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栗宗 勇貴*; 松尾 衛; 前川 禎通; 能崎 幸雄*
Physical Review B, 102(17), p.174413_1 - 174413_7, 2020/11
被引用回数:16 パーセンタイル:72.24(Materials Science, Multidisciplinary)A nonuniform vorticity of lattice deformation in a surface acoustic wave (SAW) can generate a spin current (SC) in nonmagnetic metals via spin-vorticity coupling (SVC). We demonstrated a strong enhancement of SVC derived SC generated in Cu and Pt films with increasing the frequency of the SAW by observing the spin-wave resonance (SWR) in an adjacent NiFe film. The comparative amplitudes and high-order frequency variations of SWR in NiFe/Cu and NiFe/Pt bilayers imply that the amplitude of the SC generated via SVC in a SAW is robust against the strength of spin-orbit interaction in nonmagnetic metals.
Gu, B.; 管井 勇*; Ziman, T.*; Guo, G. Y.*; 永長 直人; 関 剛斎*; 高梨 弘毅; 前川 禎通
Physical Review Letters, 105(21), p.216401_1 - 216401_4, 2010/11
被引用回数:71 パーセンタイル:90.34(Physics, Multidisciplinary)We show, both experimentally and theoretically, a novel route to obtain giant room temperature spin Hall effect due to surface-assisted skew scattering. In the experiment, we report the spin Hall effect in Pt-doped Au films with different thicknesses . The giant spin Hall angle = is obtained for = 10 nm at room temperature, while it is much smaller for = 20 nm sample. Combined and quantum Monte Carlo calculations for the skew scattering due to a Pt impurity show 0.1 on the Au (111) surface, while it is small in bulk Au. The quantum Monte Carlo results show that the spin-orbit interaction of the Pt impurity on the Au (111) surface is enhanced, because the Pt 5 levels are lifted to the Fermi level due to the valence fluctuation. In addition, there are two spin-orbit interaction channels on the Au (111) surface, while only one in bulk Au.
麻生 智一; 達本 衡輝; 長谷川 勝一; 大都 起一; 上原 聡明; 川上 善彦; 櫻山 久志; 前川 藤夫; 二川 正敏; 牛島 勇*
Proceedings of International Cryogenic Engineering Conference 22 (ICEC-22) and International Cryogenic Materials Conference 20 (ICMC 2008), p.741 - 746, 2009/00
