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横山 賢治; 庄野 彰*
International Handbook of Evaluated Reactor Physics Benchmark Experiments (CD-ROM), 223 Pages, 2010/03
OECD/NEAが進めている国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、高速実験炉「常陽」MK-I炉心の性能試験及び定格運転中に測定された8種類の核特性パラメータ(臨界性,制御棒価値,ナトリウムボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数,燃焼反応度係数)の評価を行った。この評価ではIPPhEPの評価方針に従って、ノミナル値だけでなく実験誤差や解析モデル誤差を含めて全面的に再評価を行った。また、すべての評価は炉物理ベンチマーク問題としてまとめられており、解析モデルや核データの検証への利用が可能である。
横山 賢治; 庄野 彰*; 石川 眞
Nuclear Science and Engineering, 157(3), p.249 - 263, 2007/11
被引用回数:5 パーセンタイル:37.16(Nuclear Science & Technology)「常陽」MK-I性能試験で得られた1970年代後半の実験データを、原子力機構の最新の高速炉解析システムで解析して再評価した。高速炉の核設計精度向上を目的として、MK-I性能試験の後に得られた知見や最新の解析手法で得られた計算結果を用いて、ノミナル値及び誤差を再評価した。すべてのノミナル値は本論文で提案される制御棒干渉効果補正式を用いて補正された。また、考えられる誤差要因すべてを評価して定量化した。解析結果は、対象としたすべての核特性(臨界性,制御棒価値,ナトリウムボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数)に対して、実験誤差及び核データ誤差の範囲内で測定値と一致した。
羽様 平; 庄野 彰*; 横山 賢治
Proceedings of American Nuclear Society Topical Meeting on Physics of Reactors (PHYSOR 2006) (CD-ROM), 10 Pages, 2006/09
「常陽」MK-I,重水臨界実験装置(DCA)で実施された炉物理実験を詳細評価し、ベンチマークデータとしてOECD/NEAの国際炉物理ベンチマーク実験(IRPhE: International Reactor Physics Benchmark Experiments)プロジェクトに登録した。ノミナル値の再評価だけでなく、幾何形状や組成など考え得る要因をすべて考慮した詳細な誤差評価を実施した。「常陽」MK-Iデータの評価では、臨界性,制御棒価値,ボイド反応度,燃料置換反応度,等温温度係数について再評価した。特に、反応度評価の鍵となる制御棒反応度価値については、干渉を効果を含めて詳細に解析した。世界的にも数少ない実機でのデータであり、高速炉設計の基盤データとして有用である。DCAデータの評価では、1.2%U燃料炉心で測定された臨界性,U熱外中性子捕獲反応率比,集合体内の熱中性子反応率比を評価した。データは集合体ピッチ2種類,冷却材ボイド反応率4種類の組合せでできる8体系について系統的に整理されており、核データの検証に有用である。
横山 賢治; 沼田 一幸*; 庄野 彰; 石川 真
JNC TN9400 2005-024, 372 Pages, 2005/05
「常陽」MK-I炉心は、プルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)を炉心燃料とし、炉心の周りには劣化ウランのブランケットで囲まれた典型的な高速増殖炉心である。「常陽」MK-I炉心には照射用の特殊燃料集合体等は装荷されておらず、炉物理的な解析評価に適したシンプルな炉心構成となっているため、ベンチマーク問題用のデータとして貴重なものとなる。この「常陽」MK-Iの性能試験データをOECD/NEAが推進する国際炉物理ベンチマーク実験(IRPhE: Interenational Reactor Physics Benchmark Experiments)プロジェクトに登録するために、最新の炉物理解析手法を用いて解析評価した。この解析評価にあたり、現在までに得られている知見や最新解析手法による計算結果を用いて当時の実験値のノミナル値及び実験誤差を再評価した。実験誤差の評価では測定誤差だけでなく組成誤差及び形状誤差も見直した。なお、実験誤差評価では、IRPhEの評価指針にしたがって統計誤差、系統誤差に分離して評価している。解析については1999年度に一度実施しているが、それ以降に改訂された炉定数、開発された超微細群格子計算コード等の最新解析手法を用いて、全面的に解析し直した。