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佐々木 拓生; 出来 亮太*; 仲田 侑加; 高橋 正光
no journal, ,
VLS(Vapor-Liquid-Solid)成長機構によって形成されるGaAsナノワイヤはその成長条件によって、閃亜鉛鉱型(ZB), ウルツ鉱型(WZ)、または4H, 6Hといった構造多形をとることが知られている。本研 究はGaAsに少量のInを添加したInGaAsナノワイヤに着目し、In添加によるナノワイヤの構造多形および表面モフォロジへの影響をX線回折と小角X線散乱のその場測定により検討した。その結果、InGaAsナノワイヤは成長初期からZB構造に加えて、WZ構造もできやすいことが分かった。Au触媒InAsナノワイヤの場合、GaAsナノワイヤのような構造多形は起きず、純粋なWZ構造であることが知られている。このことから、少量のIn添加によっても、容易にWZ構造ができやすくなることが考えられる。この事実はナノワイヤの成長条件だけでなく、Inの添加量によっても結晶構造を制御できる可能性を示唆するものである。
仲田 侑加; 佐々木 拓生; 出来 亮太*; 高橋 正光
no journal, ,
光電子集積回路への応用を目的として、Si上のIII-V族半導体のエピタキシャル膜に期待が寄せられている。Si上のIII-V族半導体成長では、3次元的島成長、格子不整合、逆位相境界などが原因となり、平坦な単結晶膜を得ることが困難とされてきたが、近年、Si(111)-(41)-In表面上に成長させたInAs膜は、10%以上の格子不整合度があるにもかかわらず、平坦性・結晶性ともに良好であるという報告がなされた。本研究では、Si(111)基板とInAs膜の界面構造をSPring-8・BL11XUに設置されている分子線エピタキシー(MBE)装置とX線回折計が一体化した装置を用いて調べ、大きな格子不整合度を持つ系で平坦な界面が形成される原因を探った。その結果、SiとInAsの界面はSiとInの結合からなることが見い出され、InAs膜の成長前にSiと吸着したInの層を作製することが平坦なInAs膜の成長に重要であることが確認された。
佐々木 拓生; 出来 亮太; 高橋 正光
no journal, ,
量子効果を利用した新規デバイス開発の観点から、III-V族半導体ナノワイヤが注目されている。分子線エピタキシー法によって成長されたAu触媒GaAsナノワイヤは、成長初期には閃亜鉛鉱型が形成され、その後、ウルツ鉱型が出現することが報告されている。このようなナノワイヤ成長特有の構造多形の原因として、ナノワイヤとAu触媒の固液界面における自由エネルギーが関係することが示唆されている。Au触媒の形状によって、この自由エネルギーは大きく変化するため、ナノワイヤ成長中の触媒形状を明らかにすることは、構造多形の原因を明らかにする上で重要な知見となる。本研究ではX線小角散乱をシミュレーション結果と比較検討することで、ナノワイヤ成長中のAu触媒の形状を定量評価した。
佐々木 拓生; 出来 亮太; 高橋 正光
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半導体ナノワイヤ(NW)は特徴的な一次元微細構造を有しており、将来の光・電子デバイスへの応用が期待されている。Auなどの金属触媒を用いたVLS(Vapor-Liquid-Solid)成長法は簡便かつ比較的制御性の高いNWが形成できることから、NWの一般的な成長手法として広く用いられている。しかし、未だ解明されていない事象も多く、その一つが結晶構造の多形化である。本研究は実験的にAu触媒の形状とNWの結晶構造の相関を明らかにするため、放射光を用いた小角X線散乱(SAXS)とX線回折(XRD)の同時その場測定を行った。XRDより結晶構造はまず閃亜鉛鉱型(ZB)が出現し、その後、遅れてウルツ鉱型(WZ)が出現することが分かった。SAXS強度の分布からそのときのAu触媒の形状を推測したところ、ZBが出現するときにはAu触媒の高さが増加し、WZが出現するときにはAu触媒の径が増加することが示唆された。以上の結果から構造多形の主要因はAu触媒の形状変化である可能性が示された。
佐々木 拓生; 出来 亮太; 高橋 正光
no journal, ,
窒化ガリウム(GaN)の初期成長ひずみは、結晶成長メカニズムの理解だけでなく、各種光・電子デバイスの構造設計のための基本情報となる。そこで、本研究はGaNの初期成長ひずみを測定するため、放射光を用いたその場X線回折を実施した。その結果、初期成長における格子定数の変化は面内方向に比べ、面内垂直方向で著しく、ポアソン比で決まる従来の弾性変形とは異なる挙動を示すことを見いだした。弾性ひずみに加えて、結晶中へのアンチサイト欠陥の取り込みを仮定した静水圧ひずみを考慮することで、実験結果を再現できた。このことから、GaNの初期成長は弾性変形に加え、点欠陥の取り込みが作用している可能性を示唆した。
高橋 正光; 佐々木 拓生; 出来 亮太*
no journal, ,
放射光X線を用いた窒化物半導体のMBE成長過程のその場測定について報告する。放射光施設SPring-8のビームラインBL11XUでは、従来、GaAsなどのヒ素化合物やアンチモン化合物用のMBEチェンバーとX線回折計が一体化した装置を用いて、放射光X線回折による成長過程の研究を行ってきた。新たに製作された窒化物半導体MBE装置は、X線回折計とのインターフェースが従来のヒ素化合物MBEと共通になるように設計されている。そのため、ビームライン光学系およびX線回折計は共通に使い、MBEチェンバー部分のみを交換することによって、窒化物半導体の結晶成長についてもさまざまなX線測定を行うことができるようになった。RHEEDと比べ、X線では、三次元的な原子構造・ひずみが評価できること、多重散乱の影響を受けない高精度な定量的評価ができることなどの利点がある。X線反射率・微小角入射X線回折測定なども行うことができ、成長膜のひずみ・表面モフォロジー・表面界面の原子配列・ナノ構造の三次元的解析などのその場解析が可能である。
出来 亮太*; 佐々木 拓生; 高橋 正光
no journal, ,
GaAs(001)基板上のInGaAs膜は、In組成が約25%以下では二次元成長をし、それ以上ではStranski-Krastanov成長と呼ばれる島状成長をすることが知られている。In組成の違いにより成長様式に違いが生じる原因をさぐるため、大型放射光施設SPring-8・BL11XUの分子線エピタキシー装置-X線回折計複合システムを用いて、InGaAs成長中にX線逆格子マッピングのその場測定を行った。得られた逆格子マップのピーク位置や強度分布からIn組成や歪み緩和率が算出された。
佐々木 拓生; 出来 亮太; 石川 史太郎*; 山口 智広*; 高橋 正光
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窒化物半導体は1993年の高輝度青色LEDが発表されて以降、比較的短時間で普及に至ったという経緯から、今なお、表面・界面、ひずみ、欠陥構造など未知な部分が取り残されたままである。我々はこれらの結晶成長の基礎を十分に理解することが、デバイスの極限性能を追求するためには重要と考え、高輝度放射光X線を利用した結晶成長その場測定システムを開発した。本研究は同システムを利用して最近得られた窒化物半導体薄膜のひずみ緩和観測と、臨界膜厚を推定した結果を報告する。