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市川 健太*; 神田 大徳; 吉岡 直樹*; 荒 邦章; 斉藤 淳一; 永井 桂一
Proceedings of 26th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-26) (Internet), 6 Pages, 2018/07
ナトリウム自身の反応抑制の研究は、液体ナトリウム(ナトリウムナノ流体)中へのナノ粒子分散の概念に基づいてなされた。ナトリウムナノ流体の実験結果から、ナノ流体の水反応の反応速度と反応熱量はナトリウムのそれらより低いことが明らかになった。ナトリウムナノ流体-水反応ジェットのピークの温度の解析モデルは、われわれによって前述の抑制効果を考慮して開発された。本論文では反応ジェットのピークの温度予測に、この解析モデルを適用し蒸気発生器伝熱管断裂(SGTR)事故の隣接した伝熱管損傷の緩和効果の予測方法を準備した。ナトリウムナノ流体がナトリウム高速炉の2次系冷却材のために使われるとして、設計基準事故事象の緩和効果とSGTRの設計拡張状態をこの方法を用いて推定した。その結果、2次系冷却材でナトリウムナノ流体を用いて損傷を受けた伝熱管の数を減らし、SGTR事故によって発生する圧力を抑制する可能性が得られた。
荒 邦章; 杉山 憲一郎*; 北川 宏*; 永井 正彦*; 吉岡 直樹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(12), p.1171 - 1181, 2010/12
被引用回数:10 パーセンタイル:54.77(Nuclear Science & Technology)ナノ粒子とナトリウムの原子間相互作用を利用したナトリウムの化学的活性度抑制に関する研究を行っている。これまでの研究から、ナノ粒子とナトリウムの原子間相互作用が増大し、基礎物性が変化し、反応抑制の可能性が見いだされた。本報では、反応熱量と反応速度を測定し、反応低減を確認した。さらに、反応挙動の観察から、反応抑制メカニズムを明らかにした。反応抑制効果のプラントで起こる現象への効果を推定、実験により検証した。また、ナノ粒子分散ナトリウムの冷却材としての適用性を検討した。その結果、反応熱量と反応速度が低減しており、ナノ粒子分散による反応抑制が確認された。反応現象の観察及び分析より、ナノ粒子分散ナトリウムとナトリウムの反応挙動の違いは、気相反応にあることがわかり、反応抑制メカニズムの要因は、蒸発速度の低下であることがわかった。ナトリウム-水反応と燃焼反応への反応低減の影響を推定した。燃焼温度の低下、燃焼の停止が観察され、プラントへの効果が試験により確認された。冷却材としての適用性は大きな課題はないことが明らかになった。
荒 邦章; 杉山 憲一郎*; 北川 宏*; 永井 正彦*; 吉岡 直樹*
Journal of Nuclear Science and Technology, 47(12), p.1165 - 1170, 2010/12
被引用回数:11 パーセンタイル:57.39(Nuclear Science & Technology)ナノ粒子とナトリウムの原子間相互作用を利用したナトリウムの化学的活性度抑制に関する研究を行っている。ナノ粒子を分散させたナトリウムのナノ粒子とナトリウムの原子間相互作用の理論計算を行い、原子間相互作用を推定し、基礎物性の試験により検証した。その結果、理論計算からナノ粒子が、ナトリウムと電気陰性度の差が大きい遷移金属の場合、ナトリウム原子とナノ粒子原子の原子間結合が、ナトリウム原子動詞どうしのそれよりも大きく、ナトリウム原子からナノ粒子原子へ電荷移行が生じることが推定された。これらの原子間相互作用の変化を検証するために、ナノ粒子分散ナトリウムの基礎物性の測定をナトリウムと比較して実施した。試験の結果から、表面張力は増大し、蒸発挙動は低下することがわかり、理論推定が検証された。これらの基礎物性の変化は、温度変化や相変化でも確認され、原子間相互作用が高温で維持されていることを示している。
