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論文

Assessment of hydrogen embrittlement behavior in Al-Zn-Mg alloy through multi-modal 3D image-based simulation

藤原 比呂*; 戸田 裕之*; 海老原 健一; 小林 正和*; 眞山 剛*; 平山 恭介*; 清水 一行*; 竹内 晃久*; 上椙 真之*

International Journal of Plasticity, 174, p.103897_1 - 103897_22, 2024/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Engineering, Mechanical)

高強度化したアルミ合金において水素脆化は、理解し解決すべき問題である。アルミ合金において、水素が析出物界面に蓄積し脆化の原因となっていると考えられている。しかし、き裂付近の水素分布と応力場の局所的な相互作用について、空間的な複雑さを考慮した定量的な知見は明らかでない。本研究では、結晶塑性有限要素法と水素拡散解析を組み合わせたマルチモーダル3次元画像ベースシミュレーションを用い、実際のき裂近傍の応力分布と、それが水素分布に及ぼす影響およびき裂発生確率に及ぼす影響を捉えることを試みた。その結果、粒界き裂は、その先端近傍の水素蓄積により、MgZn$$_2$$析出物の半整合界面の凝集エネルギーが低下した領域で擬へき開き裂に遷移することが分かった。この結果は、本シミュレーション手法がナノスケールの剥離とマクロスケールの脆性破壊の橋渡しに成功したことを示すものと考える。

論文

J-PARC MRのための横方向不安定性の記述に向けたシミュレーションの構築

吉村 宣倖*; 外山 毅*; 菖蒲田 義博; 中村 剛*; 大見 和史*; 小林 愛音*; 岡田 雅之*; 佐藤 洋一*; 中家 剛*

Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.260 - 264, 2023/11

-PARCメインリング(MR)の出力は1.3MWに増強される予定である。そのために、イントラバンチフィードバックシステム(IBFB)を最大約200MHzまでの高い周波数に対応できるようにアップグレードする必要がある。このアップグレード後の性能を評価し、最適なパラメータを理解するために、現在、必要なコンポーネントを含む粒子トラッキングシミュレーションを開発している。その結果、色収差によって引き起こされるビームのリコヒーレンス時間を、トラッキングシミュレーションと実験との間で比較し、それが単純なシミュレーションでは説明できないことを確認した。現在、この結果を説明するメカニズムを調査しているが、縦方向のインピーダンスの効果のみでは、この実験結果を説明できないことがわかった。

報告書

核燃料再処理施設におけるグローブボックス用グローブの物性調査; 定期交換したグローブの物性と使用可能年数の推測

山本 昌彦; 西田 直樹; 小林 大輔; 根本 良*; 林 宏幸*; 北尾 貴彦; 久野 剛彦

JAEA-Technology 2023-004, 30 Pages, 2023/06

JAEA-Technology-2023-004.pdf:1.94MB

日本原子力研究開発機構の東海再処理施設において核燃料物質の取り扱いに使用するグローブボックス用グローブ(以下、「グローブ」という。)は、内部規則にて使用期限が定められており、グローブボックスに取り付け後、異常の有無に係わらず最長4年で交換している。一方、グローブの材質は合成ゴムであることから、使用環境(使用頻度、薬品、放射線量等)によってその劣化度合は異なる。そこで、本件では使用環境毎にグローブを分類し、その物性値を測定すること等により、グローブの劣化状況に応じた使用可能年数の技術的評価手法を確立するとともに、グローブの使用可能な年数を推測した。外観上の異常もなく定期交換したグローブについて、測定した物性値は、新品のグローブの納品時に確認している受入基準値を満足し、新品のグローブと同等の物理的特性を有していることが分かった。このため、使用期限を迎えたこれらグローブは、新品のグローブの最長使用年数である4年を追加した合計8年間の使用が可能であると考えられた。また、グローブの物性値と使用年数をプロットして外挿線を作成した結果、使用年数8年における物性値は、過去にグローブの破損等が報告されている物性値よりも安全側の値を示し、非管理区域の倉庫にて8年及び23年間保管した長期保管グローブの物性値と有意な差は見られなかった。これらより、東海再処理施設におけるグローブの最長使用年数は8年と設定した。なお、グローブの点検頻度、項目は従来の実施内容から変更せず、異常が確認されれば使用年数に関係なく速やかに交換される管理であることから、使用年数を8年に延長した場合でもグローブ使用に伴う安全性の低下(リスクの上昇)は生じない。また、使用年数の延長に伴い、グローブの購入費、グローブ交換等の作業労力、廃棄物発生量を従来よりもそれぞれ約4割低減させることができ、定期のグローブ交換に伴う汚染発生のリスク、作業者の被ばくのリスクも低減され、グローブ管理の効率化・合理化が図られた。

