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横田 裕一郎; 和田 成一*; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 鳴海 一成; 田中 淳
Journal of Radiation Research, 50(2), p.171 - 175, 2009/04
被引用回数:3 パーセンタイル:14.07(Biology)高等植物と哺乳動物におけるDNA修復能力を比較するため、線照射したタバコプロトプラストとCHO-K1細胞において、DNA2本鎖切断(DSB)再結合の定量解析を行った。タバコプロトプラストのDSB再結合効率は照射後の培養温度に依存し、その効率は、培養至適温度である27
Cで最大に達した。タバコプロトプラストのDSB再結合効率は二相性指数関数でよく近似され、初期損傷の半数は1時間以内に、残りは4時間以内に再結合された。さらにわれわれは、27
CでのタバコプロトプラストのDSB再結合効率は、37
CでのCHO-K1細胞の再結合効率とほぼ同じであることを発見した。これらの知見は、DSB再結合効率は、タバコプロトプラストの高い放射線耐性にあまり寄与していないことを示唆するものである。
横田 裕一郎; 舟山 知夫; 和田 成一*; 長谷 純宏; 小林 泰彦; 井上 雅好*; 田中 淳; 鳴海 一成
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 69, 2008/03
葉状植物を含む多くの高等植物は、個体及び細胞レベルで高い放射線耐性を示すが、その機序は明らかにされていない。本研究では、タバコ培養細胞(BY-2)をモデル植物細胞として、この問題に取り組むために、線で照射したBY-2細胞における細胞周期チェックポイントの解析と微小核誘発率測定を行った。その結果、G
/M期細胞区は照射後24時間で一過的に増加した。また、少なくとも一個の微小核を持つ細胞の割合は、照射後48時間で急勾配で増加した。これらのことから、BY-2細胞は、G2期において一過性かつ緩いDNA損傷チェックポイント機構を持ち、結果として、
線照射後に微小核が高頻度で誘発されると考えられた。これは、ゲノムの不安定性を増加させるので、一見すると生物にとって良くないと思われがちだが、限られた寿命の間に、他の競合相手よりも多く太陽光を得るために、早く増殖する必要がある高等植物にとっては許容できることなのであろうと思われた。
菊地 正博; Gunawardane, C. R.; Alam, M. K.; Mohd Dzomir, A. Z.; Pitipanaarachchi, R. C.; 舟山 知夫; 浜田 信行*; 坂下 哲哉; 和田 成一*; 佐藤 勝也; et al.
Radioisotopes, 56(9), p.509 - 517, 2007/09
食糧の保存中の損耗防止や衛生確保,食中毒防止のために電離放射線を食品に照射する場合、その適切な管理には汎用性のある照射食品検知法(照射の有無の判別法)が必要である。そこで、照射食品と非照射食品を識別するため、抗8-OHdG抗体を用いた化学発光-酵素免疫測定(ELISA)法によるDNAの酸化的塩基損傷検出法を開発した。ELISA反応の条件検討は、8-hydroxyguanine(8-oxoG)を含む30-merのオリゴヌクレオチドを用いて行い、その条件でオリゴヌクレオチド中の8-oxoG含量と化学発光強度の関係が得られた。この化学発光ELISA法では、3kGyを越える線量で照射された鶏肉・豚肉・牛肉を識別できることが示唆された。この方法では、照射肉と非照射肉の識別に要する肉片は20mgで十分である。
佐藤 勝也*; 和田 成一; 菊地 正博; 舟山 知夫; 鳴海 一成; 小林 泰彦
Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 596(1-2), p.36 - 42, 2006/04
