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シロイヌナズナにおけるイオンビーム誘発損傷の定量解析

Analysis of DNA strand breaks induced by carbon ion beams in Arabidopsis

寺西 美佳*; 山口 弘子*; 坂本 綾子; 日出間 純*

Teranishi, Mika*; Yamaguchi, Hiroko*; Sakamoto, Ayako; Hidema, Jun*

放射線は生物のDNAに作用し、様々なDNA損傷(DNA鎖切断、酸化損傷など)を引き起こす。このDNA損傷の種類に応じて、機能する損傷修復機構が異なっており、修復機構の種類によって修復の正確さは異なっている。この正確さの違いが修復エラーにつながり、エラーの結果として生じる突然変異の違いにつながる。そのため、放射線照射によって誘発されるDNA損傷の種類と、その誘発頻度を定量的に解析することは、イオンビーム誘発突然変異のメカニズムを理解する上で重要である。そこで本研究では、イオンビームと$$gamma$$線によってシロイヌナズナに誘発されるDNA損傷を、二本鎖切断、一本鎖切断、酸化ピリミジン損傷に分け、定量した。その結果、野生型シロイヌナズナにおいて最も誘発されやすいDNA損傷は、カーボンイオンビームでは二本鎖切断、ヘリウムイオンビームと$$gamma$$線では一本鎖切断であった。発芽後7日齢のシロイヌナズナに照射した場合に第5葉の面積を50%減少させる線量(カーボンイオンビームは20Gy、$$gamma$$線は64Gy)で誘発されるゲノムあたりのDNA損傷数は、二本鎖切断がそれぞれ5.2個と8.3個、酸化ピリミジン損傷が2.6個と12.5個であった。酸化ピリミジン損傷は、$$gamma$$線でより多く誘発されており、吉原らにより報告されたG:CからA:TへのDNA変異頻度の上昇に関与する可能性が考えられた。

no abstracts in English

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