やAtPol$$eta$$のみならず、複製装置の構成蛋白質とも相互作用するという結果を得た。また、相同組換えマーカーを組み込んだシロイヌナズナを用い、AtRev1の有無で体細胞相同組換え頻度が変化するかどうかを解析した結果、AtRev1の欠失により組換え頻度が大きく減少するという結果を得た。以上のことから、AtRev1は損傷乗り越え複製だけでなく、植物のゲノム安定性維持にかかわるさまざまな機能に関与することが示唆された。

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