被引用回数:4 パーセンタイル:10.73(Biotechnology & Applied Microbiology)われわれは、過去の研究で、デイノコッカス・ラジオデュランスの放射線耐性に重要な役割を果たしている新規タンパク質PprAを同定した。この研究では、哺乳動物細胞のDNA損傷応答を評価するために、鎖切断を持つ2本鎖DNAを認識して結合するというPprAタンパク質の性質に着目し、放射線で生じるDNA鎖切断を免疫蛍光法で可視化する技術の開発を試みた。放射線照射直後におけるCHO-K1細胞核へのPprAタンパク質の結合の増加は、このタンパク質がDNA鎖切断部位に結合していることを示唆している。また、細胞の脆弱化条件を変えることで、放射線照射直後のCHO-K1細胞のミトコンドリアDNAへのPprAタンパク質の結合を検出することも可能であった。今回開発した方法は、培養細胞のDNA損傷応答の評価に有用であるとともに、環境や薬学分野における遺伝毒性試験にも応用可能であると考えられる。
林 浩孝; 鳴海 一成; 和田 成一; 菊地 正博; 古田 雅一*; 上原 赫*; 渡辺 宏*
Journal of Plant Physiology, 161(10), p.1101 - 1106, 2004/10
被引用回数:11 パーセンタイル:24.54(Plant Sciences)ミドリムシの野生株及びクロロプラスト欠損変異株の電離放射線に対する耐性を調査した。線照射後のコロニー形成能は、クロロプラスト欠損変異株に比べて野生株の方が高かった。また、両株において、光培養した細胞の方が、暗培養した細胞よりも放射線に耐性であった。このことは、ミドリムシの放射線耐性に培養時の光照射条件が大きく寄与していることを示唆している。暗培養した細胞に比べて、光培養した細胞の方が、より高いDNA2本鎖切断修復能を有していることがコメットアッセイによって明らかになった。これらの結果は、ミドリムシがDNA2本鎖切断を克服するため、光に誘導される修復機構を持っていることを示唆している。
林 浩孝*; 和田 成一; 舟山 知夫; 鳴海 一成; 小林 泰彦; 渡辺 宏*; 古田 雅一*; 上原 赫*
Journal of Eukaryotic Microbiology, 51(3), p.321 - 324, 2004/06
被引用回数:5 パーセンタイル:6.37(Microbiology)宇宙ステーションのような閉鎖系での食糧確保と二酸化炭素の吸収,酸素の供給に最も有望な生物種の一つであるユーグレナに対し、模擬宇宙線としてさまざまなLET値を有する重イオンビームを照射して放射線抵抗性を調べた。最も致死効果の高いLET=196keV/mのイオンビームに対しても40Gyまでの線量域では生育に影響がないことから、宇宙基地での利用が可能であることがわかった。照射後生存率におけるRBE(生物学的効果比)のLET依存性を調べた結果、ユーグレナ細胞は哺乳動物細胞や植物細胞とは異なる放射線応答機構を有することが示唆された。
和田 一成*
JNC TJ7420 2005-092, 99 Pages, 2002/02
氷期に主に北日本で発達が予想される永久凍土は,不透水性層となることから,地下水流動などに大きな影響を与えることが想定される。本調査では,この影響の範囲と程度を予測するため,氷期の日本列島を例として永久凍土の形成深度をコンピューターシミュレーションで解析した。
伊藤 潔*; 和田 博夫*; 安藤 雅孝; 和田 一成*
京都大学防災研究所年報, (38), B-1 Pages,
跡津川断層周辺の地震活動の詳細な調査のために,神岡鉱山・茂住坑に地震計を設置し,地震観測を開始した。地震の観測点は坑口から1150m入った地点で,雑微動は非常に低い。この観測点は特に地震の深さの精密決定を目的とするとともに,観測点から1km以内にある茂住-祐延断層近傍における微小地震活動の調査をも目的にしている。観測の結果,この付近の地震は従来の決定より,約3km深く,地下5kmまではほとんど地震がないことがわかった。その下方の7-15kmに地震は発生している。この地域は,国土地理院によって,断層がクリープ変形をしていることが見出されており,この結果を総合すると,地表近くがクリープし,その下の方で,地震が起きて弾性的に変形しているようである。
星野 洪郎*; 清水 宣明*; 大上 厚志*; 田中 淳*; Saha, M. N.*; 品川 雅彦*; 大槻 貴博*; 森 隆久*; Ariful, H. S.*; Salequl, I. S.*; et al.
