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口頭

福島第一原子力発電所の汚染水処理から発生したスラッジを対象とした無機固化試料の耐放射線性の評価

佐藤 淳也; 中山 卓也; 川戸 喜実; 目黒 義弘

no journal, , 

福島原子力発電所における汚染水処理設備から発生した放射性スラッジは硫酸バリウム,フェロシアン化ニッケル,水酸化鉄が主成分であり、加えて多量の放射性核種を含有している。そのため、処分のためにスラッジを固型化した固化体への放射線影響が懸念されている。本試験では4種類の無機固型化材を用いた模擬スラッジ固化体について$$gamma$$線照射を行い、水素発生のG値を算出するとともに、シアンガスの発生挙動を調べた。結果、セメント系固型化材においては、先行研究の結果とよく一致し、固化体中の自由水量がG値を決定する上で重要な因子の一つであることが示唆された。また他固型化材との比較では、自由水量とG値に一貫性が見られず、固型化材の種類も水素ガス発生に影響を与えている可能性が示唆された。一方、シアンガスはいずれの試料も検出下限値以下であった。

口頭

電子・$$gamma$$線照射施設の運転・整備・利用状況

上松 敬; 花屋 博秋; 山縣 諒平; 清藤 一; 長尾 悠人; 金子 広久; 山口 敏行*; 川島 郁男*; 八木 紀彦*; 高木 雅英*; et al.

no journal, , 

電子・$$gamma$$線照射施設はほぼ順調に照射を実施した。平成25年度における運転時間は、電子加速器では1,242時間、コバルト第1棟では18,900時間、コバルト第2棟では11,804時間、食品棟では6,587時間であった。東京電力福島第一原子力発電所の事故に対する復興対応関連課題については、電子加速器では47回、$$gamma$$線照射施設で91回の利用があった。主要なメンテナンスは次の通りである。電子加速器ではSF$$_{6}$$ガス回収装置の更新、食品棟では定期整備、コバルト第1棟及び第2棟では線源の補充をそれぞれ行った。また、コバルト施設の定期整備期間に線源保管プールから排出した水を一時貯留し再利用するために、容量600m$$^{3}$$の貯水タンクをコバルト1棟横に設置した。

口頭

照射下における高Ni鋼の微細組織安定性に関する研究

山下 真一郎; 山県 一郎; 皆藤 威二; 関尾 佳弘; 井岡 郁夫; 井上 利彦

no journal, , 

高Ni鋼は、良好な耐スエリング特性を有していることから燃料被覆管材料として開発されている一方、照射や高温熱時効に伴う延性の低下が課題である。照射実績を有するNimonic PE16では$$gamma$$'(Ni$$_{3}$$(Ti, Al))析出物の粗大化や粒界での再析出が延性低下の要因の一つとされている。これら課題を克服するため、原子力機構(JAEA)ではNimonic PE16で利用している$$gamma$$'析出型とは異なる炭窒化物析出型の高Ni鋼(15Cr-35Ni鋼)と、$$gamma$$'よりも安定と考えられる$$gamma$$"(Ni$$_{3}$$Nb)を加えた$$gamma$$'/$$gamma$$"析出型の高Ni鋼(15Cr-43Ni鋼)の2鋼種を新たに開発し、特性評価を進めている。本研究では、耐スエリング特性や照射下での微細組織安定性の評価を目的として、系統的な条件での照射試験が可能なJAEA高崎量子応用研究所イオン照射研究施設(TIARA)にてイオン照射を行った。平成24年度までに照射温度550, 600$$^{circ}$$C、照射量100dpa及び照射温度700$$^{circ}$$C、照射量250dpaの照射データを取得しており、平成25年度には照射温度依存性の確認等を目的として試験データの拡充を行った。その結果、比較材であるPNC316よりも耐スエリング特性に優れ、スエリングピーク温度はNi添加量に影響を受けず600$$^{circ}$$Cであることを確認した。