利根川 亨*; 生駒 俊之*; 末次 寧*; 井川 直樹; 松下 能孝*; 吉岡 朋彦*; 花方 信孝*; 田中 順三*
Materials Science & Engineering B, 173(1-3), p.171 - 175, 2010/10
被引用回数:16 パーセンタイル:55.58(Materials Science, Multidisciplinary)炭酸アパタイトCa(PO
)
(OH)は骨や歯の主要な成分であり、OHやPO
イオンサイトの一部をCO
が置換していることが知られている。本報では、空間群が
の斜方晶相を有するA型炭酸アパタイトの室温
500
Cにおける結晶構造を中性子回折法によって解析し、その熱膨張係数を決定した。結晶解析に必要な炭酸アパタイトに含まれるCO
含有量は熱分析法によってその重量減少率から評価し、本物質の化学式はCa
(PO
)
(O
, (CO
)
)と求められた。解析の結果、本物質の格子定数は温度の上昇に比例して一様に増加し、
軸及び
軸の熱膨張係数は各々1.31
10
/
C, 8.07
10
/
Cと求められた。
利根川 亨*; 生駒 俊之*; 末次 寧*; 井川 直樹; 松下 能孝*; 吉岡 朋彦*; 花方 信孝*; 田中 順三*
Proceedings of 22nd International Symposium on Ceramics in Medicine (BIOCERAMICS-22), p.93 - 96, 2009/12
炭酸アパタイトは骨や歯の主要な成分であり、OHやリン酸イオンサイトの一部を炭酸イオンで置換することが知られている。本研究では、高純度のA型炭酸アパタイトCa(PO
)
(CO
)
について、水酸化アパタイトCa
(PO
)
(OH)
)を乾燥CO
ガスフロー下、1000
Cで熱処理することで合成に成功し、その結晶構造を中性子回折法を用いたリートベルト回折によって解析した。その結果、本物質は空間群が
の単斜晶であり、その格子定数は、
=0.9566(1),
=1.9063(2),
=0.6867(1)nm,
=119.84(1)
であることがわかった。
斉藤 淳一; 荒 邦章; 杉山 憲一郎*; 北川 宏*; 中野 晴之*; 緒方 寛*; 吉岡 直樹*
Proceedings of 16th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-16) (CD-ROM), 4 Pages, 2008/05
液体ナトリウムは熱伝導率などの特性に優れていることから高速炉の冷却材として使用されている。しかしながら、ナトリウムの水や酸素との反応性は非常に高い。そこで、ナトリウム自身の化学的活性度を抑制する革新的な研究が望まれている。本研究の目的は液体ナトリウム中にナノメートルサイズの金属微粒子を分散させることにより、ナトリウムの化学的活性度を抑制することである。本研究のサブテーマとして、ナノ粒子の製造技術の開発,ナノ流体の反応抑制効果の評価及びナノ流体のFBRプラントへの適用性評価を挙げている。本論文ではそれぞれのサブテーマの進捗状況について述べる。
斉藤 淳一; 荒 邦章; 杉山 憲一郎*; 北川 宏*; 岡 伸樹*; 吉岡 直樹*
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 5 Pages, 2007/04
液体ナトリウムは熱伝導率や液体温度範囲が広いことから高速炉の冷却材として使われている。しかしながら、ナトリウムの水や酸素との反応性は非常に高い。そこで、ナトリウムの化学的活性度を抑制する革新的な技術の開発が望まれている。本研究の目的は液体ナトリウム中にナノメートルサイズの金属微粒子を分散させることにより、ナトリウムの化学的活性度を抑制することである。本研究のサブテーマはナノ粒子の製造,反応抑制効果の評価と高速炉への適用性評価である。本発表では研究計画について述べる。
西原 哲夫; 武藤 康; 内田 正治*; 吉岡 直樹*
JAERI-Tech 2001-077, 44 Pages, 2001/12
