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論文

Ion-track membranes of fluoropolymers; Toward controlling the pore size and shape

八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 箱田 照幸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Severin, D.*; Seidl, T.*; et al.

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 314, p.77 - 81, 2013/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:26.94(Instruments & Instrumentation)

本研究では、より速く効率的にポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜を作製することを目指し、ドイツ重イオン研究所(GSI)における"その場"かつ"オンライン"分析によって、潜在飛跡内に存在する化学種の構造や反応性を調べた。その結果、照射と同時に生成したラジカルを介して、PVDF鎖中及び切断末端の不飽和結合が主に生成することがわかった。このような飛跡内の生成物にのみ作用しエッチングを加速するための改質過程、いわゆる前処理の方法を検討した。

論文

Investigation of nanopore evolution in track-etched poly(vinylidene fluoride) membranes

八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

Transactions of the Materials Research Society of Japan, 37(2), p.223 - 226, 2012/06

化学的,熱的に安定なフッ素系高分子、特にポリフッ化ビニリデンからなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、コンダクトメトリーによって穿孔形成過程を解析し、照射イオン種や測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を調べたので報告する。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、高いLETを有する重イオンビームを照射するとともに、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。

論文

Conductometric analysis for the formation of poly(vinylidene fluoride)-based ion track membranes

八巻 徹也; Nuryanthi, N.*; 越川 博; 浅野 雅春; 澤田 真一; 長谷川 伸; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

ECS Transactions, 35(24), p.1 - 12, 2011/05

 被引用回数:7 パーセンタイル:94.2

従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、コンダクトメトリーによって穿孔形成過程を解析し、照射イオン種や測定セルへの印加電圧が及ぼす影響を調べたので報告する。孔貫通に至るまでの化学エッチングは、高いLETを有する重イオンビームを照射するとともに、セル電圧を高く維持することによって大きく加速されるという興味深い現象を見いだした。後者については、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。

論文

Poly(vinylidene fluoride)-based ion track membranes with different pore diameters and shapes; SEM observations and conductometric analysis

Nuryanthi, N.*; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; 榎本 一之; 澤田 真一; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

電気化学および工業物理化学, 78(2), p.146 - 149, 2010/02

 被引用回数:6 パーセンタイル:13.78(Electrochemistry)

従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、穿孔形成の重要なパラメータであるエネルギー付与の大きさを計算によりあらかじめ予測し、その変化を利用してポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜における孔のサイズ,形状(円柱,円錐状)の制御を試みたので報告する。走査型電子顕微鏡(SEM)観察と電気伝導度解析によるエッチング挙動の基礎的検討の中で、電気伝導度セルに高電圧を印加すると穿孔内のエッチングが加速されるという興味深い現象を見いだした。これは、穿孔内におけるエッチング溶出物の電気泳動効果に起因していると考えられる。

論文

Enhancement of etch rate for preparation of nano-sized ion-track membranes of poly(vinylidene fluoride); Effect of pretreatment and high-LET beam irradiation

Rohani, R.*; 八巻 徹也; 越川 博; 高橋 周一*; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(3), p.554 - 559, 2009/08

 被引用回数:14 パーセンタイル:67.16(Instruments & Instrumentation)

9M KOH水溶液を用いたポリフッ化ビニリデンイオン穿孔のナノサイズ形成において、大気中加熱という前処理と照射イオンの変化が及ぼす影響をコンダクトメトリーで検討した。照射後の120$$^{circ}$$C加熱は、バルクエッチング速度を変化させずにトラックエッチング速度のみ増加させるため、結果として極めて高感度のエッチングを可能にした。主な原因として、潜在飛跡内におけるヒドロペルオキシドの密度が酸化により高くなり、エッチング溶液の導入が容易になったことが考えられる。また、照射イオンのLETも高感度化,孔径制御に不可欠なパラメータであることがわかった。

論文

Study of structural change in CeO$$_{2}$$ irradiated with high-energy ions by means of X-ray diffraction measurement

石川 法人; 知見 康弘; 道上 修*; 太田 靖之*; 大原 宏太; Lang, M.*; Neumann, R.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 266(12-13), p.3033 - 3036, 2008/06

 被引用回数:42 パーセンタイル:92.18(Instruments & Instrumentation)

150MeV$$sim$$2.7GeVまでの高エネルギーイオンをセリウム酸化物に照射し、結晶構造変化に対応したX線回折ピークの変化を観測した。結晶構造の異なるナノメートルサイズのイオントラック形成を反映した新しいX線回折ピークが照射によって出現することがわかった。X線回折ピークの詳細な解析の結果、イオントラック内の結晶構造は乱れているが結晶構造を保っていること,酸素が非常に欠損している状態であることがわかった。