口頭

静電加速器における加速器・ビーム技術の開発

山田 圭介; 齋藤 勇一; 石井 保行; 的場 史朗; 千葉 敦也; 横山 彰人; 薄井 絢; 佐藤 隆博; 大久保 猛; 宇野 定則

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TIARA静電加速器において平成25年度に行った技術開発の成果を報告する。タンデム加速器では、クラスターイオン電流増強のため、荷電変換ガス(He)の圧力に対するC$$_{60}$$イオンの透過率を測定した。その結果、透過率はC$$_{60}$$$$^{1+}$$で2.6%、C$$_{60}$$$$^{2+}$$で1.4%であった。また、最大の透過率が得られる圧力は、他の炭素クラスター(Cn:n=2-10)と比べ低い値であることが分かった。荷電変換ガス圧力を最適な値に調整することで、ターゲット位置で数十pAのC$$_{60}$$イオンビームが輸送可能になった。シングルエンド加速器では、マイクロPIXE分析に用いられるH$$^{+}$$ビームの時間に依存したエネルギーシフト量を測定するため、$$^{27}$$Al(p,$$gamma$$)$$^{28}$$Siの共鳴核反応を用いたビームエネルギー測定を行っており、軽イオンマイクロビームラインでの測定系の構築及び動作試験を完了した。イオン注入装置では、クラスターイオン電流測定用ファラデーカップ(FC)の構造を検討するため、アスペクト比の異なるFCで100keV及び540keVのC$$_{60}$$イオン電流を測定し比較した。その結果、アスペクト比10, 15, 20のFCで測定値がほぼ一定となることから、本エネルギーではアスペクト比10以上が必要であることが分かった。

口頭

有機水素化合物の検出を目的とした吸光度測定装置の作製

宮下 敦巳; 山本 春也; 吉川 正人

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水素化社会の実現のため、水素を有機水素化合物(OHC)の形で貯蔵・運搬する技術に注目が集まっている。有機水素化合物検知材料(OHC-M)を用いて光学的にOHCを検知するには、OHCから水素を脱離させる反応を進行させるため、OHC-Mの加熱が必要となる。本研究では、検知光と赤外線レーザ光を導入できる小型の吸光度測定装置を試作することにより、ヒータ等の電源設備を用いることなくOHC-Mを光加熱する手法の可能性を調べた。その結果、波長1070nm、出力18.0WのYb赤外光ファイバレーザによる予備実験では、OHC-Mの温度を10分程度で150$$^{circ}$$Cにまで加熱できることが分かった。またOHC-Mの試料台を熱容量の小さなセラミックスで作製した場合、瞬時に150$$^{circ}$$Cまで温度を上昇できることが分かった。膜厚1158nmの3酸化タングステン($$rm WO_{3}$$)薄膜にPtを14.4nm蒸着したOHC-Mを加熱した後、流量200ml/minの1.0%シクロヘキサンを接触させた時の透過光強度の時間経過を調べると、単純な指数関数的減少では無く、減衰時定数の異なる2つの成分を有する減少であることが分かった。今後、OHC-Mの特性評価を進めると共に、異なる2つの成分の物理的要因の解明を目指す予定である。

口頭

肺血液関門細胞の元素分布の特徴; マウスの系統差とニコチンの影響

櫻井 映子*; 櫻井 栄一*; 石井 慶造*; 小塩 成基*; 伊藤 駿*; 松山 成男*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; et al.

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本研究は、ニコチン等の有害な化学物質の摂取を抑制する血液関門細胞の機能について、マウスの系統差を明らかにすることを目的としている。今回は、細胞の増殖能力が異なるICR系統とC57BL/6J系統の3周齢のマウスから肺血液関門細胞を分離し、コラーゲンコートした培養フラスコを使用して、CO$$_2$$インキュベーター内で培養した。培養液を緩衝液に置換後、0.02$$sim$$2$$mu$$Mのニコチンを一定時間作用させた後凍結乾燥し、微量元素分布をTIARAの大気マイクロPIXE(particle induced X-ray emission)装置で分析した。その結果、細胞の増殖能力が高いC57BL/6Jマウスの肺血液関門細胞では、ニコチン添加量の増加とともにリンの量が16$$mu$$g/cm$$^2$$から2$$mu$$g/cm$$^2$$以下に急激に低下しカルシウムと塩素が増加したが、ICRマウスではそのような変化が見られなかった。このように、マウスの系統による血液関門細胞の機能の違いについて、大気マイクロPIXEを用いて細胞内微量元素の観点から調査可能であることが示された。

口頭

大気micro-PIXE法を用いた骨髄異形成症候群(MDS)における赤血球内微量元素の測定

笠松 哲光*; 長嶋 友海*; 永井 清絵*; 長嶺 竹明*; 村上 博和*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.

