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廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-021, 126 Pages, 2024/11
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、PCV底部の止水及び補修を目的として、改良したジオポリマーや超重泥水によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を提案する。また、堆積状況など未解明な状況にある現場施工の選択肢を増やすため、止水・補修材の対象部位周辺への局所的施工のみならず、ペデスタル外の広範囲にわたる施工についても検討し、最新の熱流動シミュレーション法により、工法実現性を評価する。広範囲に施工する場合には、ペデスタル外に流出した燃料デブリや堆積物は止水・補修材で被覆されて廃棄体となる。このため、燃料デブリの成層化状態等性状を実験及び解析により把握した上で、廃棄体を安定化する方策を検討するとともに、核種浸出性を含めた廃棄体の長期寿命を評価する。
小野田 雄一; 西野 裕之; 栗坂 健一; 山野 秀将
Proceedings of Probabilistic Safety Assessment and Management & Asian Symposium on Risk Assessment and Management (PSAM17 & ASRAM2024) (Internet), 10 Pages, 2024/10
ナトリウム冷却高速炉を対象として、設計想定を超える超高温によって破損や損傷が生じた場合でも、その拡大を抑制する技術を用いて原子炉構造のレジリエンスを向上させる対策を構築するとともに、その対策の有効性を評価した。超高温状態に至る事故進展に対して炉心損傷を防止するには、原子炉容器の加圧防止対策と炉心冷却対策の両方が必要となる。炉心冷却対策として、原子炉容器からの輻射熱伝達を促進しCV外面を自然対流により冷却する炉心冷却概念(CVACS)を構築した。事故進展の不確かさとレジリエンス向上策の成否について検討し、当該対策の有効性を評価する方法としてPRAを活用し、イベントツリーにおける分岐確率を評価して、炉心損傷頻度の低減効果を有効性評価の指標とする方法を構築した。CVACSによる炉心の冷却性を評価するとともに、構造解析及び人間信頼性評価の結果を反映して炉心冷却の成功確率を評価し、超高温に対するレジリエンス向上策の有効性を定量的に評価した。既存の対策に加えてレジリエンス向上策を講じることにより、LOHRSを起因として炉心損傷に至る頻度を従来の1/100程度に低減した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2024-017, 55 Pages, 2024/07
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和4年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という。)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究および人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、令和3年度に採択された研究課題のうち、「燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御」の令和4年度分の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、未知環境での衝突対応のための機械的可変インピーダンスアクチュエータを用いたロボットマニピュレータの開発および効率的な探査・廃止措置のための人工知能を使った制御手法の構築に取り組む。従来調査では困難だった開口部から奥の領域における調査を行う他、先端部のグリッパーで、ペデスタルの底部に存在する小石状の燃料デブリの回収を目指す。ペデスタル内部の環境制約に対応するためのマニピュレータ機構と遠隔操作システムの開発に取り組む。令和4年度は、最適なマニピュレータのパラメータ設計とナビゲーションアルゴリズムの開発に取り組んだ。令和3年度に開発したシミュレーション環境を活用し、廃炉措置に最適なマニピュレータやアクチュエータのパラメータの設計をライテックスと共同で行った。構築したシミュレーション環境において適したマニピュレータの寸法・速度伝達比および効率的な把持力の推定を目指した。得られた情報・最適なマニピュレータのパラメータは英国と情報交換をすることで、最終的なマニピュレータ設計へと反映させた。並行して、ナビゲーションアルゴリズムの開発をライテックスと共同で進めた。特に、機械学習手法等を活用した手法の構築、二次元画像からの目標点のオペレータ提示に基づく高信頼性ビジュアルサーボの実現を目指した。