本報告書は原研が文部科学省の委託を受け、平成8年度から平成12年度にかけて実施した「高温発電システムのフィージビリティスタディ」の中から、需要地近接立地を念頭においた安全目標の設定、並びに、経済性向上のための安全設備の合理化に関する検討結果を纏めたものである。高温ガス炉システムの安全目標として、許容被ばく線量は軽水炉に適用される値を用いることとしたが、設計基準事象及び設計基準外事象として考慮する事象の発生頻度を軽水炉より低く設定し、安全余裕を大きくとることとした。安全評価事象に関しては、高温ガス炉ガスタービン発電システムを対象として代表的な起因事象及び原子炉を安全に停止させるための保護動作を適切に設定してイベントシーケンスを展開し、起因事象及び保護動作に確率論的考えを導入して設計基準事象及び設計基準外事象を摘出した。そして、高温ガス炉の特徴である大きな安全余裕を考慮することにより、軽水炉で要求されているいくつかの安全設備を合理化しても、安全目標を満足できることを明らかにした。最後に、安全機能の重要度,各設備の機器種別の設定を行った。
吉岡 直樹*; 岸田 雅子*; 山田 由美*
JNC TJ9440 2000-013, 80 Pages, 2000/03
本解析作業においては、新SWAT-1(SWAT-1R)での注水試験に対し、試験では計測が困難なナトリウム系内ボイド分布及び流速分布等を把握するため、SWAT-1R試験体系におけるCHAMPAGNEによる反応温度解析を実施すると共に、水ブロー解析における2相流モデル等の高度化を図るため、実機SG向けRELAP5/Mod2高度化検討を行った。これら作業の主要な結果は以下の通りである。(1)新SWAT-1試験体系におけるCHAMPAGNEによる反応温度解析i)水リーク率を600g/sとした場合の注水試験に対し、圧力損失係数、相間摩擦係数及び反応速度定数をパラメータとした解析を実施することにより、各解析パラメータが反応領域の拡がりに与える影響及びそのメカニズムを把握できた。ii)最適パラメータによる実験解析によりナトリウム系内ボイド分布及び流速分布等を予測した。これらは今後の実験計画の立案、結果の評価に役立つものと期待される。(2)実機SG向けRELAP5/Mod2高度化検討i)軽水炉のLOCA解析等で使用されているRELAP5/Mod2コードは、2流体2相流モデルを採用する等、熱流動モデルが精緻化されている。このコードを実機SGの水ブロー解析に適用するために必要なモデル改良項目を明らかにした。ii)これらの内、胴(ナトリウム)側モデルの設計とRELAP5/Mod2コードヘの組み込み作業を実施すると共に、改良コードによる試解析を行うことにより、追加モデルの基本機能を確認した。
吉岡 直樹*; 岸田 雅子*; 長田 博夫*
JNC TJ9440 99-006, 340 Pages, 1999/03
高速炉蒸気発生器(SG)の設計基準リーク(DBL)の妥当性を確認するためには、実機SG条件でのナトリウム-水反応現象をより現実的に評価する必要がある。本作業においては、実機SGで想定されるナトリウム-水反応域の温度条件の検討を行うことを目的に、SWAT-3試験のナトリウム-水反応温度データの分析、及び、ナトリウムと水の化学反応を考慮した多成分-混相流モデルに基づく計算コード(CHAMPAGNE)の検証を実施した。主な結果は以下の通りである。(1)温度データの分析反応域の等温分布図を作成した。また、この結果に基づき反応域温度分布データの分析を行った。その結果、注水率/方向、水蒸気状態等各種パラメータが温度分布に及ぼす影響を概略把握できた。なお、作成した反応域温度分布データは貴重であり、今後も試験計画立案、モデルのチェック等に広く活用されることが期待される。(2)解析コードの検証水平方向リークを模擬したRUN1-13を試験解析することにより下記が判った。・水平方向リークに対しても、上方リークと同程度の精度で、温度の絶対値を評価できる。・リーク規模に応じて解析体系の奥行きを調整することにより高温領域の広さを模擬することが出来る。・高温領域の水平方向への拡がりの解析結果は、試験結果に比べて半分程度であった。