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佐藤 智徳; Shao, Y.*; Cook, W. G.*; Lister, D. H.*; 内田 俊介
Corrosion, 63(8), p.770 - 780, 2007/08
被引用回数:27 パーセンタイル:75.55(Materials Science, Multidisciplinary)流れ加速型腐食(FAC)は原子力発電所の炭素鋼配管において、しばしば重大な損傷につながる事象である。FACへの水化学的パラメータの影響を決定するための第一ステップとして、本研究では、溶存酸素濃度及び流速をパラメータとし、140C純水中での炭素鋼の腐食速度を電気抵抗測定によりオンライン測定した。また、炭素鋼試験片の腐食電位(ECP)も測定し、評価した。その結果、純水中でのFACは溶存酸素濃度が50ppb、ECPでは-0.2V-SHE以上で測定下限以下まで低減されることが確認された。また、脱気条件下では、予備酸化により形成された被膜の保護性は、比較的早い時間で失われることが確認された。流れの影響は流速だけではなく、レイノルズ数による評価も行わなければ正確に把握できない可能性が示唆された。
Bae, Y. S.*; Na, Y. S.*; Oh, Y. K.*; Kwon, M.*; Bak, J. S.*; Lee, G. S.*; Jeong, J. H.*; Park, S. I.*; Cho, M. H.*; Namkung, W.*; et al.
Fusion Science and Technology, 52(2), p.321 - 333, 2007/08
被引用回数:23 パーセンタイル:80.68(Nuclear Science & Technology)84GHz, KSTAR電子サイクロトロン波加熱システムにおいてジャイロトロンの実験を開始し、これまでに20secのパルス発振に成功した。また、入射アンテナ(ランチャー)を設計製作し、KSTAR装置に取り付けプラズマ実験が行える状況にある。また、ITERを想定したNTM制御あるいは内部輸送障壁生成を目的とした170GHz電子サイクロトロン波加熱システム開発を行っているが、原子力機構がITER用に開発した170GHz, 1MWジャイロトロンを設置する予定となっている。本論文では、KSTARにおける84GHz及び170GHzジャイロトロンシステム開発を述べるとともに、それらを利用した電流駆動やXモード入射についても議論する。
安堂 正巳; Li, M.*; 谷川 博康; Grossbeck, M. L.*; Kim, S.-W.; 沢井 友次; 芝 清之; 幸野 豊*; 香山 晃*
Journal of Nuclear Materials, 367-370(1), p.122 - 126, 2007/08
被引用回数:21 パーセンタイル:75.64(Materials Science, Multidisciplinary)F82HといくらかのJLF-1鋼の照射下クリープが、HFIRで照射されたヘリウム加圧チューブを用いて、5dpaまでの範囲で測定が行われた。これらのチューブはヘリウムによって、0から400MPaの内圧フープストレスを照射温度条件にて付与されたものである。照射後の200MPaのフープストレスからのF82HとJLF-1の結果は、非常に小さいクリープ歪となった(0.15%以下)。これらの鋼の照射クリープレートは200MPaまでは負荷応力に対してほぼ線形を示した。しかし、より高い応力レベルでは、これらのクリープレートは、非線形となることが示された。また300CでのF82HとJLF-1のコンプライアンス係数は非常に小さい値となることがわかった。これらの結果はITERのブランケット設計活動への材料データベースの一部として寄与するものと期待される。
Saibene, G.*; 大山 直幸; Lnnroth, J.*; Andrew, Y.*; la Luna, E. de.*; Giroud, C.*; Huysmans, G. T. A.*; 鎌田 裕; Kempenaars, M. A. H.*; Loarte, A.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(8), p.969 - 983, 2007/08
