大気中放射性セシウムの経時変化と変動要因について; NRAモニタリングデータの解析

Temporal variation of atmospheric radioactive cesium and the variation trend

阿部 智久 ; 吉村 和也  ; 眞田 幸尚   

Abe, Tomohisa; Yoshimura, Kazuya; Sanada, Yukihisa

大気浮遊じん中放射性セシウムの再浮遊は、吸入による長期的な内部暴露の経路の一つとなる可能性がある。そのため、大気中セシウム濃度及び再浮遊係数の変動傾向を把握することは重要である。我々は、原子力規制委員会が福島第一原子力発電所事故後から実施している大気モニタリング結果を解析し、事故初期から2017年までの期間における大気中セシウム濃度の変動傾向について検討した。また、第3次航空機モニタリングのセシウム沈着量の結果から、再浮遊係数を算出した。再浮遊は自然的・人為的要因で変動することが知られているが、福島における主な変動の要因を調べるため、本研究では避難指示区域内外で比較を行った。沈着初期の再浮遊係数は、チェルノブイリ事故時の報告とオーダーで一致し、再浮遊係数の長期変動傾向は、指数関数モデルで表された。

In this study, we analyzed the variation trend of cesium concentration in the atmosphere using a data set that the Nuclear Regulation Authority regular measured the atmospheric radioactivity after the Fukushima Nuclear Plant Accident. In addition, we calculated re-suspension factor in Fukushima using the initial fallout map of cesium by the third airborne monitoring survey.