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-062, 121 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「ジオポリマー等によるPCV下部の止水・補修及び安定化に関する研究」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究では、PCV底部の止水及び補修を目的として、改良したジオポリマーや超重泥水によりジェットデフレクター等を止水し、併せてドライウェル下部を補修する施工法を提案する。また、堆積状況など未解明な状況にある現場施工の選択肢を増やすため、止水・補修材の対象部位周辺への局所的施工のみならず、ペデスタル外の広範囲にわたる施工についても検討し、最新の熱流動シミュレーション法により、工法実現性を評価する。広範囲に施工する場合には、ペデスタル外に流出した燃料デブリや堆積物は止水・補修材で被覆されて廃棄体となる。このため、燃料デブリの成層化状態等性状を実験及び解析により把握した上で、廃棄体を安定化する方策を検討するとともに、核種浸出性を含めた廃棄体の長期寿命を評価する。
廃炉環境国際共同研究センター; 東京大学*
JAEA-Review 2022-040, 70 Pages, 2023/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和3年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等を始めとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、令和3年度に採択された「燃料デブリ取り出しのための機械式マニピュレータのナビゲーションおよび制御」の令和3年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、未知環境での衝突対応の為の機械的可変インピーダンスアクチュエータを用いたロボットマニピュレータの開発および効率的な探査・廃止措置のための人工知能を使った制御手法の構築に取り組む。従来調査では困難だった開口部から奥の領域における調査を行う他、先端部のグリッパーで、ペデスタルの底部に存在する小石状の燃料デブリの回収を目指す。ペデスタル内部の環境制約に対応する為のマニピュレータ機構と遠隔操作システムの開発に取り組む。令和3年度は、最適なマニピュレータのパラメータ設計とナビゲーションアルゴリズムの開発に取り組んだ。シミュレーションソフトウェアの選定や環境構築をした。英国チームとの協議のもと、要求寸法やペイロード、アクチュエータ要求諸元や構造検討を行った。ビジュアルサーボや遠隔操作インターフェースの検討準備を行った。電装系やソフトウェアシステムの構成を決めた。英国チームや外部アドバイザとの隔週ミーティングなど密な連携のもと、研究を推進した。年度末には、東京大学とミュンヘン工科大学(TUM)主催の国際ワークショップにて、プロジェクト紹介の口頭発表を行った。
大谷 恭平; 上野 文義; 加藤 千明
材料と環境, 71(2), p.40 - 45, 2022/02
本研究では、福島第一原子力発電所のPCV内部において確認されている気液交番環境における炭素鋼の腐食速度に及ぼす気中酸素濃度の影響を低酸素濃度の範囲で調査した。調査結果より、腐食速度は気中酸素濃度が増大するに伴って増加するが腐食速度の勾配は徐々に減少すること、最大侵食深さは気中酸素濃度が1%の場合を除いて気中酸素濃度が増加するに伴って増大するが気中酸素濃度が1%の最大侵食深さは5%の場合よりも大きいことを見出した。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2021-042, 115 Pages, 2022/01
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和2年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「先端計測技術の融合で実現する高耐放射線燃料デブリセンサーの研究開発」の平成30年度から令和2年度の研究成果について取りまとめたものである。本課題は令和2年度が最終年度となるため3年度分の成果を取りまとめた。本研究は、冠水した燃料デブリの分布状況及び臨界性を「その場」で測定・分析することを目的として、小型のダイヤモンド中性子センサーと、回路設計により耐放射線性を向上した集積回路を開発して中性子計測システムを構築し、マルチフェイズドアレイ・ソナーや表層下部音波探査装置(SBP)とともに、ROV(日英共同研究で開発)に設置し、PCV模擬水槽で実証試験を行う。
廃炉環境国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2020-058, 101 Pages, 2021/02
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉環境国際共同研究センター(CLADS)では、令和元年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度に採択された「先端計測技術の融合で実現する高耐放射線燃料デブリセンサーの研究開発」の令和元年度の研究成果について取りまとめたものである。本研究は、冠水した燃料デブリの分布状況及び臨界性を「その場」で測定・分析することを目的として、小型(200m
5
10
