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本間 佳哉*; 那須 三郎; 中村 彰夫; 青木 大*; 芳賀 芳範; 目時 直人; 酒井 宏典; 池田 修悟; 塩川 佳伸*; 大貫 惇睦
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part1), p.440 - 442, 2007/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Materials Science, Multidisciplinary)NpFeGaの0.01kOeでの磁場中鉄-57メスバウアー分光測定を行った。その結果、70110Kの温度域で負の四重極分裂(QS)が増大することが明らかになった。より高温の常磁性領域では、そのようなQSはほとんど消失する。このような磁気秩序と電場勾配との間の相関は、超微細磁場の起源がネプツニウム(Np)の磁性による双極子磁場のみならず、鉄原子の磁性からのそれも関与したものであることを示唆する。
本間 佳哉*; 那須 三郎; 中村 彰夫; 中田 正美; 青木 大*; 目時 直人; 山本 悦嗣; 酒井 宏典; 池田 修悟; 芳賀 芳範; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 75(Suppl.), p.44 - 46, 2006/08
ネール温度(T)118Kの反強磁性体のネプツニウム系115金属間化合物NpFeGaにNp及びFeメスバウアー分光法を適用し、本系での超微細相互作用について明らかにした。Feサイトでは、内部磁場は4.2Kで約20kOeと見積もられ、またT以下で小さな四極子相互作用も惹起されることがわかった。磁気秩序と電位勾配の相関は、Feサイトでの内部磁場が、磁気的なNpにより誘起された双極子磁場のみならず、Fe自身の磁性に起因する成分を持つことを示唆する。また、Npメスバウアー結果から、Npの磁気モーメントは0.94ボーア磁子と決定された。
葛下 かおり; 森本 正太郎*; 那須 三郎*
Physica B; Condensed Matter, 329-333(1-4), p.736 - 737, 2003/05
被引用回数:9 パーセンタイル:45.89(Physics, Condensed Matter)ぺロブスカイト型鉄酸化物の物理的性質はFeO八面体のネットワークに関係している。SrFeOでは起こらない電荷分離(2FeFe + Fe)が、SrのLaへの置換や次元性の変化によるFeO八面体のネットワークの切断により発現する。また、SrFeOのFeを40%Coに置換すると、磁性は反強磁性から強磁性へと変化し電荷分離も抑制される。
筒井 智嗣*; 中田 正美; 那須 三郎*; 本間 徹生*; 常盤 欣文; 青木 大*; Wisniewski, P.*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Hyperfine Interactions, 141/142(1-4), p.237 - 242, 2002/06
被引用回数:1 パーセンタイル:8.12(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)多くのウラン化合物についてメスバウア分光測定を行い、電子状態を反映した四極子分裂を観測した。
筒井 智嗣; 中田 正美; 小林 康浩*; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Hyperfine Interactions, 133(1-4), p.17 - 21, 2001/11
UFeはMgCu型の結晶構造を持つLaves相である。UFeはアクチノイドと鉄のLaves相の中で最も低いCurie温度を持ち、磁気異方性も小さい。UFeはメスバウアー分光の可能な元素だけで構成された化合物であり、メスバウアー分光にとって都合の良い化合物である。本研究では、UFeのFe及びUメスバウアー分光を行い、その磁性について調べた。Uメスバウアー分光はFeの磁気モーメントがほぼ飽和している82Kと5.5Kで行った。82KのスペクトルはUメスバウアー効果の自然幅とほぼ等しい31mm/sのシングレットであった。中性子散乱や磁気コンプトン散乱からウラン原子では軌道とスピンが打ち消しあっていることを示唆する結果が得られていたが、Uメスバウアー分光の結果はウラン原子が磁気モーメントを持たないことを示唆するものであった。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 木村 憲彰*; 大貫 惇睦
