原子炉内溶融物移行挙動数値解析手法の開発,5; 溶融過程に及ぼす表面熱流束の影響

Development of numerical simulation method for relocation behavior of molten materials in nuclear reactors, 5; Influence of a surface heat flux for the melt behavior

山下 晋   ; 高瀬 和之; 吉田 啓之  

Yamashita, Susumu; Takase, Kazuyuki; Yoshida, Hiroyuki

福島第一原子力発電所事故では、全交流電源喪失による炉心冷却システムの停止によって、原子炉内に設置されている燃料集合体が高温になり、その結果燃料が溶融し、炉心の崩落を引き起こしたと考えられる。このような炉心の崩落状況を推定するとともに、今後のアクシデントマネージメント等を検討するためには、MAAPやMELCORなどのシビアアクシデント解析コードの結果を補完して、炉心溶融事象の進展を詳細に予測できる数値解析手法が必要である。そこで原子力機構では、このような炉心溶融の挙動解明に対応できる数値解析手法(JUPITER)の開発を行っている。前報までに、基本的な検証及び溶融物伸展実験解析を実施し、既存結果との比較により、JUPITERの妥当性を確認した。本報では、輻射伝熱モデルの影響、並びに制御棒、チャンネルボックス、燃料ペレット等で用いられる各種構成材料を用いた体系における解析機能の確認結果について発表する。本研究の結果、JUPITERを使って実機材料の溶融解析が可能であることを確認した。

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