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松崎 陽*; 平山 雅章*; Oguchi, Shoya*; 粉生 守*; 池澤 篤憲*; 鈴木 耕太*; 田村 和久; 荒井 創*; 菅野 了次*
Electrochemistry (Internet), 90(10), p.107001_1 - 107001_8, 2022/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Electrochemistry)ペロブスカイト型構造を持つLaSrCoO酸素還元(ORR)および酸素発生(OER)反応について、様々な面方位を持つ2次元モデル電極を用いて調べた。パルスレーザー堆積法で合成した薄膜電極を用いることで、ORR反応の面方位依存性を明らかにした。電気化学測定より、1回目のORR/OERサイクルでは、ORRの反応活性は(001)面で最も高かったが、2回目のサイクルでは、活性が著しく低下した。放射光を用いた結晶構造解析を行い、LaSrCoOのバルクと表面の構造が変化していることがわかった。また、構造変化は酸素欠損サイトの形成によることが明らかになった。さらに、LaSrCoOの表面が部分的に分解されることも分かった。したがって、ORRおよびOER反応の活性を上げるには、電気化学反応に伴い形成される界面の構造が重要である。
北里 宏平*; Milliken, R. E.*; 岩田 隆浩*; 安部 正真*; 大竹 真紀子*; 松浦 周二*; 高木 靖彦*; 中村 智樹*; 廣井 孝弘*; 松岡 萌*; et al.
Nature Astronomy (Internet), 5(3), p.246 - 250, 2021/03
被引用回数:44 パーセンタイル:96.99(Astronomy & Astrophysics)2019年4月「はやぶさ2」ミッションは、地球に近い炭素質の小惑星(162173)リュウグウの人工衝撃実験を成功させた。これは露出した地下物質を調査し、放射加熱の潜在的な影響をテストする機会を提供した。はやぶさ2の近赤外線分光器(NIRS3)によるリュウグウの地下物質の観測結果を報告する。発掘された材料の反射スペクトルは、表面で観測されたものと比較して、わずかに強くピークがシフトした水酸基(OH)の吸収を示す。これは、宇宙風化や放射加熱が最上部の表面で微妙なスペクトル変化を引き起こしたことを示している。ただし、このOH吸収の強度と形状は、表面と同様に、地下物質が300Cを超える加熱を経験したことを示している。一方、熱物理モデリングでは、軌道長半径が0.344AUに減少しても、推定される掘削深度1mでは放射加熱によって温度が200Cを超えて上昇しないことが示されている。これは、リュウグウ母天体が放射加熱と衝撃加熱のいずれか、もしくは両方により熱変化が発生したという仮説を裏付けている。
荻原 徳男; 引地 裕輔*; 神谷 潤一郎; 金正 倫計; 吉田 肇*; 新井 健太*
Journal of the Vacuum Society of Japan, 60(12), p.475 - 480, 2017/12
In order to achieve stable operation of J-PARC accelerator, we studied the conductance of a slit used for a gas sheet monitor. The flow rate of a rarefied gas through a long rectangular channel with a very small height (H) to width (W) ratio was experimentally investigated using N and Ar for the wide range of the Knudsen number Kn, which is defined as a ratio of H to the mean free path. Here the dimensions of the channel are as follows: H=0.1 mm, W=50 mm, and the length L=100 mm. The conductance, which is proportional to the dimensionless flow rate, decreases from the value in free-molecular regime and reaches the Knudsen minimum at Kn 1.2, as the inlet gas pressure increases. Then, assuming fully developed gas flow, the reduced flow rate G has been estimated as a function of the local rarefaction parameter using the experimental data.
