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島田 耕史; 後藤 翠; 丹羽 正和; 下茂 道人*
地質学雑誌, 127(10), p.I - II, 2021/10
地下からの高温流体(液体・気体)の継続的な滲出地点は、赤外線画像により簡便に把握できるであろう。このことを、川沿いに自然湧出する川湯温泉の露頭において、赤外線画像と可視光画像が同時に得られるFLIR社製、C5カメラにより確かめた画像を紹介する。川岸や川底から湧出する温泉による露頭や水面の温度上昇、温泉とともに高濃度メタンを含む気体が滲出する割れ目周辺の岩の温度上昇、冬季に川をせき止めて作られる仙人風呂の土手造成により、この割れ目が流体通路として機能しなくなった様子が一目で確認できる。赤外線画像は、地下からの高温流体の滲出地点の迅速把握に有効な場合がある。
松井 裕哉; 矢萩 良二*; 石塚 光*; 戸栗 智仁*
WIT Transactions on Ecology and the Environment, Vol.247, p.145 - 159, 2020/00
原子力機構が掘削した瑞浪超深地層研究所の深度500m研究坑道において小断面坑道における全断面吹付け施工による埋め戻し材の施工試験を実施した。埋め戻し材の透水性は、周辺岩盤の透水性と同等以下を目標とし、原子力発電環境整備機構(NUMO)が示した有効粘土密度と透水係数の関係から原位置で施工した埋め戻し材の密度は0.4Mg/m以上の有効粘土密度となるように考え、その品質管理手法も含めた実証的原位置試験を実施した。その結果、本試験で用いた品質管理手法により目標となる埋め戻し材の有効粘土密度を確保でき、地下深部においても適用可能な方法を示した。この試験は、経済産業省資源エネルギー庁からの受託研究の一部として実施したものである。
伊能 康平*; Hernsdorf, A. W.*; 今野 祐多*; 幸塚 麻里子*; 柳川 克則*; 加藤 信吾*; 砂村 道成*; 広田 秋成*; 東郷 洋子*; 伊藤 一誠*; et al.
ISME Journal, 12(1), p.31 - 47, 2018/01
被引用回数:54 パーセンタイル:89.57(Ecology)岐阜県瑞浪市の超深地層研究所において、深度300メートルの地下水を地下坑道から採取し、地下微生物の生態系を調査した。その結果、花崗岩深部でマグマ由来のメタンに依存した微生物生態系が存在することを明らかにした。
岩月 輝希; 宗本 隆志*; 久保田 満*; 林田 一貴; 加藤 利弘*
Applied Geochemistry, 82, p.134 - 145, 2017/05
被引用回数:9 パーセンタイル:32.98(Geochemistry & Geophysics)瑞浪超深地層研究所において、地下水及び懸濁態粒子に含まれる希土類元素の挙動について研究を行った。その結果、地下水中の希土類元素の1060%が懸濁粒子に付着して存在することが確認された。希土類元素が付着する懸濁粒子は主に炭酸塩コロイドであり、一般的な地下水は炭酸塩鉱物に対して飽和平衡状態にあることから、炭酸塩コロイドの起源は炭酸塩鉱物と推察された。また、坑道閉鎖環境においては、地下水中の溶存態及びコロイド態の希土類元素濃度が、周辺の地下水に比べて有意に低下することが確認された。熱力学計算により地下水に溶存する希土類元素は主に炭酸錯体と推測され、坑道壁面のセメント吹付上に炭酸塩コロイドとともに吸着・共沈していると考えられた。以上の事から、地下施設におけるセメント材料の使用は、希土類元素の移動し難い環境を形成すると考えられる。
伊能 康平*; 今野 祐多*; 幸塚 麻里子*; 廣田 明成*; 東郷 洋子*; 福田 朱里*; 小松 大介*; 角皆 潤*; 田辺 章文*; 山本 智*; et al.