解析結果は、ベンチマーク問題に活用できるように、可能な限り解析モデルの違いに基づいた補正係数を分離して求めた。これらの補正係数から解析誤差を推定し評価した。更に、今回の再評価で得られたC/E値、解析誤差、実験誤差を用いて、炉定数調整計算をすることで従来得られている臨界実験データとの整合性評価も実施した。この結果、従来のデータとの整合性を確認し、また、U-235の遅発中性子データやB-10の捕獲断面積、O、Na、Fe等の軽核種の弾性散乱断面積の精度向上に関する情報が含まれていることも確認できた。今回得られた結果はIRPhEベンチマーク問題の整備だけでなく、次期統合炉定数の開発にも利用することができる。
羽様 平; 岩井 武彦*; 庄野 彰
JNC TN9400 2005-011, 114 Pages, 2004/10
現在ロシアでは高速炉BN-600で解体核を燃焼処分する計画が進められている。その計画を支援するため、BN-600への解体核装荷を模擬した実験とその解析(BFS臨界実験解析)をロシア物理エネルギー研究所との共同研究により実施した。本報告では、BFS臨界実験解析の最後に実施されたBFS-62-5及び66-1炉心の実験概要及びサイクル機構による解析結果について述べる。また、既報告のBFS-62-14炉心についてもこれまでの知見を反映して再解析し、一連の結果を整理した。BFS-62-5及び66-1炉心は、炉心中央へのMOX燃料の装荷や燃料領域上部へのNaプレナムの設置などウラン燃料を主体としたBFS-62-14炉心とは炉心構成が大きく異なるが、主要核特性についてBFS-62-14炉心と同様の良好な解析結果を得ることができた。安全評価のポイントであり、かつ炉心構成の影響を受けやすいNaボイド反応度についても核データに起因する誤差範囲内の精度で解析できており、今後のロシア解体核処分計画や日本における高速炉設計研究の信頼性向上に寄与するものと思われる。
庄野 彰; 羽様 平; 石川 真; Manturov, G.*
Proceedings of International Conference on the Physics of Fuel Cycles and Advanced Nuclear Systems; Global Developments (PHYSOR 2004), 95315 Pages, 2004/00
ロシア解体核処分方策の有力候補として検討されているBN-600ハイブリッド炉心の核設計パラメータの不確かさ評価結果を炉物理等に関する国際的な専門家会議(PHYSOR-2004)にて報告する。評価に際しては、IPPEとの共同研究によって取得したBFS-62炉心データをサイクル機構の解析システムで評価した結果も活用した。炉定数調整法の適用により核設計パラメータの不確かさが大幅に低減されること、BFSと他の高速炉の実験解析データ間に良好な整合性があること、不確かさ低減に寄与する断面積の特定と性質などを検討し、まとめた。
庄野 彰; 佐藤 若英*; 羽様 平; 岩井 武彦*; 石川 真
JNC TN9400 2003-074, 401 Pages, 2003/08
ロシア余剰核兵器解体プルトニウム処分協力の一環で実施したBFS-62体系の臨界実験解析結果を反映し、BN-600ハイブリッド炉心の核設計精度をサイクル機構の高速炉核特性解析システムを用いて評価した。 BN-600ハイブリッド炉心は、ロシアの高速炉発電所BN-600のU02燃料領域の一部をMOX燃料に、また外周のブランケット部をステンレス鋼反射体にそれぞれ置換して構成する。この炉心変更を模擬した一連の臨界実験体系(BFS-62-14体系)及び他の高速炉体系の実験解析結果をもとに、ベイズの定理に基づく炉定数調整法及びバイアス法を適用して上記炉心の核設計精度を評価した。評価した核特性は、臨界性、核分裂反応率分布、Naボイ度反応度、制御棒価値、燃焼欠損反応度等である。炉定数調整法の適用により、実験データを一切反映しない基本炉定数による場合に比べて、どの核特性についても核設計精度(予測誤差)を概ね半分以下に低減できることを確認した。精度の改善には鉄の弾性散乱断面積の共分散の低減が支配的な役割を果たしたが、これは比較的大きな出力密度を有しU235を主要な核分裂性物質とする燃料部をステンレス鋼反射体によって取り囲むBN-600ハイブリッド炉心の特徴に起因するものである。この他、BFSとZPPR等他の高速炉体系の実験解析結果が整合性を特つこと、及び核設計精度の改善にBFS-62体系の情報が有意に寄与したことを確認した。また、バイアス法は、BFS-62体系をモックアップ体系としてBN・600ハイブリッド炉心に適用する場合には、炉定数調整法に比べて精度改善効果が劣り、実験誤差が大きいもしくは感度係数の相違が大きな核特性についてはほとんど精度を改善できないことがわかった。
庄野 彰; Mantourov, G.