論文

Selective adsorption of Pd(II) over Ag(I) in nitric acid solutions using nitrogen-donor-type adsorbents

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Separation and Purification Technology, 308, p.122943_1 - 122943_7, 2023/03

 被引用回数:2 パーセンタイル:22.61(Engineering, Chemical)

主にAgを含む使用済み製品からPd金属をリサイクルするために硝酸抽出が行われており、ほとんどのPd残留物はAg(I)含有溶液から分離される。しかし、このAg(I)溶液中には少量のPd(II)が残存していることが多い。そのため、硝酸溶液中のPd(II)とAg(I)を分離することは、Pdのリサイクルを効率的に進めるために必要不可欠である。本研究では、アミン(R-Amine),イミノ二酢酸(R-IDA),ピリジン(R-Py),ビスピコリルアミン(R-BPA)で機能化した4種類の窒素ドナー型吸着材を用いて硝酸溶液中のPd(II), Ag(I)を分離する研究を実施した。R-Amine,R-IDA,R-Pyは硝酸溶液からAg(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)を選択的に吸着したが、R-AmineはPdの吸着効率が低いことが判明した。一方、R-BPAはPd(II), Ag(I), Cu(II)を全濃度において90%以上吸着することができた。フーリエ変換赤外分光法及び広域X線吸収微細構造法(EXAFS)による吸着金属イオンの構造解析から、窒素ドナー型吸着剤の分離機構を明らかにした。R-IDA, R-Py, R-BPAへのPd(II)吸着は官能基(それぞれイミノ二酢酸,ピリジン,ビスピコリルアミン)へのPd(II)配位を介して起こり、R-Amineへの吸着はNO$$_{3}$$$$^{-}$$と[Pd(NO$$_{3}$$)$$_{4}$$]$$^{2-}$$のアニオン交換を介して起こることがわかった。R-IDA,R-Py,R-BPAは、配位性吸着機構により、高いPd(II)吸着挙動を示すことが明らかとなった。塩酸(5.0M)およびチオ尿素(0.1M)溶離液は、それぞれR-IDAから83%およびR-Pyから95%のPd(II)を脱離させた。R-Pyは吸着選択性と脱着効率から最も効果的なPd(II)吸着剤だった。

論文

J-PARC MRにおけるイントラバンチ・フィードバックのシステム更新のための評価

吉村 宣倖*; 外山 毅*; 小林 愛音*; 中村 剛*; 岡田 雅之*; 菖蒲田 義博; 中家 剛*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.936 - 941, 2023/01

大強度陽子シンクロトロンJ-PARC Main Ring (MR)は現在の510kW ($$2.63times 10^{14}$$ ppp, MRサイクル2.48秒)から1.3MW ($$3.14times 10^{14}$$ ppp, 1.16秒)へと大強度化する予定である。大強度のビームは、それが引き起こすウェイク場や電子雲などによりビームの振動が不安定になるために、ビーム損失が発生する。これを抑制するためにビーム位置モニター(BPM), FPGA, ストリップラインキッカーを用いたintra-bunch feedback system (IBFB)がMRに設置されている。ビーム強度が増強されると横方向不安定性がさらに増大してビームを実験施設に安定供給する制限要因となることが予想される。現在、対策として今後1,2年でIBFBを新システムに更新して200MHzの高周波の振動にも対応させることが計画されている。今回、この事前調査として(100MHzまでの振動に対応した)現行システムのIBFBの性能限界を6月に行われたビーム試験でのデータをもとに評価した。