m厚)のダイヤモンド中性子センサーと、回路設計により耐放射線性を向上した集積回路を開発して中性子計測システムを構築し、マルチフェイズドアレイ・ソナーや表層下部音波探査装置(SBP)とともに、ROV(日英共同研究で開発)に設置し、PCV模擬水槽で実証試験を行う。
廃炉国際共同研究センター; 高エネルギー加速器研究機構*
JAEA-Review 2019-040, 77 Pages, 2020/03
日本原子力研究開発機構(JAEA)廃炉国際共同研究センター(CLADS)では、平成30年度英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(以下、「本事業」という)を実施している。本事業は、東京電力ホールディングス福島第一原子力発電所の廃炉等をはじめとした原子力分野の課題解決に貢献するため、国内外の英知を結集し、様々な分野の知見や経験を、従前の機関や分野の壁を越えて緊密に融合・連携させた基礎的・基盤的研究及び人材育成を推進することを目的としている。平成30年度の新規採択課題から実施主体を文部科学省からJAEAに移行することで、JAEAとアカデミアとの連携を強化し、廃炉に資する中長期的な研究開発・人材育成をより安定的かつ継続的に実施する体制を構築した。本研究は、研究課題のうち、平成30年度「先端計測技術の融合で実現する高耐放射線燃料デブリセンサーの研究開発」について取りまとめたものである。本研究は、冠水した燃料デブリの分布状況及び臨界性を「その場」で測定・分析することを目的として、小型(200m
5
10
m厚)のダイヤモンド中性子センサーと、回路設計により耐放射線性を向上した集積回路を開発して中性子計測システムを構築し、マルチフェイズドアレイ・ソナーや表層下部音波探査装置(SBP)とともに、ROV(日英共研で開発)に設置し、PCV模擬水槽で実証試験を行う。
草野 翔吾*; 松村 大樹; 朝澤 浩一郎*; 岸 浩史*; 坂本 友和*; 山口 進*; 田中 裕久*; 水木 純一郎*
Journal of Electronic Materials, 46(6), p.3634 - 3638, 2017/06
被引用回数:3 パーセンタイル:18.34(Engineering, Electrical & Electronic)A method combining cyclic voltammetry (CV) with X-ray absorption fine structure (XAFS) spectroscopy, viz. CV-XAFS, has been developed to enable in situ real-time investigation of atomic and electronic structures related to electrochemical reactions. We use this method to study the reaction of a Pt/C cathode catalyst in the oxygen reduction reaction (ORR) in an alkaline electrolyte. It was found that the current induced by the ORR was first observed at approximately 0.08 V versus Hg/HgO, although the Pt valence remained almost unchanged. The electronic structure of the catalytic surface in the ORR was observed to be different in the negative and positive scan directions of CV measurements. Hydrogen adsorption is also discussed on the basis of the observation of this spectral change. We have demonstrated that CV-XAFS provides dynamical structural and electronic information related to electrochemical reactions and can be used for in situ real-time measurements of a catalyst.
市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2017-001, 40 Pages, 2017/03
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件:空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい試験規定」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度:2.04
C)を長期間にわたり有することを確認した。
市川 正一; 千葉 悠介; 大野 史靖; 羽鳥 雅一; 小林 孝典; 上倉 亮一; 走利 信男*; 犬塚 泰輔*; 北野 寛*; 阿部 恒*
