破砕帯中軸部の元素マッピングから得られる最新活動部の化学組成的均質性と破砕物粒径分布の特徴(予察)
Compositional homogeneity and grain size distribution in the most recent active part of fault gouge based on elemental mapping of a fault core of crush zone; Preliminary result
小北 康弘
; 島田 耕史
; 小川 昌也*; 野尻 慶介*; 重光 泰宗*; 岩森 暁如*; 立石 良*
Ogita, Yasuhiro; Shimada, Koji; Ogawa, Masaya*; Nojiri, Keisuke*; Shigemitsu, Yasumune*; Iwamori, Akiyuki*; Tateishi, Ryo*
活断層と非活断層の判別では、近年、断層破砕帯中軸部を構成する断層ガウジの化学組成に着目した手法が用いられ、その判別手法は発展しつつある。断層破砕帯の化学組成を得るための試料採取においては、採取試料の代表性を担保する化学組成的均質性の確認が重要であるが、断層運動で粉砕された細粒部は混合され均質化していることを当然視し、詳細な検討はなされてこなかった。そこで本研究では、断層ガウジ近傍の数ミリメートルから数センチメートルスケールの範囲における破砕物粒子の粒径分布や化学組成の特徴を把握することを目的として、偏光顕微鏡や電子プローブマイクロアナライザ(EPMA)を用いた微細粒子観察、化学組成分析(元素マッピング)を実施した。使用した試料は、白木-丹生断層の露頭で採取された江若花崗岩を母岩とする断層破砕帯中軸部である。薄片中の最新活動面を含む断層ガウジ層に直交する方向に対して、EPMAを用いて元素マップを取得した。2。56mm四方のマップを、断層ガウジ層を含む連続15領域(2.56mm
38.4mmの範囲)で取得し、破砕帯横断方向の破砕粒子の分布や化学組成の特徴を検討した。その結果、マッピング幅の2.56mmの領域で化学的に均質で、かつ化学組成が積層毎に異なる部分が確認され、試料の代表性が担保できる領域の存在が明らかとなった。また、最新活動部も含めて斜長石は普遍的に断層ガウジ中に散在していることが化学組成の点からも明らかとなった。発表では、破砕粒子の粒径解析結果を提示するとともに、他の断層破砕帯における元素マップおよびそれらの解析結果を示し、特徴を比較する。
no abstracts in English