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 226-230(Part.1), p.87 - 88, 2001/05
重い電子系超伝導化合物UPtについてUメスバウア分光を行った。UPtの超伝導転移温度は0.5Kであり、中性子散乱だけで5Kにおいて反強磁性秩序が観測されている。帯磁率は常磁性状態25K付近で極大を示し、UPdAlやURuSi同様、その温度(Tx)は重い電子の形成と相関があると考えられている。測定したすべての温度のスペクトルで磁気分裂と四極子分裂が観測された。スペクトルの温度変化はTx付近で最もシャープなスペクトルを示し、UPdAlやURuSiの実験結果とは異なった。しかしながら、常磁性状態で観測された内部磁場は磁気緩和によって生じたものであり、観測された磁気緩和は重い電子の形成過程との相関を示唆する。また、5Kでの反強磁性秩序に関しては、UBeのUメスバウアー分光の結果から、2.8Kでは核位置に内部磁場を生じていることを示唆する。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 本間 徹生; 山本 悦嗣; 常盤 欣文; 青木 大*; Winiewski, P.*; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, Vol.70, Supplement A, p.34 - 36, 2001/05
UX(X=Ga, P, As, Sb, Bi)はいずれも2次元原子配列を持つ磁性体であり、UGaは強磁性体、そのほかの化合物は反強磁性体である。de Haas-van Alphen効果測定によりUGaのフェルミ面は3次元フェルミ面だけで構成されているのに対し、その他の化合物のフェルミ面は2次元フェルミ面で構成されている。そこで本研究では、これらの化合物の原子配列、フェルミ面と5f軌道との相関を調べることを目的としてUメスバウアー分光測定を行った。これらの化合物ではすべて磁気秩序状態で電気四極子相互作用と磁気双極子相互作用が観測された。いずれの化合物も核位置の電場勾配の主軸と磁気モーメントの方向は平行である。電場勾配の符号は、UGaが正,ほかの化合物が負である。これらの結果は、これらの化合物においてフェルミ面の次元性が原子配列でなく、5f軌道や磁気構造と相関があることを示唆している。
生嶋 健司; 筒井 智嗣; 芳賀 芳範; 安岡 弘志; Walstedt, R. E.; 正木 信行; 中村 彰夫; 那須 三郎*; 大貫 惇睦
Physical Review B, 63(10), p.104404_1 - 104404_11, 2001/03
被引用回数:85 パーセンタイル:94.05(Materials Science, Multidisciplinary)この研究は、協力的Jahn-Teller(J-T)物質UOに対するNMRについての報告である。この物質においては、f-電子系としては極めて異例の磁性サイト(U)と非磁性サイト(O)の両方に対するNMR信号を観測することができ、それぞれの視点からこの物質の物性を眺めると大変興味深い。磁性イオンに着目したU NMR実験は5f電子の電荷分布をおもにプローブするため、その転移は格子変形のみならず四極子の変化として検出される。一方、非磁性イオンのO NMR実験では、格子の変形のみが強く反映されるので、その一次転移はまさに格子歪みとして観測される。U NMRの観測成功は5f電子の局所的情報を見ることができる新たな実験手段として期待できる。また、O NMRで観測されたスピン・エコー振動現象から、UOの磁気構造が3次的であることがわかった。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 本間 徹生; 山本 悦嗣; 大國 仁*; 大貫 惇睦
Hyperfine Interactions, 126(1-4), p.335 - 340, 2000/07