JAEA-Research 2016-021, 32 Pages, 2017/02
日本原子力研究開発機構は、高速増殖原型炉もんじゅのプラント工程への影響を低減するため、現在、原子炉格納容器全体漏えい率試験で用いている塩化リチウム式露点検出器の代替品として、静電容量式露点検出器の検証試験を実施した。原子炉格納容器全体漏えい率試験(試験条件: 窒素雰囲気、24時間)における静電容量式露点検出器の測定結果は、既存の塩化リチウム式検出器と比較して有意な差は無かった。また、長期検証試験(試験条件: 空気雰囲気、2年間)においては、静電容量式露点検出器は、高精度鏡面式露点検出器との比較の結果、「電気技術規程(原子力編)」の「原子炉格納容器の漏えい率試験規程」に基づく使用前検査時に要求される機器精度(精度: 2.04
C)を長期間にわたり有することを確認した。
Davies, A. R.*; Field, J. E.*; 高橋 幸司; 羽田 一彦
Diamond and Related Materials, 14(1), p.6 - 10, 2005/01
被引用回数:23 パーセンタイル:65.04(Materials Science, Multidisciplinary)化学気相成長(CVD)法で合成する人工ダイヤモンドは、近年、特に電子デバイス分野への応用が期待されている。核融合分野では高周波加熱装置の真空窓材として使用する。その真空窓は、真空容器と同じ境界をなすことから、安全性及び構造健全性を示す必要がある。そのためのデータを得るべく3点曲げによる強度試験及び疲労試験を行った。その結果、基盤側及び成長側の強度は、それぞれ69090MPa及び280
30MPaであることが判明した。また、疲労強度は、破壊強度の89%で10
回の繰り返し荷重を加えても破壊することは無く、健全性を示した。
佐々木 政義*; 森本 泰臣*; 木村 宏美*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.899 - 903, 2004/08
核融合炉用ミリ波帯高周波加熱システムのトーラス窓(高周波窓)の窓材として、CVDダイアモンドは標準となっている。トーラス窓は、トリチウム障壁としての役割も担うことから、トリチウムやヘリウム,放射性ダスト環境下にあり、したがって、ダイアモンドの化学構造に対する水素同位体等の影響を解明することは重要である。本研究では、窓と同一グレードのCVDダイアモンド試料(=10.0mm, t=0.21mm)を、アルゴンイオンビームスパッタリング(E
=1keV)による酸素等の不純物除去の後に、重水素及びヘリウムイオンを照射した。照射エネルギーはそれぞれ0.25keV, 0.45keVである。照射サンプルをX線光電子分光(XPS)測定によって調べたところ、C1ピークが低エネルギー側にシフトしていることが観測された。この結果は、ダイアモンドがC-D結合によりアモルファス化したことを示唆している。
山田 禮司; 井川 直樹; 田口 富嗣
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.497 - 501, 2004/08
被引用回数:33 パーセンタイル:87.09(Materials Science, Multidisciplinary)先進的核融合炉のブランケット用構造材料として高いポテンシャルを有しているSiC繊維強化型SiC複合材料(SiC/SiC)には、高熱負荷下で発生する熱応力をできるだけ低減するため、高い熱伝導率を持つことが期待されている。最近開発された高性能SiC繊維(チラノSA繊維,ハイニカロンタイプS繊維)を用いて、3次元織布並び2次元不織布を作製し、CVI及びPIP/CVIによりSiC/SiC複合材料を作製し、その熱伝導率を測定した。チラノSA繊維強化の場合、室温において3D CVIでは40-50W/mK、3D PIP/CVIでは35-40W/mK、1000Cにおいてそれぞれ、25, 17W/mKの値が得られた。一方、2D不織布の場合、全測定温度範囲で12W/mK以下であった。また、ハイニカロンタイプSでは、35(RT), 20(1000
C)W/mKであった。これらの値は、従来のSiC繊維を用いた場合と比較して2ないし3倍高い値であり、新繊維がより高密度,高結晶性を有することに起因するものである。繊維配向比がSiC/SIC複合材料の熱伝導率に与える効果は低い温度ほど顕著であった。
佐々木 政義*; 森本 泰臣*; 木村 博美*; 高橋 幸司; 坂本 慶司; 今井 剛; 奥野 健二*
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.899 - 903, 2004/08
被引用回数:5 パーセンタイル:34.52(Materials Science, Multidisciplinary)核融合炉用電子サイクロトロン波加熱(ECH)装置における真空窓として使用するCVDダイヤモンドの線照射実験を行った。照射にはコバルト60の
線源を使用し、ITERにおいて10年間の照射量に相当する約16kGyまで照射を行うと同時に、XPSにより構造変化を測定した。その結果、sp
C+sp
Cに対するsp