注水状態の条件化が妥当でない可能性もあるが、基本的には2次元モデルであることに起因する。今後次元の影響がより小さくできる円筒座標等の適用を考える必要がある。また、水蒸気ジェットへのナトリウムの混入モデルについて検討が必要である。(3)反応域温度条件の検討主に試験データの分析結果を基に実機での反応域温度条件について検討した。この結果は以下のとおりである。・反応温度は、定格出力運転時、蒸気出口(管束上部)で最も高くなることが考えられる。蒸発器ではRUN19の蒸気及びナトリウム温度条件に近いことから約1170程度と予想される。・10%給水運転時の管内水はサブクール状態であり、RUN17の条件と近いことから約1100
以下となることが予想される。・ただし、カバーガス圧の影響及び試験では模擬できなかったナトリウム流動の影響については現状断定はできないため、今後も試験による確認或いは理論・解析面からの検討が必要である。
岸田 雅子*; 内田 正治*; 吉岡 直樹*
PNC TJ3678 98-001, 206 Pages, 1998/03
平成4年度からこれまで、システムの簡素化と受動的安全性を重視した先進的なATRプラント概念の構築を目指し、従来のATRをベースに「ATRの特徴を活かす炉心冷却アイデア」を取り入れた要素技術の検討が実施されてきた。本研究ではこれまでの要素技術検討をまとめ、プラント構想、事故シナリオ、主要システム概念、格納容器(配置を含む)について検討し、安全性を向上した、合理的な中小型ATRパッシブ安全炉PS-ATR(以下PS-ATRと称する)のプラント概念を構築した。1要素技術の検討1)1000MWt自然循環型ATR原子炉・冷却系のシステム概念を構築した。2)受動的余熱除去機能を有する重水冷却系のシステム概念を構築した。2プラントシステム概念の構築1)原子炉本体は、上部よりの燃料交換方式として、格納容器の下部に設置したパッシブな安全系により原子炉本体が水づけにできるように、事故後の炉心冷却を確保できるようにした。2)原子炉冷却系は、自然循環型再循環方式とした。ただし、PS-ATRでは2ループとする利点が少ないため、システムが簡素化できる1ループ構成として、環状の蒸気ドラム、下部ヘッダを採用してスペースの有効利用をはかる方式とした。3)安全系の構成は、崩壊熱の除去、炉心への注水がパッシブなシステムで可能なようにして、電源喪失、小漏洩、大漏洩等の事故時のシナリオを検討して容量の設定、システムの成立性を確認した。以下にその構成を示す。ギャップ注水系+静的重水冷却系(崩壊熱除去機能)自動減圧系(減圧機能)蓄圧タンク注水系(注水機能)重力注水系(注水機能)原子炉格納容器冷却系(C/V圧力減圧、崩壊熱除去機能)4)以上の概念の格納容器内配置を検討して配置概念図を作成した。
森井 正*; 小川 由美*; 岡本 倫明*; 吉岡 直樹*
PNC TJ9216 98-003, 96 Pages, 1998/02
高速炉蒸気発生器(SG)の設計基準水リーク(DBL)の妥当性を確認するためには、実機SGでのナトリウム-水反応現象をより現実的に評価する必要がある。本研究においては、ナトリウムと水の化学反応を考慮した多成分-混相流モデルに基づく計算コード(CHAMPAGNE)を用いて、実機SGにおけるナトリウム-水反応域の加熱条件に及ぼす影響を解析により確認することを目的として下記作業を実施した。(1)SWAT-3 Run-19体系でのパラメータ解析による計算コードの適用性確認(2)実機SG体系での解析これら作業により以下の結果が得られた。a.ヘリカル型管群に対する適切なメッシュ分割モデル及びRun-19に対する適切な境界条件を設定できた。b.主要なモデル要素となる管群での圧力損失特性、気液各相への反応熱分配方法、及び、反応速度定数について、それらが反応温度分布解析結果に及ぼす影響を把握できた。c.現状での最適パラメータによるRun-19模擬解析では、高温領域の温度レベルは妥当と考えられるものの、温度分布に関しては低温(未反応水蒸気)領域が広めの結果が得られた。この改善のためには今後、伝熱管モデルのさらなる改良、2次元モデルから3次元モデルへの拡張が必要と考えられる。d.カバーガス圧をパラメータとした解析では、カバーガス圧が1.453.8kg/cm2乗Gに上昇すると反応温度は50