Nuclear Science and Engineering, 144(3), p.211 - 218, 2003/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)高速炉の臨界性解析結果に及ぼす日口の核デ-タライブラリの相違による影響を解析評価した。JUPITERシリ-ズの3炉心とBFS-62シリ-ズの4炉心について、拡散計算コ-ドCITATION-FBRによる3次元Hex-Z体系計算を行った。この結果、ABBN-93核デ-タライブラリを適用することによる臨界性への影響は、JUPITER炉心及びBFS-62炉心のうち燃料領域にPuを含む炉心(BFS-62-3及びBFS-62-4)の場合約0.3%であった。BFS-62炉心のうちUO2燃料炉心(BFS-62-1及びBFS-62-2)においては、核デ-タライブラリによる影響は約0.1%であった。感度解析により、この差異の主要因はウランと鉄の断面積であることがわかった。この他、種々の計算手法による補正項を算出し、解析誤差として見込むべき不確かさを評価した。
羽様 平; 佐藤 若英*; 石川 真; 庄野 彰
JNC TN9400 2003-035, 44 Pages, 2003/05
「多量のNpを種々の臨界集合体に添加したときの炉物理特性の変化に関する研究」としてロシアの物理エネルギー研究所(IPPE)と共同研究を実施している。その第1報としてBSF-67体系に関する実験情報とサイクル機構(JNC)の解析結果をまとめた。BFS-67体系ではNpの装荷量や装荷位置を変えた4種類の炉心について臨界性、Naボイド反応度、制御棒価値、反応率比などの核特性が測定されている。BFS-62臨界実験解析で実績のあるサイクル機構の標準解析手法で解析し、以下の結果を得た。(1)Naボイド反応度、制御棒反応度のNpの捕獲断面積に対する感度係数がU-238やPu-239と同程度に大きいことを確認した。本実験データはNp装荷炉心の核設計精度の向上に活用できるものであるといえる。(2)臨界性の解析では炉心の種類によらず同程度のC/E値 0.995が得られ、JNCの解析システムで本実験を高精度で解析できることを確認した。(3)Naボイド反応度の解析値は1cent以内で実験値と一致しており、Npを装荷した場合でも高精度で解析できることを確認した。(4)制御棒反応度の解析値は、濃縮BCの制御棒については実験誤差内で一致した。天然BCの制御棒については若干過大評価している。Npの装荷による影響は確認できない。(5)炉心中心反応率比の解析値は、核分裂反応率比について実験値と5%以内で一致した。捕獲反応率比については実験値との差異が10%近く、測定に用いられた放射化箔の位置を正確に反映させる必要がある。
庄野 彰; 大川内 靖
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.493 - 496, 2002/08
東京大学の高速中性子源「弥生炉」を用いて実施したU235及びNp237の崩壊熱測定結果を報告する。測定は、それぞれの核種を塗布したサンプルを炉内で一定時間照射した直後に放射線検出器で測定し、崩壊熱の線と線それぞれの成分につき、照射終了後最大約20,000秒にわたる時系列デ-タを得た。照射中の核分裂数も実測値に基づいて決定し、崩壊熱の規格化に用いた。U235の線成分については、1980年代に取得された秋山のデ-タと良く一致し、測定手法の妥当性を確認できた。同一手法で測定したNp237の線成分については、冷却時間約2002500秒においてJNDC-V2を用いた総和計算値と約6%で一致した。それ以後実測値が過大評価傾向を示すが、この原因は照射中に発生するNp238から発生する線の影響であると判明した。線成分については、応答関数の信頼性が確証されていないこともあり、測定値と総和計算値の間に乖離があるが、線
庄野 彰; 杉野 和輝; 羽様 平; 石川 眞
International Conference on the New Frontiersof Nu, 0 Pages, 2002/00