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血液の難治性悪性疾患である骨髄異形成症候群(MDS)では、骨髄が過形成であるにもかかわらず鉄の利用率が低下し著しい貧血を来たすことがある。しかし、貧血の原因として知られている鉄,銅,亜鉛などの様々な微量元素のMDS赤血球における分布や動態は不明である。本研究では、MDSの病態とMDS赤血球における微量元素分布との関連を調べることを目的とした。最初に、健常人とMDS患者から採取した血液を等量の生理食塩水にて洗浄後、1400rpmで5分間遠心し上清を除去した。次に、0.5$$mu$$m厚のポリカーボネート膜上に滴下後凍結乾燥し、大気micro-PIXE(particle induced X-ray emission)分析を行った。その結果、健常者赤血球とMDS赤血球で鉄と亜鉛の濃度には差がなかったが、MDS赤血球で銅及びマンガンの濃度が有意に低値を示すとともにカルシウム濃度に高い傾向が見られた。また、鉄は健常者赤血球ではドーナツ状に分布している一方、MDS赤血球では全体に均一に分布していた。このように、MDS赤血球の微量元素の分布及び濃度が健常者赤血球とは有意に異なることを明らかにし、これらの異常が、MDS患者の貧血の要因となる可能性を示唆した。

口頭

脱灰処理されたエナメル質におけるフッ化物含有材料からのフッ素の拡散

松田 康裕*; 奥山 克史*; 小松 久憲*; 大木 彩子*; 橋本 直樹*; 佐野 英彦*; 山本 洋子*; 岩見 行晃*; 林 美加子*; 能町 正治*; et al.

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本研究では、フッ素による歯の脱灰抑制効果を調べるため、脱灰処理した歯質に充填したフッ化物含有材料からのフッ素の拡散を、マイクロPIGE/PIXEを用いて評価・検討した。試料は以下の3段階の手順で製作した。(1)う蝕のないヒト抜去歯のエナメル質最表層を除去し、頬側の歯冠部エナメル質に窩洞を形成した。(2)これを脱灰溶液中で72時間、37$$^{circ}$$Cで保管して、歯質表面を脱灰処理し、3種類のフッ素含有材料("フジIXエクストラ(GC)" (EX), "フジIX(GC)" (FN), "フジVII(GC)" (VII))をそれぞれに充填し、更に緩衝液中(pH7.5)で24時間、37$$^{circ}$$Cで保管した。(3)この後、歯軸と平行にカットして厚さ約200$$mu$$mの試料を作製した。最表層および窩壁からのフッ素の分布を測定した結果、EX群では他と比較して歯質表層の最も深い領域までフッ素の分布が認められたが、窩洞壁では他と比較してフッ素の拡散が認められなかった。FN群では逆に窩洞壁においてフッ素の拡散が強く認められた。VII群では窩洞壁にのみフッ素の拡散が認められた。これらの結果は、フッ素の拡散に歯質へ直接拡散する経路と溶液に溶出してから歯質へ拡散する経路の2つあることを示しており、フッ素含有材料を使い分けることによって効果的なう蝕予防が可能になると考えられる。

口頭

スピン偏極陽電子消滅法による空孔誘起磁性の評価

前川 雅樹; Zhou, K.*; Zhang, H.; Li, H.; 河裾 厚男

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ナトリウム線源と固体ネオン減速材により構成される高輝度陽電子ビーム発生装置により形成したスピン偏極低速陽電子ビームを電磁石内に導入し、磁場中にある試料の消滅$$gamma$$線の強磁場印加下その場測定が行えるシステムを開発した。ビーム径は1mm以下、ビーム強度1$$times$$10$$^5$$個/s、スピン偏極率は27%であり、磁場は最大1Tを印加可能である。この測定システムを用い、炭化ケイ素(SiC)中の空孔誘起磁性の検出を試みた。炭化ケイ素に2MeV電子線照射を行い空孔を生成し、正負磁場における陽電子消滅パラメータの差分を計測した。3C-SiC(n型)結晶に照射量は1.5$$times$$10$$^{18}$$e$$^-$$/cm$$^2$$である。現在のところ、$$pm$$1Tの磁場印加下測定において正負磁場で有意な差は見いだせていないが、今後ビームや装置の改良を行い測定精度を上げていく予定である。