程度上昇する結果となった。e.実機SG(蒸発器)管束上部、ナトリウム流動下での水リークを想定した解析により、ナトリウム流動の影響により反応域が上下に振動し、一定位置で高温領域が定在することはないとの結果が得られた。これは高温ラプチャ評価上有利な結果であり、他の条件でも発生するものか確認する必要がある。
吉岡 直樹*; 長田 博夫*; 岸田 雅子*
PNC TJ9678 98-002, 160 Pages, 1997/12
蒸気発生器(SG)の安全性評価上重要な課題と考えられている伝熱管の過熱型破損事象に関する研究が進められている。この事象では伝熱管内の除熱効果が評価結果に大きな影響を及ぼすことから、通常運転時及び水ブロー中を含めて水蒸気系の挙動を詳細評価して、除熱条件を定めることが重要である。本作業では"その1"作業に引き続き過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることを目的に、主に水蒸気系の設備仕様や運転条件をパラメータにしたBLOOPHコードによる水ブロー解析、及び、反応熱を考慮した水側状態量の補正を行った。また、BLOOPHコードによる解析の妥当性を確認するため、汎用熱流動解析コードRELAP5/Mod.2による水ブロー解析を行った。これら作業により以下の結果が得られた。(1)放出弁容量等を変更した場合のブロー特性の変化を把握できた。(2)過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることが出来た。(3)Na-水反応による加熱伝熱管を考慮したRELAP5による解析結果との比較から、この加熱を考慮しない伝熱管モデルのBLOOPHによる解析は、ブロー時のSG全体の熱流動挙動把握のためには妥当であるが、加熱部でのブロー開始後初期の流量を若干大きめに評価することが判った。(4)放出弁条件を変えても、RELAP5とBLOOPHの解析結果は圧力及び流動挙動に関して、概ね一致することが確認できた。特に、伝熱管内水/蒸気極低流量域が同様に発生することがわかった。(5)今後、実機で予定されているブロー試験の結果により、これら解析結果の妥当性を最終的に確認すると共に、必要なモデル改良による解析精度の向上が必要である。
吉岡 直樹*; 長田 博夫*; 岸田 雅子*
PNC TJ9678 98-001, 294 Pages, 1997/09
蒸気発生器(SG)の安全性評価上重要な課題と考えられている伝熱管の過熱型破損事象に関する研究が進められている。この事象では伝熱管内の除熱効果が評価結果に大きな影響を及ぼすことから、通常運転時及び水ブロー中を含めて水蒸気系の挙動を詳細評価して、除熱条件を定めることが重要である。本作業では過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることを目的に、主に水蒸気系の設備仕様や運転条件をパラメータにしたBLOOPHコードによる水ブロー解析、及び、反応熱を考慮した水側状態量の補正を行った。また、BLOOPHコードによる解析の妥当性を確認するため、汎用熱流動解析コードRELAP5/Mod.2)による水ブロー解析を行った。これら作業により以下の結果が得られた。(1)放出弁容量等を変更した場合のブロー特性の変化を把握できた。また、ブロー途中に伝熱管内で発生する可能性のある極低流量の継続時間を短縮する方法を見い出した。(2)放出系容量の最適設計手法を案出した。(3)過熱型破損事象の評価に必要な除熱条件を定めることが出来た。(4)同じ解析課題に対するBLOOPHとRELAP5/Mod.2の解析結果は、圧力及び流動挙動に関し、概ね一致した。このことによりBLOOPHコードによる解析の妥当性が確認された。(5)BLOOPHコードの解析精度の確認、向上のために必要な開発課題が明かとなった。
吉岡 直樹*; 岸田 雅子*; 吉原 宏*; 長田 博夫*