被引用回数:37 パーセンタイル:74.88(Physics, Fluids & Plasmas)JETとJT-60Uにおいて、プラズマ形状を一致させてプラズマの比較を行う実験を行った。この配位は、安全係数,非円形度,三角度,小半径が両装置でほぼ等しく、大半径はJT-60Uの方が15%大きい。このとき、無次元パラメータが両装置で一致するためには、同じペデスタル密度のプラズマに対してJT-60Uのペデスタル温度が約20%高いことが要求されるがJT-60Uのペデスタル圧力はJETより低い値に留まった。両装置で大きく異なっているものがトロイダル磁場リップルとトロイダル回転速度であることに着目し、JETでは接線方向のNBIの代わりに垂直入射NBIもしくはICRHを使用した実験を、JT-60Uでは垂直NBIの代わりに負イオン源を用いたCO方向NBIを用いた実験を行った。その結果、JETではペデスタル圧力が低下し、JT-60Uではペデスタル圧力の上昇が観測された。JT-60Uではペデスタル圧力の上昇と同時にELMの周波数や振幅,圧力勾配も変わっている。ペデスタル圧力の改善は見られたが、プラズマ全体の閉じ込めは依然としてJETよりも低く、コアプラズマの性能は別の機構により制限されていると思われる。
Pietri, S.*; Regan, P. H.*; Podolyk, Zs.*; Rudolph, D.*; Steer, S. J.*; Garnsworthy, A. B.*; Werner-Malento, E.*; Hoischen, R.*; G
rska, M.*; Gerl, J.*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 261(1-2), p.1079 - 1083, 2007/08
被引用回数:94 パーセンタイル:98.22(Instruments & Instrumentation)ドイツGSIにおけるRISING実験の最初の結果について報告する。本実験では、核子あたり1GeVの高エネルギーイオンによる核破砕反応を用いてベータ安定線から遠く離れた不安定核を生成する。105台の独立な結晶から成るRising静止ビームの線分光器を用いて、ナノ秒からミリ秒の半減期を持つアイソマーからの崩壊
線の測定を行う。本稿では、Rising実験の目的、測定器、最初の実験結果、及び将来計画について紹介する。
Tripathi, V.*; Tabor, S. L.*; Mantica, P. F.*; 宇都野 穣; Bender, P.*; Cook, J. M.*; Hoffman, C. R.*; Lee, S.*; 大塚 孝治*; Pereira, J.*; et al.
Physical Review C, 76(2), p.021301_1 - 021301_5, 2007/08
被引用回数:28 パーセンタイル:82.67(Physics, Nuclear)Na核が中性子20の魔法数が消滅している原子核であるということは、その電気的四重極モーメントと磁気双極子モーメントの実験データを定量的に説明することにより、われわれによって3年前初めて明らかにされた。従来基底状態に来ると思われていた正常状態がどこにあるかというのは、中性子過剰核で殻ギャップがどの程度かを知る大きな手がかりとなる。この論文は、ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所で行われた
Neのベータ崩壊に伴う
線分光実験により、
Naで初めて正常状態を観測したことを報告したものである。実験の結果、励起エネルギーが924keVの1
状態へ崩壊するlog
値が第一励起状態への値よりもはるかに小さく、
Neの中性子配位と924keVの状態の中性子配位が大きく異なっていることがわかった。われわれは新たにモンテカルロ殻模型計算でベータ崩壊確率を計算するコードを開発し、その結果、予言される正常状態へのlog
値と極めて近いことが確かめられた。すなわち、924keVの状態は正常状態であることが強く示唆され、中性子過剰核の殻ギャップの進化に対する大きな証拠となった。
Gade, A.*; Adrich, P.*; Bazin, D.*; Bowen, M. D.*; Brown, B. A.*; Campbell, C. M.*; Cook, J. M.*; Ettenauer, S.*; Glasmacher, T.*; Kemper, K. W.*; et al.
