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深谷 有喜; 橋本 美絵; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
Applied Surface Science, 254(23), p.7827 - 7830, 2008/09
被引用回数:3 パーセンタイル:17.11(Chemistry, Physical)Pb/Ge(111)表面は、典型的な2次元金属系として、実験・理論の両面から精力的に研究されている。この表面は、220K付近で33から構造へ相転移することが知られているが、その相転移のメカニズムと原子配置は未解決のままである。本研究では、反射高速陽電子回折(RHEPD)を用いて、Pb/Ge(111)表面の相転移と原子配置について調べた。33と相からロッキング曲線を測定したところ、曲線のプロファイルに顕著な違いが見られなかった。動力学的回折理論に基づく強度解析から、33と相ともに、単位格子内の一つのPb原子の垂直位置が他の2つのPb原子より高い、通称1U2D構造を形成していることがわかった。相転移の詳細を調べるために、全反射条件下におけるRHEPD強度の温度依存性も測定した。220K以上の強度変化は、通常のデバイ・ワーラー因子の効果によって説明できる。しかし220K以下では、温度が減少するとともに強度が増大する特異な変化が見られた。これは、相転移に伴ってPb原子の熱振動状態が変化したことを意味している。これらの結果から、この相転移は表面フォノンのソフト化を伴った秩序・無秩序相転移であると考えられる。
橋本 美絵; 深谷 有喜; 河裾 厚男; 一宮 彪彦
Applied Surface Science, 254(23), p.7733 - 7736, 2008/09
被引用回数:3 パーセンタイル:17.11(Chemistry, Physical)Inを吸着させたSi(111)の表面は擬一次元構造を形成する。この表面構造は130K以下でパイエルス型の金属-絶縁体転移を起こすことが知られている。これに伴い表面周期性も41から82周期に変化する。しかしながら、82構造の原子位置がまだ未知であるため、相転移のメカニズムについては解明されていない。本研究では、反射高速陽電子回折を用いてSi(111)-82-In表面の擬一次元構造と相転移について研究を行った。ロッキング曲線を詳細に解析した結果、ヘキサゴンモデルを仮定することで実験結果がよく再現できることがわかった。一方Si(111)-41-In表面のロッキング曲線は、表面エックス線回折で決定されたジグザグチェーン構造により説明できる。以上より、In/Si(111)表面の金属-絶縁体転移に伴って、Inの原子配列がジグザグチェーン構造からヘキサゴン構造に変化することが明らかになった。また、最適化されたヘキサゴン構造をもとにして第一原理計算から、STM像とバンド分散関係を求め実験結果と比較した結果についても報告する。
粕壁 善隆*; 西田 晋作*; 山本 春也; 吉川 正人; 藤野 豐*
Applied Surface Science, 254(23), p.7942 - 7946, 2008/09
被引用回数:8 パーセンタイル:37.18(Chemistry, Physical)本研究では、原子力機構のイオン導入型電子顕微鏡を利用して、窒素イオン注入法による窒化Ti薄膜の形成過程を透過電子顕微鏡法及び電子エネルギー損失分光法でその場観察・評価し、分子軌道計算による電子状態の評価と合わせて、窒化Ti薄膜の形成機構及び配向の制御性に関する知見を得てきた。本発表では、窒素イオン注入によるチタン薄膜の窒化過程と電子構造から考察した構造変態について発表する。
関口 哲弘; 池浦 広美*; 馬場 祐治
Applied Surface Science, 254(23), p.7812 - 7816, 2008/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Physical)半導体に吸着した共役二重結合を持つ有機分子からのイオン脱離は分子細線界面における電荷移動の知見を与えるとされ近年研究がなされている。Si単結晶基板表面上に吸着した重水素化ベンゼン分子(CD)を試料とし、軟X線放射光による炭素内殻準位からの共鳴励起に伴うフラグメンテーション、イオン脱離を観測した。独自開発した角度分解質量分析器、試料ホルダーを用い、質量スペクトルのX線入射角度依存性、種々の角度での光励起エネルギー依存性、Si基板面方位(Si(100)とSi(111))依存を測定した。X線吸収選択則から励起における分子立体配向を特定し、分子配向と電荷移動相互作用の関係を調べた。分子中の基板近くの部位へは基板から強い電荷移動を受けること、表面に対し平行配向した分子は垂直配向した分子より大きな電荷移動を受けること、及び超斜入射条件において表面感度が著しく増強される効果などが見いだされた。
関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵*; Nath, K. G.*; Uddin, M. N.*
no journal, ,
