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笹尾 英嗣; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 島田 耕史; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.
JAEA-Review 2022-022, 29 Pages, 2022/09
本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度令和10年度)における令和4年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。
丹羽 正和; 下茂 道人*; 島田 耕史; 後藤 翠
JAEA-Research 2022-004, 38 Pages, 2022/06
地下貯留層の天然ガスは、断層や割れ目に沿った移流によって地表に到達するので、天然ガス資源探査の初期段階においては、地表でのメタンの漏出を検出するための調査がしばしば行われる。一方、沈み込み帯に沿ったスラブの脱水に由来する流体も溶存ガスとしてメタンを豊富に含むことが多いが、これらはしばしば高温、かつ塩分に富むなど特徴的な化学的特徴を有することから、放射性廃棄物の地層処分における重要な評価対象として指摘されている。本研究では、高精度(ppbレベル)かつ短い測定間隔(約1秒)でメタンガス濃度が測定できる波長スキャンキャビティーリングダウン分光法(CRDS法)による携帯型分析装置を採用し、スラブ脱水起源の深部流体の湧出を検出するための車載測定の適用性について検討した。事例対象とした紀伊半島南東部の本宮地域での車載測定では、メタン含有温泉である川湯温泉および湯の峰温泉において、バックグラウンド濃度を超える明らかなメタンアノマリ(2ppm)が検出された。ガウスプルームモデルに基づく大気中のメタン拡散の推定結果は、車載測定の結果と調和的である。本研究で適用したCRDS法による車載測定は、資源探査などにおいて、地表でのメタン漏出を迅速かつ容易に特定するのに有効な手法となる可能性がある。本報告書では、車載測定の実施事例に加え、測定装置の使用方法についても併せて取りまとめた。
Chen, J.*; 吉田 健太*; 鈴土 知明; 嶋田 雄介*; 井上 耕治*; 今野 豊彦*; 永井 康介*
Materials Transactions, 63(4), p.468 - 474, 2022/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)高分解能透過型電子顕微鏡(HRTEM)を用いてその場電子照射により、アルミニウム-銅(Al-Cu)合金のフランクループの発達を0.12nmの原子スケールの空間分解能で視覚化した。FCC-Al格子の[110]方向に沿ったその場HRTEM観察では、固有の積層欠陥の境界となるフランク部分転位は、純Al参照サンプルの場合とは異なり、112
方向に沿って非対称の上昇を示した。この時の弾き出し損傷率は0.055-0.120dpa/sであった。分子動力学シミュレーションによって、この部分転位の非対称上昇はギニア-プレストンゾーン(GPゾーン)でのCu-Cu結合によるピン止め効果として説明された。
山本 悠介; 渡邊 隆広; 丹羽 正和; 島田 耕史
JAEA-Testing 2021-003, 58 Pages, 2022/01
高レベル放射性廃棄物の地層処分事業や国の安全規制において必要となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化の予測・評価は、一般に自然現象に関する過去の記録や現在の状況に関する調査結果に基づき行われる。岩石や堆積物の全岩化学組成は、こうした自然現象に関する過去の記録や現在の状況を明らかにする上での重要な基礎データの一つとなる。東濃地科学センター土岐地球年代学研究所では、この全岩化学組成を迅速に把握する手法として、屋外で使用可能な可搬型の蛍光エックス線分析装置(ポータブルXRF)による非破壊での全岩化学分析手法を整備した。特に、少量試料への適用を想定し、ポータブルXRFのスモールスポット測定機能を用いた3mm径(標準仕様は8mm径)での試験測定を実施した。本稿では、スモールスポット測定による全岩化学組成の分析手法として、標準試料を用いた検量線の作成方法、主要元素(SiO, TiO
, Al
O
, Fe
O
, CaO, K
O)と微量元素(Rb,Sr,Zr)の定量分析方法について示すとともに、本手法を用いた標準試料の繰返し測定による分析精度評価の結果及び既往研究により全岩化学組成データが知られている天然試料への適用性評価結果も示す。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; et al.