Environmental Microbiology Reports (Internet), 8(2), p.285 - 294, 2016/04
被引用回数:31 パーセンタイル:69.87(Environmental Sciences)瑞浪超深地層研究所の深度300mの花崗岩中の地下水を対象として、ボーリング孔を利用した微生物特性の調査を行った。ボーリング孔から得られた地下水は、当初、好気性の水素酸化に関わるHydrogenophaga spp.が優勢種であったが、3年後にはNitrospirae門の微生物が優勢種となった。後者の微生物種は系統学的に深部地下水や陸域の温泉水において観察される種であり、この地域の土着の微生物種と考えられた。
斉藤 拓巳; 寺島 元基; 青柳 登; 長尾 誠也*; 藤嶽 暢英*; 大貫 敏彦
Environmental Science; Processes & Impacts, 17(8), p.1386 - 1395, 2015/08
被引用回数:9 パーセンタイル:29.63(Chemistry, Analytical)堆積岩系深部地下水より抽出された腐植物質は脂肪鎖および硫黄含有量に富み、サイズも小さく、表層環境由来の腐植物質とは異なっていた。一方、この深部地下水腐植物質のプロトン解離性官能基量は表層腐植物質と同程度であるにも関わらず、銅イオンの結合量は小さくなった。NICA-Donnanモデルの適用から、このような銅イオンの小さな結合量が、低pHにおいて、銅イオンが化学的に均質なカルボキシル基に単座配位で結合していることに起因することが示唆された。そして、pHの増加にともなって、結合モードから、単座から、カルボキシル基とアルコール性水酸基が関わる多座配位に変化することが分かった。本研究は、表層環境由来の腐植物質と比較して、深部地下水腐植の物理化学的性質やイオンとの反応性が異なることを示すものである。
静間 俊行; 早川 岳人; 御手洗 志郎*; 森川 恒安*; 石井 哲朗
Physical Review C, 71(6), p.067301_1 - 067301_4, 2005/06
被引用回数:7 パーセンタイル:48.52(Physics, Nuclear)深部非弾性散乱反応を用いて、中性子過剰核Wの励起状態を生成した。反応チャンネルの選別のため、ビーム様フラグメントをシリコン検出器を用いて測定した。また、ゲルマニウム検出器を用いて、遅延
線の測定を行った。その結果、
Wにおいて、励起エネルギー411keVに、新たに1.56(28)マイクロ秒の核異性体の観測に成功した。近傍の原子核の準位構造から、この核異性体は、
[615]準粒子配位を持つことがわかった。
静間 俊行; Gan, Z. G.*; 小川 建吾*; 中田 仁*; 大島 真澄; 藤 暢輔; 早川 岳人; 初川 雄一; 菅原 昌彦*; 宇都野 穣; et al.
European Physical Journal A, 20(2), p.207 - 210, 2004/04
被引用回数:14 パーセンタイル:69.57(Physics, Nuclear)深部非弾性散乱反応によりBaの核異性体の同定に成功した。
線の同時計測データーの解析から、核異性体の励起エネルギーを3357keV、スピン及びパリティを10
と決定した。また、
線の時間相関の分析から、核異性体の半減期として、94
10nsを得た。さらに、殻模型計算から、核異性体に対して、2つの中性子が
軌道をとる配位であることを明らかにした。
一色 麻衣子*; 入舩 徹男*; 廣瀬 敬*; 小野 重明*; 大石 泰生*; 綿貫 徹; 西堀 英治*; 高田 昌樹*; 坂田 誠*
Nature, 427(6969), p.60 - 63, 2004/01
被引用回数:240 パーセンタイル:96.11(Multidisciplinary Sciences)マントル主要鉱物である炭酸鉱物の一つのマグネサイトのマントル最深部における安定性を調べるために、ダイアモンドアンビルセルレーザー加熱技術によりマントル最深部と同等の100万気圧2000度に至る高温高圧条件を試料に与え、その条件下での構造をSPring-8の放射光を用いてその場観察を行った。その結果、同条件下においてもマグネサイトは分解せず存在し、しかしながらより浅部における構造とは異なる構造をとることが明らかとなった。このことはマントル最深部まで炭素が供給されることを示唆する結果である。