口頭

サイクロトロンのアクセプタンス計測技術の開発

柏木 啓次; 宮脇 信正; 倉島 俊; 奥村 進

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高崎量子応用研究所では、AVFサイクロトロン(以下、加速器)において、最大の加速ビーム電流を得るために必要なビーム入射調整を効率的に行うためのツールとして、加速器のアクセプタンスとビームのエミッタンスを測定・可視化する装置を開発している。本装置は、イオン源から加速器へのビーム入射ラインのソレノイド電磁石、ステアリング電磁石、位相空間コリメータ、ビーム強度モニタ1及びサイクロトロン内部のビーム強度モニタ2で構成されている。アクセプタンスは、ソレノイド・ステアリング電磁石によって実効的に拡大したエミッタンスから、二対のスリットから成るコリメータによって位相空間における微小領域に切り出したビームを加速器に入射し、対応する加速されたビームの強度をビーム強度モニタ2によって測定することで求める。一方、エミッタンスは、位相空間コリメータとビーム入射ラインのビーム強度モニタ1を用いて微小位相空間領域のビームの強度分布を測定することで求める。本装置を用いた試験の結果、エミッタンスとアクセプタンスの測定に成功するとともに、測定結果を同一位相平面上に表示・可視化することで、加速ビーム電流を最大化する調整に有効となる両者の相互関係を明らかにすることができた。

口頭

草木系除染廃棄物の浸出水の除染に関する研究

佐伯 誠一; 柴田 卓弥; 保科 宏行; 植木 悠二; 笠井 昇; 瀬古 典明

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福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質により空間線量率の高い地域においては、除染作業により発生する大量の廃棄物が、除染作業場近くの仮置場に保管されている。一部の仮置場のピット排水においては、排水基準を超える放射性セシウムが検出され、ピット排水の放射性セシウム濃度を排出基準以下にまで処理する技術を確立する必要がある。本研究では、ピット排水を排出基準以下の放射性セシウム濃度にまで除染するため、放射線グラフト重合法により作製したリンモリブデン酸型放射性セシウム吸着材を用いて、バッチ式及びカラム式除染試験を試みた。バッチ式除染試験においては、放射性セシウム吸着材とピット排水を固液比1:150として12時間振盪した結果、75%の放射性セシウムを除去することに成功した。また、バッチ式除染試験を3回繰り返すことにより、放射性セシウム除去率は95%にまで達した。さらに、カラム式除染試験として、7mm径カラムに0.2mLの吸着材を充填し、40mL/hの流速でピット排水を流通させた結果、吸着材体積の300倍のピット排水を検出下限以下にまで除染することに成功した。

口頭

DNA修復阻害剤AZD-2281と抗癌剤Carboplatinを含む放射線感受性マイクロカプセルを用いた標的薬剤併用療法

原田 聡*; 江原 茂*; 石井 慶造*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; 石井 保行

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本研究では、放射線による腫瘍治療の効果を増強するために、放射線照射に反応してDNA切断修復阻害剤AZD-2281を放出する直径1$$mu$$m以下の放射線感受性マイクロカプセルを開発してきた。前回、マウス左下腿に移植した乳癌細胞の周囲にこのマイクロカプセルを皮下注射後、100kVの軟X線を10$$sim$$20Gy照射し、抗腫瘍効果を検証したが、腫瘍の増殖を抑制するのみで縮小には至らなかった。そこで今回、AZD-2281と抗癌剤Carboplatinの混合薬剤をマイクロカプセルに封入し、抗腫瘍効果の増強を試みた。マイクロカプセルからの混合薬剤の放出は、Carboplatin中に含まれる白金をTIARAのマイクロPIXE(particle induced X-ray emission)分析システムで測定して確認した。抗腫瘍効果はマウスに移植した腫瘍径を毎日計測することによって評価した。その結果、X線照射によって混合薬剤が25$$mu$$m以上の範囲に放出されることがわかり、約二週間後から腫瘍径の縮小が確認された。