J-PARC物質・生命科学実験施設に設置された中性子源用モデレータ冷却システムは、核破砕反応で発生した高エネルギー中性子を超臨界水素中に通過させることにより、そのエネルギーを低減し、冷中性子ビームとして施設利用者の実験装置へ供給するための冷凍システムである。本システムが完成し、モデレータを接続した状態の低温試験を、水素に先立ちヘリウムガスによって初めて行った。モデレータを含めて、1.5MPa, 20Kの定格状態まで冷却でき、定常維持,昇温運転が問題なくできることを確認した。
西村 元彦*; 野中 嘉治*; 前川 勇*
JNC TJ9400 2005-002, 55 Pages, 2005/07
実用化戦略調査研究において検討されているナトリウム冷却炉は原子炉容器のコンパクト化がはかられている。このため、これまでの炉に比べ冷却材流速が増大することから、自由液面から冷却材中にカバーガスを巻込まない設計とその予測手法の確立が強く要請されている。本件は、設計で遵守すべきガス巻込みの判定基準の策定に寄与するため、計算科学的手法をベースとした流動評価手法を確立することを目的として、ガス巻き込みの解析手法の構築および既往実験を元に詳細実験解析を実施するものである。 既往実験としては、矩形流路の中に角柱の障害物が存在ししかもその下流にはやはり矩形で模擬された吸込み管を設置した体系が用いられた。角柱によってカルマン渦が発生し、その中のあるものは吸込み管に吸収されガス巻き込み渦を形成する非定常現象を対象としている。 今回の数値解析では、乱流モデルの影響に注目した。層流モデル、標準k-モデル、RNG k-モデル、非線形k-モデルおよびk-モデルの5ケースを実施した。得られた結果は以下のとおりである。 1)カルマン渦の成長、流速と圧力変動および変動のピーク値の大きさ等を 比較すると、層流モデルがもっとも激しい変化、変動の大きい結果を示 し、RNGモデルが層流モデルに近い変動を示しランダム性も見ることが出 来た。 2)一方、k-モデル、非線形k-モデル、標準k-の順で流れの変動がより 減衰し規則的なおとなしい流れになっている。 3)今後、実験結果と詳細な比較検討が求められるが、渦の予測に対する乱 流モデルの適用性に関し定量的なデータが得られ、既往のCFDコードの適 用性に関する知見が蓄積できた。なお、解析はSTAR-CDコードを使用した。
片西 昌司; 國富 一彦; 辻 延昌*; 前川 勇*
日本原子力学会和文論文誌, 3(3), p.257 - 267, 2004/09
原研で設計研究を進めている高温ガス炉ガスタービン発電システム(GTHTR300)の事故時における冷却機能である炉容器冷却設備の設計を行った。これは、原子炉圧力容器の外に冷却パネルを設置し、原子炉圧力容器表面からの放散熱により加熱されたパネルを空気の自然循環により除熱することで炉心の残留熱を除去するものであり、完全に受動的な冷却設備であるとともに、高温ガス炉の特徴的な安全機能である。空気の自然循環により冷却パネルから効率的に除熱でき、かつ、圧力バウンダリ破損による炉室の圧力上昇に耐えて健全性を保つことのできる構造として、ダクトを組合せてパネル状にした構造を考案した。これにより、十分な除熱性能を有し、事故時の健全性も保たれる設備を設計した。また、運転制御方法,保守点検方法等を検討し、具体的な設計により、受動的な炉容器冷却設備の成立性を示した。
蔵田 親利*; 前川 勇*
JNC TJ4400 2004-001, 133 Pages, 2004/02
既存の原子力発電所、特に、高温システムの代表例であるナトリウム冷却FBRから排出される未利用の熱エネルギーを再利用することは、近年の環境負荷低減やプラント高効率化の観点から今後クローズアップされる重要な課題である。熱電変換システムは、温度差さえあれば発電することができ、これまで宇宙、軍事等の特殊用途において多く実用化され、その信頼性、保守性等に実績を持ち、最近の素子開発についても進展がみられている。本研究では、高速増殖原型炉「もんじゅ」における排熱有効利用システムとして、炉外燃料貯蔵槽(EVST)冷却系へ熱電素子を適用することにより、冷却機能を維持しながら併せて電力を得るシステムについて検討した。熱電素子としては、従来の半導体系熱電素子に比べて、環境調和性が高く安価で大量供給できる新型鉄系熱伝素子を使い、冷却系各機器に適用する場合の時間あたりの交換熱量と発電電力を算出し、機器サイジングやコストについても具体的に検討を行った。得られた成果は以下のように纏められる。(1)EVSTのNa冷却系の発電電力は、クーラ冷却ファンのモータ動力7.5kWより一桁少ない量である。しかし、鉄系鉄系鉄系熱電素子のゼーベック係数と熱伝導率の改善が行われれば、クーラ冷却ファンの運動動力をカバーできる可能性がある。(2)熱電素子を取り付けたNa冷却系からの放散熱量は、Na冷却機能を維持するに必要な量をカバーしている。(3)クーラ本体に熱電素子を取り付けるには、配管ピッチの変更が必要であり、熱交換器全体の作り変えを要する。また、連絡配管に熱電素子を取り付ける場合は、室内温度の上昇を押さえるための換気対策が必要である。(4)熱電モジュールの取り付け総コストは非常に高くなり、経済性は良くない。