PNC TJ9678 96-005, 86 Pages, 1996/03
FBR実用炉の合理化の有望な方策の1つとして、2次ナトリウム系削除型のプラント概念が考えられている。この型のプラントでは、蒸気発生器が直接1次系に設置されることから、原子炉の安全評価上、蒸気発生器伝熱管破損により発生する反応生成物の炉心部への影響評価が特に重要な課題となっている。本作業では、このような場合における反応生成物の移行挙動を評価できるよう、これまで事業団殿で開発してきた大リーク・ナトリウム-水反応熱流動解析コードSWAC-13Eの改造を行った。本改造は、ナトリウム-水反応生成物の溶解・析出・沈積等の現象を含む移行に関する評価モデルの追加であり、これらの新規の反応生成物移行解析部分(REACT)と従来の熱・流動解析部分(SWAC-13E)はできる限り独立するよう配慮した設計とした。典型的な2次ナトリウム系削除型のプラント概念におけるナトリウム┼水反応時の反応生成物移行挙動評価解析に本コードを適用した結果,解析結果は定性的に矛盾のないものであり,改造したSWAC-13Eは妥当なレベルで挙動を解析できることが判った。
岸田 雅子*; 吉岡 直樹*; 内田 正治*
PNC TJ9214 94-002, 70 Pages, 1994/03
昨年度、完全自然循環による重水冷却系1次系、及び2次系について検討し、「重水冷却系1次/2次側系統概念」を作成した。今年度は、重水冷却系は通常運転時はポンプによる強制循環、トータルブラックアウト(B/O) 時等の事故時は自然循環するとした冷却方式について、自然循環による除熱の成立性を検討した。なお、本研究にはATRECS-II/mod3-FIX5(以下ATRECSとする)を使用した。下記に、本研究の実施内容の要旨を記す。(1) 解析モデルの設定 自然循環時の冷却モデルとして空気冷却方式及び壁面冷却方式の2種類の系統概念を検討し、空気冷却方式とした場合の解析モデルの作成とATRECSコードの適用方法を検討した。(2) ATRECSコードの改修と入力データの作成(1) に基づいてATRECSコードの改修と入力データを作成した。(3) 定常/過渡解析 定格運転時の定常状態を取り、ステーショントーサルブラックアウトを想定した重水系の除熱特性を解析し、自然循環による除熱の成立性を検討した。(4) 総合解析用データの作成 再循環系及び重水冷却系の総合解析用の入力データを作成した。本報告書は、上記研究の成果報告をまとめたものである。
岸田 雅子*; 吉岡 直樹*; 内田 正治*
PNC TJ9214 93-001, 51 Pages, 1993/03
ATRの重水冷却系は、1次系より発生した熱を2次側と交換し、重水温度を下げてカランドリアタンク内へ循環される。先行炉の設計では、この重水の循環は、ポンプによる強制循環であったが、本研究では自然循環による冷却の可能性を検討した。下記に、本研究の実施内容の要旨を示す。 1)重水冷却系圧力低減方策の検討 ATRECSコードによる解析に先立ち、発生する自然循環流量を概略把握し、重水冷却系圧力損失低減方策を検討した。 2)解析モデルの設定とATRECSコード用入力データの作成 圧力損失低減方策に基づき、重水冷却系の設備・構造概念を定めると共に解析モデルを設定し、解析用入力データを作成した。 3)ATR重水系自然循環解析 カランドリアタンクからの重水出口温度および重水冷却器高さをパラメータとした定常解析を行い、重水流動に対する影響をサーベイした。 4)重水冷却器2次側の検討 事故時の重水冷却器2次側のヒートシンクについて、自然放熱等を利用した方策を検討した。本報告書は、上記研究の成果報告をまとめたものである。
浜田 広次; 井上 達也*; 河島 弘明*; 森 建二*; 黒川 眞佐夫*; 吉岡 直樹*; 進藤 嘉久*
PNC TN9600 89-005, 359 Pages, 1989/06