Physical Review Letters, 99(7), p.072502_1 - 072502_4, 2007/08
被引用回数:78 パーセンタイル:90.17(Physics, Multidisciplinary)中性子数20付近の中性子過剰核では魔法数が消滅することが知られており、その領域の大きさは15年ほど前に「逆転の島」として予言された。「逆転の島」が生じるメカニズムについては諸説あったが、われわれの提唱する、殻進化による殻ギャップの狭まりという概念が有力な候補の一つである。そのメカニズムの是非を分ける一つの実験的手段として、もともと提唱された逆転の島領域を超え、より中性子過剰核でも魔法数が消滅するかどうかを調べるのが有力な方法である。この論文は、ミシガン州立大学国立超伝導サイクロトロン研究所で、Siからの2陽子ノックアウト反応により、
Mgの励起状態を初めて観測した結果を報告したものである。
線分光のデータから、この核の第一励起状態は660keVであることが初めてわかり、機構で計算されたモンテカルロ殻模型計算の予言値に近いことがわかった。また、反応断面積の解析から、魔法数が消滅する配位が基底状態の約半分を占めることがわかり、これも計算の予言と一致した。この計算だけが正しく実験値を予言したものであり、中性子過剰核における殻進化という概念を支持することとなった。
西条 賢次*; Zhu, Y.*; 橋本 竹治; Wasiak, A.*; Brzostowski, N.*
Journal of Applied Polymer Science, 105(1), p.137 - 157, 2007/07
被引用回数:15 パーセンタイル:43.02(Polymer Science)架橋した-1,4-ポリブタジエン(PB)ゴムは、力学変形により配向結晶化することが知られている。本研究では、さまざまな分子配向度を有するPBゴムに発現する分子配向に誘起された結晶化過程を小角X線散乱,広角X線回析,応力緩和実験によりその場,実時間観測・解析を行った。一定の分子配向度の下での等温結晶化については、無配向,弱-中程度配向,高配向度の三種類の試料を用い、結晶化温度の関数として実験した。無配向,弱-中程度配向試料については核形成-成長による結晶化,高配向試料については、スピノーダル結晶化が発現することを世界で初めて明らかにした。
Maggi, C. F.*; Groebner, R. J.*; 大山 直幸; Sartori, R.*; Horton, L. D.*; Sips, A. C. C.*; Suttrop, W.*; ASDEX Upgradeチーム; Leonard, A.*; Luce, T. C.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(7), p.535 - 551, 2007/07
被引用回数:64 パーセンタイル:87.81(Physics, Fluids & Plasmas)ASDEX Upgrade(AUG)装置,DIII-D装置,JET装置,JT-60U装置において、改善閉じ込めモードと通常のHモードについて、ペデスタルやグローバルなプラズマパラメータを比較した。加熱パワーの増加とともにペデスタル圧力も上昇しており、通常のHモードから改善閉じ込めモードへは連続的に変化しているように見える。AUG装置では、改善閉じ込めモードでペデスタル圧力が上昇する際に密度と温度がともに上昇するのに対し、DIII-D装置ではおもに温度の上昇によってペデスタル圧力が上昇する。JET装置の1.4MAで行われたハイブリッドモードでは、加熱パワーと三角度の上昇によってペデスタル部の蓄積エネルギー上昇により、全体の蓄積エネルギーが上昇する。JT-60Uでは、安全係数と三角度の高い高ベータポロイダルHモードではペデスタル部の蓄積エネルギー上昇により全体の蓄積エネルギーが上昇しているが、負磁気シアHモードではコアプラズマの蓄積エネルギー上昇によるものが大きい。どの装置でも、全体のポロイダルベータ値が上昇するに連れてペデスタル部の安定性が改善している。また、ペデスタル部のポロイダルベータ値の上昇に伴い、閉じ込め改善度も上昇する。
Lelivre-Berna, E.*; Brown, P. J.*; Tasset, F.*; 加倉井 和久; 武田 全康; Regnault, L.-P.*
Physica B; Condensed Matter, 397(1), p.120 - 124, 2007/07
被引用回数:23 パーセンタイル:66.34(Physics, Condensed Matter)先端3次元中性子偏極解析装置CRYOPADはフランスのラウエ-ランジュバン研究所(ILL)のD3中性子回折計、同じくILLにCEA-グルノーブルが設置したIN22 3軸型中性子分光器、そして原子力機構のJRR-3に設置されているTAS-1 3軸型中性子分光器で使われている。これらの分光器で得られた生データを適切に扱って中性子スピンの方向を精度よく決定するための定式化を行った。
Shu, L.*; MacLaughlin, D. E.*; 青木 勇二*; 綱島 慶乃*; 米澤 祐樹*; 真田 祥太郎*; 菊地 大輔*; 佐藤 英行*; Heffner, R. H.; 髭本 亘; et al.