二ノ方 壽*; 三澤 丈治*; Baglietto, E.*; 青木 尊之*; Sorokin, A. P.*; 前川 勇*; 大島 宏之; 山口 彰
JNC TY9400 2003-010, 170 Pages, 2003/03
湾曲、変形を想定した高燃焼度高速炉炉心燃料や稠密配列燃料格子燃料に対し、様々な運転条件下における燃料表面壁せん断応力や被覆管温度分布、冷却材および燃料の温度分布を詳細に評価して燃料の温度制限に対する適正な裕度を確認するとともに、Design by Analysis のツールとしての熱流動大規模数値シミュレーション手法を提案する。適用範囲に限界があるホットスポットファクターや実験に基づく経験論的なアプローチなどに代わり、数値シミュレーションによって、高燃焼度、長寿命、高信頼性、安全性、運転・保守の容易性、核廃棄物量の最少化などの諸要求条件を充たす高速炉炉心の熱流動設計の最適化を容易とする。直交座標系と曲線座標系の間の座標変換を利用して、燃料集合体のような複雑形状を有する流路内の熱流動現象を詳細に解析する擬似乱流直接シミュレーションコードを開発し、座標変換前後の計算の妥当性について各種簡易形状流路内乱流熱伝達を計算して検証するとともに、物理量分布や乱流統計量などについて実験結果と比較し精度の確認を行った。また、擬似直接乱流シミュレーションを三角配列無限大本数ピン集合体に適用した結果の妥当性を、公開文献にある実験結果および汎用CFDコードSTAR-CDによるレイノルズ平均N-S方程式系の計算結果と比較して示すとともに、運動量・エネルギーの輸送プロセスに与える乱流の非等方性による二次流れの影響の重要性が強調された。さらに、円管形状に拘らない任意の新型高性能被覆管形状を考慮に入れて、熱流動の観点から最適の形状および配列を検討した。
高田 孝; 山口 彰; 前川 勇*
Nuclear Engineering and Design, 220(1), p.37 - 50, 2002/00
被引用回数:25 パーセンタイル:82.86(Nuclear Science & Technology)高速増殖炉建屋内でのナトリウム火災の多次元評価を目的として開発したAQUA-SFコ-ドの数値解法に関する説明及び、スプレイ燃焼,プ-ル燃焼に関する検証解析を実施した。検証解析によりAQUA-SFコ-ドの妥当性を確認するとともに、各燃焼形態における多次元効果の影響について検討した。
島川 貴司*; 前川 勇*; 小川 博志*
JNC TJ9440 99-018, 77 Pages, 1999/03
高速炉実用炉には、安全性とともに経済性の向上が急務とされている。コストダウンに有効な高温構造設計上のアプローチとして、設計不確定因子の一つである熱過渡荷重評価法の合理化と、低温から高温まで一貫した高温低圧設計の確立が考えられる。こうした背景の下、日本機械学会に事業団幹事による「熱荷重による構造物損傷評価手法に関する研究会」が発足した。本研究では、熱流動部門と構造材料部門の共同テーマとして、サーマルストライピング、温度成層化および系統熱過渡を含む熱荷重から構造健全性に至る熱・流動・構造の統合解析評価技術の開発を進め、高速炉のプラントの最適化に反映させていくことを計画されている。本研究は、上記計画の一環として、「サーマルストライピングによるき裂進展に及ぼす影響因子」の調査を実施したものである。主な成果を以下に示す。(1)設計上の課題の整理現状設計を調査し、熱流動ならびに構造強度評価上の課題を整理した。熱流動上の課題としては、現状もっとも信頼性が高く、近い将来工業的に応用が可能と考えられているLES(Large Eddy Simulation)の開発と標準問題による検証を急ぐべきであることが挙げられる。構造強度評価上の課題としては、金属表面温度応答の予測精度の向上や、高サイクル疲労データの整備が挙げられる。(2)現状の高サイクル熱疲労評価法の課題整理サーマルストライピングによる高サイクル疲労ではき裂発生寿命が支配的となる。しかしながら現状データの蓄積は不十分な状態であり、混合10の9乗‐10の10乗回数の疲労データをひずみ制御下で取得していく必要がある。