論文

イオンビーム照射ポリフッ化ビニリデン薄膜のエッチング挙動; エッチング前処理・照射イオン効果の検討

八巻 徹也; Rohani, R.*; 越川 博; 高橋 周一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; Voss, K.-O.*; Neumann, R.*; 前川 康成

高分子論文集, 65(3), p.273 - 276, 2008/03

 被引用回数:3 パーセンタイル:10.9(Polymer Science)

ナノ構造制御電解質膜に関する研究の一環として、ポリフッ化ビニリデンのイオン穿孔形成に対し、照射イオン種とエッチング前処理の効果を調べた。イオン照射PVDF膜を-84, 25, 120$$^{circ}$$Cの異なる温度で空気中に保持した後、80$$^{circ}$$C, 9MのKOH水溶液で化学エッチングした。コンダクトメトリー法を用いた検討の結果、高温で30日,90日間加熱することにより、未照射部(バルク)のエッチングに影響を与えずにトラックエッチング速度を高められることが示された。同様の効果は高LETのGeV級イオンビームを照射したときにも確認され、両手法によりエッチング感度の向上が可能であった。

論文

Preparation of ion-track membranes of poly($$p$$-phenylene terephthalamide); Control of pore shape by irradiation with different ion beams

鈴木 康之; 八巻 徹也; 越川 博; 浅野 雅春; Voss, K.-O.*; Neumann, R.*; 吉田 勝

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 260(2), p.693 - 695, 2007/07

 被引用回数:12 パーセンタイル:66.38(Instruments & Instrumentation)

炭化水素系ナノ構造制御電解質膜の開発に向けて、熱安定性の高いポリパラフェニレンテレフタルアミドからなるイオン穿孔膜を次亜塩素酸ナトリウム溶液による化学エッチングで作製した。TIARAサイクロトロンからの6.2MeV/n $$^{84}$$Kr, 3.6MeV/n $$^{102}$$Ru, 3.5MeV/n $$^{129}$$Xeを照射した膜では、漏斗状のイオン穿孔が得られた。これに対し、ドイツ重イオン研究所UNILACからの11.1MeV/n $$^{197}$$Au, $$^{238}$$Uを照射した場合には、エッチング感度が4倍以上向上し孔形状は円柱になった。ゆえに、照射イオン種(エネルギー,質量)によって、感度とともに形状制御が可能であることが明らかになった。

論文

Preparation of ion-track membranes of poly($$p$$-phenylene terephthalamide)

八巻 徹也; 浅野 雅春; 前川 康成; 鈴木 康之; 吉田 勝; Neumann, R.*; Voss, K.-O.*

GSI Report 2007-1, P. 332, 2007/06

ポリパラフェニレンテレフタルアミドからなるイオン穿孔膜を次亜塩素酸ナトリウム溶液による化学エッチングで作製した。TIARAとドイツ重イオン研究所UNILACからの数百MeV$$sim$$GeV級重イオンビームを併用することで、エッチング感度が大きく変化した結果、漏斗状及び円柱状のイオン穿孔を作製することができた。このような感度変化は、照射イオン種のLETだけでなく速度にも依存することが示唆された。

論文

Influence of ion-charge state on damage morphology of ion tracks in dark mica

Lang, M.*; Hasenkamp, W.*; 石川 法人; Medvedev, N.*; Neumann, R.*; Papal$'e$o, R.*; Trautmann, C.*; Voss, K.-O.*; 八巻 徹也

GSI Report 2007-1, P. 313, 2007/06

金雲母のイオントラックにおける損傷領域に対し、照射イオンの電荷が及ぼす影響を調べた。照射は、ドイツ重イオン研究所UNILACに加え、原子力機構のタンデム加速器(東海),サイクロトロン(高崎)で行った。UNILACにおけるビームは、ターゲット手前で約3$$mu$$m厚のアルミ箔を通るため、イオン速度で一義的に決まる平衡電荷状態にあるのに対し、イオン源から直接導かれる原子力機構のビームはそれよりも低い非平衡電荷状態にある。このことを利用して、電荷数がそれぞれ+23, +15と異なり同エネルギー(それぞれ373, 388MeV)の$$^{58}$$Niビームを金雲母に照射した後、フッ化水素処理した表面を走査フォース顕微鏡で観察した。その結果、後者でエッチピットが小さく不均一であり、イオン電荷と密接に関連するエネルギー損失の違いを反映していると考えられた。

論文

Nano-structure controlled polymer electrolyte membranes for fuel cell applications prepared by ion beam irradiation

八巻 徹也; 廣木 章博; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Neumann, R.*; 吉田 勝

JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 35, 2007/02

イオンビーム照射とエッチング処理により得たイオン穿孔膜に、さらに$$gamma$$線照射とグラフト重合を組合せた手法により新規な燃料電池用電解質膜を作製した。作製法は次のように行った。まず、$$^{129}$$Xeイオン(450MeV)を照射したPVDF(25$$mu$$m)を80$$^{circ}$$Cの9M KOH水溶液で50時間処理し、100nmの孔径を持つイオン穿孔膜を得た。次に、このイオン穿孔膜に$$gamma$$線を照射後、スチレンをグラフト重合し、スルホン化することにより電解質膜とした。グラフト率をコントロールすることにより、0.4$$sim$$2.2mmol/gのイオン交換容量を持つ電解質膜を得た。これらの電解質膜の膜面方向と膜厚方向のプロトン導電性を交流インピーダンス法で測定したところ、膜面方向は、イオン交換容量が1.7mmol/gまで測定限界以下であったが、膜厚方向ではイオン交換容量とともに増加した。これらの結果から、イオンビームを用いることで、一次元的なプロトン伝導経路を持つ異方導電性電解質膜を作製することができた。

論文

Effects of swift heavy ion irradiation on magnetic properties of Fe-Rh alloy

福住 正文*; 知見 康弘; 石川 法人; 鈴木 基寛*; 高垣 昌史*; 水木 純一郎; 小野 文久*; Neumann, R.*; 岩瀬 彰宏*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 245(1), p.161 - 165, 2006/04

 被引用回数:17 パーセンタイル:74.79(Instruments & Instrumentation)

Fe-50at.%Rh合金の高速重イオン照射を室温で行った。照射前後に、磁気特性を超伝導量子干渉計(SQUID)で、結晶構造をX線回折計(XRD)でそれぞれ測定した。また、試料表面近傍での照射誘起強磁性状態を評価するために、大型放射光施設SPring-8においてFe K吸収端近傍のX線磁気円二色性(XMCD)測定を行った。その結果、反磁性-強磁性転移温度以下でも高速重イオン照射によって強磁性状態が誘起され、そのときに格子が0.3%伸びることがわかった。照射した試料では強磁性に相当するXMCDスペクトルが得られ、これが照射イオンの質量や照射量に依存していることがわかった。電子励起及び弾性衝突によるエネルギー損失がFe-Rhの結晶格子及び磁気構造に与える影響について議論する。

論文

Anomalous shift of Curie temperature in iron-nickel invar alloys by high-energy heavy ion irradiation

岩瀬 彰宏; 浜谷 祐多郎*; 椋本 佳範*; 石川 法人; 知見 康弘; 神原 正*; M$"u$ller, C.*; Neumann, R.*; 小野 文久*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 209(1-4), p.323 - 328, 2003/08

 被引用回数:20 パーセンタイル:77.36(Instruments & Instrumentation)

鉄ニッケルインバー合金をGeV領域のZe,Uイオンで照射し、キューリー温度の変化を測定した。照射により、キューリー温度は上昇し、それは、イオンの電子的阻止能が増加するとともに増加した。この現象は、GeVイオン照射のもたらす電子励起によって結晶格子が膨張したか、あるいは、Niの局所濃度が増加したことで説明できる。

論文

${it S}$$$_{e}$$-scaling of lattice parameter change in high ion-velocity region (${it v}$ $$geq$$ 2.6$$times$$10$$^{9}$$ cm/s) in ion-irradiated EuBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{y}$$

石川 法人; 岩瀬 彰宏; 知見 康弘; 道上 修*; 若菜 裕紀*; 橋本 健男*; 神原 正*; M$"u$ller, C.*; Neumann, R.*

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 193(1-4), p.278 - 282, 2002/06

 被引用回数:8 パーセンタイル:48.08(Instruments & Instrumentation)

広い範囲のエネルギー(80MeV-3.84GeV)の重イオンを酸化物超伝導体EuBa$$_{2}$$Cu$$_{3}$$O$$_{y}$$に照射し、電子励起効果による格子定数変化を測定した。その結果、高速イオン速度のときにのみ、照射による格子定数変化は、電子的阻止能の4乗則に従い、低速になると、その法則からずれてくることがわかった。さらに、初期イオン化率を用いて解析すると、そのずれが解消され、全てのイオン速度において初期イオン化率のみに依存する、いわゆるクーロン爆発モデルを示唆する振る舞いが観測された。

論文

Specific heats of LaNi$$_2$$ and NdM$$_2$$ between 1-6 and 4°K

那須 昭一; Neumann, H. H.*; Craig, R. S.*; N.Mstzouk*; W.E.Wallace*

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 32, p.2788 - 2790, 1972/00

 被引用回数:5

抄録なし

論文

Specific Heats of LaIn$$_3$$, CeIn$$_3$$ and PrIn$$_3$$ at Temperatures Between 1$$cdot$$5 and 4$$cdot$$2$$^{circ}$$K