山口 徹治; 中山 真一
JAERI-Conf 2003-018, p.115 - 116, 2003/10
ベントナイト系材料内におけるNp(IV)の有効拡散係数を炭酸イオン共存系で、Pu(IV)の有効拡散係数をフルボ酸共存系で取得した。また、負に帯電した鉱物表面に対する、アクチニド元素の吸着を、アクチニド元素がおもに負電荷を持つ錯体として溶存している条件で調べた。これらの研究の結果は多様な深部地下環境下における核種移行挙動を評価するために用いられる。
大貫 敏彦
原子力バックエンド研究, 9(1), p.35 - 42, 2002/09
さまざまな微生物が地下環境中に生息することがわかってきた。これら微生物の高レベル廃棄物処分への影響について明らかになっていない。本報告では、これまで行われてきた研究を紹介するとともに、将来の研究課題について検討した。微生物代謝による還元,酸化及び代謝産物は、処分施設使用材料の劣化,錯体生成,アクチノイド沈殿物の可溶化,nmスケールのコロイドの生成などをもたらし、処分施設の長期的な閉じこめ性能に影響を与えるとともに、放射性核種の移行を促進する可能性がある。一方、微生物の活動により、微生物による鉱物化,吸着,細胞内への取り込み,沈殿作用により、アクチノイドの閉じこめ能を増す可能性もある。これらの結果は、処分施設の性能への微生物の影響を明らかにするための研究を行う必要があることを示している。
棚井 憲治; 堀田 政國*; 出羽 克之*; 郷家 光男*
JNC TN8410 2001-026, 116 Pages, 2002/03
地下構造物は、地上構造物に比較して耐震性が高く、耐震性を検討した事例は少なかったが、兵庫県南部地震で開削トンネルが被災したため、地中構造物の耐震設計法に関する研究が精力的に実施され多くの知見が得られてきている。しかし、ほとんどの研究は比較的浅い沖積地盤における地中構造物の地震時挙動を対象としたものであり、深部岩盤構造物の地震時挙動についての検討はあまり実施されていないのが実情であるため、深部岩盤構造物の明確な耐震性評価手法が確立しているとは言い難い。一方、高レベル放射性廃棄物の地層処分場は、地下深部に長大な坑道群が建設されることとなり、また、これらの坑道内にて操業が行われることとなる。さらに、建設開始から操業及び埋め戻しまでを含めた全体的な工程は、おおよそ60年程度とされている(核燃料サイクル開発機構、1999)。これらの期間中においては、施設の安全性の観点から、地下構造物としての耐震性についても考慮しておくことが必要である。そこで、地層処分場の耐震設計に関する国の安全基準・指針の策定のための基盤情報の整備の一つとして、既存の地下構造物に関する耐震設計事例、指針ならびに解析手法等の調査・整理を行うとともに、今後の課題を抽出した。また、これらの調査結果から、地下研究施設を一つのケーススタディーとして、地下構造物としての耐震性に関する検討を実施するための研究項目の抽出を行った。
石井 哲朗; 浅井 雅人; 牧嶋 章泰*; Hossain, I.*; Kleinheinz, P.*; 小川 雅生*; 松田 誠; 市川 進一
European Physical Journal A, 13(1-2), p.15 - 19, 2002/01
線分光により中性子過剰Ni領域核を研究した。重イオン深部非弾性散乱により生成された半減期1ナノ秒以上のアイソマーから放出される
線を「アイソマースコープ」で測定した。二重閉殻Ni-68とその隣接核Cu-69の核構造を殻模型に基づいて考察する。さらに、中性子過剰Ni領域核の将来計画についても議論する。
石井 哲朗
CNS Report 43, p.91 - 106, 2001/12
重イオン深部非弾性散乱を用いて中性子過剰核を生成し、線核分光法の手法により核構造を研究した。実験装置「isomer-scope」を開発したことにより、アイソマーより放出される
線を感度良く測定することに成功し、これまでに10以上の新アイソマーを発見した。二重閉核
Niでは、2粒子2空孔状態の観測に成功し、二重閉核
Zrと同様の構造を持つことを明らかにした。また、隣接核