田港 聡*; 平山 雅章*; 鈴木 耕太*; 田村 和久; 湊 丈俊*; 荒井 創*; 内本 喜晴*; 小久見 善八*; 菅野 了次*
Journal of Power Sources, 307, p.599 - 603, 2016/03
被引用回数:34 パーセンタイル:72.18(Chemistry, Physical)SrRuO(100)/Nb:SrTiO(100)上に作成したエピタキシャルLiCoO(104)薄膜を用いて、リチウムイオン電池正極材料の充放電過程における劣化機構について議論した。LiPOでLiCoO表面をコーティングしたものと、していないものを比較すると、コーティングすることで正極材料の劣化が抑えられることがわかった。表面X線回折実験で充放電過程における表面構造を追跡すると、コーティングした場合のLiCoO(104)表面は構造変化が少なく、その結果結晶構造が維持されて、劣化が抑えられていることが分かった。
梅田 享英*; 岡本 光央*; 荒井 亮*; 佐藤 嘉洋*; 小杉 亮治*; 原田 信介*; 奥村 元*; 牧野 高紘; 大島 武
Materials Science Forum, 778-780, p.414 - 417, 2014/02
被引用回数:2 パーセンタイル:72.41(Crystallography)炭化ケイ素(SiC)金属-酸化膜-半導体 電界効果トランジスタ(MOS FET)の界面欠陥を電流検出型磁気共鳴(EDMR)により調べた。SiC MOSFETはカーボン(C)面上に作製し、水蒸気酸化及び800Cでの水素処理、又は、乾燥酸素を用いた二種類の方法によりゲート酸化膜を形成した。乾燥酸素によるゲート酸化膜を有するMOSFETのチャンネル移動度は1cm/Vs以下であるが、水素処理ゲート酸化膜を有するMOSFETは90cm/Vsである。低温(20K以下)でのEDMR測定の結果、シリコン面上に作製したMOSFETでは観測されないC面特有の欠陥シグナルが検出された。線照射を行ったところ、このC面特有の欠陥シグナルが大きくなり、それとともにチャンネル移動度が低下することが判明した。これより、水素処理により終端されていたC欠陥が線照射により離脱し、C面固有の欠陥となること、この欠陥がチャンネル移動度の低下に関与することが推測される。
新井 貴; 平塚 一; 長谷川 浩一; 秦野 歳久; 根本 正博; 阿部 哲也
平成18年度名古屋大学総合技術研究会装置技術研究会報告集, p.76 - 79, 2007/03
昨今、飲酒運転による事故がニュースで頻繁に取り上げられ、飲酒量や飲酒時刻等の検証が高い関心を持たれている。血中のアルコール量と呼気に含まれるアルコール濃度には相関があると言われており、これに基づいて呼気中のアルコール濃度を測定する機器が報告されている。われわれは、高精度測定が可能な四重極型質量分析計(QMS)ガス分析装置「グラビマス」の応用として呼気分析を実施している。今回、呼気中のアルコール濃度を測定し、アルコール検出に対する本装置の性能を調べ、呼気中アルコール濃度の時間変化を高精度で測定した。さらに、アルコール以外の物質変化をも同時に観察することによりアルコール摂取時の呼気組成の変化も合わせて測定することができた。これらの結果は、QMSを用いた呼気分析の有用性を示すものである。
長谷川 浩一; 阿部 哲也; 根本 正博; 平塚 一; 新井 貴; 秦野 歳久
平成18年度機器・分析技術研究会報告, p.169 - 172, 2006/09
産学連携推進部では、化学変化や吸着作用などによる材料のごく微量な重量変化を試験容器内で連続的に測定しながら、試験容器内の雰囲気と周囲の環境との間に気密性を保つことができる環境分離型天秤を開発した。試料が腐食進行する特殊・有害環境下での重量変化の測定では、測定試料の雰囲気と天秤の置かれた外部環境とを分離して量ることが有効であるが、従来、分離のための気密性を保持しつつ、重量を測定することが技術的に困難であった。環境分離型天秤では、永久磁石を挿入した特殊フランジの中心貫通孔に試料吊下げワイヤーを通してできた隙間に磁性流体を注入することにより、磁力で磁性流体を中心部に保持させてワイヤーの可動性と気密性を兼ね備える分離壁を作ることに成功した。この分離壁の生成により、周囲の環境に左右されず、天秤本体部にも影響を及ぼすことのない状況を確保でき、腐食進行などの化学変化や材料の吸着作用による試料の質量変化の測定が可能となった。
平塚 一; 阿部 哲也; 根本 正博; 長谷川 浩一; 新井 貴; 秦野 歳久
平成18年度機器・分析技術研究会報告, p.163 - 166, 2006/09
QMS(四重極質量分析計)によるガス分析技術をヒトが吐き出す呼気分析に応用し、ヒトの健康状態を知る技術の開発を進めている。ヒトの皮膚から排泄されるガスを特殊なガス捕集袋に採取し、ガス組成を測定する方法を新たに考案した。これまでに、呼気ガス及び皮膚排泄ガスの二酸化炭素,酸素及びアルコール成分等の含有割合の計測に成功しており、本技術によって、ヒトの健康状態をその場で把握できるものと期待される。
平塚 一; 新井 貴; 長谷川 浩一; 根本 正博; 阿部 哲也
第17回分子科学研究所技術研究会報告集(CD-ROM), 4 Pages, 2006/03
国際熱核融合炉における炉内ガス成分分析のために開発した質量分析計(QMS)をヒトの健康状態管理に利活用するために、ごく少量の呼気試料ガスを用いてその場計測が可能なガス成分の分析技術及び装置を開発をした。分析方法は、ヒトの気道である気管部分に残存する呼気と肺で代謝された呼気を区分できるように新たに開発した特殊サンプルバック中へ呼気試料ガスを収集する。その収集した試料ガスの一部をシリンジ(注射器)で取り出してQMSを組み込んだ超高真空容器に注入し、QMSにより質量数ごとのガス成分量を計測する。初期実験の結果、アルコール成分を高精度で検出できること,若年齢や運動量が多い人ほど体外への排出酸素量が少なく排出二酸化炭素量が多いことを定量的に評価できること等が確認できた。
廣畑 優子*; 柴原 孝宏*; 田辺 哲朗*; 新井 貴; 後藤 純孝*; 大矢 恭久*; 吉田 肇*; 森本 泰臣*; 柳生 純一; 正木 圭; et al.