no journal, ,
重粒子線照射によるがん治療では、X線照射には見られない優れた治療効果が報告されているが、多くの実験系では各種放射線の生物学的効果には著明な差が認められていない。しかし、重粒子線照射により、細胞形質の特異的変化が起きていることが予想されるため、ウイルス感受性を主な指標として以下の解析を行った。(1)重粒子線照射によりヒト培養細胞のヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)に対する感受性が亢進した。このような現象は、ほかの放射線の照射では見られなかった。そのメカニズムを明らかにするため遺伝子発現の変化について解析した。NF-Bの増加が見られ、Ku-80, PARPなどの発現は低下した。(2)レトロトランスポゾンの一種LINEはヒトゲノムの17%を占め、レトロウイルス様の構造をしている。重粒子線照射によりその転移が促進されるか、検出できる細胞系を樹立し検討した。各種放射線による照射で、LINEのレトロポジション(転移)が増加したが、その頻度には大きな差は認めなかった。(3)放射線抵抗性細菌
の
遺伝子をヒト細胞に導入し発現細胞を分離した。PprA蛋白質は細胞内で特異的な局在を示し、遺伝子導入細胞では放射線照射に軽度に抵抗性となった。
横田 裕一郎; 和田 成一*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
高等植物の多くは放射線にとても強いことが知られている。本研究では、植物の放射線耐性メカニズムを明らかにする研究の一環として、線照射したタバコ細胞において、DNA2本鎖切断(DSB)の修復カイネティクスをパルスフィールドゲル電気泳動法で定量的に解析するとともに、微小核生成頻度を測定した。タバコ細胞で観測されたDSBの修復カイネティクスは、チャイニーズハムスター細胞を用いた対照実験での結果とほぼ一致し、DSB修復能力は両細胞間で差がなかった。微小核生成頻度は照射後2日目に最大となり、コロニー形成法により求めた半致死線量照射時の微小核生成頻度は40%近くに達した。哺乳動物細胞では、半致死線量照射時の微小核生成頻度は、おおむね30%以下であることから、タバコ細胞は、放射線による染色体異常誘発効果に比較的寛容であると考えられた。
横田 裕一郎; 和田 成一*; 鹿園 直哉; 長谷 純宏; 井上 雅好*; 田中 淳; 鳴海 一成
no journal, ,
植物の放射線耐性メカニズムを明らかにするため、DNA2本鎖切断(DSB)の生成及び修復を定量的に分析した。タバコBY-2プロトプラスト及びチャイニーズハムスターCHO-K1細胞に氷温下で線を照射した。パルスフィールドゲル電気泳動によるDNA断片化パターンの解析から、照射直後あるいは修復後のDSBを定量した。照射直後のDSB生成量(Gbp DNA
Gy
)は、タバコで2個,チャイニーズハムスターで6.6個であった。細胞の放射線感受性及びゲノムサイズを考慮した場合、平均致死線量を照射した細胞に生じるDSBは、タバコで263個,チャイニーズハムスターで55個であった。以上の結果から、タバコではDSBが生じにくいうえ、多くのDSBに耐えられることがわかった。他方で、タバコとチャイニーズハムスターとの間でDSBの修復効率に差は認められなかった。タバコが多くのDSBに耐えられる原因として、DSBを正確に修復できる可能性と、DSBが誤って修復される際に生じる遺伝情報の変化やゲノム不安定性に寛容である可能性が考えられた。
横田 裕一郎; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 田中 淳; 鳴海 一成; 和田 成一*; 井上 雅好*
no journal, ,
本研究では、重イオンビームの予備実験として、タバコプロトプラスト及びチャイニーズハムスター細胞に線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動によりDNA2本鎖切断(DSB)の生成及び修復の定量解析を行うとともに、
線照射がタバコ細胞にHLS(熱処理によりDSBに転換される熱惰弱部位)を誘発するかどうか調べた。50
Cで細胞溶解を行った場合、タバコ細胞とチャイニーズハムスター細胞との間でDSB修復効率に差はなかった。HLSのDSB転換の有無を確認するために、あらかじめ細胞溶解しておいたタバコゲノムDNAに
線を照射後、50
Cで24時間インキュベートした。その結果、DNAの断片化が進んだことから、
線照射したタバコDNAにもHLSが生じることが明らかになった。また、生じたHLSは2時間後には完全に修復されていることが明らかになった。