Cuで発見したアイソマーから遷移する準位を、自由パラメーターを用いない殻模型計算により非常に精度よく再現できることを示した。
石井 哲朗
日本物理学会誌, 56(9), p.684 - 687, 2001/09
実験装置isomer-scopeを開発することにより、重イオン深部非弾性散乱で生成した中性子過剰な原子核の励起状態(ns)から放出される
線を非常に感度よく検出することを可能にした。
Niの励起準位の観測により、中性子数40の
Niが準二重閉殻の構造をしていることを明らかにした。実験的な核子・核子残留相互作用を用いた殻模型計算の優れた予言能力について記述した。
加藤 智子; 石原 義尚; 鈴木 祐二*; 内藤 守正; 石黒 勝彦; 池田 孝夫*; Richard, L.*
JNC TN8400 2001-003, 128 Pages, 2001/03
高レベル放射性廃棄物地層処分の安全評価では、地下深部に埋設された高レベル放射性廃棄物に含まれる放射性核種が地下水によって人間の生活環境に運ばれることを想定し、その移行プロセスと被ばく経路からなる生物圏モデルを作成して線量を推定する。安全評価は極めて長い時間を対象とするため、一万年先頃に到来すると考えられる地球規模の氷期などの気候変動により、地球規模で地表の環境は著しい影響を受けることが想定されるとともに、人間生活への影響も大きくなる。このような気候変動や関連する要因により、現在の生活環境と比べはるかに異なる環境に放射性核種が流入することを想定する必要がある場合には、その起こりうる将来の環境の状態と整合性を図った代替の生物圏モデルをいくつか想定しておくことが合理的であると考えられる。本報告書では、気候変動による生物圏システムへの影響を生物圏モデルに取り入れた場合、その影響がどの程度のものとなるかを把握することを目的に検討を行った。検討にあたっては、気候変動によるシステムへの影響の取り扱いについては世界中に現存する気候状態をアナログとして利用し、作成された生物圏モデルから求まる線量への換算係数を、現在の気候状態を想定したシステムのものと比較することによって行った。
石井 哲朗; 浅井 雅人; 松田 誠; 市川 進一; 牧嶋 章泰*; Hossain, I.*; Kleinheinz, P.*; 小川 雅生*
Acta Physica Polonica B, 32(3), p.739 - 746, 2001/03
原研タンデムブースター加速器で、重イオン深部非弾性散乱により中性子過剰のNi領域の原子核を生成し、核分光の手法を用いて核構造を研究した。われわれの開発した測定器「isomer-scope」を使用することにより、ナノ秒以上のアイソマー状態から放出される線を非常に感度よく測定することに成功し、
Co,
Ni,
Cuなどに新アイソマーを発見した。二重閉殻
Niでは四重極遷移に対する有効電荷を導出し、芯の偏極度を評価した。また、その隣接核の
Cuでは、
Niなどのエネルギー準位を核子-核子残留相互作用として用いることにより、殻模型計算が実験値を非常に精度よく再現することを示した。
Cuでは強度の大きなE3遷移を観測し、集団運動の八重極振動と芯の外の陽子が強く結合している可能性を示した。
増田 純男; 梅木 博之; 清水 和彦; 宮原 要; 内藤 守正; 瀬尾 俊弘; 藤田 朝雄
JNC TN1410 2000-008, 100 Pages, 2000/10
核燃料サイクル開発機構(以下、サイクル機構)が平成11年11月26日に原子力委員会に提出した「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発の第2次取りまとめ-」(以下、第2次取りまとめ)に対し、『高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性』批判(2000年7月20日)」と題するレポート(以下、批判レポート)が地層処分問題研究グループ(高木学校+原子力資料情報室)から公表した。批判レポートの記述内容には独断的な部分や誤解に基づくものも多々あることから、第2次取りまとめに関連した技術的な部分に対して、サイクル機構の見解を本報告書として取りまとめた。見解をまとめるにあたっては、批判レポートの第1章から第7章にわたって展開されている内容を対象とし、またそれらの関連性などを考慮して、本報告書を4つの章により構成することとした。第1章では「地質環境の長期安定性について」、第2章では「工学技術と深部坑道の安定性について」、第3章では「人工バリアの特性について」、第4章では「地下水シナリオに基づく安全評価について」として、それぞれ見解を述べた。本報告書に示した見解は、第2次取りまとめを構成する4つの報告書の記載内容に基づくものであり、関連箇所を引用する際には、それぞれ「総論レポート」、「分冊1」、「分冊2」、「分冊3」と略記した。
