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中性子小角散乱法による抽出錯体溶液のナノ構造解析

Small-angle neutron scattering for nanostructural analysis in solvent extraction systems

元川 竜平   ; 上田 祐生   ; Micheau, C.

Motokawa, Ryuhei; Ueda, Yuki; Micheau, C.

X線の原子散乱長が原子番号とともに増加するのに対して、中性子線に対する各原子の散乱長は元素間でランダムに変化する。そのため、物質構造科学研究において中性子散乱とX線散乱は、互いに得られる構造情報を補完し合う点で有用である。また、中性子散乱における水素と重水素の散乱長の大きな違いは、様々な物質の微細構造解析に利用する上で極めて重要であり、この違いを利用することで複数の成分で構成される散乱体のうち、ある特定の成分によって形成される構造のみを観察することが可能になる。日本原子力研究開発機構、原子力科学研究所の研究用原子炉(JRR-3)に設置される中性子小角散乱装置(SANS-J)では、1ナノメートルから数マイクロメートルに渡る幅広い空間スケールの構造を観測することができる世界トップレベルの装置として絶えず高度化が進められている。SANS-Jの測定対象は、ゲル、ミセル、膜、液晶、食品、薬物等のソフトマテリアルに加えて、磁性体、セラミック、ガラス等のハードマテリアルに至るまで多岐に渡る。その中で、SANS-Jを運営する我々の研究グループでは、希少金属のリサイクル、再処理や高レベル放射性廃液処理に資する原子力プロセスと関連の深い分離化学の研究を、注力すべき重要な研究領域と位置付けている。液-液抽出、浮遊法、吸着材を用いた固液分離など、これまでに様々な分離システムの研究に対してSANS-Jを利用して多くの成果が挙げられている。近年では、仏国、英国を中心に国外の研究者もSANS-Jを利用して溶媒抽出に関する研究で成果を挙げている。ここでは、溶媒抽出に関連する系についてこれまでに得られた代表的な研究例を紹介しつつ、国内新規ユーザーとの共同研究の可能性について議論したい。

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