論文

J-PARC MR Eddy-current type septum magnet用ビーム結合インピーダンス対策の評価の進捗

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*; 冨澤 正人*; 竹内 保直*; 佐藤 洋一*

Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.19 - 23, 2023/01

J-PARCのメインリングでは、デバンチ工程でビームの縦方向の不安定性による密度変調が発生する。これは電子雲の発生につながり、これが横方向のビーム不安定性を引き起こす。この原因として特に、数百MHzに及ぶ縦方向のインピーダンスが関係しているとされ、個々の装置の低インピーダンス化対策が進められている。今年新たに設置された渦電流式セプタムマグネットは、シミュレーションの結果、インピーダンスが大きいことが判明した。現在、テーパーを設置する空間的余裕がない場所にも適用できるよう、SiCを搭載したフランジによるインピーダンスの低減を検討している。本報告では、まず実機で使用するSiCの特性の測定結果を示す。その後、その結果を入力にしたインピーダンスのシミュレーション結果とワイヤー法による測定結果を比較する。最後に、インピーダンスの測定結果を入力にしてビームへの影響について評価する。

論文

In-operando lithium-ion transport tracking in an all-solid-state battery

小林 峰*; 大西 剛*; 大澤 崇人; Pratt, A.*; Tear, S.*; 霜田 進*; 馬場 秀忠*; Laitinen, M.*; Sajavaara, T.*

Small, 18(46), p.2204455_1 - 2204455_9, 2022/11

 被引用回数:5 パーセンタイル:32.25(Chemistry, Multidisciplinary)

全固体電池は、正極と負極の間でリチウムイオンを輸送することで充放電を行う二次電池である。エネルギー密度の向上、充電時間の短縮、安全性の向上など、この電池技術の大きなメリットを十分に発揮するためには、動作中に電池内でリチウムイオンがどのように輸送・分布しているかを理解することが不可欠となる。しかし、3番目に軽い元素であるリチウムは、全固体デバイスの動作中に定量的に分析する方法が限られており、リチウムの輸送をリアルタイムで追跡することはまだ実証されていない。ここでは、熱中性子誘起核反応を利用し、リチウム6をトレーサーとして、高強度熱中性子源を用いて、全固体半電池内のリチウムイオンの輸送をほぼリアルタイムで定量的に追跡することに成功したことを報告する。さらに、リチウムイオンの移動機構と移動領域についても言及した。リチウムイオンの輸送を追跡することで、使用した固体電解質中のリチウムイオンの移動領域を決定することができたと述べている。これらの結果から、全固体電池の開発は、電池内のリチウムイオンの輸送を把握しながら、さらなる進化を遂げることができる段階に入ったと言える。その結果、全固体電池の研究開発はさらに加速されることになるだろう。

論文

グローブボックス用グローブの物性調査と使用可能年数の推測

小林 大輔; 山本 昌彦; 西田 直樹; 三好 竜太; 根本 良*; 林 宏幸*; 加藤 圭将; 西野 紗樹; 久野 剛彦; 北尾 貴彦; et al.

日本保全学会第18回学術講演会要旨集, p.237 - 240, 2022/07

東海再処理施設のグローブボックスに取付けられているグローブは、一律に使用期限を定めて定期的に交換している。ゴム製品であるグローブは、使用環境(使用頻度,化学薬品,放射線等)により、劣化度合いが異なることが外観上からも推察される。本件では、様々な使用環境下で定期交換したグローブの物性値(引張強さ,伸び率,硬さ)を測定し、新品グローブの物性値との比較により、劣化の程度並びに使用可能年数を推定した。その結果、外観に異常の無いグローブは、新品グローブの受入基準値以上の物性値であることが分かった。また、外挿した物性値からはこれまで報告されたグローブ損傷時の物性値よりも十分に大きいことから、外観に異常が無く定期的に交換するグローブの物性に劣化は見られず、グローブの使用可能年数は8年と推測された。