光子エネルギー可変性,偏光特性,パルス性といった放射光の特長を活かし、超高真空容器内で回転可能な飛行時間質量分析装置(R-TOF-MS)を開発した。それを使い、脱離イオン収量の励起スペクトルを測定することができる。内殻励起とオージェ過程の両者が局在した原子内過程であり、励起原子近傍で解離が起こるため、それは特定の化学結合に関する部分X線吸収断面積をもたらす場合が多い。さらに、偏光角度を変えることにより、光吸収選択則により特定方向を向いた化学結合のみが励起され、その断片イオンが脱離する。これまで吸着有機分子や炭素材料表面に適用した結果、角度依存解析から最表面分子の配向情報が得られる可能性が示唆された。さらに、超斜入射角度において最表面に吸着する微量分子が分解脱離する確率が大きく増加する現象が見いだされた。超斜入射ではX線が固体内部に進入せず、二次電子衝突励起による分子分解が抑制されるためと考察した。
小川 修一*; 吉越 章隆; 石塚 眞治*; 寺岡 有殿; 高桑 雄二*
no journal, ,
本研究では、Si(001)表面上の第一酸化層成長中の酸化誘起歪みの蓄積を調べるために、第一酸化層のふたつの反応モード、すなわち、573Kでのラングミュア型吸着と923Kでの二次元島成長が、SPring-8のBL23SUでリアルタイムXPS法を用いて調べられた。得られた実験結果から酸化誘起歪みは573Kでの酸化膜界面より923Kでの界面の方が小さいことがわかった。
鈴木 知史; 中桐 俊男
no journal, ,
日本原子力研究開発機構では、高速増殖炉で(FBR)発生する熱と電気を利用した水素製造プロセスとして、ハイブリッド熱化学法を開発している。このプロセスには、三酸化イオウ(SO)分解が含まれている。しかしながら、SOの電気分解の反応機構は明らかでなく、さらなる高性能化には、反応機構を明らかにする必要がある。このため、第一原理計算を実施した。SOのPt電極表面への吸着について計算した結果、Pt表面上でSOは2種類の安定配置が存在することがわかった。さらに、Pt表面上の吸着酸素原子の表面拡散のエネルギー障壁を計算したところ、0.47eVであった。また、SOとPt表面の吸着状態から、SOは解離して、酸素原子とSOの吸着状態を経て、SOが脱離すると考えられる。最安定構造で吸着したSOの解離のエネルギー障壁を計算すると1.45eVであった。この結果をもとに、SOの電気分解の反応機構を推定した。
登倉 明雄*; 前田 文彦*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 高木 大輔*; 本間 芳和*; 渡辺 義夫*; 小林 慶裕*
no journal, ,
垂直配向SWNTを用いて原子状水素照射実験を行った。水素吸着の影響は内殻準位光電子分光とRaman散乱分光を用いて評価した。光電子分光では、C1sピークの半値幅の増加が観察された。ピーク分離による解析結果は、水素化を強く示唆している。プラズモンロスピークの変化に着目した解析では、吸着による構造変化を示唆するプラズモンの抑制が観察された。Raman散乱分光の結果は、照射の影響として細い直径のSWNTからの優先的な半径方向ブレスモード(RBM)信号の減少とGバンド/Dバンド比(GD比)の悪化を示した。これらの結果は、細いSWNTに水素化が起こりやすいという直径依存性を示唆している。
下山 巖; Li, X.*; 嶋田 行志*
no journal, ,
近年、石英やサファイアなどの単結晶表面のステップ列や結晶構造をテンプレートにして単層カーボンナノチューブ(SWNTs)を配向させながら合成する手法が幾つかのグループにより報告された。これらの報告は大規模配向SWNTs薄膜を簡便に形成できる手法として注目を集めている。そこでわれわれはその配向メカニズムの詳細を調べるため、ラマン散乱分光の偏光依存性を調べた。エタノールを用いた化学気相蒸着(アルコールCVD)法を用いてミスカット石英単結晶表面上に配向成長させたSWNTsに対し、782nmの励起波長でGバンドの偏光依存性を測定したところ、偏光条件や励起波長によらず高周波数(1590cm)付近のGバンドの方が低周波数領域(1575cm)のGバンドよりも大きい偏光依存性を示した。さらにわれわれはストークス及びアンチストークスラマン散乱過程によるGバンドの偏向依存性を比較し、Gバンド内の半導体SWNTs成分が金属SWNTsよりも大きい偏光依存性を示す結果を得た。これは石英単結晶上で半導体SWNTsが優先的に配向していることを示唆する初めての発見である。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
ガス暴露条件(En=0.03eV)におけるO1sとSi2p時分割XPS測定を行い、酸化に伴う種々の吸着状態の時間変化とその相関を調べた。実験は、SPring-8のBL23SUのSUREAC2000で行った。5.310PaのO(99.9999%)をリークバルブで導入し、放射光(670eV,E200meV)を用いてO1sとSi2p XPSを交互に時分割XPS測定した。Si2pとO1sの酸化に伴うケミカルシフト成分の変化から、酸化開始直後から複数の成分が表れ、初期増加率はSi及びinsが大きい。paulが減少に変わる暴露量付近でSiが増大する。Siが減少に変わる時、paulは飽和値のおおむね半分であり、これ以降Siの増加が顕著となるとともにSiの増加率に差が表れる。paulが消失すると、Siの減少とSiの増加さらにinsx2-adの増加が緩慢になる。insx2-adが再び大きく増加する時、Siが減少するなど、酸化に伴う吸着状態間の時間変化に密接な相関があることを観察できた。