Physical Review B, 76(1), p.014527_1 - 014527_8, 2007/07
被引用回数:22 パーセンタイル:65.03(Materials Science, Multidisciplinary)Zero- and longitudinal-field muon spin relaxation experiments have been carried out in the alloy series Pr(OsRu
)
Sb
and Pr
La
Os
Sb
to elucidate the anomalous dynamic muon spin relaxation observed in these materials. The damping rate
associated with this relaxation varies with temperature, applied magnetic field, and dopant concentrations
and
in a manner consistent with the "hyperfine enhancement" of
Pr nuclear spins. This mechanism arises from Van Vleck-like admixture of magnetic Pr
crystalline-electric-field-split excited states into the nonmagnetic singlet ground state by the nuclear hyperfine coupling, thereby increasing the strengths of spin-spin interactions between
Pr and muon spins and within the
Pr spin system. We find qualitative agreement with this scenario and conclude that electronic spin fluctuations are not directly involved in the dynamic muon spin relaxation.
酒井 宏典; 神戸 振作; 徳永 陽; 藤本 達也*; Walstedt, R. E.*; 安岡 弘志; 青木 大*; 本間 佳哉*; 山本 悦嗣; 中村 彰夫; et al.
Physical Review B, 76(2), p.024410_1 - 024410_14, 2007/07
被引用回数:19 パーセンタイル:61.17(Materials Science, Multidisciplinary)=47Kのネール点を示す遍歴反強磁性体NpCoGa
においてNMR/NQR法を用いた研究を行った。NMRスペクトルは
の上下の温度で測定し、ナイトシフト,核四重極パラメータの決定を行った。超微細結合定数の異方性も決定した。核四重極パラメータの温度依存は、
を境に大きく変化した。また、ゼロ磁場NQR/NMRスペクトルの観測にも成功した。NMR/NQR緩和率の測定から、スピン揺らぎの異方性について議論した。
神戸 振作; 酒井 宏典; 加藤 治一*; 徳永 陽; 藤本 達也*; Walstedt, R. E.*; 池田 修悟; 眞榮平 孝裕*; 芳賀 芳範; 大貫 惇睦
Physical Review B, 76(2), p.024411_1 - 024411_6, 2007/07
被引用回数:6 パーセンタイル:30.33(Materials Science, Multidisciplinary)HoCoGa(115)構造を持つUCoGa
のNMR研究を報告する。これはd波超伝導体PuCoGa
と同じ構造である。スピン格子緩和率はほかにアクチナイド115化合物に比べて小さかった。これは、この化合物のde Haas-van Alphen効果とバンド計算で示唆されて半金属的性質と整合している。異なったGaやCoサイトのスピン格子緩和率を比較し、2つの異なった性質を持つバンド構造が明らかになった。
Planman, T.*; 鬼沢 邦雄; Server, W.*; Rosinski, S.*
Proceedings of 2007 ASME Pressure Vessels and Piping Division Conference/8th International Conference on Creep and Fatigue at Elevated Temperatures (PVP 2007/CREEP-8) (CD-ROM), 9 Pages, 2007/07