論文

Impedance reduction by a SiC-loaded flange and its application to the J-PARC main ring septum magnet

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 1031, p.166515_1 - 166515_12, 2022/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Instruments & Instrumentation)

現在、大強度陽子加速器施設(J-PARC)のメインリングでは、ビームパワーの増強が進められている。大強度ビーム実現のためには、ビームパワーを制限するビーム不安定性の低減と、その発生源であるビーム結合インピーダンスの低減が不可欠である。3次元シミュレーションコード(CST studio suite)によれば、現在のセプタム電磁石は大きなインピーダンスになる。今回、このセプタム電磁石は、より高い繰り返し回数に対応するため新型の電磁石に置き換える予定なので、これにあわせてインピーダンスの低減法を考案した。一般的に、テーパー管を使うことでインピーダンスは低減されることが知られているが、実際に設置するには空間的に非常に強い制限をうける。そこで、セプタム電磁石のフランジに銅板とSiCを取り付けることで、簡単にしかも効果的にインピーダンスを低減できる手法を考案した。これにより、新型セプタム電磁石の縦方向インピーダンスは対策をしない場合と比べて1%に減少し、ビーム安定条件が大きく改善した。この方法は、フランジに省スペースで設置できるため、本来の電磁石の発生磁場に影響を与えることなく、インピーダンスを低減できる。また、ビームパイプの形状に関係なく幅広く適応できる。

論文

Radiological estimation and validation for the Accelerator-Based Boron Neutron Capture Therapy Facility at the Ibaraki Neutron Medical Research Center

中島 宏; 中村 剛実; 小林 仁*; 田中 進*; 熊田 博明*

NEA/NSC/R(2021)2 (Internet), p.142 - 151, 2021/12

病院に設置可能なホウ素中性子捕捉療法(BNCT)施設の開発を目指して、茨城中性子医学研究センターでは、筑波大学, 日本原子力研究開発機構, 高エネルギー加速器などの協力の下、加速器ベースのBNCT施設が開発されている。本装置は、80kWの最大ビームパワーを持つ陽子加速器と、ターゲット, モデレータ, コリメータ, シールド(TMCS)システムで構成されている。設計概念のために、BNCTビーム条件を満たし、低放射化を達成するために、TMCSシステムにおける放射線挙動はモンテカルロ法により計算され、その結果に基づいてTMCSの構成が最適化された。また、TMCSシステムの放射線計算結果をいくつかの実験により検証し、BNCTへの適用性を示した。本報告では施設開発のための評価と検証についてレビューする。

論文

J-PARC MRのFXセプタムとFXキッカーのインピーダンスの評価と対策

小林 愛音*; 外山 毅*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博; 石井 恒次*

Proceedings of 18th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.287 - 291, 2021/10

加速器を構成する要素のビーム結合インピーダンスの影響の見積もりと対策は、それにより引き起こされるビームの集団効果を抑制し、ビーム強度を上げるために不可欠である。J-PARC main ring (MR)は現在の最高強度515kW ($$2.8 times 10^{14}$$ ppp, MR cycle 2.48 sec)から750kW ($$2.03 times 10^{14}$$ ppp, 1.3sec)、さらには1.3MW ($$3.33 times 10^{14}$$ ppp, 1.16 sec)と大強度化する計画であり、不安定性をはじめとした集団効果によるビームロスの低減は必須である。大きなインピーダンスを持つと考えられている個々の装置のうち、FXセプタムとFXキッカーをCSTシミュレーションでモデル化し、縦および横方向のインピーダンスの見積もりを行った。特に大きな値となったインピーダンスについては、それが発生するウェイク場を減衰させる方法を検討した。FXセプタムについては、SiCをウェーク場の減衰器として追加することでインピーダンス低減を目指すように設計し、かつ発生する熱等が実用的かどうか調べ、製作を行なっている。インピーダンスの実測定は夏から秋に行う予定である。ここではシミュレーション過程およびインピーダンスのビームへの影響の見積りを報告する。

