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中性子準弾性散乱による液体アルキル化ポリチオフェンのダイナミクスの研究

Quasielastic neutron scattering study of the dynamics of liquid alkylated polythiophene

楡井 真実; 篠原 英*; 中西 尚志*; 河村 聖子   ; 玉造 博夢   ; 秋葉 宙*; 山室 修*; 古府 麻衣子   

Nirei, Masami; Shinohara, Akira*; Nakanishi, Takashi*; Kawamura, Seiko; Tamatsukuri, Hiromu; Akiba, Hiroshi*; Yamamuro, Osamu*; Kofu, Maiko

ポリチオフェン(PT)は剛直な高分子であるが、側鎖としてアルキル鎖を導入すると融点が低下する。その要因の一つはアルキル鎖の無秩序による大きな配置エントロピーだと考えている。本研究ではアルキル鎖の形状による違いを調べるために、PTに分岐アルキル鎖を導入したPT2/6 (Tg=270K)とPT8/12 (Tg=217K)、直鎖アルキル鎖を導入したPT8 (Tg=256K, regiorandom)を対象とした。これらの試料のダイナミクスを中性子準弾性散乱法により調べた。測定にはJ-PARCのAMATERAS、DNA分光器を用いた。その結果、温度変化の小さい2つの速い緩和と温度変化する遅い緩和が観測された。Tgより高温での遅い緩和は主鎖の並進拡散と考えられ、その拡散係数Dは試料の粘度が低いほど高く、粘度との対応が確認された。低温では緩和強度の運動量遷移Q依存性が異なっており、Tg付近を境に別の緩和が現れている。速い緩和はアルキル鎖の回転・揺動と考えられる。これらの緩和時間はアルキル鎖の種類によらずほぼ同じであること、また緩和強度のQ依存性から、アルキル鎖全体が動くのではなく、アルキル鎖内の炭素・水素原子がそれぞれ運動していると考えられる。また、室温付近ではアルキル鎖の水素原子の大半が動いており、ほぼ無秩序状態にあることがわかった。可動な水素原子の割合は粘度の低いPT2/6ではやや低い傾向が見られた。講演では、緩和の詳細およびアルキル鎖の形状がダイナミクスに与える影響について議論する。

no abstracts in English

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