破壊靱性マスターカーブ法では、原子炉圧力容器鋼等に対して一定の温度依存性が仮定されている。この温度依存性は、高照射量や熱時効材などの高脆化材にも適用されるが、上部遷移温度域では、低い破壊靱性値が観察される場合がある。国際原子力機関IAEAでは、照射材などの関連する原子炉圧力容器鋼の破壊靱性データを収集・分析し、マスターカーブの形状に関する確認を行うことを目的の1つとした国際協力研究を開始した。粒界破壊の発生する場合も含めたこれまでのデータレビューの結果、全般的にマスターカーブ法が適用できることを確認した。粒界破壊が多い場合においても、非均質材料に適用可能な手法を適用することにより、実測値は予測値と非常によく対応することが示された。
Liu, W.; 呉田 昌俊; 吉田 啓之; 大貫 晃; 高瀬 和之; 秋本 肇
第12回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.103 - 106, 2007/06
原子力機構が開発した稠密バンドル用限界出力相関式、及びMartinelli-Nelson二相増倍係数をTRAC-BF1に集約し、コード改良を行い、低減速軽水炉用熱設計コードが開発された。本研究は、開発したコードを用いて、900体の燃料集合体から構成される1356MWe増殖型低減速軽水炉の実機炉心の熱工学的成立性を評価した。評価にあたって、通常運転時及び運転時異常な過渡変化において、沸騰遷移を許容しないという従来BWR熱設計方針を用いた。評価手順は、まず運転時異常な過渡変化におけるMCPRの変化量MCPRを評価し、これに基づいて通常運転時必要なMCPR及び冷却材流量を算出した。その結果、強制循環型低減速軽水炉の熱工学成立条件は、運転制限MCPRが1.32(炉心平均質量速度が640kg/m
s)以上にすることである。また、自然循環型の熱工学成立条件は、運転制限MCPRが1.19(炉心平均質量速度が560kg/m
s)以上にすることである。
Zhang, W.; 吉田 啓之; 小瀬 裕男*; 大貫 晃; 秋本 肇; 堀田 亮年*; 藤村 研*
第12回動力・エネルギー技術シンポジウム講演論文集, p.85 - 88, 2007/06
二相流詳細解析コードTPFITによるサブチャンネル間流体混合の解析結果について、サブチャンネル間の差圧,気相混合係数と液相混合係数についての相関関数を用いた統計解析を行い、サブチャンネル間流体混合現象を支配する時間スケールを評価した。また、相関関数に与える、サンプリングデータ数と時間間隔,二相流の流動様式,燃料棒ギャップ幅及び混合部の入口と出口などの影響を検討した。さらに、流体混合の局所的特性と流れに伴う全体的変動特性を評価した。主な結果は以下の通り。(1)差圧と気相,液相の混合係数の間には強い相関があり、差圧による混合がサブチャンネル間の混合の主なメカニズムである。(2)サブチャンネル間に生じた圧力差により液相が先に移動し、この移動による流量の増加を補うため気相が移動することがわかった。したがって、気相の移動には、ある程度の時間と流れ方向の距離が必要であり、また、一度の混合で移動する気相と液相の体積は、必ずしも一致しない。(3)液相の混合は、局所的かつ瞬時的に発生するが、気相の混合には時間遅れがあり、これが流れの軸方向速度により下流に伝播することで、空間遅れが生じている。この研究に基づき、流体混合のモデル化には、時間遅れあるいは空間遅れを考慮に入れる必要があると予想される。また、流体混合に与える、燃料棒ギャップ幅,混合部長さなどのパラメータの影響を評価するために、さらなる数値シミュレーションが必要である。
Lang, M.*; Hasenkamp, W.*; 石川 法人; Medvedev, N.*; Neumann, R.*; Papalo, R.*; Trautmann, C.*; Voss, K.-O.*; 八巻 徹也
GSI Report 2007-1, P. 313, 2007/06
金雲母のイオントラックにおける損傷領域に対し、照射イオンの電荷が及ぼす影響を調べた。照射は、ドイツ重イオン研究所UNILACに加え、原子力機構のタンデム加速器(東海),サイクロトロン(高崎)で行った。UNILACにおけるビームは、ターゲット手前で約3m厚のアルミ箔を通るため、イオン速度で一義的に決まる平衡電荷状態にあるのに対し、イオン源から直接導かれる原子力機構のビームはそれよりも低い非平衡電荷状態にある。このことを利用して、電荷数がそれぞれ+23, +15と異なり同エネルギー(それぞれ373, 388MeV)の
Niビームを金雲母に照射した後、フッ化水素処理した表面を走査フォース顕微鏡で観察した。その結果、後者でエッチピットが小さく不均一であり、イオン電荷と密接に関連するエネルギー損失の違いを反映していると考えられた。
Zanino, R.*; Astrov, M.*; Bagnasco, M.*; Baker, W.*; Bellina, F.*; Ciazynski, D.*; Egorov, S. A.*; Kim, K.*; Kvitkovic, J. L.*; Lacroix, B.*; et al.