論文

Speciation and separation of platinum(IV) polynuclear complexes in concentrated nitric acid solutions

鈴木 智也*; 大坪 右京*; 尾形 剛志*; 塩飽 秀啓; 小林 徹; 矢板 毅; 松岡 光昭*; 村山 憲弘*; 成田 弘一*

Dalton Transactions (Internet), 50(33), p.11390 - 11397, 2021/09

 被引用回数:2 パーセンタイル:20.72(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

本研都市鉱山から白金(Pt)を回収するには、Pt(IV)の溶液化学を理解することが重要である。我々は、濃硝酸溶液中のPt(IV)錯体の化学種と分離を、X線吸収微細構造(XAFS)分光法によって調べた。Na$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の濃縮硝酸溶液にはPt多核錯体が支配的に存在し、Pt濃度とNa$$_{2}$$Pt(OH)$$_{6}$$の溶解温度に依存することが明らかになった。0.90g-Pt/Lの加熱硝酸塩溶液と3.2g-Pt/Lの非加熱硝酸塩溶液には主に二核白金錯体が存在する。一方3.0g-Pt/Lの加熱溶液には、四核および六核錯体のような大きな多核錯体が主に存在していた。またイミノ二酢酸で機能化したキレート樹脂と硝酸トリメチルアンモニウムを有する強塩基性アニオン交換樹脂でPt(IV)イオンを吸着させると、大きなPt(IV)錯体の存在を確認した。高濃度のPt(IV)を含む加熱溶液からのPt(IV)錯体は、高い吸着効率を示すことがわかった。さらに、強塩基性陰イオン交換樹脂を使用すれば、Pd(II), Ag(I), Cu(II), Ni(II), Fe(III)が含まれる10M硝酸溶液から選択的にPt(IV)を吸着させることに成功した。

論文

Development of evaluation method for photocatalytic ability by ion chromatography combined with a flow-type reactor; Application to immobilized photocatalyst materials prepared by double-layer coating method

杉田 剛; 小林 健太郎*; 山崎 太樹*; 井坂 茉由*; 板橋 英之*; 森 勝伸*

Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 400, p.112662_1 - 112662_8, 2020/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:2.44(Chemistry, Physical)

本研究では、光触媒の性能を正確に評価するために、イオンクロマトグラフィー(IC)システムにフローリアクター(FR)を接続したインライン方式の光触媒性能評価システム(FR-IC)を開発した。ガラスビーズ等の基板に二層担持法で担持された光触媒の評価にFR-ICを用いた。光触媒の性能をジメチルスルホキシド(DMSO)を使用して評価した結果、紫外線によるDMSOの分解と、メタンスルホネート(MSO)やサルフェート(SA)等の副産物の形成を監視することができた。本システムは、光触媒による対象物の分解性能評価に加えて、分解による副産物の挙動を評価するためにも役立つことが期待できる。

論文

J-PARC MRにおける横方向ビーム不安定性の抵抗性壁効果の影響の調査

小林 愛音*; 外山 毅*; 菖蒲田 義博; 中村 剛*; 佐藤 洋一*

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.684 - 688, 2020/09

J-PARC main ring (MR)速い取り出し運転において、ベータトロンチューンシフトやビーム不安定性を発生させるなど、横方向インピーダンスはビームに強い影響を与える。その見積もりと対策はビーム強度を現在の$$3.3times 10^{13}$$ ppb$$ times$$ $$ 8$$バンチから$$4.4 times 10^{13} $$ppb $$times$$ $$ 8$$バンチとする大強度運転に向けて不可欠である。この研究ではインピーダンス源の特定のための調査を行なった。MRの横方向の主要インピーダンス源は抵抗性壁効果と考えられているが、水平方向には他にキッカー等のインピーダンスがあるため、ここでは他のインピーダンスの寄与が小さいと考えられる垂直方向についてビーム試験を行なった。試験ではマルチバンチビーム不安定性の成長率を、チューンを変えることによりインピーダンスが応答する周波数を変えて測定し、それを抵抗性壁効果の模型と比較することによりインピーダンスを同定することとした。シングルバンチ不安定性の寄与は、バンチ数を変えてバンチ電流を増減させ、かつバンチ内振動の測定を行い確認した。ここでは解析手法やシミュレーションとの比較についても報告する。