口頭

標準物質によるTIARAマイクロビームシステムにおける種々の検出器の校正

岩田 吉弘*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; 石井 保行

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マイクロPIXE分析における検出器の校正や分析値の相互比較のために、半径6$$sim$$9$$mu$$mの球形のイオン交換樹脂1粒に計11種類の軽・重元素を含有する標準物質(SRM)を作製し、分析感度を特性X線強度と元素含有量から求める方法を開発している。本方法を試験的に用いて、TIARAのマイクロPIXEシステムで従来から使用されている2台のX線検出器(A, C)と、新規導入された高分解能X線検出器(B)について実際に校正を行った。SRMの半径から元素含有量と照射電荷量を算出し、検出器で検出した特性X線のカウントから、元素1pgあたり1nCのプロトン照射による特性X線のカウント数と標準偏差を算出した。その結果、検出器Aは軽元素に感度が高く、また検出器CはMnより原子番号の大きな元素に対して検出器Aの約4倍の感度があることがわかった。従来型より窓が薄い検出器Bはナトリウムより軽い元素の検出に適していると考えられたが、その感度は検出器Aと同等か低かった。このように、多種の元素を含むSRMを用いることで、広い原子番号の範囲で検出器の校正が行えることが確認された。

口頭

加速器中性子源中性子捕捉療法に向けたホウ素可視化と分布の解析

中井 啓*; 山本 陽平*; 山本 哲哉*; 吉田 文代*; 松村 明*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.

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加速器中性子源中性子捕捉療法は、予め生体に投与したホウ素化合物に熱中性子を照射し、核反応で生じるアルファ線やリチウム原子核を治療に用いる方法で、細胞の直径程度の極めて短い飛程と、粒子線による高い線エネルギー付与が特長である。ホウ素を悪性腫瘍のみに集積することで、細胞選択的に抗腫瘍効果をもたらすと期待されており、効果の検証には細胞大の分解能のホウ素濃度分布測定が要求される。そこで、高感度と高空間分解能を併せ持つTIARAの大気マイクロPIXE/PIGE(Particle Induced X/Gamma-ray Emission)分析システムを用いた細胞中のホウ素分布分析を行った。細胞培養培地にホウ素化合物を濃度0$$sim$$300$$mu$$g/mLで添加した6種類の試料を用いてホウ素の検出限界を調べたところ、20$$mu$$g/mLの濃度で検出が可能であることがわかった。この培地で細胞を培養し培養液を吸引除去後凍結乾燥した試料では、生体細胞の主要構成元素であるリンやカリウムとホウ素の分布が一致しており、細胞に取り込まれたホウ素が可視化できたと考えられる。このように、TIARAの大気マイクロPIXE/PIGEが加速器中性子源中性子捕捉療法の効果を知る上で重要となるホウ素分布測定に応用可能であることがわかった。

口頭

セシウムの吸着分離に用いるヘキサシアノ鉄酸金属錯体薄膜の放射線耐性

有阪 真; 渡邉 雅之; 石崎 学*; 栗原 正人*; Chen, R.*; 田中 寿*

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本研究では、不溶性フェロシアン化物類縁体であるヘキサシアノ鉄酸金属錯体(MHCF)から成る吸着材を電極に用い、高レベル廃液中に含まれるセシウムを電気化学的に回収することを目指している。今回は、SUS316L基板上に作成したMHCF薄膜の$$gamma$$線照射に対する安定性について調べた。MHCF薄膜への$$gamma$$線照射は、硝酸共存下で行われた。照射後に分離した硝酸をICP-MSにより分析したところ、MHCFを構成する鉄および銅が検出され、鉄および銅の溶出量は、70kGy程度まで一様に増加し、その後一定値となることを確認した。照射前に基板上に固定化されたMHCF重量の20-30%の溶出が起きる一方、共存する硝酸の濃度によりそれらの溶出挙動は変化しなかった。粉末状のMHCFの放射線耐性は非常に高いことがわかっているので、基板上への固定化の方法については再検討が必要であることがわかった。

口頭

Efficacy of in-air microanalysis of particles in interstitial pneumonia lung tissue

古賀 康彦*; 解良 恭一*; 山田 正信*; 土橋 邦生*; 松崎 晋一*; 久田 剛志*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 佐藤 隆博; 横山 彰人; et al.

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The aim of this study was to assess the utility of in-air micro-PIXE (particle induced X-ray emission) analysis for lung biopsy specimens of patients with occupational dust exposure. Some patients with evidence of interstitial pneumonia (IP) on computed tomography were enrolled in this study. Lung specimens were obtained by transbronchial lung biopsy (TBLB) at bronchofiberscopy or video-assisted thoracic surgery (VATS). These samples were measured with the in-air micro-PIXE analyzer at TIARA after freeze-drying. As a result, it was revealed that the elemental distributions in tiny particles in the lung tissues varied widely among those patient specimens. For example, aluminum was detected in a lung specimen of a patient working at aluminum plant. Therefore, elemental analysis of lung specimens by in-air micro PIXE is useful for the biopsy of dust-exposed patients.