ロシア解体核処分支援の一環で実施しているJNC-IPPE共同研究において、BFS-2を使ってロシアの高速発電炉BN-600の炉心を模擬した状態で実施した臨界実験(BFS-62炉心)の解析結果を報告する。現行炉心を模擬した体系(BFS-62-1)、ブランケット領域をステンレス鋼反射体で置換した体系(BFS-62-2),及び燃料の一部をMOX燃料で置換したハイブリッド炉心模擬体系(BFS-62-3A)について、臨界性、炉心中心核分裂反応率比(スペクトルインデックス)、Naボイド反応度価値,制御棒価値,核分裂反応率分布の解析結果及び適用した解析手法を示す。JNC及びIPPEの標準的な解析手法による解析精度を示すとともに、臨界性及びNaボイド反応度価値についてはさらに詳細な手法を適用した検討結果も示した。本件は、IPPEが発表する論文"BN-600 Hybrid Core Mock-up at BFS-2 Critical Facility"と対をなすものである。
庄野 彰; 岩井 武彦*
Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.2), p.1085 - 1088, 2002/00
ロシアIPPEの高速炉臨界実験施設BFS-2デ-タの実験解析により得られた成果を報告する。BFS-58-1-11炉心では、炉上部Naプレナム付きのMOX炉心であるBN-800模擬体系の炉心中央領域のUをアルミナと置換することにより、中央部から順にU無し燃料領域、MOX燃料領域、濃縮UO2燃料領域が配置された。外側のMOX燃料領域及びUO2燃料領域と異なり、炉心中央のU無し燃料領域にプレ-トストレッチモデルを使用することによる実効増倍係数の過小評価は約0.3%dk/kk'と大きい。きわめて軟らかな中性子スペクトルを示すU無し燃料領域の実効断面積算出にはJUPITER実験解析手法の使用が適さず、重核種の数密度を保存するセルモデルを使用し、散乱断面積をSRACライブラリに置換することによって、IPPE及びCEAの解析結果と同等の解析精度が得られることを確認するとともに、炉定数調整計算により、JUPITERデ-タとBFSデ-タの間の
大川内 靖; 庄野 彰
JAERI-Conf 2001-006, p.121 - 124, 2001/03
高速炉におけるアクチニドリサイクルに関わる核種の崩壊熱予測精度向上を目的として、弥生炉を用いたU-235及びNp-237の崩壊熱測定を実施した。U-235の測定は過去に秋山らによって実施されており、本実験は秋山らの実験を踏襲し、照射時間や測定時間についてはパソコンによる自動化を図ることにより精度を向上させた。U-235の測定結果は、秋山らの実験結果の誤差範囲内で一致しており、実験の再現性が確認できた。Np-237の測定結果は、冷却時間が2002,500秒の範囲ではJNDC-V2やENDF-B/VIを用いた総和計算値と良く一致している。冷却時間が60200秒の範囲では総和計算値との一致が悪いが、これは有限照射崩壊熱から瞬時照射崩壊熱を求める時の補正量が大きいためである。冷却時間が2,50020,000秒の範囲では、実験値の方が計算値を上回っているが、これはNp-237の中性子捕獲反応で生成するNp-238から放出される線の影響で
庄野 彰; 角田 弘和; 竹村 守雄; 半田 博之
PNC TN9410 95-171, 280 Pages, 1995/06
日米共同高速炉遮蔽ベンチマーク実験(略称JASPER)の実験解析によって得られた成果のエッセンスをまとめた。9年間にわたって蓄積された成果を、(1)バルク遮蔽特性データ(2)遮蔽体形状に依存する遮蔽特性データ(3)遮蔽用核定数に関する検討結果(4)解析手法に関する検討結果の4つの観点から総合的に評価し、JASPERの成果の要点として下記の結論を得た。高速炉の遮蔽研究で重要なBC、黒鉛、ステンレス鋼、ナトリウム等で構成される 種々の形状の遮蔽体に関するバルク遮蔽特性、ストリーミング特性及びそれらに関 する解析精度の評価に有用,情報を多数取得した。