被引用回数:6 パーセンタイル:37.91(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)重い電子系化合物の磁性核のメスバウアー分光による研究は、イッテルビウム(Yb)金属間化合物でかなり精力的に研究が行なわれてきた。しかしながら、ウラン金属間化合物、特に磁性や超伝導で興味深い物性を示す重い電子系超伝導体についてのウランのメスバウアー分光はこれまで行なわれたことがなかった。本研究では、ウランの重い電子系超伝導体であるUPdAlおよびURuSiについてUメスバウアー分光を行った。その結果、どちらの化合物においても反強磁性状態だけでなく、常磁性状態でも常磁性緩和による内部磁場が観測された。観測された温度は重い電子の形成に相関があると考えられる帯磁率が極大になる温度付近であることから、観測された常磁性緩和と重い電子の形成には密接な関係があると考えられる。
筒井 智嗣; 小林 康浩*; 中田 正美; 那須 三郎*; 山本 悦嗣; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Journal of the Physical Society of Japan, 69(6), p.1764 - 1768, 2000/06
被引用回数:2 パーセンタイル:25.37(Physics, Multidisciplinary)パウリ常磁性の超伝導化合物であるUFeについて、10Kから250Kの温度範囲でFeメスバウアー分光を行った。メスバウアー・スペクトルは測定を行ったすべての温度領域で常磁性のダブレットのスペクトルが観測された。過去に報告されている室温のスペクトルの非対称性や100K付近でのメスバウアー・パラメータの温度変化の異常は観測されず、過去に観測されたこれらの異常は不純物によるものであることが明らかとなった。また、外部磁場中でのメスバウアー分光から電場勾配テンソルの符号と非対称パラメータの値を決定した。また、単結晶試料の内部転換電子メスバウアー分光測定により電場勾配テンソルの主軸とc軸が平行であることが明らかとなった。
筒井 智嗣; 中田 正美; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 本間 徹生; 山本 悦嗣; 大國 仁*; 大貫 惇睦
Physica B; Condensed Matter, 281-282, p.242 - 243, 2000/06
被引用回数:3 パーセンタイル:22.10(Physics, Condensed Matter)重い電子系超伝導化合物UPdAl及びURuSiのUメスバウアー分光を行った。これらの化合物はこれまでの研究によりその磁性を超伝導はウランの5f電子が担っていることが明らかとなってきている。しかしながら、これらの化合物に関する微視的電子状態の研究(おもにNMR)ではウランの5f電子の状態を直接観測するような測定手法は行われていなかった。われわれはウランの5f電子の状態を直接知ることができるUメスバウアー分光を用いて、これらの物性、おもに磁性について調べてきた。その結果、常磁性状態で常磁性緩和による内部磁場が観測され、その観測される温度領域からこの常磁性緩和は重い電子の形成過程を関連する現象であると結論づけた。
生嶋 健司; 安岡 弘志; 筒井 智嗣; 那須 三郎*; 正木 信行; 中村 彰夫; 上田 寛*
Physica B; Condensed Matter, 281-282, p.197 - 199, 2000/06
被引用回数:2 パーセンタイル:15.63(Physics, Condensed Matter)Uイオンの典型的な超微細構造が、UOの反強磁性状態におけるU NMRから得られた。観測された核四重極相互作用は、立方対称性の5f波動関数がT以下で軸対称性に変化していることを示している。ウランサイトと酸素サイトの核スピン-格子緩和率は、反強磁性状態においてT的な温度依存性を示している。これは、スピン波励起にギャップがないことを示唆している。
筒井 智嗣*; 中田 正美; 佐伯 正克; 那須 三郎*; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣; 大貫 惇睦*
Physical Review B, 60(1), p.37 - 39, 1999/07
被引用回数:11 パーセンタイル:54.55(Materials Science, Multidisciplinary)強磁性体のウラン化合物UGeの微視的電子状態及びその磁性を調べるためにUメスバウアー分光を行った。キュリー温度52K以下で強磁性秩序に伴う内部磁場が観測された。5.3Kにおける内部磁場の大きさは24010Tであった。内部磁場の温度変化は磁化の温度変化と同じ振る舞いであった。このことから、超微細結合定数はU核位置において16010T/であり、全く温度変化をしないことがわかった。