き裂進展評価では、下限界値近傍以下の挙動の取り扱いに関する知見が十分でなく、特にランダム荷重下での下限界値の存在の有無がき裂進展挙動に大きく影響する。(3)き裂進展に及ぼす因子の感度調査サーマルストライピングによるき裂進展評価に影響を及ぼす因子として、多軸応力、熱応力、ピークひずみ、ランダム荷重、微小き裂ならびに複数き裂の進展挙動について調査した。多軸応力、熱応力、ランダム荷重や微小き裂の影響は材料試験データ外挿に反映できる。また、き裂進展挙動に対する周波数の影響、平均応力の影響ならびに一次応力の影響についてモデル化し、感度解析を行った。温度応答スペクトルとき裂進展挙動の関連についての知見が得られ、今後の熱流動分野におけ
前川 恒男*; 福井 裕*; 夏目 智弘*; 上 弘一*; 鳥羽 勇二*
PNC TJ1216 97-009, 29 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物地層処分の研究開発においては、人工バリアに要求される性能を確保し得る技術的方法を明らかにするため、人工バリアの設計、製作及び施工に関する工学的検討が行われている。人工バリアの構成要素の1つであるオーバーパックについては、現在、炭素鋼オーバーパック(炭素鋼単体構造のもの)と複合オーバーパック(構造強度層としての炭素鋼外面に、チタン、銅などによる耐食層を設けた2層構造のもの)という2つの概念が示されており、それぞれに対してその機能性、製作性の面から検討が進められている。前者に関しては、既に実規模大のオーバーパック試作を通じて、製造技術面での開発要素の抽出が実施されている。本委託研究では、第2次取まとめに向けた課題として、チタン製複合オーバーパックについて、仕様及び製作方法の検討・選定からハンドリング構造も含めた詳細構造検討を実施し、技術的成立性の確認を得た。又、あわせて製造技術上の開発要素及び仕様の合理化に向けた設計改良点の抽出も行った。
前川 恒男*; 福井 裕*; 夏目 智弘*; 上 弘一*; 鳥羽 勇二*
PNC TJ1216 97-008, 87 Pages, 1997/02
高レベル放射性廃棄物地層処分の研究開発においては、人工バリアに要求される性能を確保し得る技術的方法を明らかにするため、人工バリアの設計、製作及び施工に関する工学的検討が行われている。人工バリアの構成要素の1つであるオーバーパックについては、現在、炭素鋼オーバーパック(炭素鋼単体構造のもの)と複合オーバーパック(構造強度層としての炭素鋼外面に、チタン、銅などによる耐食層を設けた2層構造のもの)という2つの概念が示されており、それぞれに対してその機能性、製作性の面から検討が進められている。前者に関しては、既に実規模大のオーバーパック試作を通じて、製造技術面での開発要素の抽出が実施されている。本委託研究では、第2次取まとめに向けた課題として、チタン製複合オーバーパックについて、仕様及び製作方法の検討・選定からハンドリング構造も含めた詳細構造検討を実施し、技術的成立性の確認を得た。又、あわせて製造技術上の開発要素及び仕様の合理化に向けた設計改良点の抽出も行った。
長渡 甲太郎*; 吉江 伸二*; 矢野 和隆*; 高田 孝*; 前川 勇*; 下田 貞之*
PNC TJ9055 96-003, 130 Pages, 1996/03
TOP、LOF等に伴う炉心崩壊事故について、液体金属冷却高速増殖炉の安全性評価を行うためには、燃料の破損限界、燃料溶融挙動、溶融燃料プール挙動、及び機械的放出エネルギー量の定量的把握が必要不可である。これらの現象を定量的に把握する手段は実機の使用状態に近い条件を模擬した炉内Naループによる実験であり、動力炉・核燃料開発事業団ではSERAPH計画の下に前記の条件を満たす試験体の概念検討に着手している。本報告書は、SERAPH試験体の中で最も過酷な熱的条件での実験を対象とした。
吉江 伸二*; 岩崎 守弘*; 前川 勇*
PNC TJ9055 95-006, 55 Pages, 1995/03