JAEA-Research 2021-007, 65 Pages, 2021/10
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和2年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。
島田 耕史; 後藤 翠; 丹羽 正和; 下茂 道人*
地質学雑誌(インターネット), 127(10), p.I - II, 2021/10
地下からの高温流体(液体・気体)の継続的な滲出地点は、赤外線画像により簡便に把握できるであろう。このことを、川沿いに自然湧出する川湯温泉の露頭において、赤外線画像と可視光画像が同時に得られるFLIR社製、C5カメラにより確かめた画像を紹介する。川岸や川底から湧出する温泉による露頭や水面の温度上昇、温泉とともに高濃度メタンを含む気体が滲出する割れ目周辺の岩の温度上昇、冬季に川をせき止めて作られる仙人風呂の土手造成により、この割れ目が流体通路として機能しなくなった様子が一目で確認できる。赤外線画像は、地下からの高温流体の滲出地点の迅速把握に有効な場合がある。
石丸 恒存; 國分 陽子; 島田 耕史; 島田 顕臣; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.
JAEA-Review 2021-012, 48 Pages, 2021/08
本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和3年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、地層処分事業実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。
立石 良*; 島田 耕史; 清水 麻由子; 植木 忠正*; 丹羽 正和; 末岡 茂; 石丸 恒存
応用地質, 62(2), p.104 - 112, 2021/06
本研究では、国内における活断層と非活断層の断層ガウジの化学組成データを用いた線形判別分析による両者の判別を試み、両者の違いを表す元素と、より良い判別式について検討した。その結果、得られた複数の判別式が両者を高確率で判別できることが分かった。また、判別式の汎用性に関する検討を行い、未知試料に対する判別能力が高いと予想される判別式を提示した。さらに、これらの判別式に共通する元素の組合せから、活断層と非活断層の違いを表す元素を6つに絞り込むとともに、うち4つの元素が2組のセットとなっていること、両者の判別に最も寄与する元素はTiOとSrであることを示した。本研究で採用した方法は、岩盤中に分布する断層において普遍的に存在する断層岩の化学分析により活断層を判別できる画期的なものである。今後、様々な地質や断層タイプのデータを増やすことで、より高い精度と汎用性を持つ判別式が得られるものと期待される。また本研究の成果は、断層活動による元素の移動メカニズムの解明に大きく貢献する。
青木 和弘; 田中 遊雲; 吉田 拓海; 島田 耕史; 酒井 亨*; 亀高 正男*; 瀬下 和芳
応用地質, 62(2), p.64 - 81, 2021/06
塩ノ平断層は、2011年4月11日に発生した福島県浜通りの地震(Mw6.7)によって、いわき市田人町旅人滑石から石住綱木北西に至る約14kmの区間に出現した、北北西から南南東へ延びる地表地震断層である。車断層は、塩ノ平断層の南方5kmに認められる断層であり、この地震時に地表変位は現れていない。最近活動した断層の近くに、同様の走向を持ちながらも活動しなかった断層があることから、新たな断層活動性評価手法の可能性を探るため、塩ノ平断層で2ヶ所、車断層で1ヶ所を調査地点として選定した。本稿では、それぞれの地域でこれまで実施してきた調査のうち、野外地質調査・ボーリング調査・コア観察・XRD分析・同位体分析・流体包有物分析・透水試験の結果について報告する。断層破砕帯の地質・鉱物・透水性などの特徴として取りまとめられた3地点で得られた成果は、断層の活動性を検討するための基礎的なデータとして活用される。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:22 パーセンタイル:97.31(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200
Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