那須 昭一; Van Diepen, A. M.*; Neumann, H. H.*; Craig, R. S.*

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 32(12), p.2773 - 2777, 1971/00

 被引用回数:28

抄録なし

論文

Specific Heats of LaNi5, CeNi5, PrNi5, NdNi5 and GdNi5 Between 1-6 and 4°K

那須 昭一; Neumann, H. H.*; N.Mstzouk*; Craig, R. S.*; W.E.Wallace*

Journal of Physics and Chemistry of Solids, 32, p.2779 - 2783, 1971/00

 被引用回数:42

抄録なし

口頭

イオンビーム照射によるフッ素系高分子多孔膜の作製; 「イオン穿孔」のサイズ制御

八巻 徹也; 越川 博; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

no journal, , 

従来から検討がなされてきたPETなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回、イオン照射条件を変化させたりエッチング前処理を施したりすることによって、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜の孔径制御を試みたので報告する。厚さ25$$mu$$mのPVDF膜に対し、2.3GeV $$^{208}$$Pb, 450MeV $$^{129}$$Xe, 520MeV $$^{84}$$Kr, 388MeV $$^{58}$$Niイオンを1cm$$^{2}$$あたり3$$times$$10$$^{6}$$$$sim$$3$$times$$10$$^{8}$$個のフルエンスで照射し、前処理として大気中、120$$^{circ}$$C下の加熱を施した後で、80$$^{circ}$$Cの9M KOH水溶液に浸漬することにより穿孔膜を得た。2.3GeV $$^{208}$$Pb, 450MeV $$^{129}$$Xeなどの高LETビームの照射と前処理を併用することで、未照射部に影響を与えずに高速エッチングが可能となり、潜在飛跡と未照射部におけるエッチング速度の比で表される穿孔形成の感度は最大で21000という極めて高い値に達した。

口頭

イオンビーム照射によるフッ素系高分子多孔膜の作製; 「イオン穿孔」のサイズ・形状制御

八巻 徹也; Nuryanthi, N.; 越川 博; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

no journal, , 

従来から検討がなされてきたポリエチレンテレフタレートやポリカーボネートなどの炭化水素系高分子ではなく、フッ素系高分子からなるイオン穿孔膜に着目し、そのエッチング挙動や応用性に関する研究を進めている。今回は、穿孔形成の重要なパラメータであるエネルギー付与の大きさを計算によりあらかじめ予測し、その変化を利用してポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜における孔のサイズ,形状の制御を試みたので報告する。また、放射線分解生成物の挙動を並行して調べているので、その結果をもとにPVDF以外のフッ素系高分子(パーフルオロ体を含む)における穿孔形成の可能性についても言及したい。

口頭

イオンビーム照射によるフッ素系高分子多孔膜の作製; イオン穿孔のサイズ・形状制御

八巻 徹也; Nuryanthi, N.; 越川 博; 澤田 真一; 長谷川 伸; 浅野 雅春; 前川 康成; Voss, K.-O.*; Trautmann, C.*; Neumann, R.*

no journal, , 

本研究では、イオンによるエネルギー付与の大きさを計算によりあらかじめ予測し、その変化を利用してポリフッ化ビニリデン(PVDF)イオン穿孔膜における孔のサイズ,形状の制御を試みた。厚さ25あるいは100$$mu$$mのPVDF膜に対し、2.2GeV$$^{197}$$Au, 450MeV$$^{129}$$Xeイオンを照射した。80$$^{circ}$$C, 9M KOH水溶液による48時間の化学エッチングで得られる穿孔は、線エネルギー付与(LET)の大小に大きく依存し、$$^{129}$$Xeよりも$$^{197}$$Auの方が約1.6倍大きかった。TRIMコードによる計算結果によると、$$^{197}$$AuイオンによるLETは、深さ100$$mu$$mで約20MeV/$$mu$$mであるのに対し、それより深部ではビームエネルギーが失われるとともに減少し、深さ約130$$mu$$mでゼロとなる。このLETの急激な変化を利用するため、100$$mu$$m, 25$$mu$$m厚の順にPVDF膜を一枚ずつ重ねて$$^{197}$$Auイオンを照射し、2枚目(すなわち25$$mu$$m厚)の膜に対して化学エッチングを施した。こうして得られたイオン穿孔膜の表面,裏面における直径はそれぞれ232$$pm$$14nm, 117$$pm$$14nmとなったことから、LETの差により両面でサイズの違う円錐状の穿孔が作製できることが明らかになった。

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