論文

長距離ウェーク場を含む不均等蓄積したビームの集団不安定性のIIRフィルターを用いた解析

外山 毅*; 小林 愛音*; 中村 剛*; 菖蒲田 義博

Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.689 - 692, 2020/09

J-PARCの様な大強度ビーム加速器では、ビームが発するウェーク場がビームに働き不安定な運動を引き起こす。これがビーム損失の原因の1つとなり、ビーム強度の増強に制限を与える。不安定性の理論的計算のほとんどは、リングに対称に蓄積されたバンチを対象にしているが、J-PARC MRでは9個のRFバケツに対して8個のバンチが不均一に蓄積され、解析が難しくなっている。シミュレーションにおいても、壁抵抗によるウェーク場は長距離で生き残るので計算が簡単ではない。例えば、J-PARC MRでは、壁抵抗のウェーク場は減衰時間1ms(200ターン)程度と積もられている。この様なウェーク場に対して、ビーム振動からキックへの伝達関数をIIR(infinite impulse response)フィルターで近似すると、数ターン前までの履歴情報のみで計算可能となる。それは、壁抵抗ウェーク場が、$$exp(-alpha s)$$の形の重ね合わせで表現でき、線形系を記述するIIR filterで表すことができるためである。この方法は、一般の線形系のウェーク場に適用可能である。ここでは、Rigid bunchモデルの場合の計算法を報告する。

論文

Unique anion-exchange properties of 3,3'-diaminobenzidine resulting in high selectivity for rhodium(III) over palladium(II) and platinum(IV) in a concentrated hydrochloric acid solution

鈴木 智也*; 尾形 剛志*; 田中 幹也*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一*

Analytical Sciences, 35(12), p.1353 - 1360, 2019/12

 被引用回数:4 パーセンタイル:12.17(Chemistry, Analytical)

白金族金属の精錬では、Pd(II)やPt(IV)を含む混合物からRh(III)を効果的に回収することは最も難しい課題の1つである。これら元素の塩化物を含む濃塩酸水溶液に3,3'-diaminobenzidine (DAB)を加えることにより、DABからなる固相にRh(III)を隔離し、Pd(II)とPt(IV)から効果的に分離することに成功した。そこで、Rh(III), H$$^{+}$$, Cl$$^{-}$$濃度の推定とX線吸収微細構造測定から、Rh(III)に対するDAB選択性の機構を明らかにした。濃塩酸水溶液中でのRh-DAB反応は2つのステップで起こることがわかった。(1)DABのアミノ基がプロトン化されたDAB三塩酸塩が沈殿し、(2)三塩酸塩と塩化物イオンがアニオン交換し、[RhCl$$_{6}$$]$$^{3-}$$が濃塩酸溶液中の主化学種であることがわかった。一方HCl濃度が5M未満ではDABによる配位錯体形成を介してPdとPtを回収することができるので、Rh(III)とPd(II)やPt(IV)を効果的に分離する要因であると思われる。

論文

Mechanism of palladium(II) adsorption from nitric acid solutions by a styrene-divinylbenzene copolymer functionalized with $$N,N,N$$-trimethylglycine

鈴木 智也*; 成田 弘一*; 尾形 剛志*; 鈴木 英哉; 松村 達郎; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅

Solvent Extraction Research and Development, Japan, 26(1), p.11 - 19, 2019/06

 被引用回数:3 パーセンタイル:13.73(Chemistry, Multidisciplinary)

$$N,N,N$$-トリメチルグリシン官能基を持つスチレンジビニルベンゼンポリマー(AMP03)を用いて、硝酸溶液からの2価のパラジウムイオン(Pd(II))の吸着試験を実施した。さらに、FT-IR、及びEXAFSによって、官能基のPd(II)に対する吸着のメカニズムを明らかにした。