FBR蒸気発生器(SG)内で、万が一、ナトリウム-水反応事故により伝熱管が局所的に高温化すると、強度が急速に低下し破損するいわゆる「高温ラプチャ」が起こる可能性がある。そこでナトリウム-水反応時のリークジェットを火薬トーチにて模擬し、伝熱管内の蒸気流動条件をパラメトリックに変化させた試験を行うことで、高温ラプチャ挙動を把握し、以下の基礎的なデータを取得した。試験は、予備試験と本試験から成り、それぞれ以下の知見を得た。1.予備試験火薬トーチ燃焼確認のため、静特性試験を実施し、本試験における燃焼条件(ロケットチャンバー内圧約6kg/cm2・g、火炎持続時間約10sec)を設定した。2.本試験2.1 熱流束を算定するための中実棒を用いた試験伝熱管内面の温度履歴を計測しない他の試験の参考とすることを目的とし、管肉厚を貫流する熱量計算から、管外熱伝達率算定の基礎となるデータを得た。2.2 伝熱管内部流体としてN2ガスを封入した試験試験体外表面の温度は、最大650度で、火炎側とは180度反対の試験体外表面の温度は、500度であり周方向に150度の温度差を約20sec継続した。試験体は、破損しなかった。2.3 伝熱管内部流体として飽和蒸気を封入した試験試験体は、火炎温度立ち上がり後、約6.5secで台破損(ギロチン破断および大変形メクレ)した。火炎最大温度1200度、試験体外表面温度は、平均約1150度であった。2.4 伝熱管内部流体として飽和蒸気を流し、管内を冷却した試験直径約2mmの開口が生じた。2.3項に述べた試験の破損状況と比較して、伝熱管内の蒸気流による冷却効果が破損に与える影響は、顕著であることが確認できる貴重なデータを取得できた。以上の試験に基づき、実験により取得した試験体外表面を再現するような管外熱伝達率(oを汎用伝熱解析コードTRUMPを用いて解析し推定した結果、10005000kcal/m2hKであった。ナトリウム-水反応時のリークジェットの場合と比較してやや低めと予測されるものの同一オーダーであり、火薬トーチによる模擬性は、成立することが今回の実験で確認された。今後は、試験体内外面の1200度近傍の時間履歴を精度良く計測する必要のあることがわかった。
村松 寿晴; 前川 勇*
PNC TN9410 87-130, 156 Pages, 1987/08
単相多次元熱流動解析コード"AQUA"にFuzzy理論を用いた適応制御システムを導入した。この適応制御システムは、与えられた計算体系および境界条件の下で計算安定性、計算精度および計算時間の最適化を計るものである。操作対象は、時間刻み幅tとSOR法を使用する上での加速係数である。時間刻み幅tの最適化については、外部より設定固定して計算を美行した場合に比べ計算時および計算精度につきこれを上回る良好な結果が得られた。例えば、完全陰解法を用いた定常計算については、計算精度を保障しつつ計算時間が約2/3に短縮された。加速係数の最適化についても、外部より設定固定した場合あるいは固有値計算より求められた理論値に基づいて設定固定した場合と比較して、計算時間および収束性等につきこれらと同等あるいはこれらを上回る良好な結果が得られた。以上得られた如見から単相多次元熱流動解析コードの最適化に対しFuzzy理論を用いた適応制御系が有効であることが確認された。
村松 寿晴; 前川 勇*; 松本 雅彦*
PNC TN9520 87-013, 156 Pages, 1987/05
本報告書は、単相多次元熱流動解析コードAQUAのプログラム構成および変数の意味等を詳述したプログラム解説書である。AQUAは、米国ANLで開発された有限差分法による単相多次元熱流動解析コードCOMMIX-1Aをベースに整備改良を施した改良版であり、COMMIXのPNC版として位置付けられる。主な改良項目は、以下の通りである。① K-2方程式乱流モデルの追加。② 高次差分法導入による高精度化。③ 圧力方程式解法の高速化。本書は、以上の改良項目を含めた形でコード無い処理概要を記し、以後の整備改良を効率良く実施できる様にしたものである。
村松 寿晴; 前川 勇*; 松本 雅彦*
PNC TN9520 87-012, 107 Pages, 1987/05
高速炉プラントにおける炉容器、あるいは大型機器内の多次元熱流動解析手法の確率を目的として単相次元熱流動解析コードAQUAを開発した。本コードは、1983年、米国アルゴンヌ国立研究所より導入したCOMMIX-1Aを基本に、実験検証ならびに大幅な数値計算法の改良・整備、機能の拡張、新たな機能の追加の結果を反映して、総合化された汎用多次元コードである。本コードの、COMMIX-1Aの無い主な特徴は次の通りである。① 対流項の離散化手法として、空間に2次の正確度をもつQUICK法、QUICK-FRAM法を採用した。この結果、従来より解の劣化の大きな原因となっていた数値拡散を防止することを可能にした。② 最も計算時間のかかる圧力に関するボアソン方程式の解法として、ICCG法を使用し、従来に比べ約2倍の高速化を達成した。③ 乱流モデルとしてk-2方程式モデルを採用し、解析精度、適用範囲の向上を計った。
村松 寿晴; 前川 勇*; 松本 雅彦*
PNC TN9520 87-011, 193 Pages, 1987/05