Cの比が、酸素+炭素に対する酸素の比とほぼ等しいことがわかった。また、それらの比は3kGyまでは減少し、それ以降12kGyまでは上昇するということが判明した。これは、
照射によりカルボニル基から酸素とsp
Cへの分離の可能性を示唆しており、
線照射による化学構造変化に対して、酸素の役割が非常に重要であると考えられる。
Davies, A. R.*; Field, J. E.*; 高橋 幸司; 羽田 一彦
Journal of Materials Science, 39(5), p.1571 - 1574, 2004/03
被引用回数:11 パーセンタイル:40.60(Materials Science, Multidisciplinary)人工ダイヤモンドは工作機器や半導体等、さまざまな分野に応用される。核融合分野では高周波加熱装置の真空窓材として、化学気相成長(CVD)法で合成する人工ダイヤモンド使用する。その真空窓は、高周波パワーを通すだけでなく、真空容器に内包されるトリチウムや放射性物質を閉じ込める境界の役割を担うことから、安全性及び構造健全性を示す必要がある。そのための強度評価を行う必要があるが、その一環として、メカニカルグレードと光学グレードのCVDダイヤモンドの4点曲げ強度試験を行い、破壊じん性を調べた。その結果、それぞれの破壊靭性値(K)は8.5
1.0及び8.3
0.4MPa (
)であることを明かにした。これは、以前に得られた天然ダイヤのK
, 3.4
0.5MPa(
)より高い。
吉川 正人; 石田 夕起*; 直本 保*; 土方 泰斗*; 伊藤 久義; 奥村 元*; 高橋 徹夫*; 土田 秀一*; 吉田 貞史*
電子情報通信学会論文誌, C, 86(4), p.426 - 433, 2003/04
1200ドライ酸化やそれに引き続いて行われる熱アニーリングが、酸化膜と4積層周期六方晶炭化ケイ素(4H-SiC)基板の界面に与える影響を調べた。n型及びp型4H-SiC基板を1200
の乾燥酸素雰囲気中で3時間酸化して50nmの酸化膜を作製した後、酸化膜を500から950
のアルゴン雰囲気中で3時間熱アニーリングした。その酸化膜を用いて金属/酸化膜/半導体(MOS)構造を形成してC-V特性を測定し、酸化膜と4H-SiC界面の電気特性に及ぼす熱アニーリング効果を調べた。1200
ドライ酸化膜を用いて形成した4H-SiC MOS構造のC-V特性は、電圧軸に沿って正方向へ大きくシフトした。界面には負電荷が蓄積していた。600
で3時間の熱アニーリングを行うとC-V特性が負方向へシフトしはじめ、950
3時間の熱アニーリングで電圧シフトが消失した。一方、p型4H-SiC MOS構造のC-V特性を調べると、n型とは反対に電圧軸に沿って負方向へ大きくシフトした。界面には正電荷が蓄積していた。n型とp型のシフト方向の違いと界面欠陥の荷電状態の関連性について調べ、界面欠陥の熱アニーリングのメカニズムを議論した。
井川 直樹; 田口 富嗣; Snead, L. L.*; 加藤 雄大*; 實川 資朗; 香山 晃*; McLaughlin, J. C.*
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1205 - 1209, 2002/12
被引用回数:17 パーセンタイル:70.59(Materials Science, Multidisciplinary)SiC繊維強化SiC複合材料は、低放射化や高温機械特性等に優れているため、次世代の核融合炉用の構造材料の候補材である。近年、高温機械的特性に優れたSiC繊維が開発された。本研究では、この繊維を用い、機械的特性を最適化した複合材料を作製することを目指し、複合化過程の最適化を行った。複合化過程としては最も高純度化が達成できると期待できるFCVI法を採用し、SiC繊維とマトリックスとの間の界面材料としては、低放射化や耐照射性が期待できるカーボン層を用いた。カーボン層の厚みの均一化及び最適化並びにマトリックス中の空孔の低減化及び空孔分布の均一化等によって、優れた機械特性を有するSiC/SiC複合材料が得られる見通しを得た。
山田 禮司; 井川 直樹; 田口 富嗣; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 307-311(Part2), p.1215 - 1220, 2002/12
被引用回数:27 パーセンタイル:82.50(Materials Science, Multidisciplinary)SiC繊維強化SiC/SiC複合材料(SiC/SiC)は、核融合炉の先進的ブランケット構造材料と目されている。構造設計の点から、最大熱応力を設計強度以内に抑えるため、材料には高熱伝導性が要求されている。最近開発された焼結SiC繊維は高熱伝導率を有しており、それを用いたSiC/SiC複合材料もまた高熱伝導性を示すことが期待される。ここでは、CVIとPIP法により焼結SiC繊維を用いて複合化し、それらの熱伝導率を評価した。その結果、CVI及びPIPによる複合材では、室温でそれぞれ、60W/mK,25W/mKの値をえた。これらの値は、非焼結SiC繊維の複合材の熱伝導率と比較すると、非常に大きく開発材料の有望性を示している。焼結及び非焼結SiC繊維のSiC/SiC複合材の熱伝導解析を有限要素法で行い、実験結果を裏付ける計算結果を得た。