遮蔽用核定数が実験解析結果に及ぼす影響を評価し、これに基づいてJSDJ2を標準 的に使用する核定数として選定できた。2次元輸送計算コードを標準的に使用する高速炉遮蔽解析手法が整備された。メッシュ分割法等の各種計算バラメータの適切な設定方法に関する知見、3次元輸 送計算コード及びモンテカルロ計算コードの特長に関する検証データ、解析手法の 改良による解析精度改善等の成果が多数蓄積された。本書のもうひとつの目的は、実験解析成果を把握・活用する際に有用な情報をわかりやすい形で示すことにおいた。そのため、JASPERの実施経緯、実験概要等、関連文献・外部発表等に関する情報を分類して示した。また、本評価作業の対象とした全21項目の実験解析成果を項目毎に一覧表にして整理した。これらはいずれも貴重なデータベースとして活用し得る情報である。
庄野 彰
PNC TN9410 94-255, 169 Pages, 1994/08
本資料は、平成6年(1994年)7月19日に大洗工学センターで開催した大型炉遮蔽研究成果報告会の発表資料集及び質疑応答記録をまとめたものである。大型高速炉遮蔽設計の課題に対処するため、1986年に開始された日米共同高速炉遮蔽ベンチマーク実験(JASPER;Japanese-American Shielding Program for Experimental Research)は、平成4年(1992年)9月に実験を完了し、基本的な実験解析を平成5年度で一通り終了した。また、高速実証炉遮蔽設計への反映を目的とした日本原子力発電と動燃事業団の共同研究が平成5年度(第6回)をもって終了した。本報告会は、これらの研究成果を事業団内外の関係者に周知するために開催したものである。また、トピックスとして本年4月に臨界を達成した「もんじゅ」で計画されている遮蔽性能試験の内容を報告する共に、事業団主催のワーキンググループでJASPER実験内容の検討に尽力していただいた岡東大教授に「今後の課題」と題する講評をいただいた。報告会には、事業団内の関連部署及びJASPER計画の実施過程で様々な協力関係にあった諸機関から約50名の参加が得られた。現在は、従来の成果を整理し、遮蔽解析技術のさらなる高度化のために必要な検討を実施すべき時期にさしかかっている。本報告会が有益な議論の契機になれば幸いである。
庄野 彰; 石川 真; 池上 哲雄; 保志 貴司*; 楠 博行*; 浜田 正雄*
PNC TY9471 94-002, 48 Pages, 1994/03
本研究は動燃と米国DOEの共同研究として実施している大型しゃへいベンチマーク実験(JASPER計画)に対し、実証炉のしゃへい設計課題を反映させ、またJASPER実験解析結果を実証炉設計へ反映させることを目的に、動燃・原電の共同研究として、昭和61年度から平成5年度まで実施予定のものである。本年度は、以下の成果を得た。(1)実験および解析結果の評価 a.実験結果および解析結果の評価 JASPER計画のDHX2次ナトリウム放射化実験、ルーフデッキギャップストリーミング実験および炉内燃料貯蔵実験等に関して実験および解析結果を整理し、設計に反映するに当っての検討課題を摘出した。b.解析方法の検討 T.E.配管デッキシール部のストリーミングファクターの評価および2次ナトリウム放射化量に対する影響を3次元モンテカルロ計算により評価し、設計解析手法の2次元解析の妥当性を確認した。さらに、実験解析結果を設計に反映する観点からのルーフデッキストリーミングサーベイ解析を実施した。(2)しゃへい設計精度評価およびしゃへい設計への反映 a.しゃへい設計精度評価 DHX2次ナトリウム放射化量、ルーフデッキギャップストリーミングおよび軸方向しゃへいのしゃへい設計精度評価を行った。その結果、各評価項目におけるE/C補正係数として以下の値が得られた。・DHX2次ナトリウム放射化量 1.7(T.E.配管デッキシール部ストリーミング効果の補正1.3を含む)・ルーフデッキギャップストリーミング 2.4(S166分点の場合)・軸方向しゃへいストリーミング係数 2.83 b.しゃへい設計への反映 JASPER実験解析結果を設計へ反映する方法を検討するために、実証炉の炉体まわりのしゃへい解析を実施した。また、ルーフデッキ貫通部のしゃへい体に対する要求仕様を明確にする為、ルーフデッキギャップストリーミング計算を実施した。さらに、これらの解析結果を基に、設計体系におけるしゃへい計算用およびNIS応答評価用E/C補正係数を評価した。(3)総合評価 各検討項目を設計評価上の項目として整理し、過去の研究成果も含めた全体を総括・評価するとともに、今後の検討課題をまとめた。