本報告書は、単相多次元熱流動解析コードAQUAの実行用入力データの作成方法およびAQUAより出力される解析結果を図形化するための図形処理プログラムについて記したものである。AQUAは、米国ANLで開発された有限差分法による単相多次元熱流動解析コードCOMMIX-1Aをベースに整備改良を施したPNC版である。したがって、AQUAを実行するための入力データの作成概念はCOMMIX-1Aのそれと同等であるが、新規に追加された機能に伴ない入力データを増している。本書は、改良項目により追加された入力データも含めた形で入力データの作成方法を記したものである。
松村 寿晴*; 前川 勇*; 佐藤 和二郎*
PNC TN9410 87-056, 139 Pages, 1987/03
炉上部プラグ貫通部でのカバーガスの上昇に伴なうFPガスの輸送現象を解析的に評価するため、質量輸送方程式を組んだ汎用多次元熱流動解析コードCOMMIX-PNCの質量輸送版(Ver.MT)を開発した。このVer.MTの検証が、濃度拡散基礎実験およびモックアップ実験を用いて実施された。濃度拡散基礎実験は、500㎜500㎜50㎜の平行平板モデルの下面左端から水を流入し、右面上端から流出させるもので、混入物質は希薄なKC㍑が用いられた。実験モデル内各位置で計測された濃度結果との比較では、主流位置でのその挙動は良好な一致を示した。モックアップ実験を用いた検証は、実験シリーズのうち、プローダウン流量が0.05m3/min、0.02m3/minおよび0.10m3/minの3流量条件のケースを選定して実施した。0.05m3/min、0.10m3/nimのケースではアニュラス部へのXeの進入は計算されず、0.02m3/minのケースでは、アニュラス部上端までXeが上昇する結果が得られた。この解析結果は、実験結果と良く一致した。実機でのブローダウン効果については、解析の結果以下の点が明らかとなった。(1)定格ブローダウン条件では、FPガスのアニュラス部内への進入は全く認められなかった。(2)1/2定格ブローダウン条件では、FPガスが固定プラグ上部3905㎜まで上昇するが、その濃度はカバーガス中濃度の約10E-4%程度である。(3)定格ブローダウン中にブローダウンが停止した場合には、停止後1000秒でドアバルブ位置濃度はカバーガス中濃度の約13%まで上昇する。(4)モックアップ試験から得られたブローダウン効果評価式が実機体系においてもほぼ適用できることが確かめられた。
村松 寿晴; 前川 勇*; 二ノ方 寿
PNC TN9410 87-040, 58 Pages, 1987/03
単相3次元汎用熱流動解析コードCOMMIX-PNCにオプションとして組み込んだICCG法および直接解法につき、高速化の観点から以下の改良を施した。〔ICCG法〕 行列要素の配列内格納法の改訂〔直接解法〕 ウェーブ・フロント法の採用。これらの改良の結果、旧ICCG法および直接解法に比べ、それぞれ以下に示す高速化が実現された。スカラー演算 ベクトル演算〔ICCG法〕 1.89倍 1.27倍〔直接解法〕1.28倍 1.15倍。また、各解法を倍精度化することにより、定常解到達までのCPU時間を減少させることができる。その結果は、「もんじゅ」PLOHS解析につき単精度計算に比べ、ICCG法で1.4倍、SOR法で1.2倍、直接解法で1.1倍の加速である。以下に、各計算における各解法の適応性を示す。〔定常計算〕(1)セル数および条件数によらず定常解到達までのCPU時間はICCG法が最も短い。(2)相対変動Vmax/Vmaxが大きい間はICCG法が、また小さくなるとSOR法が質量バランスを短時間の計算で満足する。(3) 直接解法の優位性は、現在の所定常計算では見出されない。しかし、質量バランスを厳密に取る必要がある場合には有効である。〔過渡計算〕(1)過渡変化の激しい問題にはICCG法が最も有効であり、SOR法がこれに続く。
佐藤 和二郎; 村松 壽晴; 上出 英樹; 村上 隆典; 前川 勇
動燃技報, (60), p.53 - 57, 1986/12
「もんじゅ」の1次アルゴンガス系の設計においては、放射性カバーガスの上昇を抑制する遮蔽プラグ貫通部へのブローダウン流量を適切な裕度で抑制することが必要とされる。本研究ではブローダウン効果に対する軸方向温度分布の影響を検討し、環状流量における自然対流の発生条件に関する判定条件式を得て、実機アルゴンガス系の合理化を実現した。また、単相多次元熱流動解析コードCOMMIX-PNCに質量輸送モデルを組み込んだMT(Mass Transfer)Ver.を開発・検証した。本手法は複雑さなどから実験判定を適用出来ない体系や、ブローダウンの継続による希釈効果(非定常濃度変化)等に対しても適用できる評価の一般式及び定量化を実現したもので、実機設計の信頼性向上に資することが出来た。