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.609 - 613, 2005/03
被引用回数:13 パーセンタイル:65.32(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60の水素放電期間に使用された下部ダイバータタイル中の水素保持特性を昇温脱離法(TDS),二次イオン質量分析法(SIMS)と弾性反跳検出法(ERDA)で測定した。その結果は以下のようである。(1)JT-60のダイバータタイル上には最大で70ミクロンの再堆積層が堆積していた。(2)単面積あたりの水素保持量は再堆積層の厚さに比例して増加した。(3)再堆積層中の水素濃度が膜中で均一であり、再堆積層の密度がバルクの等方性黒鉛と同じであると仮定して、この比例定数から再堆積層中の水素濃度を求めた。(4)再堆積層中の水素濃度は約0.015であり、この値は他のプラズマ実機装置の再堆積層中の水素濃度に比べて低かった。(5)再堆積層を除去した試料中の水素濃度は直線の外挿点よりも低いことから、再堆積層直下にも水素が保持されていることを示唆している。(6)このような低い水素濃度になった理由としてJT-60は運転温度が300Cであったことと、再堆積層がポーラスで基板との熱接触が劣化し、放電中にタイル表面の温度が上昇したものと考えられる。(7)タイル温度を300C以上に保つことができれば、トリチウムインベントリーを少なくできる。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Materials Science Forum, 457-460(Part2), p.1405 - 1408, 2004/06
(001)立方晶炭化ケイ素(3C-SiC)ホモエピタキシャル膜上に作製した金属-酸化膜-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の電気特性とチャンネル方向([-110]方向に垂直,水平)の関係を調べた。その結果、両方のMOSFETともにしきい値電圧は-0.5V、チャンネル移動度は215から230cm/Vsと同様であることが見いだされた。このチャンネル移動度の値はこれまでに六方晶SiCでは達成されていない優れた値である。サブシュレショールド領域でのドレイン電流の値を調べたところ、[-110]に垂直のMOSFETは10Aオーダーであるのに対し、[-110]に平行なMOSFETは10Aオーダーと二桁も高いことが明らかとなった。これは、3C-SiC基板を[-110]方向にアンジュレーションをつけたSi基板にエピタキシャル成長するが、成長後にもその際の欠陥が残留し、伝導に影響するため[-110]に沿うように電流が流れる場合はリークが大きくなるためと考えられる。
大島 武; Lee, K. K.; 石田 夕起*; 児島 一聡*; 田中 保宣*; 高橋 徹夫*; 吉川 正人; 奥村 元*; 荒井 和雄*; 神谷 富裕
Japanese Journal of Applied Physics, Part 2, 42(6B), p.L625 - L627, 2003/06
被引用回数:39 パーセンタイル:77.34(Physics, Applied)炭化ケイ素(SiC)半導体は、大電力・高周波素子への応用が期待されているが、結晶成長や素子作製技術が確立しておらず、実用化への課題となっている。特に、金属-酸化膜-半導体(MOS)電界効果トランジスタ(FET)のチャンネル移動度の向上は実用化に不可欠となっている。これまで、結晶作製技術の問題より六方晶SiCが主な研究対象であったが、近年、立方晶SiC(3C-SiC)の厚膜化が可能となり、その厚膜を基板とすることでホモエピタキシャル成長を行うことが可能となった。本研究では、化学気相法により1650Cでホモエピタキシャル成長させた立方晶SiC上にMOSFETを作製した。MOSFETのソース,ドレイン領域は800Cでのイオン注入及び1650Cで3分間のAr熱処理することで作製し、ゲート酸化膜は1100Cでの水素燃焼酸化により形成した。電気特性よりチャンネル移動度を見積もったところ260 cm/Vsという非常に優れた値が得られた。また、酸化膜耐電圧を計測したところ絶縁破壊開始電界が8.5MV/cmというほぼ理想値を得た。