本会議は、平成元年3月15日17日の日程で、Dounreay/UKAEA主催の下に開催された"AGT8/JapaneneSpecialists' MeetingonUnderSodiumWaterReactions"の概要を記述したものである。 会議は、英国PFR過熱器での大リーク事故調査、Na-水反応研究に関する日欧間の情報交換、及びNa-水反応研究に関する将来の国際協力の可能性等の討議を主な目的とした。動燃(日本)・UKAEA(英国)・CEA(仏国)の3ヵ国から合計約30名が参加し、日本側から3件、英国側から6件の発表が為された。 大リーク事故調査に関しては、事故の主な発生原因はPFR過熱器固有の問題(構造設計、リーク検出系、運転方法、水/蒸気緊急ブロー系、伝熱管破損メカニズム(IGA,Overheating)等の違い)に起因したものであることを確認できた。もんじゅに対しては、設計上の対応が計られていると共に、支配的な伝熱管破損伝播メカニズムについてもSWAT試験により実験的に確認されている点を考慮すれば、同様な事故がもんじゅに発生する可能性は極めて少ないと推定される。情報交換に関しては、日本側より高Cr系伝熱管材の微小・小リークウェステージデータを提示し、英国側より9Cr-1Mo鋼及び2・1/4鋼の小リークデータを入手した。今後の国際協力については、欧州側がEFR(欧州実証炉)を対象にした試験・研究を英国・西独を中心として計画及び一部着手し、また日本でも実証炉用に高Cr系伝熱管を対象とした研究・開発に着手していることを考慮し、共同研究は十分価値のあるものとの共通認識を得た。そのため、英国側から当面の課題としてPFR炉及び実証炉を対象とした双方の破損伝播解析コードによるベンチマーク問題の提案が挙がり、日本側からは(1)9Cr-1Mo鋼のウェステージ・Overheating試験データ、(2)破損伝播解析コード、(3)音響リーク検出系開発、に係わる情報交換の可能性について提案した。 併せて実施した施設訪問では、ナトリウム-水反応関連施設の現状と今後の計画について、討議を含む調査・視察を行った。 これらの概要について併せて報告する。
田辺 裕美*; 加藤木 洋一*; 黒羽 光男; 岡部 綾夫*; 吉岡 直樹*; 大音 明洋*; 藤又 和博*
PNC TN941 85-53, 144 Pages, 1985/03
高速増殖炉の蒸気発生器での大リーク・ナトリウム-水反応事故解析のための準定常温度計算コードSWAC―13Eが開発された。本コードは,大リーク・ナトリウム解析総合コードSWACSの準定常圧力計算モジュールSWAC―13にエネルギ保存式を組み込み大リーク時の温度評価も行なえるように改良したものである。本報告書は,蒸気発生器安全性総合試験装置(SWAT―3)での大リーク試験データを用いて行なったSWAC―13Eの検証計算結果についてまとめたものである。本検証作業で用いた主な解析パラメータは,1)相対速度計算モデル,2)気泡/液滴密度,3)注水ノード分割数,及び4)反応熱である。これらの解析パラメータの適切な選択によって,SWAT―3試験結果を保守的に評価できる事が明らかとなった。
広井 博*; 佐藤 稔*; 田辺 裕美*; 綿見 正和*; 吉岡 直樹*; 堀 雅夫*
PNC TN941 79-04, 274 Pages, 1979/10
高速増殖原型炉「もんじゅ」蒸気発生器の大リーク・ナトリウム-水反応事故に対する安全設計データを得るため,動燃大洗工学センターにおいて,SWAT―1試験装置,SWAT―3試験装置を用いて試験が行なわれている。本報告書はSWAT―3で実施された第5回大リーク・ナトリウム-水反応試験(Run―5)にて得られたデータをとりまとめたものである。Run―5で使用された内部構造物は,三菱重工(株)で設計製作されたものである。Run―5の注水率は,15kg/secであり,これはiso-velocitymodelによれは,伝熱管5本破断に相当する試験規摸であった。試験においては,圧力,歪,温度,液面,ボイド,配管反力,加速度,変位,流量等が計測された。初期スパイク圧力は注水点近傍で24.6kg/cm2aであり,蒸発器内での準定常圧力の最大値は7.6kg/cm
2aであった。蒸発器放出系ラプチャ板は注水開始後0.23secに破裂し,放出系の作動は良好であった。伝熱管二次破断はなかった。