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イチゴの種子は果実への炭素転流を駆動する

Strawberry seeds drive carbon translocation to the fruit

三好 悠太*; 栗田 圭輔  ; 長尾 悠人*; 山口 充孝*; 鈴井 伸郎*; 尹 永根*; 石井 里美*; 河地 有木*; 日高 功太*; 吉田 英治*; 田久 創大*; 田島 英朗*; 山谷 泰賀*

Miyoshi, Yuta*; Kurita, Keisuke; Nagao, Yuto*; Yamaguchi, Mitsutaka*; Suzui, Nobuo*; Yin, Y.-G.*; Ishii, Satomi*; Kawachi, Naoki*; Hidaka, Kota*; Yoshida, Eiji*; Takyu, Sodai*; Tashima, Hideaki*; Yamaya, Taiga*

イチゴ生産において、同化産物の転流は果実の肥大成長や物質集積を支配し、収量や品質に直接影響を及ぼす重要な生理機能である。高収益安定生産の実現のためには、炭素転流におけるソース(各葉位)とシンク(各果実, 根, 新葉など)の対応関係を明らかにし、葉から果実への転流を適切に制御することが望まれる。そこで我々は、植物に投与した放射性同位元素の動態を植物が生きたままの状態で可視化できるポジトロンイメージング技術(PETIS)を用い、イチゴの葉位によって異なる果実への炭素転流動態を明らかにしてきた。その過程で、葉に投与した$$^{11}$$Cが果実へと転流し、特にイチゴ種子へ集積することを発見した。既往の研究では、果托や種子を含むイチゴ果実全体を炭素転流におけるシンクとして捉えているが、真にシンクとしての役割を持つのはイチゴ種子であると考えられる。本研究では、イチゴ果実への炭素転流に対する種子の影響について検討した。"福岡S6号"(あまおう)をプラスチックポットで栽培し、1$$sim$$3番果が着果した株を実験に供試した。ソース葉は9枚であった。果房直下葉に$$^{11}$$CO$$_2$$を投与し、PETISを用いて果房内の各果実への$$^{11}$$C転流動態を撮像した。撮像終了後、$$^{11}$$Cの転流が確認された複数のイチゴ果実のうち1果を、開放型ポジトロン断層撮影装置(OpenPET)で撮像し、果実内部における$$^{11}$$Cの分配部位を調べた。その後、同個体を用い、OpenPETで撮像した果実の種子を取り除き、果房直下葉に$$^{11}$$CO$$_2$$を投与して再びPETIS及びOpenPETでの撮像を繰り返した。2回のPETIS撮像で、種子を取り除かなかった果実は同様の$$^{11}$$C転流動態を示したが、種子を取り除いた果実は$$^{11}$$C転流が大きく抑制されていた。種子を取り除いた果実内部の$$^{11}$$C分配部位を調べると、果実中心の維管束にごく僅かに転流しているのみであった。イチゴ植物の炭素転流では種子が主なシンクであり、果実への炭素転流を駆動していることが示唆された。

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