レーザー誘起ブレークダウン分光の核燃料物質分析への適用

Laser-induced breakdown spectroscopy for nuclear fuel material

赤岡 克昭 ; 宮部 昌文   ; 音部 治幹  ; 若井田 育夫  

Akaoka, Katsuaki; Miyabe, Masabumi; Otobe, Haruyoshi; Wakaida, Ikuo

次世代炉心燃料として期待されている低除染マイナーアクチノイド含有混合酸化物燃料の迅速で簡便な遠隔分析を実現するために、レーザー誘起ブレークダウン分光法(LIBS)の適用の可能性について評価した。模擬燃料試料として少量のネオジム酸化物(NdO)を含んだウラン酸化物(UO)を使用し、Ndの異なる濃度の試料についてブレークダウンスペクトルを取得した結果、多数のスペクトルが同定される一方、スペクトルが複雑でその重複も観測された。濃度の定量分析特性を評価するためには、対象のスペクトルを分離する必要があることから、デコンボリューション法を適用して重複したスペクトルを分離し、そのスペクトル強度を決定した。決定された値を用いて検量線を求めた結果、濃度に対して直線性を示し、700ppmの検出下限値が得られた。核燃料物質のように、複雑で重複したLIBSスペクトルの解析には、デコンボリューション法の適用が有用であることが示されるとともに、本法の適用により次世代燃料の定量分析の可能性が示唆された。

For the remote analysis of the next generation nuclear fuel material containing minor actinide (MA), Laser Induced Breakdown Spectroscopy (LIBS) was applied to uranium oxide (UO) including a small amount of neodymium oxide (NdO) as a simulated sample of MA. By using deconvolution technique for the spectra of Nd in U, the complex, overlapped and confused spectra were separated and their actual intensities were determined. As a result, the calibration curve with good linearity and the detection limit of less than 700 ppm were demonstrated.