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 17(2), p.1353 - 1357, 2007/06
被引用回数:4 パーセンタイル:29.02(Engineering, Electrical & Electronic)ITERポロイダル磁場コイル導体インサート(PFCI)は那珂核融合研究所のITER中心ソレノイド・モデル・コイルの中で試験される。主な実験プログラムは、DC性能,ACロス,冷媒の流体特性,安定性及びクエンチ伝播,繰り返し電磁力が与える導体特性への影響を測定することである。これらの実験項目に対して、幾つかの研究機関による解析が行われているので、それらの結果の比較検討を行った。その結果、突然のクエンチは、5.7-6.2K, 45kAにおいて起きると予測される。また、パルス運転時のACロスによる冷媒の温度上昇は巻線部出口において約0.5Kと予測される。これらの結果は実験結果と比較され、PFコイルの性能の正確な予測に用いられる。
久保 博孝; 佐々木 明; 森林 健悟; 東島 智; 竹永 秀信; 清水 勝宏; 仲野 友英; Whiteford, A.*; 杉江 達夫
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.1441 - 1445, 2007/06
被引用回数:6 パーセンタイル:41.62(Materials Science, Multidisciplinary)トカマク型核融合研究では、重不純物の輸送の解明や熱制御の確立のために、キセノンをプラズマに入射する実験が行われてきた。これらの実験では、高温プラズマ中の高電離キセノン・イオンが放射する真空紫外スペクトルを解析することが本来必要であるが、そのような研究報告は今までにほとんどない。JT-60Uでは、負磁気シア・プラズマにキセノンを入射し、4.0-7.0nmの波長域で高電離Xeのスペクトルを測定した。不純物輸送コード,原子構造コード及び衝突放射モデルを用いた計算結果から、4.4-7.0nmの波長域に観測されたスペクトルは、36-43価のキセノン・イオンの3s-3p, 3p-3dの遷移によるスペクトル線であることがわかった。6.0-7.0nmの波長領域では観測されたスペクトルは計算でよく再現できた。しかし、4.4-5.5nmの波長域では観測されたスペクトルは、計算結果よりも4.8nm付近を中心に集中して分布していた。これは、計算(Multiconfiguration Dirac-Fock法)で得られた波長が0.1nm程度実験と異なることが原因と考えられる。
嶋田 道也; Campbell, D. J.*; Mukhovatov, V.*; 藤原 正巳*; Kirneva, N.*; Lackner, K.*; 永見 正幸; Pustovitov, V. D.*; Uckan, N.*; Wesley, J.*; et al.
Nuclear Fusion, 47(6), p.S1 - S17, 2007/06
被引用回数:801 パーセンタイル:99.92(Physics, Fluids & Plasmas)「ITER物理基盤の進歩」は、1999年に出版された「ITER物理基盤」の改訂版である。「ITER物理基盤」には、燃焼プラズマ性能を予測するための方法論や物理R&Dを通じて国際協力のもとで進められた、トカマクプラズマについての実験,モデリング及び理論研究の成果がまとめられている。また、1998年の設計のITERの予測結果も記述され、さらに残された重要な研究課題も指摘されている。これらの研究課題は、国際トカマク物理活動(ITPA)を通じて国際協力で引き続き検討が進められた。当初のITPAの参加国はEU,日本,ロシア、そして米国である。ITPAによって進められた研究の成果によって性能予測及び制御に関する新しい方法論が得られ、それらの方法論を新しく設計されたITERに適用した。新しいITERは改訂された技術的目標のもとで再設計されているが、核融合エネルギーの科学技術的成立性の統合的実証を行う、という目的は満足する。