亀井 斗禮*
JNC TJ7400 2000-015, 203 Pages, 2000/08
平成11年度に実施された研究内容は以下に集約される。「深地層における硬岩系不連続性岩盤の透水性評価に関する研究は」は「亀裂ネットワークモデル作成と透水性評価に関する研究」と「地盤内における地下水・熱流動現象に関する数値解析的研究」について実施した。前者では、亀裂ネットワークモデルの作成、ならびにパラメータを同定する手法、さらには経路のモデルと透水性評価について実施した。後者の研究では、地下水の流れを評価するために、温度をトレーサとして用いる手法の妥当性を評価した。論理解による局所的な地下水流速の評価手法を提案した後、数値解析である有限要素法を導入し、実地盤である北海道における2つの広域な地下水の流れ(美々川流域、十勝平野)に適用した。地下水温を用いた地下水流れの調査は今後適用例が増加すると考えられる。本研究では主に数値解析手法について述べたが、他手法との併用が非常に重要になるだろう。「岩盤浸透流の三次元特性の調査と解析」では、「不飽和帯中の物質拡散係数推定技術の開発」と「環境モニタリング・システム構築のためのニューラル・ネットワークの適用性の詳細検討」について研究を実施した。前者では、蒸発を与えて不飽和浸透流を形成する方法、即ち土層内部に不飽和浸透流を形成するために土層内下部に一定水頭を与え、土層上面から蒸発を与える方法が拡散係数の同定のような長期実験でも有用であることが示された。後者では、東濃鉱山や正馬様洞をふくむ領域で河川流量解析結果の物理的意味を検討した結果、ニューラル・ネットワークの考え方が、まだ変換関数の設定など問題があるとはいえ、自然現象に適用しうることが明らかとなった。今後の重要な課題として(1)観測されている多くの自然現象をニューラル・ネットワークでつなげた地球環境モニタリングシステムの構築、(2)ニューラル・ネットワークの考えを基礎として、岩盤の地質特性と透水性との関係の研究がある。「水理試験法及び水理試験装置の開発研究」では、工学材料として用いられるベントナイト混合土に注目し、原位置で迅速に測定可能な透水試験法の確立を目的として研究を実施した。具体的には、既存の原位置透水試験法(Air-Entry Premeamater)を改良し、非常に浅い位置での湿潤面の到達時間を測定するために、複素誘電
嶺 達也*; 三原 守弘; 大井 貴夫
JNC TN8430 2000-010, 27 Pages, 2000/07
放射性廃棄物を地層処分する場合、地下水、緩衝材、放射性廃棄物などに含まれる多種多様の有機物が、地下深部に存在する微生物及び処分施設建設時に地表付近から処分施設に持ち込まれる微生物の炭素源となることが考えられる。微生物が有機物を炭素源として利用した場合、二酸化炭素などのガスを発生させる。このガス発生は、地層処分システムの安全性に影響を与える一つの要因と考えられる。本研究では、ガス発生の観点から、メタン生成細菌の活動に着目し、微生物の活動にともなうガス発生に対する有機物の違いによる影響を調査するため、地下水に比較的多く含まれるフミン酸、ベントナイトに含まれる酢酸などの有機物を対象に微生物の有機物分解にともなって発生するメタン及び二酸化炭素の量を測定することとした。試験は嫌気条件で実施し、培養温度は35とした。有機物濃度は培養液に対して100mg/lとなるように調製した。また、pHがガス発生量に与える影響を調査するため、pHをパラメータとすることとした。その結果、フミン酸はメタン生成細菌の炭素源になりにくいこと、また、酢酸などを使用した試験結果から、pHが高くなれば、メタン生成細菌の活動にともなって発生するメタンの量が減少することが示された。なお、二酸化炭素の発生量がpHの上昇にともなって減少することは確認できなかった。