口頭

植物試料を対象としたMicro-PIXEによる多元素分布解析

古川 純*; 山本 剛史*; 野田 浩希*; 佐藤 忍*; 江夏 昌志; 山田 尚人; 喜多村 茜; 佐藤 隆博; 横山 彰人; 大久保 猛; et al.

no journal, , 

大気Micro-PIXE (particle induced X-ray emission)を用いた植物組織切片の元素分析手法の確立と、微量元素の生理学的機能の解明を目的に研究を進めている。今回は、植物体の構造維持に関与する不溶性の元素(Ca,Si)を残存させることができるパラフィン包埋法とTIARAの大気Micro-PIXE分析システムを用いた分析手法を考案し、通常及び遺伝子改変したイネの葉身の切片試料の分析に応用した。その結果、Caは葉身の内側、特に細胞と細胞の接着部分である中葉と呼ばれる部位に粒状に分布しており、Siは葉の表皮に一様かつ多量に分布するが葉身の内側には少量しか検出されなかった。CaもSiも細胞壁における構造維持が中心的な役割の一つとされており、これを支持する結果と考えられる。遺伝子改変されたイネ葉身の分析では、表皮のSi分布が不均一になり量も減っていたが、葉身の内側に存在する量は増加していた。また、Caの蓄積量が少ないはずの未成熟葉であっても葉身内部にCaの局在が認められた。このように、パラフィン包理法と大気Micro-PIXEによって元素局在の変化を解析することに成功し、遺伝子機能の変化や欠損が起こった際の植物の応答の詳細な解析が可能となった。

口頭

高分子の放射線加工に係わる国際協力

玉田 正男

no journal, , 

高分子の放射線加工に係わる国際協力として、高崎量子応用研究所ではこれまでアジアにおける2国間協力、アジア原子力協力フォーラム(FNCA)、アジア・太平洋地域の協力協定(RCA/IAEA)などの活動を進めてきた。これらの国際協力を通して、マレーシアでのフェイスマスクや我が国での和紙の強度向上によるランプシェードなどの製造技術などの技術移転に繋がっている。また、カニ殻などの放射線分解で得られる植物生長促進効果や天然多糖類を原料とする乾燥地帯での湿潤保持用の土壌改良材の有用性が実証されている。最近では、米国エネルギー省と海水ウランの捕集技術に関する情報交換を開始した。米国は、大学の協力を得て、総力を挙げ、高性能ウラン捕集材の開発に取り組んでいる。今後も引き続き、高分子の放射線加工に携わる人材育成とネットワークを構築して行くことにより、高崎量子応用研究所の研究開発に関するノウハウやその成果が世界規模で普及して行くことを期待したい。

口頭

東京電力福島第一原発の廃止措置に向けた材料の劣化に係る課題

山本 正弘

no journal, , 

原子力基礎工学研究センターでは、福島第一原子力発電所における腐食に関わる課題について、特に放射線照射環境での腐食劣化現象を中心に検討してきた。本稿では、これまでに進めてきた研究結果、特に高崎量子応用研究所で試験を実施してきた研究内容を中心に概説し、今後の研究ニーズについて述べる。

口頭

イオンビーム育種技術によるセシウム濃縮菌の開発

佐藤 勝也; 上田 涼史郎; 長谷 純宏; 大野 豊; 鳴海 一成*

no journal, , 

汚染環境の浄化技術として、微生物を活用したバイオレメディエーションは、物理的・化学的技術に比べ、環境負荷が小さいだけではなく、多様な汚染物質に対して適用可能であり、重要な技術として注目され、今後の利用拡大が期待されている。しかし、まだまだ微生物機能が低いという課題がある。そこで、資源確保や環境保全を踏まえた微生物の有効利用をさらに推進するためには、微生物の機能の向上が必要である。放射性セシウムの吸収・蓄積に微生物バイオレメディエーション技術を利用した場合、当然のことながら、微生物は被爆することから、期待される吸収・蓄積効果が見込めない可能性がある。そのため、放射能汚染環境下では、放射線に耐性を有する微生物の利用が適している。本研究では、デイノコッカス属細菌にイオンビーム誘発突然変異育種技術を活用し、遺伝子組換え技術に依存しない方法で、セシウム蓄積能の向上した突然変異体の創成を目的とした。

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