末岡 茂; 島田 耕史; 長谷部 徳子*; 田上 高広*
Radioisotopes, 70(3), p.189 - 207, 2021/03
フィッション・トラック(FT)法は、確立・普及した地球年代学/熱年代学の手法として知られるが、誕生から半世紀以上を経た現在でも発展を続けている。本稿では、2000年代以降の研究を中心に、FT法の基礎研究に係る発展と課題を概観し、今後FT法に携わる研究者達への指針としたい。具体的には、測定技術の高度化、アニーリング特性の理解、新手法の開発の3点に加え、FT解析に有用なソフトウェアについても紹介する。
末岡 茂; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 平田 岳史*
地質学雑誌, 127(1), p.25 - 39, 2021/01
南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期を制約するため、紫尾山花崗閃緑岩体から非加熱の試料2点と破砕帯に切られたアプライト脈沿いの試料1点を採取し、フィッション・トラック(FT)およびU-Pb解析を適用した。ジルコンU-Pb年代は14.0-13.5Ma、ジルコンFT年代は14.7-13.7Ma、アパタイトFT年代は12.6-10.0Maを示した。これらの熱年代データを基に熱履歴解析を行ったところ、紫尾山花崗閃緑岩体は14.0-13.5Maに浅所に貫入し、アパタイトFT法のPAZ(60-130C)以下まで急冷されたと推定された。平八重型と楠八重型の岩相で、貫入時期と冷却史に大きな違いは見られなかった。破砕帯の活動時期は、アプライト脈の貫入時期である10.0
0.8Ma頃と考えられ、岩体の初期冷却に伴う収縮ではなく、岩体冷却後のテクトニックな作用に起因する可能性が高い。
丹羽 正和; 天野 健治; 竹内 竜史; 島田 耕史
Groundwater Monitoring & Remediation, 41(3), p.41 - 50, 2021/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Water Resources)結晶質岩を対象とした地層処分のサイト選定や安全評価にあたっては、透水性の高い水みち割れ目の分布を把握することが非常に重要である。本研究では、キャビティーリングダウン方式による高精度の可搬型メタンガス測定装置を用いて、水みち割れ目の検出を迅速に行う手法について検討を行った。瑞浪超深地層研究所の地下坑道を事例対象とした検討の結果、高濃度のメタンが測定される位置と、坑道掘削時に把握されている水みち割れ目の位置とがおおむね一致し、本装置を用いた測定が、水みち割れ目の大局的な分布を迅速・簡便に検出する上で有用であることが示された。
渡邊 隆広; 石井 千佳子; 石坂 千佳; 丹羽 正和; 島田 耕史; 澤井 祐紀*; 土屋 範芳*; 松中 哲也*; 落合 伸也*; 奈良 郁子*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(3), p.140 - 158, 2021/00
被引用回数:3 パーセンタイル:62.37(Mineralogy)携帯型成分分析計(potable XRF:ポータブル蛍光エックス線分析装置)は、迅速な化学分析、及びオンサイトでのデータ取得において重要な役割を果たす。しかし、これまでに地質試料に含まれる化学成分の定量分析の実例は限られていた。定量分析を目的として、本研究ではマグネシウムからウランまでの24元素について、地球化学標準試料等を用いて検量線を作成した。さらに、本装置の天然試料への適用性評価のため、敦賀半島等から採取された断層岩試料,能登半島の湖底堆積物、及び仙台平野の津波堆積物の定量分析を実施した。携帯型成分分析計を用いて各試料から得られた定量分析結果は、一部の試料を除き既報値とよく一致した。
後藤 翠; 佐々木 亮道*; 小松 哲也; 三輪 敦志*; 照沢 秀司*; 楮原 京子*; 島田 耕史
JAEA-Research 2020-013, 88 Pages, 2020/11