西山 友和; 新井 貴; 三代 康彦; 平塚 一; 本田 正男; 宮 直之
平成14年度東京大学総合技術研究会技術報告集, p.2_28 - 2_30, 2003/03
JT-60のトロイダル磁場コイル(TFC)は、長年に渡る運転で生じた老朽化による性能劣化に対応するため、運転制限や監視,健全性の確認等を実施しながら安全で円滑な運転の確保に努力している。その健全性確認作業の一貫として、コイルの電気的絶縁状態を確認するために絶縁抵抗測定を実施している。TFC一括の絶縁抵抗は、容易に短時間で測定できるためJT-60実験運転時の毎日実施し、絶縁抵抗管理値を下回らないように監視している。また、定期点検期を利用して単位コイルの絶縁抵抗測定を実施し、その絶縁状態や吸湿等を確認している。以上のようにJT-60の運転経験から得られた絶縁管理の手法について報告する。
正木 圭; 柳生 純一; 新井 貴; 神永 敦嗣; 児玉 幸三; 宮 直之; 安東 俊郎; 平塚 一; 西堂 雅博
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.386 - 395, 2002/09
被引用回数:9 パーセンタイル:51.30(Nuclear Science & Technology)JT-60Uでは、大気解放後の第一壁コンディショニングとして、ベーキング,ヘリウムTDC,ヘリウムGDC,トカマク洗浄放電と順次実施し、到達真空度1010Paを達成している。また、酸素不純物を低減するために、デカボラン(BH)を用いたボロナイゼーションを実施しており、プラズマ中の酸素不純物量を0.5%程度まで低減することに成功している。真空容器内に設置されるタイバータタイルは、高熱負荷に晒されるため高い設置精度が要求される。特にテーパー加工はタイルの段差による端部への熱集中を避けるのに有効であり、タイルの損耗を大きく減らすことができた。また、ダイバ-タ領域における堆積量及び損耗量の内外非対称性(ポロイダル方向)からは、外側ダイバータから内側ダイバータへの不純物の輸送が示唆されている。1992年及び1993年には、CFCタイルの化学スパッタリングと酸素不純物の低減を目的として、BC転化CFCタイルを外側ダイバータに設置し、その効果を実証した。JT-60Uのトリチウム挙動を調べるために、第一壁中のトリチウム量及び排ガス中のトリチウム量を測定した。その結果、生成されたトリチウム量の約50%が第一壁に残留していることがわかった。
有冨 正憲*; 大貫 晃; 新井 健司*; 菊田 充孝*; 与能本 泰介; 新谷 文将; 秋本 肇
日本原子力学会誌, 41(7), p.738 - 757, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)国内外で進められてきた受動的安全設備を有する次世代軽水炉熱流動解析について、その現状と課題を解説する。これまでに提案された代表的な炉型を対象として、システム性能並びに個々の受動的安全系に関する熱流動解析の現状と課題をまとめた。本解説でまとめた内容は種々の大型試験結果を含んだ軽水炉熱流動解析の最前線である。また、今後の原子炉熱流動解析コードの高度化を図るうえでの一つの指針となることを期待する。
平塚 一; 笹島 唯之; 児玉 幸三; 新井 貴; 正木 圭; 閨谷 譲; 柳生 純一; 神永 敦嗣; 西堂 雅博
Fusion Technology 1996, 0, 4 Pages, 1996/00
真空容器内は、プラズマの熱負荷から内面を保護するために、等方性黒鉛やC/C複合材による第一壁やダイバータタイルで覆われている。ダイバータタイル等は、熱負荷や電磁力による損傷を受けるため毎年交換を行っている。損傷は、ダイバータタイルのエッジに集中してエロージョンや破損が見られるが、第一壁も損傷している。これらの原因として、ハロー電流に起因した電磁力、熱応力等が推定される。最近では、電磁力によると思われるポート部NBI保護板の破損やダイバータタイルと第一壁の間にあるダイバータ冷却配管がビーム状の熱負荷を受けて溶融した(冷却ガスのリーク)不具合例がある。各不具合は、短期間のうちに調査、対策、復旧が行われ、JT-60の運転への支障は少なかった。本報告では、プラズマにより損傷した第一壁、ダイバータタイル及びダイバータ冷却配管の不具合例、復旧、調査、不具合対策等について報告する。