筒井 智嗣*; 那須 三郎*; 中田 正美; 正木 信行; 佐伯 正克; 生嶋 健司*; 安岡 弘志*; 中村 彰夫
Journal of the Physical Society of Japan, 67(8), p.2641 - 2644, 1998/08
被引用回数:8 パーセンタイル:53.70(Physics, Multidisciplinary)UOのU NMRとUメスバウアー分光を行い、Uの第一励起状態のg因子を決定した。1.5KではU核位置において252.30.5Tの内部磁場を生じ、U核は59.13.9mm/sのゼーマン分裂を生じていることが明らかとなった。これらの結果からUの第一励起状態(核スピン:I=2)におけるg因子の大きさがg=0.2540.015と決定できた。また、Uメスバウアー分光から得られる内部磁場の大きさは磁気分裂(核のゼーマン分裂)1mm/sあたり4.270.28Tであることが明らかになった。
生嶋 健司*; 安岡 弘志*; 筒井 智嗣*; 佐伯 正克; 那須 三郎*; 伊達 宗行*
Journal of the Physical Society of Japan, 67(1), p.65 - 66, 1998/01
被引用回数:16 パーセンタイル:80.61(Physics, Multidisciplinary)5f電子を有するウラン化合物は非BCS超伝導などの特異な物性を示すことから、興味が持たれている。核磁気共鳴(NMR)は様々な物質の局所的な電子状態を知る有効な手段である。しかしながら、ウラン化合物に関してはウラン以外の原子核での間接的な実験しか行われていなかった。我々はUOが反強磁性状態で非常に大きな内部磁場が生じることを利用し、高濃縮のUを用いたUOでUのNMRの信号を観測することに、アクチノイド元素で初めて成功した。その結果、UO中でウランの5f電子によって生じた内部磁場が252.30.5Tであり、四極子相互作用が39211MHzであることが明らかとなった。このことは磁気秩序状態でUOの5f電子が5の基底状態をとり、それによって生じた電場勾配が存在することを示している。
筒井 智嗣*; 中田 正美; 小林 康浩*; 正木 信行; 佐伯 正克; 那須 三郎*; 中村 彰夫; 芳賀 芳範; 本間 徹生*; 山本 悦嗣; et al.
Physics of Strongly Correlated Electron Systems (JJAP Series 11), p.266 - 268, 1998/00
これまでに行ったウラン化合物のU及びFeメスバウアー分光の結果について報告する。UFe及びUFeではそれぞれの化合物中のFeの局所的電子状態について明らかにした。Uメスバウアー分光では、重い電子系超電導化合物URuSi及びUPdAlで共通する現象を観測した。この現象は重い電子の出現との関連が示唆される帯磁率が極大になる温度とほぼ一致することから、重い電子の出現と何らかの相関があると考えられる。
筒井 智嗣*; 佐伯 正克; 那須 三郎*
固体物理, 32(10), p.821 - 828, 1997/00
近年、ウラン化合物、特にウラン金属間化合物に関する研究は、磁性や超伝導など興味深い物性を示すことから、精力的に行われている固体物性の一分野である。我々はこのウラン化合物の物性を知るための手段としてUメスバウアー分光を用いた研究を始めた。そこで、過去に行われたウランのメスバウアー分光に関する文献を現在までに得た結果、現在行っている研究内容についてまとめた。
本間 佳哉*; 那須 三郎; 中村 彰夫; 中田 正美; 目時 直人; 青木 大*; 酒井 宏典; 池田 修悟; 塩川 佳伸*; 芳賀 芳範; et al.
no journal, ,
ネプツニウム115系金属間化合物NpFeGaのNp及びFeメスバウアー分光法を用いた検討結果について、前回に引き続き報告する。われわれは既にマクロ物性測定から、NpFeGaがT=77K及びT=118Kの2段磁気転移を示す反強磁性体であることを明らかにしている。最近偏極中性子回折を用いて、c面内のモーメントがc軸方向にわずかに立ってくる可能性を指摘した。また、T以下で、対称性の低下に起因するNMR ピークの分裂も観測している。今回は、これらの測定結果を考え合わせ、本系のFeメスバウアー測定結果のより詳細な解析を試みた。その結果、磁気転移温度以下での同系の非対称な実測メスバウアースペクトルは、内部磁場Hi に加え、四極子分裂QSを加味することにより初めて再現できることがわかった。その場合電場勾配と内部磁場の向きがスペクトルの形状を大きく左右する。現在、中性子回折結果と整合するモデルを考察中である。