庄野 彰; 石川 真; 池上 哲雄; 保志 貴司*; 楠 博行*; 浜田 正雄*
PNC TY9471 94-001, 539 Pages, 1994/03
本研究は動燃と米国DOEの共同研究として実施している大型しゃへいベンチマーク実験(JASPER計画)に対し、実証炉のしゃへい設計課題を反映させ、またJASPER実験解析結果を実証炉設計へ反映させることを目的に、動燃・原電の共同研究として、昭和61年度から平成5年度まで実施予定のものである。本年度は、以下の成果を得た。(1)実験および解析結果の評価a.実験結果および解析結果の評価JASPER計画のDHX2次ナトリウム放射化実験、ルーフデッキギャップストリーミング実験および炉内燃料貯蔵実験等に関して実験および解析結果を整理し、設計に反映するに当っての検討課題を摘出した。b.解析方法の検討T.E.配管デッキシール部のストリーミングファクターの評価および2次ナトリウム放射化量に対する影響を3次元モンテカルロ計算により評価し、設計解析手法の2次元解析の妥当性を確認した。さらに、実験解析結果を設計に反映する観点からのルーフデッキストリーミングサーベイ解析を実施した。(2)しゃへい設計精度評価およびしゃへい設計への反映a.しゃへい設計精度評価DHX2次ナトリウム放射化量、ルーフデッキギャップストリーミングおよび軸方向しゃへいのしゃへい設計精度評価を行った。その結果、各評価項目におけるE/C補正係数として以下の値が得られた。・DHX2次ナトリウム放射化量1.7・ルーフデッキギャップストリーミング2.4・軸方向しゃへいストリーミング係数2.83b.しゃへい設計への反映JASPER実験解析結果を設計へ反映する方法を検討するために、実証炉の炉体のまわりのしゃへい解析を実施した。また、ルーフデッキ貫通部のしゃへい体に対する要求仕様を明確にする為、ルーフデッキギャップストリーミング計算を実施した。さらに、これらの解析結果を基に、設計体系におけるしゃへい計算用およびNIS応答評価用E/C補正係数を評価した。(3)総合評価各検討項目の設計評価上の項目として整理し、過去の研究成果も含めた全体を総括・評価するとともに、今後の検討課題をまとめた。
庄野 彰; 黒澤 典史; 早船 浩樹; 戸澤 克弘; 赤津 実; 一宮 正和
日ロ高速炉専門会議, ,
本件は、アクチニドリサイクル研究開発の一環として実施したリサイクル炉の設計研究成果をまとめたものであり、明年1月に開催される「日ロ高速炉専門家会議」で報告を行う。リサイクル炉心の設計では、低DF燃料等様々なし仕様のリサイクル燃料の受容性を高めるためにラッパ管を削除した大型燃料集合体に窒素物燃料を装荷し、さらに燃料領域にジルコニウムハイドライド(ZrH)を適量装荷して反応度係数を調整することによってATWS時の受動安全性を確保する革新的な概念を採用した。また、制御棒及びその案内管を燃料集合体に内包する構造を採用している。炉心核熱設計、機械設計、炉内構造物配置設計、燃取系概念検討等により、運転期間2年以上・炉心平均燃焼度20万MWD/t・炉出口温度550を達成する炉心概念の成立性と将来課題を見出した。
庄野 彰; 黒田 義輝*; 角田 十三男*; 田中 守*; 北村 正晴*
日本原子力学会誌, 27(08), 94 Pages,
原子炉雑音解析とその応用である異常診断技術の分野では、20年を超える期間にわたり着実に研究努力が蓄積されてきているが、現在もなお急速な発展が続いている。原子力発電支援システムや計装高度化の試みとも密接に関係して重要性の認識が一層広まりつつあるこの分野の最近の進歩につき、昨1984年秋に行われた「原子炉雑音に関する専門家会議」での話題を中心に紹介する。