正木 圭; 児玉 幸三; 新井 貴; 平塚 一; 柳生 純一; 西堂 雅博; 荻原 徳男; 東島 智
16th IEEE/NPSS Symp. on Fusion Engineering (SOFE '95), p.638 - 641, 1995/00
最近のJT-60U実験では確実にプラズマ性能が改善されてきており、昨年7月には核融合三重積の最高値を達成するとともに、準定常状態においもて良い閉じ込め状態を得ている。このようなプラズマ性能の向上の要因の1つに第一壁技術の開発が挙げられる。JT-60Uでは、デカボランガスを用いたボロナイゼーションをこれまでに6回行っており、不純物低減に効果を挙げている。また、6回目のボロナイゼーションでは、ボロン膜中の軽水素量を減らすためにグロー放電中に重水素とヘリウムの混合ガスを使用した。一方、BC転化CFCタイルは固体ターゲットボロナイゼーション源として作用し、不純物濃度の低減化に有効であった。さらに、昨年10月にはダイバータ板の水冷却実験を行い、プラズマ中の不純物の減少が認められた。また、第一壁中のトリチウム分析を行った結果、これまでに生成されたトリチウムの約50%が第一壁中に残っていることがわかった。
西堂 雅博; 荻原 徳男; 嶋田 道也; 新井 貴; 平塚 一; 小池 常之; 清水 正亜; 二宮 博正; 中村 博雄; 神保 龍太郎*; et al.
Japanese Journal of Applied Physics, 32(7), p.3276 - 3281, 1993/07
被引用回数:57 パーセンタイル:90.92(Physics, Applied)JT-60Uにおいて、プラズマ不純物の低減を図ることを目的に、デカボランを用いたボロンコーティングを2度実施した。ボロンコーティングにより作製されたボロン被膜の膜厚、元素組成及びその分布を走査型電顕、オージェ電子分光法、核反応解析法により測定し、以下の事が明らかになった。(1)デカボラン吹き出し口付近の膜厚は80nmであるのに対して、トロイダル方向に約180°離れた場所での膜厚は約2nmとうすく、不均一な分布となっている。(2)H濃度は約10%である。(3)ボロン含有量は90%以上であり、H以外含まず純度が高い。これら膜の特性と、プラズマ不純物低減効果との関係について考察した。
西堂 雅博; 平塚 一; 新井 貴; 閨谷 譲; 嶋田 道也; 小池 常之
Fusion Engineering and Design, 22, p.271 - 275, 1993/00
被引用回数:32 パーセンタイル:96.08(Nuclear Science & Technology)ジボランより危険性の少ないデカボランを用いたその場ボロン化処理(ボロナイゼーション)装置を製作し、JT-60Uに設置した。本装置の目的は、JT-60U第一壁表面にボロン膜を作製し、JT-60Uプラズマ中の不純物を低減することにある。本論文では、装置の概要及び、デカボランを用いるとガス供給系が常に大気圧より低く装置自体が受動的安全性を有するなど装置の優れた特長について述べる。さらに本装置を用いて行ったその場ボロン化処理の結果、酸素不純物が著しく減少し、プラズマ性能の向上、プラズマ放電のスムーズな着火など、良好な結果が得られていることについても、述べる。
近藤 育朗; 堀池 寛; 閨谷 譲; 松川 誠; 安東 俊郎; 芳野 隆治; 新井 貴; 二宮 博正; 山本 正弘; 小池 常之; et al.
Proc. of the 14th Symp. on Fusion Engineering,Vol. 1, p.177 - 180, 1992/00
JT-60は大電流化の改造が行われ(JT-60U)、本年3月末に運転開始したが、今回の改造が、運転挙動にどう反映されているかについて報告する。真空容器は薄板二重構造多円弧型で応力集中を避ける設計となっているが6MAに近いプラズマがディスラプションを起こしたときの挙動をしっかりおさえておく必要がある。その他、C/C材ダイバータの熱集中とエロージョン、そのプラズマ特性への影響、真空容器にベローズがなくなったことによる変位発生のメカニズムの第一壁取付状態との関係、トロイダル磁場コイル補強後の挙動、排気系の半分を撤去したことによる特に放電洗浄に要する時間への影響等について実測データに基づいて評価を行う。