論文

Evaluation of photocatalytic abilities by variation of conductivity and dimethyl sulfoxide; Photocatalytically active TiO$$_{2}$$-coated wire mesh prepared via a double-layer coating method

森 勝伸*; 杉田 剛; 藤井 謙吾*; 山崎 太樹*; 井坂 茉由*; 小林 健太郎*; 岩本 伸司*; 板橋 英之*

Analytical Sciences, 34(12), p.1449 - 1453, 2018/12

 被引用回数:2 パーセンタイル:6.98(Chemistry, Analytical)

二層担持法によって光触媒担持金網を作製し、導電率検出器を備えた流れ分析法(FAS-CD)を用いて水質浄化性能を評価した。FAS-CDを用いたDMSO分解試験から、光触媒は安定に金網表面に担持されていることが示され、二層担持法の有効性が確認された。

論文

Speciation of ruthenium(III) chloro complexes in hydrochloric acid solutions and their extraction characteristics with an amide-containing amine compound

鈴木 智也*; 尾形 剛志*; 田中 幹也*; 小林 徹; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 成田 弘一*

Metals, 8(7), p.558_1 - 558_10, 2018/07

AA2018-0670.pdf:2.11MB

 被引用回数:13 パーセンタイル:53.43(Materials Science, Multidisciplinary)

白金族元素の精製は主に溶媒抽出法によって行われるが、Ruは蒸留によってRuO$$_4$$として回収される。この蒸留による方法を抽出法に置き換えることができれば、精製プロセスの簡素化が期待される。本研究では、Ruの効率的な抽出法を開発することを目的に、Ruの塩酸中での化学種についてUV-vis分光およびEXAFS法で分析し、N-2-ethylhexyl-bis(N-di-2-ethylhexyl-ethylamide) amine (EHBAA)によって抽出されたRuの特性を調査した。その結果、塩酸濃度が0.5から10MにおけるRuの主たる化学種は、塩酸濃度の上昇に伴って[RuCl$$_4$$(H$$_2$$O)$$_2$$]$$^-$$から[RuCl$$_6$$]$$^3$$$$^-$$へと変化することが明らかとなった。また、EHBAAによるRuの抽出率は塩酸濃度の上昇に伴って増加し、塩酸濃度が5Mで最大に達し、さらに塩酸濃度が上昇すると抽出率は下降に転ずる。抽出錯体のEXAFS分析の結果からは、Ru$$^3$$$$^+$$の内圏には5つのCl$$^-$$と1つのH$$_2$$Oが存在することが示された。さらに塩酸濃度が増加したときのEHBAAによるRuの抽出率の変化と[RuCl$$_5$$(H$$_2$$O)]$$^2$$$$^-$$の分布曲線がよく似ていることから、EHBAAは[RuCl$$_5$$(H$$_2$$O)]$$^2$$$$^-$$を抽出すると考えられる。

論文

Enhanced aqueous adsorption and photodecomposition of anionic organic target by amino group-modified TiO$$_{2}$$ as anionic adsorptive photocatalyst

杉田 剛; 小林 謙一*; 小林 健太郎*; 山崎 太樹*; 藤井 謙吾*; 板橋 英之*; 森 勝伸*

Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 356, p.71 - 80, 2018/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:13.08(Chemistry, Physical)

光触媒は光照射のみで強力な酸化、還元反応を示す材料である。しかし、水中では反応目的物と触媒との接触効率が低いため、反応効率が著しく低下する。本研究では、水中でのアニオン性有機物質に対する吸着・分解反応性を向上させるため、アミノ基修飾型光触媒、及びそれを固定化した光触媒材料を調製し、その性能を評価した。その結果、光触媒を正電荷を持つアミノ基で修飾することにより、アニオン性有機物質の吸着・分解能力が向上することが明らかとなった。

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