活断層を見出す調査技術の向上は、地層処分事業を進めるにあたって、断層のずれに伴う透水性の増加が生じる場所を避ける観点から重要である。通常、活断層の存在は、断層運動の地形学的痕跡である断層変位地形の空中写真判読と、現地の地質調査により確認する。しかし、地形学的な痕跡が不明瞭な場合の調査手法は十分整備されていない。そこで、本研究では、既往の地形学的手法を高度化する観点から、活断層を見出す指標となり得る地形学的特徴の直線状ないし弧状配列(リニアメント)を、通常の活断層研究ではほとんど無視されるような明瞭さが乏しいランクまで判読した。調査地域は、測地学的なひずみ集中帯であり、1997年鹿児島県北西部地震(Mj 6.6)の震源断層が伏在している南九州せん断帯である。本研究では、1/25,000地形図62枚の範囲の空中写真判読を実施し、得られた1,327条のリニアメントを地形図上に示し、リニアメントの分布密度,方向性,長さ,地形,地質などの項目について整理した。その結果、南九州せん断帯方向の東西系のリニアメントが西部で卓越し、鹿児島県北西部地震の余震分布域ではリニアメントが高密度で分布することが明らかとなった。これらの結果とともに、明瞭さ,方向,長さなどと地形的特徴の組み合わせによる類型化に基づく代表的な13条のリニアメントについてカタログをとりまとめた。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 花室 孝広; 島田 顕臣; 丹羽 正和; 浅森 浩一; 渡邊 隆広; 末岡 茂; et al.
JAEA-Research 2020-011, 67 Pages, 2020/10
本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和元年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について述べる。
末岡 茂; 島田 耕史; 菅野 瑞穂; 横山 立憲
フィッション・トラックニュースレター, (33), p.15 - 18, 2020/10
原子力機構における(U-Th)/He年代およびFT年代測定の分析施設について紹介する。FT法については、FT自動計測装置の導入を行い、分析の迅速化・簡便化を行った。また、ジルコンを対象とした分析環境の整備も進めている。今後の課題としては、LA-ICP-MSを用いたウラン濃度測定手順の確立などが挙げられる。(U-Th)/He法については、新たなHe質量分析計(Alphachron)を導入し、He濃度測定の自動化を行った。U-Th濃度の測定が今後の課題として挙げられる。
島田 耕史; 末岡 茂
フィッション・トラックニュースレター, (33), p.19 - 21, 2020/10
もんじゅ敷地内の花崗岩から分離したアパタイト粒子と、新たに作成した標準試料(Durango産アパタイト)のフィッション・トラック(FT)密度を、FT研究の初心者である筆頭著者がFT自動計測装置で計測した結果および作業時間を報告する。本自動計測装置は本邦初の導入であり、測定作業時間は大幅に低減した。また得られたFT密度は共著者による既往報告と調和的であり、熟練者の専門的経験に基づく適切な指導があれば、初心者でも熟練者と遜色のないデータを短時間で得られる可能性が示唆された。
Du, Y.*; 吉田 健太*; 嶋田 雄介*; 外山 健*; 井上 耕治*; 荒河 一渡*; 鈴土 知明; Milan, K. J.*; Gerard, R.*; 大貫 惣明*; et al.
Materialia, 12, p.100778_1 - 100778_10, 2020/08
長期に原子炉圧力容器の健全性を確保するためには、照射が材料に及ぼす影響を理解する必要がある。本研究では我々が新規開発したWB-STEMを用いて、中性子照射された原子炉圧力容器試験片を焼鈍中、照射誘起転位ループの観察を行った。焼鈍温度を上げるとループの割合が増加していることが確認された。また、2つの
ループが衝突して
ループになる現象の観察に初めて成功した。転位に転位ループがデコレートする現象も観察され、分子動力学シミュレーションによってそのメカニズムが説明することができた。
石丸 恒存; 尾方 伸久; 島田 耕史; 國分 陽子; 丹羽 正和; 浅森 浩一; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 小松 哲也; 横山 立憲; et al.
JAEA-Review 2020-010, 46 Pages, 2020/07
本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度令和3年度)における令和2年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。